多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつさまざまな人々が協働、連携するネットワークの基盤づくりを進めている『多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』において、2024年12月から2025年12月アーティストの弓指寛治さんが、昭島市立光華小学校4年2組、進級して5年2組に、生徒として滞在した記録です。
学校で過ごした弓指さんが見たこと、感じたこと、弓指さん自身について尋ねてみたことを中心に取りまとめました。また、最後の論考では、国家が教育を通して子どもをどのように取り扱っているか俯瞰しつつ、これからの子どもたち、私たちが生きる社会を考えます。
直接の当事者じゃない同級生達は「やばい」とか「最悪の日だ」とか「ほんとこのクラスやだ」とか口々に言っていたけど、どこか楽しそうでもある。彼ら彼女らがこれからも生きていって10年20年が経った時に思い出す小学校のことといえば今日なんじゃないかなと僕は考えていた。
(p.19)
目次
- 2 輝く礫はみんなの疾走を照らした 6年生のみんなへ
- 6 Ⅰ 応答すること 子どもたち+九鬼先生+かんちゃん
- 21 Ⅱ 例えば寄生虫のように大きな宿主の体内に入り込んで
勝手に自分のライフサイクルを作って生きてるみたいに-
弓指寛治インタビュー
- 25 Ⅲ 新自由主義の時代に生きる〜教育現場へ期待すること 戸舘正史
視覚言語(日本手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親を持つ聴者)が主体となり、一人ひとりの感覚や言語を起点とした創発の場(ホーム)をつくることを目指したラボラトリー『めとてラボ』の活動を見渡すことができる、4つ折りパンフレットです。
表面では、『めとてラボ』活動する上で大切にしている視点やコンセプトをまとめています。
裏面では、2025年度の取り組みを中心に、4つのプロジェクトを紹介しています。
めとてラボが大切にしているのは、「わたし」を起点にはじめてみること。文化や言語の異なりを認め合いながら、「わたし」を起点に、それぞれがふとした疑問や想像をかたちにし、つくりながら考えたり、記録やかたちを集め、耕していくための方法を考えています。
「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」をコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクト『めとてラボ』。本書は、その一環として実施しているプログラム「デフスペースリサーチ」の、これまでの成果をまとめたものです。
DeafSpace(デフスペース)とは、ろう者の感覚、視覚・触覚・嗅覚や独自の行動様式、そしてろう文化などを生かすデザインのこと。「デフスペースリサーチ」では、ろう者の「家」に着目し、ろう者が自らの身体感覚から手探りでつくりあげた空間設計の工夫や知恵を見つめてきました。
本書では、デフスペースの概念を紹介するとともに、リサーチで出会ったさまざまなデフスペースの特長や工夫、めとてラボの実践を、写真やイラストとともに紹介しています。
デフスペースが、従来のバリアフリーやユニバーサルデザインと大きく異なるのは、その出発点にあります。これまでの多くの配慮は、「聞こえないこと」を困難として捉え、その不便さを後から補う考え方に基づいてきました。一方、デフスペースは、ろう者の身体感覚や文化を前提とし、そこから空間を構想します。聞こえる人を基準とした空間に調整を加えるのではなく、異なる身体感覚そのものを中心に据えて考える試みだと言えます。
(p.2)
目次
- はじめに
- デフスペースデザインとは
- めとてラボのデフスペースリサーチ
- 名づけられる前のデフスペースを探して
- 公共の場に自分たちのホームをつくる
- デフスペースを考え、深める
- おわりに
アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』。このフリーペーパーは、まちに住む人に情報を発信、収集することで、これまでになかった縁がつながり、これからの活動のきっかけとなることを目指しています。
第4号のテーマは「大人たちは砂場遊び。」。ACKTでの活動や日本各地のさまざまな実践を、自由に想像力をはたらかせて砂で世界を作り出す「砂場遊び」のイメージに照らし合わせて、それぞれの「共創」のかたちについて紐解いています。
たとえプロジェクトが砂の城のように明日消えてしまっても、「自分でやった」という確かな手応えは身体に残り、「つくる」マインドは種として人々に継承されていきます。
(p.5)
目次
- ACKT’s ACTION(文:加藤健介)
- 埼玉県毛呂山町「新しき村」(文:加藤健介)
- 沢田マンションの情熱が、背中で私たちに伝えるもの(文:田尾圭一郎)
- ラジオ屋さんごっこ(文:関口太樹)
- 都市と異物の即興劇が私たちに伝えるものとは(文:川野歩里)
- それぞれの「砂場遊び」座談会(文:五十部未来)
- 編集後記(文:田尾圭一郎)
- 国立高校「私たち国高新聞部」
- 堀道広「たまたまブラブラ散歩」
- 「CAST」vol.5 安藤涼(一般社団法人 ACKT)
- 「LAND」vol.5 6okken
2025年10月、千住スポーツ公園を舞台に、参加型コンサートを開催。国内外各地から、ユニークな音楽家や公募演奏者が集まり、一日限りのパフォーマンスを披露しました。 タイトルの「キタ!」には、会場である「北」千住や、2014年から11年ぶりに帰って「来た」コンサート、そしてインドネシア語で「私たち」を意味する「KITA」など、さまざまな意味が込められています。
本映像は、2025年に千住スポーツ公園で開催された「キタ!千住の1010人」の記録映像です
詳細
- メメット・チャイルル・スラマット『Senja 2025』(2025)
