P+ARCHIVE(ピー プラス アーカイブ)(2015)

「地域・社会に関わるアート」に関心のある市民や学生、研究者が情報収集をおこなうことができるアート・アーカイブを構築・公開する「P+ARCHIVEセンター」の運営と、アート・プロジェクトを記録、アーカイブ化するノウハウの提供を行うことで、「地域・社会にかかわるアート」のプラットフォームを創出することを目指しています。

2015年度はアーカイブを実践するための入門書『アート・アーカイブの便利帖』を制作しました。本書は、アーカイブの考え方やスキルを包括的に取り上げた『アート・アーカイブガイドブック β版』とアーカイブのスキルをツール化した『アート・アーカイブ・キット』の知見を活用しています。

旅するリサーチ・ラボラトリー - フィールドワークと表現 -(2014)

近年、アートの現場において、アーティストによるリサーチをもとにさまざまな作品が制作され、フィールドワークという言葉も本来の学術的な枠を越えて定着しつつあります。このラボでは、フィールドワークをベースとした作品を制作・発表しているアーティスト、mamoruと下道基行が、デザイナー丸山晶崇や公募により選出したリサーチ・アソシエイトと「旅するリサーチ・ラボラトリー」を結成。6月後半〜8月初旬の約2か月にかけて、作家や研究者だけではなく、独自のフィールドワーク的手法とアウトプットを実践している方々を訪ね、インタビューを行い、フィールドワークと表現の可能性について検証していきます。またリサーチの過程自体をひとつの旅とし、その間に集中的にグループ内でテーマに関する考察を行い、同時にアウトプットの実践として成果物を作成し、広く発信していきます。

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スケジュール

<活動報告会>
2014年8月10日(日)14:30〜16:30

インタビューで浮かび上がった言葉や全国のリサーチ先へと赴いた軌跡となるロードマップを振り返りながら、この旅によって得られた「フィールドワークと表現」について考察を深めるための手がかりについて、リサーチャーそれぞれの視点で語ります。

文化とクリエイティブ・コモンズの新しい関係

社会における情報のオープン化が進む昨今、アートプロジェクト等のアートの現場や文化機関では、オープンの流れをどのように捉え、取り入れていくべきなのでしょうか。

この講座では、先行事例紹介やワークショップを交えながら、ゲストとともにオープンの潮流を検証し、オープン文化の筆頭であるクリエイティブ・コモンズ(CC)と文化の新しい関係について理解を深め、文化の未来像について考えていきます。

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スケジュール

1月14日(水)19:00〜21:00
第1回 THEORY―オープン化する世界

CCを筆頭とするオープンの潮流は、どのようなエコシステムを形成し、社会にインパクトを与えているのでしょうか。事例紹介にとどまらず、そのエネルギーの原点を深堀りし、全体像を把握します。

ゲスト:ドミニク・チェン(起業家/研究者/NPO法人コモンスフィア 理事)、水野祐(弁護士/NPO法人コモンスフィア 理事)

2015年1月21日(水)19:00〜21:00
第2回 WORKSHOP―CCの活用

ワークショップ形式でCCの導入をシミュレーションし、導入することによって生じるメリット・デメリットや注意点について学ぶと同時に、CCの可能性を具体的に想起します。

ゲスト:水野祐(弁護士/NPO法人コモンスフィア 理事)、森隆一郎(東京文化発信プロジェクト室広報調整担当課長)

2月4日(水)19:00〜21:00
第3回 VISION―未来に向けて

オリンピックも控え、世界からの注目が高まる東京。日本文化の魅力の発信が問われるいま、多くの人と情報を共有するための「オープン」の施策はどうあるべきか、またそれによりどのような文化の未来像を描くことができるのかなどについて、幅広く議論します。

ゲスト:齋藤精一(株式会社ライゾマティクス代表取締役)

三宅島大学誌

2011年度から2013年度にかけて、東京都三宅島を舞台として展開された「三宅島大学」。「大学」というしかけを三宅島にて展開することで、講座を通じて人びとが出会い、のびのびと語らう学びの場をデザインし、コミュニケーションを誘発するとともに、島の魅力や地域資源を発掘・発信していくことを試みました。

『三宅島大学誌』では、関係者へのインタビューなどを通して、1年をかけて「三宅島大学」を振り返り、地域と人々のかかわり方、場づくりの可能性・限界などの視点から検証し、その研究成果を印刷物にまとめ広く還元していきます。本研究は、「三宅島大学」の監修者として3年間の企画運営に携わった加藤文俊さん(社会学者/慶應義塾大学環境情報学部 教授)を中心として進めていきます。

10月4日、「三宅島大学」の活動をより多くの方と共有し、検証する場として、公開研究会を開催します。加藤文俊さん、五十嵐靖晃さん(アーティスト)による三宅島大学の振り返りやエピソード紹介に加えて、大南信也さん(特定非営利活動法人グリーンバレー 理事長)より徳島県神山町におけるアートを基軸にした地域再生の事例を紹介していただきながら、アートプロジェクトが地域コミュニティに与える影響や、アートプロジェクトをを通じた場づくり、人づくりなどについて話し合います。

