ART BRIDGE Issue 02 Autumn 2015

Art Bridge Instituteは、アートが現代社会においてジャンルを横断しながら、人と人のつながりをつくり出してゆくことについて、その研究や実践に取り組んでいます。機関誌『ART BRIDGE』では、地域の問題に向き合い、交流を生み出すアートプロジェクトや、生きる技術としての「アート」のいまをリサーチします。

特集は「わたしたちの知 CIVIL KNOWLEDGE」。市民が自発的に調べ、学び、その成果を共有してゆく、ダイナミックなプロセスに注目します。

もくじ

CONTENTS
メディアとしての紙の力 江上賢一郎

普天間・辺野古ツアー
抵抗の現場から生まれる 言葉と知

真喜志親方のこと 岡本由希子

Interview 01
ここに身を置き生活するということ 阪田清子

Column 01
市民知の旅 港 千尋

水交社都市記憶ワークショップ 都市イメージの記憶を追う 龔 卓軍

Interview 02
リーディンググループの創造性 ダニエラ・カストロ、ゼイネップ・オズ

Interview03
アート「で」育まれる市民的知性 鷲田清一

Bridge Talk 05
ブリッジの作り方シリーズ05
写真の町シバタ とっておきの一枚が語るまちの記憶 原亜由美

Bridge Talk 06
ブリッジの作り方シリーズ06
せんだいメディアテーク 民話 声の図書室プロジェクト アクションとしてのアーカイブ 清水チナツ

Bridge Talk 07
ブリッジの作り方シリーズ07
Lat/Longプロジェクト 自分の居場所を物質化する 谷山恭子

Report01
墨東エリアにある「所在」を訪ねて 関川 歩

Column02
記憶の作り方 港 千尋

Report02
『ART BRIDGE』に連れて行ってもらった 関川 歩

ヤン衆の知恵 北海道 保存食編 端 聡

Column03
近代に耳を傾ける 港 千尋

編集後記

森の声 森のはこ舟セミナー2015 記録集

福島の森林文化に学び、遊び、考えるためのアートプロジェクト「森のはこ舟アートプロジェクト」で実施した、森について知るためのセミナーの記録集です。各回のテーマごとにゲストを招き、森と生きる知恵や森と共にある暮らしを学びました。

もくじ

1限目 伝統野菜
2限目 漆
3限目 狩猟

森のはこ舟アートプロジェクト2015 西会津×三島エリア協働プログラム「幻のレストラン~西方街道・海と山の結婚式」

かつて福島県西会津町と三島町を結ぶ「塩の道」として栄えた「西方街道」。福島の森林文化に学び、遊び、考えるためのアートプロジェクト「森のはこ舟アートプロジェクト」では、「食」をテーマに活動するアーティストERT & ART TAROと、料理研究家・食の翻訳家の木村正晃が、この街道の歴史や郷土料理などについて学びながら、1日限りの「幻のレストラン」を創り上げました。

もくじ

西方街道で海を想う
「海からの塩」 一品目 豆腐・塩
「海からきた山の食べ物」 二品目 えごねり・イカ人参・ニシンの山椒漬け
「ひしお漬け」 三品目
「こづゆちらし寿司」 四品目
「えご出汁櫃まぶし」 五品目
「えごデザート」 六品目

森のはこ舟アートプロジェクト2015

「森のはこ舟アートプロジェクト」は、福島県の豊かな森林文化をテーマとしたアートプロジェクトです。本書は、メンバーへのインタビューや各プログラムの活動報告を収録したドキュメントです。

もくじ

「森のはこ舟アートプロジェクト2015」年間スケジュール
開催概要
組織体制、開催エリア図

インタビュー「プロジェクトの中心のメンバーが語る森のはこ舟の理念とこれからの展望」 伊藤達矢×遠藤和輝×川延安直
インタビュー「なぜ、博物館でアートなのか?」 赤坂憲雄×小林めぐみ
福島県立博物館のアート事業の歩みと「森のはこ舟」誕生まで
インタビュー「事務局の役割とは、森を見渡すこと」 遠藤和輝