- メメット・チャイルル・スラマット『Senju 2025』(2025)
6人の演奏家たちによるちょっと不思議なオープニング
- メメット・チャイルル・スラマット『調和の中の新しい文明』(2025)
石や風が奏でる原初的なリズムや音と、現代の音楽を組み合わせる挑戦
- アナン・ナルコン『うさぎとかめ――次世代編』(2025)
「うさぎとかめ」の子どもと孫世代の話が語られる、愉快な音楽劇
- 野村誠『キタ!千住の1010人』(2025)
10曲のだじゃれ音楽が次々に登場する、1010秒の音楽集
- ウン・チョー・グゥワン『マリ・キタ――音と踊り、歩みで描く』(2025)
会場いっぱいをパフォーマーが動き、音楽を生み出す
- 野村誠『千住宿1625 ミナミナ ! 千住の1010人』(2025)
演奏会全体を振り返るクロージング曲
無数のシャボン玉で見慣れたまちを光の風景に変貌させ、記憶を喚起するアートパフォーマンス「Memorial Rebirth (メモリバ)」。これまで千住で7回、西新井で1回、東加平で1回開催してきたメモリバは、今回の舎人公園で10回目の本番を迎えました。
本映像は、2024年に都立舎人公園 噴水広場で開催された「Memorial Rebirth 千住 2024 舎人公園」の記録映像です。
詳細
出演
【昼の部】大西健太郎(くるくるチャーミー)、富塚絵美(くるくるチャーミー)、島田明日香、メモリバ音楽隊、メモリバ学校参加者の皆さん
【夜の部】白井剛、野村誠、山崎阿弥
地域との連携や実践、課題に向き合う方法を考える文化事業の担い手のためのプラットフォームとして、Tokyo Art Research Lab(TARL)ウェブサイトを「tarl.jp」としてリニューアルしました。
これまでTARLで取り組んできた「プロジェクト」や、それらの活動にまつわる「レポート」、そこから生まれた書籍や映像などの「資料」、それらのつくり手となったさまざまな専門性をもつ「ひとびと」の一覧、東京アートポイント計画として実施してきた「共催事業」などを公開しています。
さらにP3 art and environmentと連携し、tarl.jpに蓄積した情報や、関連する出来事から、個人の活動とそれを取り巻く社会の連関を捉え、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるための「年表」機能を拡充しました。
海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内各所で映像制作のワークショップを行うプロジェクト『KINOミーティング』。本書は、2024年度の活動を英訳付きでまとめたアーカイブブックです。
2024年、KINOミーティングは多様な背景をもつメンバーとともに、約1年をかけてオムニバス映画『オフライン・アワーズ』と映画制作の背景を収めたメイキング映像『オフライン・アワーズ Behind the Scene』を制作しました。本書では、プロジェクトスタッフが映像制作の過程を克明に記述した「プロダクションノート」や制作メンバーによる言葉、作品レビュー等をとおして、プロジェクト全体を振り返り、記録しています。
「よい作品(を)つくることと、よい現場をつくることは、もう同じ重み。どっちかに傾いちゃダメ。よい作品をつくることを優先して誰かが傷ついたりとか、ものすごい負担がかかるっていうのはもうやめよう。もう一方で、ただよい現場をつくろうと思って、ただただ楽しく和気あいあいやってるだけだと、よい作品は多分できない」
(p.122)
目次
- KINOミーティングとは
- KINOミーティングの手法
- プログラム
- プロダクションノート/作品解説
- メンバーのことば
- レビュー
『めとてラボ』は、「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」ことをコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクトです。
2024年度は活動開始から4年目を迎え、ホームビデオ鑑賞会の開催や、「家」に潜むデフスペースデザインに関するリサーチ、手話独自の表現である「CL表現」に着目したワークショップの実施など、さまざまな活動を展開しました。これら1年間のプロセスを時系列にまとめ、一昨年度から発行している円形の冊子に束ねられるように仕立てた活動レポートです。
目次
- ホームビデオ鑑賞会
- デフスペースリサーチ
- めとてスタディシリーズ~CL勉強会~
- アソビバ
- 文化拠点
- めとてラボウェブサイト
多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつさまざまな人々が協働、連携するネットワークの基盤づくりを進めている『多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』が、奥多摩町立氷川小学校6年生と実施した探求の学習についての記録です。
探究の時間は、自分が暮らす町について、自分自身で問いをたて、調べ、探究していくというもの。2024年11月末から3月にかけて、15回の授業を行いました。大切にしたことは、身の周りを見回し、興味や関心を問うべき何かに深めていくこと、そして、それを人に伝えること、伝えることで生まれた新たな問いをまた問い直すこと。これらの時間を通して、子どもたちそれぞれの奥多摩が表現されました。
ひとつのことがわかっても、また新しい疑問が湧く。「問い」は追求すればするほど、増え、深まっていく。その過程に無限の楽しさがある。
目次
- 自分はどこに立っているんだろう 時間、空間の広がりから考える
- 問いを生むレッスン アンテナを立てる
- やってみる 問われることで問いが生まれる
- 調べたことと問いの関係 問いを深める
- 伝えてみる 問いを外に出してみる