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東京アートポイント計画 2017年度公開報告会(APM#05)

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2018.03.30

執筆者 : 東京アートポイント計画

東京アートポイント計画 2017年度公開報告会(APM#05)の写真

アートプロジェクトの現場から、1年間の成果を発表!

2018年3月25日、アーツカウンシル東京にて、「Artpoint Meeting #05 -公開報告会-」を開催しました。東京都内各地でアートプロジェクトを展開してきた東京アートポイント計画の参加団体と担当プログラムオフィサーが、2017年度の活動について公開プレゼンテーション。それぞれのプロジェクトから、どんな出会いと悩みが生まれたのでしょうか?

1年間の活動を振り返りながら、改めて、日常や社会に芸術文化が果たしえる可能性について考え、ことばを紡ぎました。当日の様子をご紹介します。

*各プロジェクトの概要については、イベントページやプロジェクトの公式ウェブサイトをご覧ください。

東京アートポイント計画の1年

報告会の冒頭では、アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー・大内伸輔が、2017年度全体を振り返りました。これまでに45の団体と36のアートプロジェクトを実施してきた東京アートポイント計画。今年度は11のアートプロジェクトをNPOとともに共催しました。そのうち3つのプロジェクトが2017年度で終了し、2つのプロジェクトが新たにスタートしています。

汐入タワープログラム(4年目/2017年度で終了)―一般社団法人 CIAN、荒川区 [南千住地域]

アーツカウンシル東京・大内伸輔

「汐入タワー」の解体が決定し、最後のプログラムを開催して終了したプロジェクト。前身となる「川俣正・東京インプログレス―隅田川からの眺め」から関わってきた、プログラムオフィサーの大内がタワーの解体プロセスを発表しました。
事業紹介ページ
解体プロセスをレポート「さよなら、汐入タワー」(東京アートポイント計画通信)

東京スープとブランケット紀行(4年目/2017年度で終了)―一般社団法人指輪ホテル [江古田地域 ほか]

ディレクター・羊屋白玉さんとプロジェクトメンバー

「看取り」をテーマに展開した4年間。その軌跡をまとめた冊子『東京スープとブランケット紀行』の一部をプロジェクトメンバーで読み上げました。東京とは、看取りとは、そしてアートプロジェクトを「わざわざ」やる意味とは何か。4年間考え続けたことを演劇的な手法で発表しました。
事業紹介ページ
プロジェクト全体を振りかえるディレクター・羊屋白玉さんのインタビュー(東京アートポイント計画通信)

リライトプロジェクト(3年目/2017年度で終了)―NPO法人インビジブル [六本木地域 ほか]

(写真左から)NPO法人インビジブル・林曉甫さん、菊池宏子さん、室内直美さん

宮島達男さんのパブリックアート作品《Counter Void》の再点灯を巡り、立ち上がったリライトプロジェクト。3年間の過程でさまざまな変化を遂げてきました。人材育成、地域の小学校の参加、NPOの活躍の3点でアートプロジェクトとしてのアウトカム(成果)を振り返り、都市型アートプロジェクトの可能性について提示しました。
プロジェクト公式ウェブサイト
社会彫刻家を目指して活動したRelight Committeeそれぞれの「アクション」(リライトプロジェクト)
リライトプロジェクトとNPOの活動を語ったインビジブルのインタビュー(東京アートポイント計画通信)

トッピングイースト(4年目)―NPO法人トッピングイースト [東東京地域]

(写真左から)NPO法人トッピングイースト・西村幸知さん、清宮陵一さん、アーツカウンシル東京・上地里佳、嘉原妙

「東東京」「音」をテーマに据えつつ、全くタイプの異なる3プログラムを展開してきたプロジェクト。プログラムごとにまったく異なる人が、異なる関心を持って参加しています。その多様な展開と関わる人のエピソード、そして今後の展望を語りました。
プロジェクト公式ウェブサイト
音楽家・コムアイ(水曜日のカンパネラ)さんとBLOOMING EASTのリサーチも開始。(CINRA.NET)

Betweens Passport Initiative(2年目)―一般社団法人kuriya [新宿区ほか都内各所]

