芸術祭のためのノート

近年、日本各地で開催されている芸術祭には、文化施設等で展開される事業とは異なり、まちや地域で展開するアート活動における独自の知見が蓄積されています。しかし、数年に一度、一過性の「祭り」として実施する体制では、次の実践への知見が担い手の間で継承しづらい状況が生まれています。

本プログラムでは、これから芸術祭を担う人々が議論を重ねるための共通の基盤づくりを目指します。いま、芸術祭に取り組むことに、どのような意義があるのか。国際的な時流を読み解きながら、どのような方法を重視し、現場を組み立てていくべきなのか。あいちトリエンナーレ2016の芸術監督を務めた港千尋さんが、その経験と思考をまとめた『芸術祭ノート』を制作します。

アートプロジェクトの「言葉」に関するメディア開発:メディア/レターの届け方(2016→2017)

近年、日本各地で増加するアートプロジェクトにおいては、その実施プロセスや成果等を可視化し、広く共有する目的でさまざまな形態の報告書やドキュメントブックなどが発行されています。それらの発行物は、書店販売など一般流通に乗らないものも多いため、制作だけでなく「届ける」ところまでを設計することが必要となります。

またドキュメントブックは、一つひとつのプログラムのみならず、それを生み出した母体となる団体やプロジェクトの理念や文脈が込められています。複数のプログラムを抱える活動において、そこに通底する価値を広く社会に伝えることは重要です。

本プログラムではアートプロジェクトから生まれた「言葉」(報告書やドキュメントブックなどの発行物)の届け方の手法を研究・開発します。今年度はアーツカウンシル東京の取り組みから「東京アートポイント計画」「Tokyo Art Research Lab」「Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)」「TURN」を取り上げ、その発行物を届けるためのメディア開発(パッケージ及びレター)を行います。

東南アジアリサーチ紀行―東南アジア9カ国・83カ所のアートスペースを巡る

小川希(Art Center Ongoing代表)が2016年の3か月間、東南アジア9か国を巡り、83か所のインディペンデントなアートスペースをリサーチした旅の記録です。

もくじ

はじめに

Republic of the Philippines
01 Artery Art Space
02 Green Papaya Art Projects
03 Post
04 98B COLLABoratory
05 Kalye Art Gallery
06 Neo-Angono
07 Project 20
08 Los Otros
09 VOCAS (Victor Oteyza Community Art Space)
10 Ili-likha Artist Village
11 Gallery Orange
12 Kape ALBARAKO
13 Margaha Beach Resort
14 Kapitana Gallery
15 FitStop Bites and Bikes
16 Capricho Art Café
17 Turtle’s Nest-Republic of Indonesia
18 KRACK!
19 KUNCI Cultural Studies Center
20 Ruang MES 56
21 Cemeti Art House
22 Lifepatch
23 Ace House Collective
24 Lir Space
25 Rapermoon Puppet Theatre
26 Taring Padi
27 SURVIVE!garage
28 kebun bibi art books coffee
29 Kedai Kebun Forum
30 C2O library&collabtive
31 WAFT Lab
32 Forum Lengteng
33 Serrum
34 ruangrupa
35 Kineruku
36 PLATFORM3
37 Ruang Gerilya
38 Salasar Sunaryo Art Space
39 Tobucil&Klabs
40 Omuniuum-Thailand
41 Chiang Mai Art Conversation(CAC)
42 The Godung
43 Gallery Seescape
44 Angkrit Gallery
45 Art Bridge Chiang Rai
46 Ne’na Contemporary Art Space
47 The Land Foundation
48 Pongnoi Community Art Space
49 Maa in Soi
50 Lyla Gallery
51 Documentary Arts Asia
52 Ung Shop Gallery Film.
53 The Reading Room Bangkok
54 Speedy Grandma

Lao People’s Democratic Republic
55 i:cat gallery-Republic of the Union of Myanmar
56 New Zero Art Space
57 Studio Square-Thailand
58 Baan Noorg Collaborative Arts&Culture
59 Tentacles-Republic of Singapore
60 Post-Museum
61 Grey Project-Malaysia
62 Kelab Bangsar Utama
63 Rumah Titi
64  indars 無限發掘
65 HOM Art Trans
66 Live Fact
67 REAL WORKS
68 Lostgens’ Contemporary Art Space
69 Rumah Api-Socialist Republic of Viet Nam
70 Dia Project
71 GiantStep Urban Art Gallery
72 Sàn Art
73 The Factory Contemporary Arts Center
74 Zero Station
75 New Space Arts Foundation
76 Nhà Sàn Collective
77 Six Space
78 Manzi
79 Heritage Space-Kingdom of Cambodia
80 SA SA BASSAC
81 JavaArts
82 Sa Sa Art Projects
83 The 1961 Coworking and Art Space

