写真家、ダンサー、インタープリター(通訳者/解釈者)とともに、身体性の異なる人々の世界に触れながら、「ことば」による表現だけではないコミュニケーションのあり方を探り、その可能性について考えた「スタディ1|共在する身体と思考を巡って 東京で他者と出会うために」。
本書は、プログラムのなかで行われた議論やワークショップの様子、スタディに取り組みながら考えたことを、ナビゲーターや参加者が綴ったアーカイブブックです。
もくじ
2020年1月に日本で最初の新型コロナウイルスが発見される前の話
共在する身体と思考を巡って〜東京で他者と出会うために〜
加藤 甫/南雲麻衣/和田夏実 (スタディ1 参加者募集のメッセージ)
#00 スタディ1で、私たちが取り組みたいことは何か
#01 お互いの顔が見えないまま「出会う」「共に在る」
#02 私たちは本当に出会ったのだろうか
#03 撮る/撮られるから、他者の無意識に触れる
#04 それぞれのもやもやから出会う
#05 フィクションを織り交ぜながら、自分の分岐点について書く
#06 翻訳する身体と思考を巡って
#07 既存の「自己紹介」の手前にあるものとは?
#08 わかりやすさ/伝わるはやさだけにとらわれない言葉を味わう
#09 南雲麻衣のパフォーマンスから「フィクションを織り交ぜる」を考える
#10 これまでの経験をあらわす
#11 誰にもなれない自分の身体に、一番近いコミュニケーションのあり方とは
研究日誌概要
おわりに(木村和博 /嘉原 妙)
Tokyo Art Research Lab「思考と技術と対話の学校」の一環として行われた「東京プロジェクトスタディ」。
ドイツの芸術祭・ミュンスター彫刻プロジェクトを考えることからはじまった「Tokyo Sculpture Projec」は、彫刻、公共、東京、美術/演劇、などのキーワードをもとに、2018年度から3年間活動しました。
本書では、活動の流れとそのなかで交わされた言葉、そして活動のなかで生まれたさまざまな問いを記録しています。
もくじ
まえがき 佐藤慎也
プロローグ
エピソードⅠ 二〇二七年ミュンスターへの旅
エピソードⅡ 東京彫刻計画
エピソードⅢ トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト
エピローグ
あとがき 居間 theater
おわりに 坂本有理
自分とは異なるルーツをもつ人とコミュニケーションをとろうとするとき、何かしらのハードルを感じる人は多いのではないでしょうか。
本書は、東京プロジェクトスタディ3「Cross Way Tokyo ー自己変容を通して、背景の異なる他者と関わる」のプロセスをまとめたドキュメントブックです。スタディでの活動のなかで生まれた議論、思考を記録した「スタディ」、スタディを通して立ち上げたメディアを紹介する「メディア」の二つのパートで構成されています。
もくじ
このスタディを企画した経緯
「自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」というテーマについて
なぜメディアを立ち上げるのか
出会うことと語ること、そしてその理由
他者は理解できない
揺れる/ミャンマー
上海と水元公園と子ども
ゆるやかな変容のはじまり
スタディを通して立ち上がったメディア群
この映像プログラムでは、手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんを迎え、数字や曜日、職業などの身近なテーマから、手話の成り立ちや会話の基礎を学びます。また、手話の言語的な側面から、ろう者とのコミュニケーションやろう文化についても考えていきます。
本書は、視覚身体言語と音声書記言語の特性によって変化するコミュニケーション表現や思考について、手話通訳という存在・役割に着目し、「間」に立つものの視点やつたえ方、受け取り方、読み取りの技術を通して「つたえる、つたえあう」について、あらためて捉え直そうとするものです。
コミュニケーションについて手話通訳の視点から解きほぐそうとするパートとそれらの内容と連動する「Communication Card 」、手話通訳者・翻訳者による座談会やコラム、筆者・和田夏実がナビゲーターとして携わった「東京プロジェクトスタディ1|共在する身体と思考を巡って─東京で他者と出会うために─」の実践で得た気づきなどで構成しています。
もくじ
はじめに
本書の構成
もくじ
わたしの世界
受け取るわたし
関係性の中で
視覚身体言語と音声書記言語を行き来する
それぞれの言語の中でコミュニケーションを発明する
言語と思考のあいだでゆらぐ
東京プロジェクトスタディ1
コラム イタコに似た仕事
コラム 伝える
おわりに
アーカイブに関するノウハウや活用方法における基礎知識の紹介や、アーカイブ構築を継続してきたゲストをお招きしてクロストークを行いました。