一般社団法人kuriya・海老原周子さん

2年目を迎え、体制づくりからプログラムづくりへ。『移民』の若者のエンパワメントを目指し、定時制高校での居場所づくり、アーティストと協働したリサーチを開始。近年、文化セクターで注目される「社会包摂」の盛り上がりと、そのことが生み出す問題も共有しました。
プロジェクト公式ウェブサイト

東京ステイ(2年目)―NPO法人場所と物語 [都内各所]

NPO法人場所と物語・石神夏希さん

「住むことと旅人の間の身体性を取り戻す」ことを目指し、豊かな「ステイ(滞在)」の可能性を探るプロジェクト。「フィールドワーク」から「ピルグリム(巡礼)」という手法の発見に至るプロセスを共有しました。2017年度はピルグリムを実践するためのツールブック『日常の巡礼』を発行しました。
プロジェクト公式ウェブサイト

500年のcommonを考えるプロジェクト「YATO」(1年目)―社会福祉法人東香会 [町田市忠生地域]

社会福祉法人東香会・齋藤紘良さん

テーマは「これからの500年間、ここが人が集う場所で有り続けるにはどうしたら良いか?」。町田市忠生地域を舞台に、保育園を営む社会福祉法人が、地域に根ざしたリサーチをし、記録し・伝承することに実験的に取り組みはじめました。

HAPPY TURN/神津島(1年目)―NPO法人神津島盛り上げ隊 [神津島]

NPO法人神津島盛り上げ隊・中村圭さん

船で12時間、プロペラ機で40分。伊豆七島のひとつ、神津島でスタートしたアートプロジェクト。「Iターン、Uターン、色々あるけれど、前向きに幸せに島に帰ってくる(=ターンする)機会をつくりたい。島に関わる人が幸せになるような活動にしていきたい」と、想いを語りました。

TERATOTERA(8年目)―一般社団法人Ongoing [JR 高円寺駅ー国分寺駅地域]

一般社団法人Ongoing・高村瑞世さん

まちなかアートフェスティバルや映像祭など、年間4〜5プログラムを展開してきたTERATOTERA。毎年公募で集まる「TERAKKO」が、アーティストの企画制作に関わったり、パフォーマンスに出演したりする点が特徴です。2018年度はさらに「TERAKKO」主導の展開を目指します。
プロジェクト公式ウェブサイト

アートアクセスあだち 音まち千住の縁(7年目)―東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科、NPO法人音まち計画、足立区 [千住地域]

NPO法人音まち計画の事務局チーム、足立区担当者の皆さん、プログラムオフィサー・村岡宏太

「ティーンズ楽団」や「タウンレコーダー」、「だじゃれ音楽研究会」など、アーティストプログラムごとにユニークな市民コミュニティが築かれているアートアクセスあだち。近年では出会った仲間とともに新たなプロジェクトを自主的に立ち上げる人も増えるなど、その広がりを共有しました。
プロジェクト公式ウェブサイト

小金井アートフル・アクション!(7年目)―NPO法人アートフル・アクション、小金井市 [小金井市]

(写真左から)NPO法人アートフル・アクション・宮下美穂さん、プログラムオフィサー・佐藤李青、上地里佳

3カ年かけて展開したプログラム「小金井と私 秘かな表現」を中心に振り返りました。プロジェクトを通し「個人はどこまでまちを使い倒していいのか」「個人の意欲や意識がどこまでまちで許容されるのか」を考え続けてきた1年でした。
プロジェクト公式ウェブサイト
今年度実施したプログラム「小金井と私 秘かな表現 想起の遠足」(小金井アートフル・アクション!)

アートプロジェクトが何かを手にするまでの四苦八苦

アーツカウンシル東京・森司

最後に東京アートポイント計画のディレクター・森からご挨拶をして報告会を締めました。

「今回は1年目から8年目のアートプロジェクトについて、一斉に発表してもらいました。そのことによって、プロジェクトの立ち上がりのアクション、5年、10年と続けていった後の“にじみ方”など、継続することで得られる成長や違いをご覧いただけたと思います。どんなプロジェクトも最初数年間は暗中模索が続くものです。でも、その何かを手にするまでの四苦八苦をこえた先に文化事業としての成果がみえてくるはず。今後ともぜひ東京アートポイント計画に関心を持っていただければ幸いです」

11事業それぞれの特色が見えた報告会。2018年度もまたそれぞれのアートプロジェクトで、さまざまな試みが展開されることでしょう。ぜひお楽しみに。

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