デジタルアーカイブプロジェクト最終報告会

東京アートポイント計画では、日々のプロジェクトの実践を記録に残し、その成果を広く共有するためのデジタルアーカイブのシステムの導入と運用に取り組んできました。今回の「デジタルアーカイブプロジェクト最終報告会」では、アーカイブの意義や可能性を考えるためのゲストを招いたクロストークと、本プロジェクトに参加した各団体より、それぞれの実践報告を行います。デジタルアーカイブへ取り組んだ1年間の試みの報告と検証を行います。

※本プロジェクトで活用したデジタルアーカイブのシステムは平成25年度の「アートプロジェクトのインパクトリサーチ」の一環として開発されました。その取り組みの詳細はこちらをご覧ください。

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スケジュール

2月2日(月)18:30〜21:30(開場18:00)

第Ⅰ部 クロストーク「生成を続けるシステムとしてのアーカイブ」

ゲスト:齋藤歩(学習院大学)
ホスト:須之内元洋(札幌市立大学)、熊谷薫(アートマネージャー)

第Ⅱ部 活動報告「東京アートポイント計画 デジタルアーカイブの実践」

今年度のデジタルアーカイブの取り組みへ参加したプロジェクトより、今年度の実践の工夫や成果を報告します。

報告プロジェクト

  • 三宅島大学誌
  • 長島確のつくりかた研究所
  • としまアートステーション構想
  • きむらとしろうじんじんの「野点」in 釜石・大槌
  • 旅するリサーチ・ラボラトリー
  • 小金井アートフル・アクション!

アートプロジェクトの「言葉」を編む(2014)

アートプロジェクトにまつわる「言葉」を集め、読み解き、編纂します。それによって、アートプロジェクトを実施、検証する上での理念や考え方の基盤を整備するプログラムです。その一環として、アートプロジェクトを語る上で重要となるテキストの著者を招き、その執筆意図や背景を聞き、読解するための公開研究会を行います。

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スケジュール

第1回 2014年12月10日(水)19:30〜21:30

参考テキスト

  • 「「脱美術館」化するアートプロジェクト」『社会とアートのえんむすび1996-2000』ドキュメント2000プロジェクト実行委員会、2001年、p.8-20
  • 「「もの」から「コミュニケーション」へ」『社会とアートのえんむすび1996-2000』ドキュメント2000プロジェクト実行委員会、2001年、p.116-127
  • 「OSとしての作家 作品制作より、場づくり、関係づくりを目指す。」『AERA』朝日新聞出版、1999年8月16-23日号、p.81
  • 「美大生のための「川俣正入門講座」」『美術手帖』美術出版社、1998年10月号、p.72-84
  • 『アートのみかた』BankART1929、2010年

※1990年代から2000年代にかけて、村田さんが執筆された複数テキスト、記事で取り上げられたアートプロジェクトを振り返りながら、その状況の変化や言葉の変遷を伺う公開インタビュー形式で行います。

ゲスト:村田真(美術ジャーナリスト)
ホスト:森司(東京アートポイント計画 ディレクター)
聞き手:佐藤李青(東京アートポイント計画 プログラムオフィサー)、海老澤彩・高橋かおり(リサーチャー)

第2回 2015年1月23日(金) 19:30〜21:30

参考テキスト

  • 「藤浩志 OSのアート」『美術手帖』美術出版社、1999年12月号、p.127-134
  • 『Report 藤浩志企画制作室』より記事を数本

※ 1990年代後半に藤さんが使いはじめた「OS」という言葉を中心に、当日のテキストとともに、その発想の動機や時代状況などを伺います。

ゲスト:藤浩志(美術作家/十和田市現代美術館館長)
ホスト:森司(東京アートポイント計画 ディレクター)
聞き手:佐藤李青(東京アートポイント計画 プログラムオフィサー)、海老澤彩・高橋かおり(リサーチャー)

アートプロジェクトにおける「音」の記録研究

アートプロジェクトにおける「音」の記録研究では、昨年度より「音」をテーマにしたアートプロジェクト『アートアクセスあだち 音まち千住の縁』を題材とし、一般的なコンサートなどの「音楽」の記録(録音・録画)ではなく、アートプロジェクトの現場で鳴らされた「音」の記録についての考え方や手法を研究してきました。

「音」の記録を通して、追体験とも異なる新たな価値を与えることができるのか。ゲストを迎え、さまざまな方法で取り組んだ2年間の研究を振り返りながら、今年度の研究対象である野村誠 千住だじゃれ音楽祭「千住の1010人」の記録を発表します。

P+ARCHIVE(ピー プラス アーカイブ)(2014)

「地域・社会に関わるアート」に関心のある市民や学生、研究者が情報収集を行うことができるアート・アーカイブを構築・公開する「P+ARCHIVEセンター」の運営と、アート・プロジェクトを記録、アーカイブ化するノウハウの提供を行うことで、「地域・社会に関わるアート」のプラットフォームを創出することを目指します。