自分のアートプロジェクトをつくる

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、アートプロジェクトの10年を振り返りつつ、これからの時代を考え、新たにプロジェクトを立ち上げる担い手や状況を生み出すための、4つの講座を展開します。ナビゲーターは、いくつもの芸術祭を手掛け、各地のアートプロジェクトをつぶさに見てきた芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミ形式の演習を行います。状況に対してどのような問題意識をもち、どのようにアクションしていけるのかを、アーティストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士のワークを通して深めます。ゲストアーティストは、目 [mé] (現代アートチーム)、濱口竜介(映画監督/脚本家)、小森はるか+瀬尾夏美(アートユニット)。自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

詳細

スケジュール

9月3日(土)10:00~15:00
第1回 イントロダクションと自己紹介

  • イントロダクション
  • アートプロジェクトの考え方についてのレクチャー
  • 自己紹介

9月17日(土)10:00~15:00
第2回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 芹沢高志によるプレゼンテーション
  • ディスカッション
  • 自分のなかの問いを見つめる

10月1日(土)10:00~15:00
第3回 構想発表

  • 問いからアクションへ
  • プロジェクトの初期構想をプレゼンテーション
  • フィードバック

10月15日(土)10:00~15:00
第4回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 目 [mé]によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

10月29日(土)10:00~15:00
第5回 中間発表

  • 構想中のプロジェクトの中間プレゼンテーション
  • フィードバック/ディスカッション
  • プロジェクトを深める

11月12日(土)10:00~15:00
第6回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 濱口竜介によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

11月26日(土)10:00~15:00
第7回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 小森はるか+瀬尾夏美によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

12月10日(土)10:00~16:00
第8回 最終プレゼンテーション

  • 自分のアートプロジェクトをプレゼンテーション
  • 講評(芹沢高志、森司)
  • これからのアートプロジェクトについて

会場

3331 Arts Chiyoda 3F ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302)

参加費

32,000円

ナビゲーターメッセージ(芹沢高志)

アートとはまずもって、個人個人の内面にこそ、決定的に働きかけてくるものだ。自分自身の問題と向き合うための術であるとも言えるだろう。

今、私たちは、歴史的にみても大変な時代を生きている。どこに問題があるのかわからない、いや、そもそも問題があるのかないのか、それさえもわからない時がある。こういう時はひとまず立ち止まり、何が問題なのか、自分の心に問うてみる必要がある。他人が言うからではなく、いかに些細な違和感であれ、自分個人にとっての問題を発見していくことが大切なのではないだろうか。自分にとって本当に大切な問いとはなんなのか? それを形として表現していくための力を、この演習を通して培っていければと思う。

ともに舟を漕ぎ出そうとする方々の参加を心待ちにしている。

「新たな航路を切り開く」に寄せて(芹沢高志)

来るべきディレクター、プロデューサーに向けて

2020年春、非常事態下のローマで、作家パオロ・ジョルダーノは「パンデミックが僕らの文明をレントゲンにかけている」と言っていた。まったくその通りで、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、これまで私たちが見ないふりをしてきたさまざまな問題を世界中で炙り出している。
エコノミスト、モハメド・エラリアンは、リーマン・ショック(2009)以降の世界経済は、たとえ景気が回復したとしても、以前のような状態には戻らないとして、「ニューノーマル」の概念を提唱し、これまでの考えではとらえることのできない時代の到来を予告していた。その彼が今、今回のコロナ・ショックをうまく乗り切ったとしても、世界経済のかたちを変えてしまうような新たな世界「ニューノーマル2.0」の時代がやってくるだろうと予測している。つまり、自らが提唱した「ニューノーマル」という新たな世界像さえ、次のステージに入って更新されねばならないような地殻変動が、現在、進行しているというのである。これは経済分野での指摘だが、確かに私たちは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故、新型コロナウイルス感染症パンデミック、ロシアによるウクライナ軍事侵攻と世界の分断と、激動する時代のなかで、ものの見方から行動様式に至るまで、さまざまな局面で本質的な更新を余儀なくされている。それはアート・プロジェクトについても同様で、私たちは今、アート・プロジェクトのあり方や進め方に関して、新たな時代に対応する変更を求められている。
しかしもちろん、これは現在進行形の設問であり、出来上がった解答があるわけではない。本スクールは、次代を担うアート・プロジェクトのディレクター、プロデューサーたちに向けて、今生まれるべきアートプロジェクトの姿を学び合い、新たな航路を探し出し、自らの姿勢を確立してもらうために企画されたものである。
ニューノーマル2.0時代のディレクター、プロデューサーが、アートプロジェクトの新たな時代を切り開いていかねばならない。本スクールはそうした来るべきディレクター、プロデューサーたちの、旅立ちのための港になっていきたいと願っている。

