全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子(マイティ)さんによる、会話を中心とした美術鑑賞の方法を「会話型美術鑑賞(しゃべりながら観る)」と名付け、紹介した冊子です。二人のこれまでの活動や、作品を介して、時間と場を共有しながらコミュニケーションをとることの面白さを紹介しています。巻末には、実際に会話型美術鑑賞を行うときのコツや、紙上鑑賞会のための図版も掲載しています。
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誰かと一緒に美術館に行くと、その人と近くなる感覚はある。個人的な話が出るだけでなく、時間と場を共有することが大きいのではないだろうか。作品を鑑賞するという得体のしれない共通のテ―マがあると、自然と仲良くなってしまうのかもしれない。
(p.20)
目次
全盲の美術鑑賞って、どういうこと?
はじめて美術館に行ったのは、彼女とのデートでした。
現代美術との出会いが、わたしを変えてくれた。
盲人らしくないことがしたかった。
白鳥さんに作品を説明しても、ほとんど無反応でした。
作品を観た人の印象や思い出を知りたい。
会話しながら観ると、驚きと発見の連続です。
饒舌ではないからこそ、自由に考える隙間がある。
美術館では自分らしくいられる。
「わからない」からこそ楽しい。
しゃべりながら観るのが当たり前!?
なんでしゃべるんだろう? 白鳥建二×佐藤麻衣子
白鳥流 会話型美術鑑賞のすすめ
白鳥流 会話型美術鑑賞をやってみよう!
美術館は温かい場でありたい 逢坂 恵理子(国立新美術館長)
あとがきに代えて 森司(Tokyo Art Research Lab ディレクター)