おわりに

ART BRIDGE Issue 05 Spring 2017

Art Bridge Instituteは、アートが現代社会においてジャンルを横断しながら、人と人のつながりをつくり出してゆくことについて、その研究や実践に取り組んでいます。機関誌『ART BRIDGE』では、地域の問題に向き合い、交流を生み出すアートプロジェクトや、生きる技術としての「アート」のいまをリサーチします。

ロサンゼルスとメキシコに滞在し、未知なる文化の発信源をリサーチしながら、展示と編集を同時進行するプロジェクト『Transit Republicー越境芸術祭』。プロジェクトメンバーが訪れた美術館やギャラリー、活動拠点も紹介します。

もくじ

CONTENTS
Prologue
Transit Republic

Feature
2017年冬、25日間の旅路 江上賢一郎、キオ・グリフィス、関川 歩、服部浩之、港 千尋

Column
時間を平行に見る 港 千尋

Article
Field Notes From the Revolution:Activists Occupy Californiaʼs Imperial Valley Mike Davis

Pick up
Transit Republic Culture Selection

Epilogue
果てしない道の向こうへ 港 千尋

編集後記

ART BRIDGE Issue 05 Spring 2017

TRANSIT REPUBLIC|01―ART BRIDGE -special edition zine
Editor in Chief: Chihiro Minato
Printer: Maeda Printing Co. Ltd.,
Concept, cover art, design and edited by Kio Griffith

ART BRIDGE Issue 04 Autumn 2016

Art Bridge Instituteは、アートが現代社会においてジャンルを横断しながら、人と人のつながりをつくり出してゆくことについて、その研究や実践に取り組んでいます。機関誌『ART BRIDGE』では、地域の問題に向き合い、交流を生み出すアートプロジェクトや、生きる技術としての「アート」のいまをリサーチします。

特集は「創る 集まる 変えてみる」。編集長の港千尋が芸術監督を務めたあいちトリエンナーレ2016を入り口に、人が集まり創造する現場を訪ねながら、共同創造の新しいかたちを発見していきます。

もくじ

CONTENTS
Feature 01
コレクティブ・アジア 江上賢一郎
『コレクティブ・アジア─オキュパイ/ 生存権/ユーモア』ができるまで 服部浩之
行為からはじまるコレクティブ単語帳 コレクティブ·アジア プロジェクト·メンバー
都市の地層をなぞる ─釜山、歴史・アート・コミュニティ探訪記─ 江上賢一郎
インドネシア美術のコレクティブ史─“ワイルドな”メカニズム─ 廣田 緑
余白の時間を共有すること 江上賢一郎

Column 01
時を集めて 港 千尋

Report 01
『ART BRIDGE』に連れて行ってもらった
紙の上のプラットフォーム 関川 歩

Bridge Talk 11
ブリッジの作り方シリーズ11
トランスコンセプチュアル ─移動と想像の方法論─ キオ・グリフィス

Feature 02
まちへ繰り出す芸術祭

Report 02
まちの小さな記憶とつながる 大愛知なるへそ新聞編集部 関川 歩

Interview 01
芸術祭の「その後」をつくる Minatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]

Interview 02
「あいだ」を創造するまち育て 延藤安弘

Column 02
縁のなかの力持ち 港 千尋

Report 03
『ART BRIDGE』に連れて行ってもらった
行き交う橋、つなぐ出会い 町田恵美

Contribution 01
「どこ」を超えて「いま」を共有すること ~ライプツィヒ『日本の家』とネットワーク~ 大谷 悠

Contribution 02
汽水域にいきる 佐藤李青

Contribution 03
路地を再現する 交陪プロジェクトと精神地理学の行動 龔 卓軍

Column 03
心の地理学 港 千尋

Report 04
『ART BRIDGE』に連れて行ってもらった
故郷をめぐる旅 原亜由美

Report 05
生きる術としての知の共有 ~リーディンググループの実践~ 高野英江

Contribution 04
旅する八丁味噌 名古屋 八丁味噌編 関口涼子

編集後記

12class 2015冬号/2016秋号/2017春号

伊豆大島のさまざまな世代の方々をつなぐことを目的に、現在・過去・未来のあらゆる島の情報を集めながら、伊豆大島に暮らす人やかかわりのある人に話を聞くフリーペーパー。

2015冬号の特集は、みんなでパンをつくる黒潮作業所。2016秋号では、島だからこそ味わえる「島キャンプ」の醍醐味を、2017春号では、郷土料理から家庭の味まで、島の食卓をご紹介しています。

ROOM302

アートプロジェクトの担い手たちのラボ

「ROOM302」は、東京都千代田区のアートセンター「アーツ千代田3331」の3階にアーツカウンシル東京が開設し、2010年から2023年3月15日まで運営を続けていたアートプロジェクトの担い手たちの活動拠点です。

イベントやレクチャー、アーカイブ、打ち合わせ、あるいはさまざまな実験的な活動を試みる場として多くの人々が活用し、2020年には映像の収録・配信ができるスタジオ「STUDIO302」を開設しました。