Webサイトの価値や在り方を考える 制作チームでウェブサイトをともに考えるためのガイドマップづくり

ウェブサイトを制作する際のもやもやを共有するためのツールをつくる

現在、世界中にはおよそ18億ものウェブサイトが存在していると推定され、いつの間にかなくてはならない身近な存在になりました。しかし、実際にウェブサイトをつくろうとすると、どこから考えはじめ、誰と、いくらくらいでどうつくるのか、悩みはつきません。SNSによる情報発信が主流となりつつある昨今、そもそもウェブサイトは必要なのでしょうか。

こうしてスタートした2021年度の「これからのWebサイトについて考える」では、編集者、広報担当者、デザイナー、エンジニアなど、さまざまなメンバーがウェブサイトの制作過程に立ち現れる課題についてディスカッションを重ねました。そこで浮かび上がった7つのもやもや――短期的な評価と長期的な価値、ウェブサイトの費用と手間、アーカイブデザイン、誤配、人柄や内面などの周辺情報の伝え方、かっこよさと実用性、情報保障とアクセシビリティ――に対する向き合い方(=指針・モノサシ)を『ウェブもやもや事典』としてインターネット上にまとめています。

今回はこうしたもやもやを、ウェブサイトの制作チームで共有するためのツールをつくります。進め方に悩みがちなウェブサイトの制作プロセスをまとめるとともに、アートプロジェクトをはじめとした事業設計を見つめ直すガイドマップを目指します。

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進め方

オンラインや対面での制作会議を不定期で開催。

アートプロジェクトの担い手のための配信・収録講座

オンライン配信の方法を初歩から学び、実践する

コロナ禍を経て、アートプロジェクトの企画もオンラインシフト、あるいはオンラインと対面を混ぜたハイブリッドでの開催が日常的に行われるようになりました。事業計画の段階からオンラインを想定した議論が飛び交う一方で、急いで身につけた技術への不安や、機材や人材、外注にかけられる予算の限界、あるいは対面開催とのバランスに悩むことも。オンラインの可能性を感じながらも、どこかで「配信・収録」に向き合う姿勢にふん切りをつけられない、そうした方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マイクやカメラの仕組みなど「配信・収録」にまつわる知識や技術を初歩から学びます。講師は、創作活動と並行して配信や収録業務を行う齋藤彰英(写真家)。講座は座学、実践、本番の3段階で進めます。本番では、本講座の会場に併設し、配信や収録に対応できる機能を備えた「STUDIO302」を設計・制作したいわさわたかしさん(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション取締役)をゲストにトークライブを実施し、その様子を参加者が実際に収録します。こうした実践とともに、オンラインの可能性や限界をふまえた企画・制作について考えます。

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スケジュール

8月21日(日)13:00〜16:00
第1回 座学|収録・配信に必要なマイクやカメラの操作方法

  • 配信や収録を計画するときに考えるポイント、優先順位の解説や、よくあるトラブル事例について
  • カメラとマイクの特性をふまえた基礎的な使用方法
  • 機材や配信ツールの選び方と、機材配線、役割分担

8月28日(日)13:00〜16:00
第2回 実践|配信内容に応じて機材を組んでみる

  • 代表的な事例をもとに、チェックシートやフローチャート等を活用しながら、機材を組んでテスト配信を行う
  • 配信と収録の考え方や機材の違い、配信システムごとの特性を解説し、機材配線図を作成

9月4日(日)13:00〜16:00
第3回 本番|収録・配信に挑戦する/オンライン時代を考える

ゲスト:いわさわたかし(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション 取締役)

  • 座談会を行い、その様子を参加者が実際に収録する
  • 収録した内容は講師が編集し、Tokyo Art Research Labの公式YouTubeチャンネルで公開予定

