「移民」の若者たちを異なる文化をつなぐ社会的資源と捉え、アートプロジェクトを通じた若者たちのエンパワメントを目的とする『Betweens Passport Initiative』。東京アートポイント計画では2016年から3年間、一般社団法人kuriyaと共にプロジェクトを展開しました。
本書はkuriyaの代表理事・海老原周子が、これまでの自身の取り組みから見えてきたものをまとめた一冊です。外国ルーツの若者を取り巻く現状やワークショップの現場で見えてきた課題、次の10年に向けて取り組むべきことの提案などを、活動の記録とともに記しています。
「共につくる・共に歩む」
(p.25)
と、言葉ではきれいにつづることができても、現実はそんなに簡単ではない。たくさんの乗り越えられない壁や理解できない互いの違い、そういったものに戸惑い、ぶつかり、限界を感じながら、それでも歩んでいかなければならない。その中でどれだけ共通の記憶を持つことができるかが、多文化共生を進めていく中で一つの鍵を握っていると考えられる
もくじ
まえがき
序章 きっかけとしてのアート体験
第1章 2019年までの状況と課題
第2章 社会包摂の仕組みを考える
第3章 コロナ危機における外国ルーツの子供たち
第4章 活動のきろく
終章 今から10年後の2030年になったら