共通: 年度: 2022
宮山香里
田中麻子
西郷絵海
宮川亜弓
平田誠
安藤涼
加藤健介
応答するアートプロジェクト|ケーススタディ・ファイル
アートプロジェクトを詳細に見ることで、社会状況との連関を捉える
この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。
「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志さん(P3 art and environment 統括ディレクター)です。
ここでは、2011年以降に生まれた多様なアートプロジェクトを取り上げ、どのようにプロジェクトが発生し、続いてきたのか、これからどこへ向かおうとしているのかを実践者が語ります。ひとつひとつのアートプロジェクトを詳細に見ていくことで、社会状況とアートプロジェクトとの連関を捉えます。
2023年度 ラインアップ
スケジュール
【9月6日(水)公開】
File 09 釜ヶ崎のおじさんに教わった
ゲスト:上田假奈代(詩人/詩業家)
「学び合いたい人がいれば、そこが大学」として、2012 年より大阪市西成区釜ヶ崎でスタートした「釜ヶ崎芸術大学」。11年目を迎え、地域のさまざまな施設を会場に、天文学、哲学、美学など、年間約100の講座を開催しているこの大学のはじまりと、活動の広がりと出会い、これからの構想について。
【9月20日(水)公開】
File 10 大風呂敷を広げる
ゲスト:山岸清之進(プロジェクトFUKUSHIMA! 代表/ディレクター)
2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、福島出身/在住の音楽家と詩人を代表とし、集まった福島県内外の有志によって立ち上げられた「プロジェクトFUKUSHIMA!」。各地から集まった布を縫い合わせた色とりどりの大風呂敷とともに広がるプロジェクトの変遷と現在について。
【10月4日(水)公開】
File 11 旅人として回路をつくる
ゲスト:小森はるか+瀬尾夏美(アートユニット)
2011年3月、ともに東北沿岸へボランティアに行ったことをきっかけに活動を開始したアートユニット小森はるか+瀬尾夏美。各地での対話の場づくりを行いながら、風景と人びとのことばの記録を軸に作品制作を続けるふたりの、活動を通した気づきや、広がりについて。
【10月18日(水)公開】
File 12 その場に”置かせてもらう”ために
ゲスト:平野真弓(Load na Dito Projects共同設立者/キュレーター)
フィリピン・マニラを拠点にインディペンデント・リサーチャー、キュレーターとして活動し、文脈に根付いたキュレーションの方法を探っている平野真弓さん。10年の活動から得たその土地の歴史や風土、社会と寄り添いながらリサーチを行う際の態度と向き合い方について。
【11月15日(水)公開】
File 13 声を刻む
ゲスト:A3BC(木版画アート・コレクティヴ)
反戦、反核をテーマに木版画を集団制作し、アート・アクティヴィズムを実践するアート・コレクティヴ 「A3BC」。個人が有機的につながる「コレクティブ」という形で、参加する誰もが自分の中の問いをもちより、対話し、表現することにチャレンジできる場をつくりだす、その草の根的な実践について。
※Tokyo Art Research Lab YouTubeチャンネルにて公開しています。
※プログラムは変更となる場合がございます。
年表を作る 2011年以降のアートプロジェクトを振り返る
実践者の視点から10年の軌跡を辿り、新たな時代を思考するための手がかりを探す
この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。
「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志さん(P3 art and environment 統括ディレクター)です。
ここでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトを俯瞰し、年表を制作します。同シリーズでのプロジェクト「アートプロジェクトと社会を紐解く5つの視点」や、「ケーススタディ・ファイル」、演習ゲストとの対話の中で得た実践者たちの視点も組み込みながら、社会にひらかれ、成長を遂げるものとして更新していきます。年表をつくるなかで、プロジェクト間のつながりや、社会との関係、コミュニティとのかかわりなど、新たな分類が見えてくるはずです。
詳細
進め方
- 「新たな航路を切り開く」の各プログラムの進行に合わせて、リサーチメンバーで内容を検討しながら年表を制作
- 2011年以降のアートプロジェクトについての事例を調査
- 社会的な出来事とアートプロジェクトの連関を検討
- 10年を俯瞰する年表として事例を精査し、整理
- 年表から見えてくるトピックを洗い出し、「新しい文脈」の発見
- ウェブサイトでの年表の実装方法を検討