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

一般 6,000円/学生 4,500円

第3回 記録映像

コミュニケーション:手話を使い会話する

アートプロジェクトの現場で実践するための手話やろう文化を学ぶ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、アートプロジェクトの現場のシーンを想定した会話を通して、手話でのリアルなコミュニケーションを実践できる対面講座です。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、イベントの受付対応や、展示会場や劇場での座席案内、ショップでの商品説明や災害時の対応、自動販売機やお手洗いの案内など、いま、参加者が学びたい手話表現やコミュニケーションをロールプレイ形式で身につけます。

詳細

スケジュール

10月13日(木)19:30〜21:30

10月27日(木)19:30〜21:30

11月10日(木)19:30〜21:30

11月24日(木)19:30〜21:30

12月1日(木)19:30〜21:30

12月8日(木)19:30〜21:30

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

14,400円

ワークショップ:ろう者の感覚を知る、手話を体験する

手話でのコミュニケーションの基礎を学ぶワークショップ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、全身を使ってろう者の感覚を学び、手話を体験してみるワークショップ形式の講座を対面で行います。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、まずは、視界の広さや動体視力などのろう者の感覚を体感し、発話に頼らないコミュニケーションの姿勢を身につけることを目指します。「目で見る言語」である手話を体得していくための柔軟体操のような、初心者向けの講座です。

詳細

スケジュール

7月4日(月)19:30〜21:30
第1回 目で見ることに慣れよう

ボールを使ったワークショップなどで、指差しに慣れよう

7月11日(月)19:30〜21:30
第2回 全身を使って伝え合おう

連想ゲームや伝言ゲームなどで、遊びながら伝え合うことを体感しよう

7月25日(月)19:30〜21:30
第3回 質問に答えてみよう

指示や質問を目で受け取って身体で答えてみよう

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

6,000円

年表を作る 2011年以降のアートプロジェクトを振り返る

実践者の視点から10年の軌跡を辿り、新たな時代を思考するための手がかりを探す

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、アートプロジェクトの10年を振り返りつつ、これからの時代を考え、新たにプロジェクトを立ち上げる担い手や状況を生み出すための、4つの講座を展開します。ナビゲーターは、いくつもの芸術祭を手掛け、各地のアートプロジェクトをつぶさに見てきた芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、2011年以降のアートプロジェクトの歴史をさらい直して、年表を制作します。同シリーズの「アートプロジェクトと社会を紐解く5つの視点」と「ケーススタディ・ファイル」で得た、多様な実践者の視点や紹介事例を材料に、社会にひらかれ、成長を遂げるツールとして更新していきます。年表をつくるなかで、プロジェクト間のつながりや、社会との関係、コミュニティとのかかわりなど、新たな分類が見えてくるはずです。

詳細

進め方

  • 「応答するアートプロジェクト」の進行に合わせて、内容を検討しながら制作
  • 2011年以降のアートプロジェクトについての事例調査
  • 社会的な出来事とアートプロジェクとの連関を調査
  • 10年を俯瞰する年表として事例を精査し、整理
  • 新しい文脈の発見
「新たな航路を切り開く」に寄せて(芹沢高志)

来るべきディレクター、プロデューサーに向けて

2020年春、非常事態下のローマで、作家パオロ・ジョルダーノは「パンデミックが僕らの文明をレントゲンにかけている」と言っていた。まったくその通りで、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、これまで私たちが見ないふりをしてきたさまざまな問題を世界中で炙り出している。
エコノミスト、モハメド・エラリアンは、リーマン・ショック(2009)以降の世界経済は、たとえ景気が回復したとしても、以前のような状態には戻らないとして、「ニューノーマル」の概念を提唱し、これまでの考えではとらえることのできない時代の到来を予告していた。その彼が今、今回のコロナ・ショックをうまく乗り切ったとしても、世界経済のかたちを変えてしまうような新たな世界「ニューノーマル2.0」の時代がやってくるだろうと予測している。つまり、自らが提唱した「ニューノーマル」という新たな世界像さえ、次のステージに入って更新されねばならないような地殻変動が、現在、進行しているというのである。これは経済分野での指摘だが、確かに私たちは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故、新型コロナウイルス感染症パンデミック、ロシアによるウクライナ軍事侵攻と世界の分断と、激動する時代のなかで、ものの見方から行動様式に至るまで、さまざまな局面で本質的な更新を余儀なくされている。それはアート・プロジェクトについても同様で、私たちは今、アート・プロジェクトのあり方や進め方に関して、新たな時代に対応する変更を求められている。
しかしもちろん、これは現在進行形の設問であり、出来上がった解答があるわけではない。本スクールは、次代を担うアート・プロジェクトのディレクター、プロデューサーたちに向けて、今生まれるべきアートプロジェクトの姿を学び合い、新たな航路を探し出し、自らの姿勢を確立してもらうために企画されたものである。
ニューノーマル2.0時代のディレクター、プロデューサーが、アートプロジェクトの新たな時代を切り開いていかねばならない。本スクールはそうした来るべきディレクター、プロデューサーたちの、旅立ちのための港になっていきたいと願っている。