ゲストは、川俣正さん(アーティスト)、日比野克彦さん(アーティスト)、田口智子さん(東京藝術大学芸術資源保存修復研究センター特任研究員)、小田井真美さん(さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター)、石井瑞穂さん(アートプロデューサー)、志村春海さん(Reborn-Art Festival 事務局スタッフ)、秋山伸さん(グラフィック・デザイナー)です。次の10年に向けて、アートの現場におけるアーカイブ活動の可能性をともに考えます。
新たなプロジェクトや問いを立ち上げるためのヒントを探る対話シリーズ「ディスカッション」。2020年度は、新型コロナウイルスの感染対策を考慮し、独自の切り口でさまざまな実践に取り組むゲストをオンラインに招き、3回にわたって議論を交わしました。
第1回は、「嫁入りの庭」のある社会福祉法人ライフの学校の理事長の田中伸弥さんと、庭の設計を担当したtomito architectureの冨永美保さんと林恭正さんをゲストに、庭づくりのプロセスやその背景にある想いについて話を伺いました。
第2回は、「さっぽろ天神山アートスタジオ」でディレクターを務める小田井真美さん、映像エスノグラファーとして人々の移動の経験を研究する大橋香奈さんをゲストに、お二人が取り組んでいる実践から、これからのアートプロジェクトのあり方を探りました。
第3回は、長野県松本市にあるアートセンター「awai art center」の主宰・茂原奈保子さんと、ドイツ・ライプツィヒのNPO「日本の家」の共同創設者・大谷悠さんに、まちなかに拠点を立ち上げたきっかけや、これまでの取り組みについて話を伺いました。
2009年から2013年にかけて、台東区谷中界隈を舞台に行われた『ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト』は、既存のマネジメントのセオリーにおさまらない、非合理で過剰ともいえる対話のプロセスによって成立するアートプロジェクトでした。
本書では、立ち上げから10余年の歳月を経たいま、あらためてプロジェクトを俯瞰してみることで関係者の当時の想いや狙いについて言語化を試みました。
ギリギリまで何が出てくるかは分からない。でもそれがすごく芸術的醍醐味のある現場になっていく。
(p.65)
もくじ
はじめに
谷中で何が起こったのか?
3人のキーパーソンにインタビュー
谷中のおかって代表&ぐるヤミ事務局長 渡邉梨恵子
パフォーマンスを追求するおかって総合ディレクター 富塚絵美
アートマネジメントの現場と人材を育成した教育者 熊倉純子
谷中の土壌
活動のきろく
あとがき
「移民」の若者たちを異なる文化をつなぐ社会的資源と捉え、アートプロジェクトを通じた若者たちのエンパワメントを目的とする『Betweens Passport Initiative』。東京アートポイント計画では2016年から3年間、一般社団法人kuriyaと共にプロジェクトを展開しました。
本書はkuriyaの代表理事・海老原周子が、これまでの自身の取り組みから見えてきたものをまとめた一冊です。外国ルーツの若者を取り巻く現状やワークショップの現場で見えてきた課題、次の10年に向けて取り組むべきことの提案などを、活動の記録とともに記しています。
「共につくる・共に歩む」
と、言葉ではきれいにつづることができても、現実はそんなに簡単ではない。たくさんの乗り越えられない壁や理解できない互いの違い、そういったものに戸惑い、ぶつかり、限界を感じながら、それでも歩んでいかなければならない。その中でどれだけ共通の記憶を持つことができるかが、多文化共生を進めていく中で一つの鍵を握っていると考えられる
(p.25)
もくじ
まえがき
序章 きっかけとしてのアート体験
第1章 2019年までの状況と課題
第2章 社会包摂の仕組みを考える
第3章 コロナ危機における外国ルーツの子供たち
第4章 活動のきろく
終章 今から10年後の2030年になったら
東京アートポイント計画では、共催しているNPOとともに、プロジェクトを運営する事務局に必要なテーマを学び合うネットワーキング型の勉強会「事務局による事務局のためのジムのような勉強会」(通称:ジムジム会)を行っています。ジムジム会とは何なのか。なぜはじまり、何をどのように行い、どのような効果があるのか。「ジムジム会のひらきかた」を、実際にあったエピソードをもとに、漫画のなかでキャラクターたちがご案内します。
あなたの活動が抱える悩みを解決してくれるのは、有名な先生や 分厚いハウツー本ではなくて、自分達と似たような活動をする「おとなりさん」かもしれません。まずは似た仲間を見つけて声をかけ、 一緒に考える勉強会をひらくのはどうでしょう?
(「はじめに」より)
もくじ
まんが ジムジム会ができるまで
7つのポイント ジムジム会のひらきかた
まんが ジムジム会ができたあと
ジムジム会 開催一覧