東京アートポイント計画 ウェブサイト(2022年度〜)

地域社会を担うNPOとともにアートプロジェクトを実践する「東京アートポイント計画」のウェブサイトです。

このウェブサイトでは、東京アートポイント計画で共催してきた「プロジェクト」や関連資料を紹介しています。また、国際的な事業発信に向けて「英語ページ」を制作しました。

ACKT まちを舞台に編まれる芸術と文化

アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』。

さまざまなプログラムや取り組みを伝える表面と、国立市やその周辺エリアのマップを掲載した裏面で構成された8つ折りのペーパーメディアです。

わたしの気になること 「多摩の未来の地勢図をともに描く」ワークショップ記録 レクチャー編/フィールドワーク編

多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつ、さまざまな人々が協働するネットワークの基盤づくりを進める『多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』。その活動の一環として2021年度に開催した連続ワークショップの記録集です。

さまざまなフィールドで活動するゲスト6名を招いたレクチャー編と、写真家・豊田有希をゲストアーティストに迎えたフィールドワーク編を収録。別冊附録では、レクチャー編の内容を読み解きました。

首都東京を辺境として外から見ることを試みる、あるいは自分自身に執着する「わたし」を、辺境と定置き外から見ることを試みるとき、辺境としてのそれらを照らす光として、水俣、沖縄、福島、あるいは新潟といった、近現代の日本を支えた地に助けを借りたいと思います。水俣や沖縄、福島に立ち、その地の歴史を持って首都東京を見ること、東京あるいは多摩を相対化し、立脚点をずらし、視点を変えていくことで、これからの私の、私たちの暮らしについて、新しい眼差しを得ることができないか、あるいは、大変に遅まきながらであっても彼の地とのこれまでとは違う、一方的な搾取を超えた何かを紡ぐことができないかという願望に基づいた仮説でもあります。立脚点をずらしていくこと、その回転運動が血流をよくし、あるいは呼吸をしやすくするのではないか? 反転させてみること、あちら側からこちらを見ること、これらを成すために、アートは時に思いもよらない(危ういながらも確たる、そして変わり続ける事を肯定する)足場を提供します。

(p.3)
もくじ

なぜ、多摩の未来の地勢図をともに描くのか?
宮下美穂(NPO法人アートフル・アクション事務局長)

レクチャー編
第一回 生きてきてくれてありがとう。安心と楽しいを一緒に育む
高橋亜美(社会福祉法人子供の家 ゆずりは所長)

第二回 揺らぎと葛藤を伝える−水俣病患者相談の今
永野三智(一般社団法人水俣病センター相思社職員)

第三回 ハンセン病療養所で描かれた絵画−国立療養所菊池恵楓園・金曜会の作品を見る
木村哲也(国立ハンセン病資料館学芸員、民俗学者)

第四回 分断のなかにつながりを発見する−アートプロジェクト{つながりの家}と「旅地蔵」
高橋伸行(アーティスト、愛知県立芸術大学教授)

第五回 「なりたい自分になる」とは?−「カマボール」の企画・実施に携わって
松本渚(NPO法人釜ヶ崎支援機構職員、釜ヶ崎芸術大学運営チーム・かまぷ〜)

第六回 老い、ボケ、死に向き合うための「演劇」−劇団OiBokkeShiの活動からの提案
菅原直樹(俳優、介護福祉士、劇団「老いと演劇」OiBokkeShi主宰)

開催記録

別冊附録 語り合うことで見えてくること−フィールドワーク試論

フィールドワーク編 講師:豊田有希
第1回 黒岩地区で写真を撮るということ−「あめつちのことづて」の制作をめぐって
第2回 黒岩の暮らしのこと−黒岩地区にお住まいの方々と一緒に
第3回 多摩地域での制作①−リサーチを始めて
第4回 多摩地域での制作②−多摩ニュータウンと堀之内
第5回 「REBORN プロジェクト」坂本展①−さかもと復興商店街より
第6回 「REBORN プロジェクト」坂本展②−展示とその後
第7回 コンタクトシートなどについて−フィールドワーク、リサーチでの気づきの残し方

