アートプロジェクトにおける記録・アーカイブ
2018.04.11
アートプロジェクトでは、アーティストやスタッフ、参加者など多様な人たちが関わり、一期一会の創造性に満ちた現場が生まれます。アーティストが時間をかけて築き上げた地域住民との関係性や、彼らの真剣な眼差し、場の一体感などは、現場に居合わせてこそ感じることができる貴重な瞬間です。しかし、それらの瞬間のすべてを記録することはできません。アートプロジェクトの価値を、参加がかなわなかった人や後世の人々に残し継いでいくためには、どのように記録やアーカイブを進めていけばよいのでしょうか。
シリーズ最終回となる第4回では、映像ディレクターの須藤崇規氏、アーカスプロジェクトコーディネーターの石井瑞穂氏、PARADISE AIRエデュケーター/コーディネーターの金巻勲氏をゲストに迎え、アートプロジェクトにおける記録・アーカイブのあり方を考えます。須藤氏は、チェルフィッチュ『ゾウガメのソニックライフ』(2011年)、あいちトリエンナーレ2013『ほうほう堂@おつかい』など、舞台作品やアートプロジェクトの写真・映像の記録撮影を多数担当しており、記録・アーカイブの様々なノウハウを持っています。また、アーカスプロジェクトは、茨城県守谷市で20年以上に渡りアーティスト・イン・レジデンスを行ってきました。PARADISE AIRは、2013年に千葉県松戸市で始動した比較的新しいプロジェクトです。いずれも毎年多くの国際色豊かなアーティストが活動を行っており、日々記録データを蓄積し、そのアーカイブや広報・ドキュメント制作などへの活用方法を模索しています。