東京で(国)境をこえる

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和室のなかで、数人が身体を動かしワークショップをしている様子。手足を大きく広げて立っている人や、頭を抱えて小さくなっている人がいる
  • 共催事業

「見えない(国)境、壁」について考える

多くの在留外国人や海外にルーツをもつ人々が生活する東京。「東京には見えないことにされているさまざまな壁がある」という仮説をもとに、その「見えない(国)境、壁」について考えるプロジェクト。東京に生きる人々、特に海外ルーツの人々が感じている「個人と他者/社会/世界との境界」と、それにまつわる問題を探りながら、日常的に出会いが生まれる場づくりを目指す。

実績

2030年に社会を担う20~30歳と行うプロジェクト「kyodo 20_30」を中心に展開した、2019年度公募採択事業。活動拠点「経堂アトリエ」でのワークショップや、多文化共生に関するレクチャーや対話を重ね、そこでの気づきを海外にルーツをもつメンバーとともに作品にした。映像制作プログラム「ショットムービー」では、ベトナムや中国などさまざまな国籍のクリエイターが参加した。その成果発表として2021年度に世田谷区経堂にて「ここから展」を行った。

普段は意識できていない境界や断絶を考えるためのトークプログラム「サカイノコエカタ」ではさまざまな分野における越境者を招き、参加者と対面で議論。「当事者である/でない」という二項対立から自由になるためのヒントや、背景の異なる他者や場所とかかわろうとするときに見えてくることについて語り合った。

また、日本語が母語ではない人たちに向けて、「やさしい日本語」を使った参加者募集や活動レポートなどの情報発信を行った。こうした誰にでも伝わりやすい表現を探るなかで、結果的にメンバー内のコミュニケーションやプロジェクトのビジョンの精度も向上した。この試みは、ワークショップとして東京アートポイント計画の勉強会「事務局の事務局によるジムのような勉強会(ジムジム会)でも共有し、好評を博した。

東京アートポイント計画との共催終了後も、拠点として使用していた「経堂アトリエ」にて、「kyodo 20_30」の参加者だった20~30歳の若手表現者たちがさまざまなプログラムを行っている。また本事業をきっかけに、読書会やインタビュー、動画リレー企画など参加者によるスピンオフの活動が活発に行われ、コミュニティが育まれている。

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