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わたしの気になること 「多摩の未来の地勢図をともに描く」ワークショップ記録 レクチャー編/フィールドワーク編

発行日│2022.07.20

多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつさまざまな人々が協働、連携するネットワークの基盤づくりを進めるプロジェクト「多摩の未来の地勢図」の一環として2021年度に開催した連続ワークショップの記録集です。国内各地のさまざまなフィールドで活動するゲスト6名を招いたレクチャー編と、写真家・豊田有希をゲストアーティストに迎えたフィールドワーク編での議論を収録しています。別冊附録では、レクチャー編の内容をプロジェクトの関連メンバーが読み解きました。


首都東京を辺境として外から見ることを試みる、あるいは自分自身に執着する「わたし」を、辺境と定置き外から見ることを試みるとき、辺境としてのそれらを照らす光として、水俣、沖縄、福島、あるいは新潟といった、近現代の日本を支えた地に助けを借りたいと思います。水俣や沖縄、福島に立ち、その地の歴史を持って首都東京を見ること、東京あるいは多摩を相対化し、立脚点をずらし、視点を変えていくことで、これからの私の、私たちの暮らしについて、新しい眼差しを得ることができないか、あるいは、大変に遅まきながらであっても彼の地とのこれまでとは違う、一方的な搾取を超えた何かを紡ぐことができないかという願望に基づいた仮説でもあります。立脚点をずらしていくこと、その回転運動が血流をよくし、あるいは呼吸をしやすくするのではないか? 反転させてみること、あちら側からこちらを見ること、これらを成すために、アートは時に思いもよらない(危ういながらも確たる、そして変わり続ける事を肯定する)足場を提供します。(本書p.3)

目次

なぜ、多摩の未来の地勢図をともに描くのか?
宮下美穂(NPO法人アートフル・アクション事務局長)

レクチャー編
第一回 生きてきてくれてありがとう。安心と楽しいを一緒に育む
高橋亜美(社会福祉法人子供の家 ゆずりは所長)
第二回 揺らぎと葛藤を伝えるーー水俣病患者相談の今
永野三智(一般社団法人水俣病センター相思社職員)
第三回 ハンセン病療養所で描かれた絵画ーー国立療養所菊池恵楓園・金曜会の作品を見る
木村哲也(国立ハンセン病資料館学芸員、民俗学者)
第四回 分断のなかにつながりを発見するーーアートプロジェクト{つながりの家}と「旅地蔵」
高橋伸行(アーティスト、愛知県立芸術大学教授)
第五回 「なりたい自分になる」とは?ーー「カマボール」の企画・実施に携わって
松本渚(NPO法人釜ヶ崎支援機構職員、釜ヶ崎芸術大学運営チーム・かまぷ〜)
第六回 老い、ボケ、死に向き合うための「演劇」ーー劇団OiBokkeShiの活動からの提案
菅原直樹(俳優、介護福祉士、劇団「老いと演劇」OiBokkeShi主宰)

開催記録

別冊附録 語り合うことで見えてくることーーフィールドワーク試論

フィールドワーク編(講師:豊田有希)
第1回 黒岩地区で写真を撮るということーー「あめつちのことづて」の制作をめぐって
第2回 黒岩の暮らしのことーー黒岩地区にお住まいの方々と一緒に
第3回 多摩地域での制作①ーーリサーチを始めて
第4回 多摩地域での制作②ーー多摩ニュータウンと堀之内
第5回 「REBORN プロジェクト」坂本展①ーーさかもと復興商店街より
第6回 「REBORN プロジェクト」坂本展②ーー展示とその後
第7回 コンタクトシートなどについてーーフィールドワーク、リサーチでの気づきの残し方

※ PDFデータはレクチャー編とフィールドワーク編の2冊と別冊附録を、ひとつに統合したものです。

制作|特定非営利活動法人アートフル・アクション
スタッフ|宮下美穂、瀧本広子、森山晴香、井尻貴子
発行者|公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
図書設計|松田洋一