場所をひらくことは何を生み出す?―物語が滲みあう場を立ち上げる
執筆者 : 浅見旬
2020.12.11
コロナ禍以降、他者との物理的距離をとりウイルスのような見えない存在と共生することが当たり前になった現在、まちなかに拠点のあるアートプロジェクトはどのように変化していくのでしょうか。アートプロジェクトの基盤となる「拠点」のひらき方について、わたしたちは考えを進める必要があります。
宮城県仙台市にある「嫁入りの庭」は、かつての嫁入り道具のように老人ホームに入居する人と一緒に引っ越してきた家具や植木、まちの記憶が宿った道具などが運ばれてくる場所です。かかわる人が限られ、閉鎖的になりがちな福祉施設が、どのようにまちと接点をもつことができるのか。こうした誰でも立ち寄れる場所をまちと施設の間につくることで、「かかわりしろ」を生み出そうとする試みから、拠点のあり方のヒントが得られるかもしれません。
今回は「嫁入りの庭」のある社会福祉法人ライフの学校の理事長の田中伸弥さんと、庭の設計を担当したtomito architectureの冨永美保さんと林恭正さんの3名をゲストに、庭づくりのプロセスやその背景にある想いについて話を伺います。
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