アートセンターのような《さいはての「キャバレー準備中」》(EAT&ART TARO)
2018.03.27
アートプロジェクトには、他ジャンルとの融合を図り、アーティストと市民の協働を可能にする多様な取り組みがあります。本シリーズ第3回は、食とアートを通して地域に関わる表現を行い、最近では市民の持続的なかかわりを生み出すための手法を模索するEAT&ART TAROさんをゲストにお迎えします。
おにぎりをおいしく食べるための運動会《おにぎりのための、毎週運動会》(いちはらアート×ミックス、2014年〜)、地元のお母さんたちがつくった食事を鑑賞者が味わうまでの一連の動きを演劇に仕立てた『上郷クローブ座レストラン』(大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ、2015年〜)など、これまで様々な地域でアートプロジェクトを行ってきたEAT&ART TAROさん。
去る10月22日まで開催されていた「奥能登国際芸術祭2017」では、《さいはての「キャバレー準備中」》を出品。会場にしたのは、見晴らしの良い海の眺望と、アールヌーボー調のしつらえが特徴の元レストランです。準備中のキャバレーという設定で飲食店の形態をとりつつ、アーティストが前面に出るのではなく、地元住民、観光客など、そこに集う人々のコミュニケーションや新たな活動を誘う場を生み出しました。興味深いのは、会期を終えてもこの場を残すことを目指し、地元住民が継続していける方法を模索している点です。今回はこの取り組みを事例として、アートプロジェクトの経緯や仕組みづくり、地元住民の反応や持続的にかかわる方法、今後のあり方などについて、お話を伺います。