墨東エリアで開催されたアートプロジェクト『墨東まち見世2009』において展開された『墨東まち見世ロビー』は、劇作家の岸井大輔が、京島のキラキラ橘商店街にある店舗を借りて住みこみ、まち見世会期の100日間ノンストップで運営した場です。まち見世プロジェクト全体の案内所の役割を果たしながら、アーティスト、来場者、地域の人々を巻き込むことで、会期の終了後も自主的な活動が展開される場となるようあらかじめ目指されていました。岸井によれば、これは『東京の条件』と名付けられた連作のWORK1であり、上映時間100日間の演劇です。この本では、ロビーに関わる多様な人物と岸井がロビーを振り返り、そのコミュニケーションをなるべくそのまま再現し、ロビーの100日間が何であったかを検証する、ロビーの批評的記録です。
※本書は、東京アートポイント計画「岸井大輔プロジェクト『東京の条件』」(2009~2011年度)の一環として制作されました。
目次
この本について
WORK
作品という概念による試考
WORK1 対談 ティトス・スプリー×岸井大輔
キラキラたちばなし①天よし
WORK2 対談 石田喜美×柳沢望[前編]
キラキラたちばなし②さがみ庵
WORK3 対談 北川貴好×岸井大輔
キラキラたちばなし③味彩たかはし
THOUGHT
はじまりの記録の不可能性と必要性
ACT
活動を検討するための整理
ACT1 対談 武藤大祐×岸井大輔
キラキラたちばなし④みっちゃん
ACT2 対談 石田喜美×柳沢望[後編]
キラキラたちばなし⑤あん吉
ACT3 対談 三宅航太郎×岸井大輔
キラキラたちばなし⑥アンジェ
DATA
労働(LABOUR)による資料の記述
『墨東まち見世ロビー』とその周辺の作品・イベント
『ロビー通信』抄録
『墨東まち見世ロビー』周辺マップ&間取り図
あとがき