カロクリサイクル

BACK
第五福竜丸の展示を見る15人くらいの参加者のグループの様子
  • 共催事業

カロク(禍録)をめぐる表現とネットワーク

各地に蓄積されてきた「過去の災禍の記録=禍録(カロク)」を読み込み、現在に応用するためのプロジェクト。災禍の歴史をたどり、地域の歴史を掘り起こし、それらに向き合う人々と出会い、話し合い、ワークショップや展示を通じて表現を行う場をつくることから、災間期をともに生きるためのネットワークづくりを目指している。

実績

東日本大震災以降、仙台を拠点として、災禍にまつわる記録を活用し、体験を語り継ぐための実践を行ってきた一般社団法人NOOK。2022年から活動拠点を東京に移し、これまで培ってきた知識や技術をいかし、災間期を生きるためのアートプロジェクト「カロクリサイクル」をスタートさせた。

2022年度は、「リサーチ」と「ネットワークの形成」を主軸として、事業発信やワークショップを実施。都内の災禍にまつわる歴史を探るため、東京都慰霊堂や都立第五福竜丸展示館など戦災や震災、水害等に関する施設への訪問やまち歩き、活動関係者へのヒアリングを行い、そこで得た気づきや考えをnote『カロク採訪記』で定期的に発信。ワークショップ参加メンバーも執筆に加わり、さまざまなネットワークが広がりつつある。オンライン番組『テレビノーク』では、各地の災禍のリサーチや記録活動に携わる担い手などさまざまなゲストを迎え、知見や技術を共有し合う場をつくった。

また、過去の記録に触れたり、実際にリサーチや記録したりする活動を通して、新たな表現をつくるワークショップ「記録から表現をつくる」も開催した。絵画やテキストなどの記録物から表現を試みている実践者とフィールドワークを行ったり、参加者が関心のあるテーマを設定し、リサーチや制作を進め、記録から生まれる表現を探ったりすることに挑戦。2023年度には有志が自らの関心をかたちにする展示も行った。

そのほか、ふたつ以上の土地をオンラインでつなぎ、同時に映像や本などの資料を見て、ディスカッションを行う「カロク・リーディング・クラブ」や他団体と協働しながら江東区を中心とした災禍・防災・まちづくりに関する勉強会も実施しながら、対話を重ねるための場づくりと地域に根ざしたネットワークづくりを試みている。2023年度には東京と名古屋をオンラインでつなぎ関東大震災と伊勢湾台風の記録を読んで対話を行ったほか、「てつがくカフェ」を開催した。

2023年度からは江東区・大島四丁目団地内に構えた拠点「Studio 04(ぜろよん)」を中心に活動を行った。オープン時には「窓」を巡る語りと写真で構成した展覧会「とある窓」を開催。公募で集まったリサーチャーは地域の人たちに話を聞き、文章にまとめ、展示用の冊子づくりまで行った。開室日には、年代や国籍の異なる住民たちがゆるやかに過ごす場所になっている。

関連記事

誰もが「災禍の記録」を語り、きくことで、記憶は生き続ける——瀬尾夏美「カロクリサイクル」インタビュー

SHARE
共催年度
2022年度~
実施エリア
江東区ほか
共催団体名
一般社団法人NOOK

※ 本事業はNPOとの共催です。

ウェブサイト

共催年度