Multicultural Film Making ルーツが異なる他者と映画をつくる

映画制作を通じて、「新しいまち」の輪郭をともに探す

さまざまなルーツをもつ人々が暮らすまち、東京。多様な背景や価値観が混在していることは知っているものの、日常生活のなかで異なるルーツの人々が出会い、ともに何かを「つくる」機会は多くはありません。そうした背景から出発した2019年度の「Cross Way Tokyo 自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」を経て、今回は異なるルーツをもつ人々が、映画制作を通じて協働のための技法や新たな表現方法の開発を行います。

映画のテーマは、「新しいまち」。公募で集まった総勢17名のメンバーが「ドキュメンタリーの部」と「フィクションの部」にて、リサーチャー、撮影スタッフ、出演者など、映画製作上のさまざまな役割を担います。「ドキュメンタリーの部」では2チームに分かれ、国籍や使用する口語、日本語の習熟度などが異なるメンバー同士でインタビューや取材をし、まちなかでのフィールドワークをふまえたリサーチと映像制作を実施。そして「フィクションの部」では、ドキュメンタリーの部のリサーチ内容を反映させた脚本をもとに撮影し、一本の作品を生み出します。

最終回は、制作した映画の上映会を予定。異なるルーツをもつ人々との協働のかたちや、異文化が交じり合う「新しいまち」東京での、これからの暮らしについて考えます。

詳細

スケジュール

9月3日(金) 19:00〜21:00
第1回(A期)ドキュメンタリーの部 自己紹介&グループディスカッション

9月4日(土) 13:00〜19:00
第2回 ドキュメンタリーの部(A期) シネマポートレイトをつくる

9月5日(日) 10:00〜17:00
第3回 ドキュメンタリーの部(A期) 他者のルーツをまちのなかに見出す

9月17日(金)19:00〜21:00
第4回 ドキュメンタリーの部(B期) 自己紹介&グループディスカッション

9月18日(土)10:00〜17:00
第5回 ドキュメンタリーの部(B期) シネマポートレイトをつくる

9月19日(日)10:00〜17:00
第6回 ドキュメンタリーの部(B期) 他者のルーツをまちのなかに見出す

10月30日(土)10:00〜17:00
第7回 フィクションの部 作品制作&撮影準備

11月7日(日)10:00〜18:00
第8回 フィクションの部 撮影リハーサル

11月13日(土)7:00〜18:30
第9回 フィクションの部 撮影

11月20日(土)8:00〜21:00
第10回 フィクションの部 撮影

11月27日(土)7:30〜21:00
第11回 フィクションの部 撮影

12月4日(土)7:00〜21:00
第12回 フィクションの部 撮影

2月27日(日)11:00〜16:30
最終回 映画『ニュー・トーキョー・ツアー』上映会

11:00〜12:30

  • ワークショップ作品上映『自分のルーツをまちで見つける』 ※日英字幕あり
  • 監督&メンバートーク「まちで見つけた自分と他者」

14:00〜16:30

  • 映画上映『ニュー・トーキョー・ツアー』 ※日英字幕あり
  • メイキング映像上映
  • 監督&メンバートーク「映画をつくる前と後。わたしたちの変化」

わたしの、あなたの、関わりをほぐす〜共在・共創する新たな身体と思考を拓く〜

異なる感覚をもつ他者との新たなコミュニケーションの回路をひらく

わたしたちがコミュニケーションで用いる「言語」。口語や筆記文字のほかにも、視覚身体言語(手話)や触手話、点字、音声ガイドなど多様なコミュニケーションの手段が存在します。身体や感覚、思考の流れが違う世界を抱えながら、それでもともにあろうとするとき、そこにはさまざまな伝え方が発明されていきます。