*PDFは、「レクチャー編」と「フィールドワーク編」の2冊と別冊附録をまとめたものです。

くるとのおしらせ

神津島を舞台にしたアートプロジェクト『HAPPY TURN/神津島』の企画や、島の伝統、伝承、地域文化などを発信する定期刊行物です。2021年度までに28号を発行しました。活動拠点である「くると」での配布のほか、島内の各世帯へ一斉配布されています。

*クレジットは最新号のものです。

テレビノーク

東日本大震災以降、仙台を拠点として、災禍にまつわる記録を活用し、体験を語り継ぐための実践を行ってきた一般社団法人NOOK。2022年から活動拠点を東京に移し、これまで培ってきた知識や技術をいかし、災間期を生きるためのアートプロジェクト「カロクリサイクル」をスタートしました。

オンライン番組『テレビノーク』では、各地の災禍のリサーチや記録活動に携わる担い手などさまざまなゲストを迎え、知見や技術を共有し合う場をつくります。

詳細

放送日時

2022年7月より、月1回程度配信

視聴方法

番組はYouTubeチャンネルでのライブ配信とアーカイブ映像の視聴が可能です。

関連リンク

「テレビノーク」のレポートをカロクリサイクルの公式noteで公開しています。

旗を立てる―「東京で(国)境をこえる」3年間の記録

『東京で(国)境をこえる』は、多くの在留外国人が生活する東京において、「見えない国境(壁)」は存在するのかという問いを出発点に、異文化間の距離や接点を探り、在留外国人と日本人の日常的な出会いの場を生み出すことを目指すプロジェクトです。活動記録や制作物など、プロジェクトの3年間の記録を一冊にまとめました。

人と人とが体の底に共通して持つ交歓する力と笑顔とで、多くの人がより生きやすい社会を作りたい。そしてそれは、考えや理念を同じくする者同士ではなく、異なる他者が協働する歓びを知ったその先にあるのではないか。

(p.3)
もくじ

はじめに

Chapter 1  活動の記録 振り返って見えるもの
「東京で(国)境をこえる」準備会(2019〜2020)
「kyodo 20_30」(2020年度)
2020年度活動記録
「kyodo 20_30」(2021年度)
2021年度活動記録
「ここから展」
「意味をこえる身体へ:ショットムービープログラム」
「新大久保お散歩学派」
「話しあうプログラム サカイノコエカタ」

Chapter 2  制作物
2020年度
 「東京で(国)境をこえる」ロゴマーク
 「東京で(国)境をこえる」ホームページ(2020年度)
 「kyodo 20_30」制作ノート 01〜04
 「東京で(国)境をこえる」2020年度活動記録
2021年度
 「東京で(国)境をこえる」ホームページ(2021年度)
 「東京で(国)境をこえる」活動紹介カード
 「話しあうプログラム サカイノコエカタ」フライヤー
 kyodo 20_30 成果発表会「ここから展」フライヤー
 「東京で(国)境をこえる」はなんですか?(活動紹介動画)

事務局座談会
おわりに

YATOの絵本

『500年のcommonを考えるプロジェクト「YATO」』は、「すべて子ども中心」を理念とする『しぜんの国保育園』や東向山簗田寺を取り巻く町田市忠生地域の里山一帯を舞台に、地域について学びながら、500年後に続く人と場のあり方(=common)を考えるアートプロジェクトです。

本書は、YATOで大切にしていることやその活動イメージを、小学生に思い描いてもらえるように、YATOの活動で生まれたキャラクターや地域リサーチで学んだ年中行事などを絵本にしたものです。こどもから大人まで、「YATOの絵本」を手に取った方が、YATOが目指す「500年続くお祭り」を、一緒につくっていく仲間になってくれることを願っています。

こもれびに集う人と人 谷あいに響く声と声 土地の自然を体に感じ、文化を未来に手渡していく遠い昔から形づくられてきた谷戸の地で、500年続くお祭りが新たにはじまります。

