2011年7月にはじまったArt Support Tohoku-Tokyo(東京都の芸術文化による被災地支援事業)。事業を立ち上げから担当してきたプログラムオフィサーの佐藤李青が、この10年の経験を、11の出来事から振り返ります。
震災からの10年はあっという間に過ぎた。東北の地では、いまも震災後の時間が続いている。そして、いまや世界中が新たな災禍の渦中にある。これからの10年は、どうなるのだろうか?先のことはわからない。それでも、わたしたちはすでに知っていることがある。
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もくじ
はじめに
非常時と平時に違いがあるのだろうか?
えずこホール
連携は実践からつくられる
ARC>Tと10-BOX
表現には現れてくるタイミングがある
「福島大風呂敷」と《Like a Rolling Riceball》
地域の文化の種を播く
福島県立博物館
土地の文化をアートで引き継ぐ
『森のはこ舟アートプロジェクト』
人と人が生きるための術すべを見出す
対話工房と女川常夜灯
異なる人たちと「はじまり」をつくる
『つながる湾プロジェクト』
「関係性の被災」を紡ぐ
マイタウンマーケット
民俗芸能は「日常」を取り戻す手立てになる
雄勝法印神楽と鵜鳥神楽
成果を実感するには、時間がかかる
きむらとしろうじんじんの「野点」と「ぐるぐるミックス in 釜石」
記録は人のかかわりから残される
「復興カメラ」と「ランドスケープ|ポートレイト」
終わりに 災禍のなかで語り出すために