2020年度に行なった「共在する身体と思考を巡って」を経て、「異なる感覚をもつ他者と、どうしたら新たなコミュニケーションの回路をひらくことができるのだろう?」という問いが生まれました。誰もが誰かの翻訳者であることを意識しながら「関係性のあり方」に着目し、一人ひとりの身体と記憶、言葉と感覚にまつわるディスカッションやワークショップ、リサーチを行います。

ナビゲーターは、手話を第一言語として用いてきた和田夏実(インタープリター)と、岡村成美(デザイナー)です。ゲストの南雲麻衣さん(パフォーマー/アーティスト)、藤本昌宏さん(ことばの研究者)、田畑快仁さん(触覚デザイナー)、太田琢人さん(武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリア研究室 助手)と一緒に、自分自身の身体が何を考え、どのように他者と関係を紡ごうとしたのか。そして想いや思考を届けるためにはどのような方法があるのか、暗黙知をほぐすところからはじめます。

詳細

スケジュール

8月18日(水)
第1回 ガイダンス/自己紹介

8月22日(日)、29日(日)
第2回 ワークショップ 無意識の身体を意識する、ワークショップ 視覚身体言語の世界へ

ゲスト:南雲麻衣(パフォーマー/アーティスト)

9月12日(日)
第3回 ワークショップ 「恋」を翻訳する/触れる/伝え合う

ゲスト:藤本昌宏(ことばの研究者)

9月22日(水)
第4回 ワークショップ 秋の夜長に「恋の定義」を考える

ゲスト:田畑快仁(触覚デザイナー)

10月10日(日)
第5回 ワークショップ 触覚の世界に出会う/ともに歩く

10月31 日(日)
第6回 振り返り・ディスカッション・進捗共有

11月14日(日)
第7回 ワークショップ 「つくる⇄世界」に誘われる

ゲスト:太田琢人(武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリア研究室 助手)

11月24日(水)、30日(火)
第8回 つくりながら考える「対話の広場」

12月5日(日) 、12日(日)、21日(火)、29日(水)
第9回 ディスカッション つくりたいものをときほぐす

1月10日(月)~2月10日(木)
第10回 クリエイション

2月11日(金・祝)〜13日(日)
第11回 展覧会『happening.』出会い・創発のための場をひらく

2月25日(金)・3月1日(火)
第12回 『happening.』振り返り会

3月6日(日)
第13回 振り返り会 「わたし」と「あなた」とスタディ1

進め方

  • メンバー全員での定例ディスカッションを月1~2回開催
  • 各回のディスカッションのあとに、自身の考えや問いを整理し、思考の変遷を記録するために作文(エッセイ、日記など)を書く
  • 希望に応じて、手話通訳や文字情報支援などの情報保障あり
  • コミュニケーションメディアの企画・開発では、必要に応じて制作サポートあり

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

一般24,000円/学生16,000円

関連サイト

東京プロジェクトスタディ「わたしの、あなたの、関わりをほぐす 〜共在・共創する新たな身体と思考を拓く〜」ウェブサイト

ナビゲーターメッセージ(和田夏実)

関わりをほぐす

いつ、誰と、どこで、どんなふうに出会うのか。

日々誰かとすれ違い、出会いや協働の中で、その人らしさに触れ、その場でのわたしがうまれ、関係性の糸を編む。そこに関わりの種がうまれたとき、それを紡いでもいいし、種のままで置いておいてもいい。もしかするといつかどこかで、それは思いもよらない形で芽吹き、また紡がれるかもしれない。

スタディ1では、この「関係性の糸の在り方」に着目し、関係性を編んだり紡いだりするときの、身体や感覚や、そのときに何にあなたを記すのか、ということを考えてみたいと思います。

このスタディのナビゲーターであるわたしと岡村さんは、手話という言語をもちいる両親と、音声言語の社会のあいだで、視覚と音、身体と記号のあいだで、ゆらゆら揺れながら世界をつくってきました。日常の中で、伝え方の応用を繰り返していくことで、いろんな発見がありました。