もくじ

YATO図鑑
YATOの年中行事
YATOのあゆみ

YATOの郷土詩

『500年のcommonを考えるプロジェクト「YATO」』は、「すべて子ども中心」を理念とする『しぜんの国保育園』や東向山簗田寺を取り巻く町田市忠生地域の里山一帯を舞台に、地域について学びながら、500年後に続く人と場の在り方(=common)を考えるアートプロジェクトです。

本書は、YATOの活動の一つ、忠生とその周辺に暮らす人たちに話を聞く「聞き書き」の記録をまとめたものです。この土地に生きたひとり一人の記憶を、500年先まで受け渡していこうと模索しながら、人々の語りを「郷土詩」というかたちに紡ぎ直しました。

語り手の姿をおぼろげにし、語られた時代を混在させることで、この土地が育んできた詩(うた)を浮かび上がらせることはできないか

(p.5)
もくじ

はじめに

第一章 龍の池
第二章 損な時代に生まれて
第三章 ある冬の情景
第四章 うちの親父のこと
第五章 新しい暮らしの古い習わし
第六章 騙すもの騙されるもの、食べられるものみんな
第七章 馴染んでゆく台所
第八章 この坂の上から
第九章 この谷の下から
第十章 流れを変える
ある視点1
第十一章 新しい人たち
やとのかんそく①
ある視点2
第十二章 緑はどこへ行った
やとのかんそく②
第十三章 光の池

おわりに

ファンファン倶楽部 「やってみる時間」をやってみるための本

これまで当たり前だと思っていた考えを解きほぐす「対話」を生み出し、地域の文化資源の活用から「学びの場」 を創出する『ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―』。その一環で実施している「ファンファン倶楽部」は、「安心して楽しく“もやもや”しよう」を合言葉に、気になること、やってみたいことをメンバーが持ち寄り、実験的なワークショップやディスカッションを行う企画。持ち寄ったものを全員で共有し、実践することで、めいめいの当たり前を解きほぐす方法を模索する取り組みです。

とにかく、一旦手を動かして目の前に現れた何かを見ることで、想像の通りにはいかないことがわかったり、そこから意外なことを思いつくことができたりする。

(p.1)
もくじ

はじめに
ファンファン倶楽部のあゆみ
これまでのやってみる時間
「私たちのエッセイを書く」でみんなが書いたエッセイ
おわりに

アートと名付けられない創造力へ向かって 「ファンタジア!ファンタジア!」が墨田で考えていること

それまで当たり前だと思っていた考えを解きほぐす「対話」を生み出し、地域の文化資源の活用から「学びの場」 を創出する『ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―(通称ファンファン)』。プロジェクトを実践するなかで感じた、アートに近接する、まちづくり、福祉、ケア、教育などとのあいだのモヤモヤについて言葉を綴りました。2021年度の活動記録に加え、ゲストとの鼎談や事務局メンバーの座談会等も収録しています。

微弱な創造力を、まちの中で、あるいは歴史の中で見つけていくためには、今まで自分たちが当たり前に信じてしまっていた「アート」の価値観やアートプロジェクトのある種の型について再考し、ときにはそれらを思いきって手放すことも必要でした。そうやって自分たち自身の〝当たり前〞 を疑い、想像の限界を更新していく作業こそが、ファンファンにとってのアートであり「安心して自分自身が変われる技術」だと言えるものです。

(p.13)
もくじ

はじめに 小さくやわらかな実践に引き寄せられて

Chapter 1
活動紹介:トナリのアトリエ

Chapter 2
座談会:社会課題を解決するとき、アートはどこにあるか?
―「活動」と「作品」の線引きをめぐって

Chapter 3
コラム:セツルメント運動から考えるアートプロジェクトの現在

Chapter 4
座談会:「手前から考える」ことから歩きだす
―2021 年度の活動を振り返って

おわりに 不確かさをひらき続ける意思表明として