コアプログラム
インタビュー「町から森へ向かう独特のスピード感」 五十嵐恵太喜多方エリア
インタビュー「変化のきっかけをつくるということ」 矢部佳宏西会津エリア
インタビュー「アートの通じない町で、アーティストを受け入れる」 三澤真也三島エリア
西会津×三島エリア
猪苗代エリア
北塩原エリア

参考資料

2015年度学校連携共同ワークショップ 報告書

福島藝術計画 × Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)の一環として実施した「学校連携共同ワークショップ」の記録集。2015年度のワークショップでは、福島県出身の若手アーティスト3名を招いて、県内12か所の幼稚園から高校でワークショップを開催しました。

もくじ

おとなりアーティスト!
ごみりのべ(Waste Renovation)not RE CYCLE but NEW CYCLE!~リサイクルじゃない新しいサイクルを考えよう~ アサノコウタ
大地のえのぐで絵をえがこう! 佐藤 香
つなげて、つくって、テキスタイル! 坂内まゆ子

そらあみ ―松島湾—

「そらあみ」は参加者とともに漁網を編み上げ空に掲げることで、網の目を通して土地の風景を捉え直す、アーティスト・五十嵐靖晃によるアートプロジェクトです。『つながる湾プロジェクト』では、松島湾を囲む土地に記憶された物語を丁寧に紐解き、その地で暮らす人々とともにしたひと夏の活動をリーフレットにしました。

海底タイムカプセル松島湾

宮城県松島湾を舞台とした「つながる湾プロジェクト」の一環で開催した「海底タイムカプセル松島湾」のリーフレットです。参加者が書いた手紙(=記憶)をタイムカプセルに入れて松島湾に沈め、海の底で数年間の眠りについたのちに引き揚げ、もう一度参加者のもとに手紙が届けられます。

つながる湾プロジェクト リーフレット

『つながる湾プロジェクト』は、海からの視点で宮城県松島湾を再発見し、味わい、共有し、表現することを通して、現代では当たり前になっている「陸の視点」とは異なった見方で地域や人・時間のつながりを捉え直す試み。プロジェクトの概要をまとめたリーフレットです。

東京スープとブランケット紀行『ためらって、さまよって、とむらい』

演出家・劇作家の羊屋白玉を中心に、生活圏に起こるものごとの「終焉」と「起源」、そして、それらの間を追求するアートプロジェクトを展開した『東京スープとブランケット紀行』。市場の閉場、島民避難の歴史を持つ島……日々起きている、東京のなかの変わり目のそのときを「とむらい」ととらえ、活動を行った2015年度の記録です。

もくじ

「とむらい」のためのリハーサル
上田假奈代と羊屋白玉2016如月対談
「とむらい」について
東京スープとブランケット紀行とは

としまアートステーションZのつくりかた

アートを生み出すささやかな営み「アートステーション」をまちなかに出現させながら、多様な人々による、地域資源を活用した主体的なアート活動の展開を目指した『としまアートステーション構想』。

「としまアートステーションZ」(2014~2016年度)を舞台に、事務局スタッフ、アーティスト、プロジェクトメンバーの「オノコラー」 、そして、来場者とともに行ってきた日々の実践の記録です。多様な人が集まり、その交わりから新たな活動が生まれる場をつくるための工夫についてまとめています。

もくじ

「考える」編
1.としまアートステーション構想とは
2.この冊子について
3.としまアートステーションZとは
4.Zはこんな場所であってほしい
5.そのために何が必要か

「つくる」編
1.セルフカフェ・情報発信
2.作業日
2-1.作業日
2-2.作業グループ
3.アーティストによるプロジェクト 「EAT&ART TAROプロジェクト」

「残す」編
1.記録と評価の目的
2.記録と評価の方法

「まとめ」編
1.としまアートステーションZのつくりかた
2.作業日サポートガイドライン
3.スタッフの声(座談会)

付録 資料編
1.来場者一覧とアンケートの分析
2.オープン日、作業日、「EAT&ART TARO プロジェクト」実施日一覧