家の2階にいても、別の部屋にいても、身体で話している家族の空気の揺れがうるさいほどに伝わってくること、手で話しているとき、その人自身がもつ記憶が溢れ出て像として視えること、ティッシュや軽い紙、ぬいぐるみを家族の視界に投げて振り向いてくれたときのつながった嬉しさ。

身体や感覚、思考の流れが違う世界で、共に在ろうとするとき、そこには様々な伝え方の発明がうみだされていきます。

本スタディは、この伝え方の発明を、身体と思考をほぐして、考えながらつくっていくことを目指しています。そのほぐし方のヒントを一緒に探るために、最初のゲストには信頼してやまない3名の方にお願いしました。手話する思考の身体、恋の解体、身体的境界はどこにあるのか。自分とは異なる身体や思考、言葉や触れること、そのまなざし。いつのまにか暗黙知となってしまっていることを、軽やかに崩して、ほぐすことから、共に在るための発明に取り組めたらと思います。

そして、自分にとってしっくりくるメディアや伝え方の発明を、衣服や造形、石や紙、様々な方法で取り組み、拓いていく場がこのスタディ1です。

あなた自身の身体が何を考え、どう他者と関係を紡ごうとしたのか。

そして想いや思考を届けるためには、どんな方法があるのか。

これから出会う皆さんと、共に揺れながら、新しい景色に出会えますように。

ナビゲーターメッセージ(岡村成美)

聞き手:嘉原妙(スタディマネージャー)

 

Q1.自己紹介をお願いします。

A1.岡村成美です。デザイナー、ディレクターとして活動しています。2018年に『LOUD AIR』(ラウドエアー)というブランドを立ち上げ、手話を第一言語に、ファッション、オブジェ感覚などを制作。さまざまなジャンルを通して社会実験しています。

Q2.「わたしの、あなたの、関わりをほぐす〜共在・共創する身体と思考を拓く〜」は、自分と異なる認識世界、感覚世界を持つ人々と共在・共創するコミュニケーションを捉え直したり、そのコミュニケーションを促進・拡張していくような方法を探ろうとしたりするスタディです。岡村さんにとって、「異なる感覚を持つ他者」との向き合い方で意識されていることはありますか? また、そのときにどのような難しさやハードルを感じますか?

A2.よく観察するようにしているかもしれません。必ずしも正しい接し方というものは存在しないですが、自分なりの愛のある向き合い方をこころがけています。

普段、手話という言語で話すことが多いですが、異なる感覚や世界を見ている人にものすごく興味が湧きます。なので、よく相手を観察しますし、会話します。ゲストの藤本昌宏さん(ことばの研究者)と何日か話すことがあったのですが、見えない世界を見ている藤本さんは、人の声をかたちで覚えているとそうで、わたしは「角の取れた少し厚みのある四角」だと教えてくれました。

嬉しくて、帰ってすぐに絵を描きました。自分の知らない視点から自分を見てくれたことに感動したのを覚えています。わたしは、向き合い方の難しさやハードルは感じません。みんな違うのでそれでいいかな、と思います。

Q3.参加申込の際にみなさんにもお尋ねしている質問です。身体とコミュニケーション、言葉と感覚、コミュニケーションメディアに関連することで、いま、岡村さんが考えていることを教えてください。

A3.わたしは普段、衣服やオブジェを制作していますが、わたしのつくる服はよく二度と同じ着方ができないとか、着物のようだと言われることが多いです。自分で着物を着ることがありますが、洋服とは違う頭と身体の使い方をする気がしていて、わたしの服もそれと同じように、完成しても着ることを考える衣服でありたいなと思っています。自分の身体と向き合って着ていく。みんな異なる身体と感覚を持っていること、展示に来ていただいた方に自由にまずは着てもらうと、こちらが気づけることがたくさんあります。制作に他者とのコミュニケーションは欠かせません。

わたしは普段一人で運営をしていますが、制作において様々な職人さんにお願いしています。一着にたくさんの人がかかわっている、着るときに少しでもそう感じられたら大事な一着になるんじゃないかと信じてつくっています。

Q4.スタディのメインビジュアルを見たとき、表裏一体な感じ、メビウスの輪のような不思議な印象を受けました。

今回のメインビジュアルは、もうひとりのナビゲーターの和田夏実さんと一緒に撮影に出かけたとお聞きしました。そのとき、お二人でどのようなことを話しながら撮影されたのですか?

