自分のアートプロジェクトをつくる

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志さん(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミナール形式の演習を行います。状況に対してどのような問題意識をもち、どのようにアクションしていけるのかを、アーティストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士でのワークを通して深めながら、自分のアートプロジェクトを構想していきます。自分の中から生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

ナビゲーターメッセージ(芹沢高志)

アートとはまずもって、個人個人の内面にこそ、決定的に働きかけてくるものだ。自分自身の問題と向き合うための術であるとも言えるだろう。

今、私たちは、歴史的にみても大変な時代を生きている。どこに問題があるのかわからない、いや、そもそも問題があるのかないのか、それさえもわからない時がある。こういう時はひとまず立ち止まり、何が問題なのか、自分の心に問うてみる必要がある。他人が言うからではなく、いかに些細な違和感であれ、自分個人にとっての問題を発見していくことが大切なのではないだろうか。自分にとって本当に大切な問いとはなんなのか? それを形として表現していくための力を、この演習を通して培っていければと思う。

ともに舟を漕ぎ出そうとする方々の参加を心待ちにしている。

「新たな航路を切り開く」に寄せて(芹沢高志)

来るべきディレクター、プロデューサーに向けて

2020年春、非常事態下のローマで、作家パオロ・ジョルダーノは「パンデミックが僕らの文明をレントゲンにかけている」と言っていた。まったくその通りで、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、これまで私たちが見ないふりをしてきたさまざまな問題を世界中で炙り出している。
エコノミスト、モハメド・エラリアンは、リーマン・ショック(2009)以降の世界経済は、たとえ景気が回復したとしても、以前のような状態には戻らないとして、「ニューノーマル」の概念を提唱し、これまでの考えではとらえることのできない時代の到来を予告していた。その彼が今、今回のコロナ・ショックをうまく乗り切ったとしても、世界経済のかたちを変えてしまうような新たな世界「ニューノーマル2.0」の時代がやってくるだろうと予測している。つまり、自らが提唱した「ニューノーマル」という新たな世界像さえ、次のステージに入って更新されねばならないような地殻変動が、現在、進行しているというのである。これは経済分野での指摘だが、確かに私たちは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故、新型コロナウイルス感染症パンデミック、ロシアによるウクライナ軍事侵攻と世界の分断と、激動する時代のなかで、ものの見方から行動様式に至るまで、さまざまな局面で本質的な更新を余儀なくされている。それはアート・プロジェクトについても同様で、私たちは今、アート・プロジェクトのあり方や進め方に関して、新たな時代に対応する変更を求められている。
しかしもちろん、これは現在進行形の設問であり、出来上がった解答があるわけではない。本シリーズは、次代を担うアート・プロジェクトのディレクター、プロデューサーたちに向けて、今生まれるべきアートプロジェクトの姿を学び合い、新たな航路を探し出し、自らの姿勢を確立してもらうために企画されたものである。
ニューノーマル2.0時代のディレクター、プロデューサーが、アートプロジェクトの新たな時代を切り開いていかねばならない。本スクールはそうした来るべきディレクター、プロデューサーたちの、旅立ちのための港になっていきたいと願っている。

2022年4月

自分のアートプロジェクトをつくる 2024

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「自分のアートプロジェクトをつくる」では、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミ形式の演習を行います。状況に対してどのような問題意識をもち、どのようにアクションしていけるのかを、ゲストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士のワークを通して深めます。演習の中で自身の経験や視点を共有していただくゲストは、梅田哲也(アーティスト)、矢野淳(合同会社MARBLiNG代表)、阿部航太(デザイナー/文化人類学専攻)。自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

詳細

スケジュール

10月6日(日)13:00〜17:30
第1回 イントロダクションと自己紹介

  • イントロダクション
  • 「新たな航路を切り開く」というテーマについて(芹沢高志)
  • 自己紹介

10月19日(土)13:00〜17:30
第2回 レクチャーとディスカッション

  • アートプロジェクトの考え方についてのレクチャー(森司)
  • ディスカッション

11月9日(土)13:00〜17:30
第3回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 梅田哲也によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

11月30日(土)13:00〜17:30
第4回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 矢野淳によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

12月7日(土)13:00〜17:30
第5回 中間発表

  • 構想中のプロジェクトの中間プレゼンテーション
  • フィードバック/ディスカッション
  • プロジェクトを深める

12月22日(日)13:00〜17:30
第6回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 阿部航太によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

1月18日(土)13:00〜17:30
第7回 ディスカッション

  • 構想中のプロジェクトについてディスカッション
  • 最終発表へ向け準備

2月1日(土)/2日(日)ともに13:00~18:00
第8回 最終発表

  • 自分のアートプロジェクトをプレゼンテーション
  • 講評(芹沢高志、森司)
  • これからのアートプロジェクトについてディスカッション

会場

アーツカウンシル東京(東京都千代田区九段北4丁目 1-28 九段ファーストプレイス5階)

参加費

32,000円(税込)

ナビゲーターメッセージ(芹沢高志)

アートとはまずもって、個人個人の内面にこそ、決定的に働きかけてくるものだ。自分自身の問題と向き合うための術であるとも言えるだろう。

今、私たちは、歴史的にみても大変な時代を生きている。どこに問題があるのかわからない、いや、そもそも問題があるのかないのか、それさえもわからない時がある。こういう時はひとまず立ち止まり、何が問題なのか、自分の心に問うてみる必要がある。他人が言うからではなく、いかに些細な違和感であれ、自分個人にとっての問題を発見していくことが大切なのではないだろうか。自分にとって本当に大切な問いとはなんなのか? それを形として表現していくための力を、この演習を通して培っていければと思う。

ともに舟を漕ぎ出そうとする方々の参加を心待ちにしている。