A4.メビウスの輪、いいですね。このビジュアルは、2020SSと2020AWの『LOUDAIR』のコレクションの一部です。どちらも和田さんと一緒に、どのような身体の使い方や映し方にするか話しながら撮影したものです。和田さんには、モデルさんがどんな表情や身体の使い方をするかを、会話のなかで導いてもらっています。身体を柔らかくしたり、切ない心にしたり。

ファッションのルックは服がよく見える写真が多いですが、『LOUDAIR』は結ぶ指先や服から見える足などを捉えた写真をよく撮ります。

和田さんとは、普段から柔らかいところについての会話をしています。おいしそうな夕日、エロい建物、かわいい言葉など。日常のいいなと思うものをクローズアップしていつもわたしたち自身が会話して楽しみながら撮影しています。

Q5.最後に、参加者に向けてメッセージをお願いします。

A5.今回はじめてナビゲーターを務めさせていただくことが決まり、とても光栄です。みなさんとお会いして感じたことを、わたしもわたしなりに最後にかたちにしたいと思っています。さまざまな感覚を持つゲストをお呼びして、リラックスしたり、考えて考えて紡いだり、自分と向き合ったり。たくさん使って最後にかたちにしましょう。

何ごとにも興味を持ち、理解しようと努力できる人、目を見て、向き合って会話できる人に参加していただけたら、最高なものができるのではないでしょうか。

みなさんとご一緒できることを楽しみにしています。

伝える・わかるを考える Interpret○▲□

「手話通訳」の視点で、コミュニケーションを捉え直す

アートプロジェクトの現場では、誰かと何かをはじめようとするとき、考えや視点の違いを理解しながら、互いのイメージを擦り合わせ、つくり方を議論します。そこで起きるコミュニケーションは、「言葉」に限ったものではありません。むしろ、表情やしぐさ、声色、動き、間など身体を用いた非言語の領域が、日々のコミュニケーションに大きな影響を与え、支えています。

そうした観点に立脚し、2020年度に開催したプロジェクト「共在する身体と思考を巡って-東京で他者と出会うために」にて、ナビゲーターを務めた和田夏実(インタープリター)が、「手話通訳」に焦点を当てて、通訳環境の新たな手法開発を試みます。

手話通訳とは、「視覚身体言語」と「音声書記言語」という異なる言語体系とメディア(声や文字、身体など)をもつ言葉を、手話通訳者自身の身体を通して翻訳し、伝達するコミュニケーション技術です。手話通訳者それぞれの身体知を語らうことから、アートプロジェクトへのアクセシビリティや情報保障のあり方について考察を深め、今後のアートプロジェクトの運営に必要な視点を見出します。

アート・アーカイブ・オンライン

コロナ禍のアンケート調査をふまえた、アーカイブに関する映像コンテンツを制作

多くのアートプロジェクトでは、さまざまな人が集い、対話をしながら時間や場所を共有し、つくりあげていく手法がよくとられます。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大状況下で、その継続のあり方が議論され、アーカイブの重要性や、プロジェクトのオンライン対応の必要性が高まってきました。

そこで、アート分野における調査・研究に取り組むNPO法人アート&ソサイエティ研究センターの協力のもと、全国のアートプロジェクトにまつわる52団体に「アーカイブ運用」についてアンケート調査を行います。また、アーカイブに関するノウハウや活用方法の基礎知識をまとめた映像コンテンツ「エイ! エイ! オー!(アート・アーカイブ・オンライン)」を収録し、YouTubeで配信。これまでTokyo Art Research Lab(TARL)で研究してきたアーカイブの知見をいかして、オンラインでのコンテンツづくりを模索します。

詳細

スケジュール

1月29日(土)
第1回 イントロダクション

1月29日(土)
第2回 現状調査

2月12日(金)
第3回 アーカイブのプランニング

2月12日(金)
第4回 目録作成

2月19日(金)
第5回 デジタルデータの保存

4月30日(金)
第6回 オンライン・ヒアリング

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

関連サイト

エイ! エイ! オー! YouTubeページ