パートナーシップで公共を立ち上げる

新たな視点で地域課題にアプローチする手法を知る

近年、各地でさまざまなアートプロジェクトが実施されるようになり、まちなかでの芸術文化活動がさらに広がっています。多様な分野を横断し、地域の暮らしに変化を生み出すこのような取り組みは、地域を支える行政と、民間の主体が協働することによって、さらに発展し広がっていくのではないでしょうか。

本講座では、行政と民間の多様な主体がパートナーシップを組み、文化事業に取り組むことの可能性とその方法を学びます。2025年度は、文化を通じた領域横断的な取り組みを行うことで、地域の課題に対してさまざまなアプローチを仕掛けている秋田と沖縄、東京の事例を通して、どのように行政と民間とのよりよいパートナーシップを実現するのか、自治体の政策と現場をどう紐づけていくのか、それらの方法が、これからの「公共」を立ち上げるために果たす意義について、参加者のみなさんと考えます。

パートナーシップで公共を立ち上げる 2025

秋田・東京・沖縄の事例をもとに、新たな視点で地域課題にアプローチする手法を知る

近年、各地でさまざまなアートプロジェクトが実施されるようになり、まちなかでの芸術文化活動がさらに広がっています。多様な分野を横断し、地域の暮らしに変化を生み出すこのような取り組みは、地域を支える行政と、民間の主体が協働することによって、さらに発展し広がっていくのではないでしょうか。

本講座では、行政と民間の多様な主体がパートナーシップを組み、文化事業に取り組むことの可能性とその方法を学びます。文化を通じた領域横断的な取り組みを行うことで、地域の課題に対してさまざまなアプローチを仕掛けている秋田と沖縄、東京の事例を通して、どのように行政と民間とのよりよいパートナーシップを実現するのか、自治体の政策と現場をどう紐づけていくのか、それらの方法が、これからの「公共」を立ち上げるために果たす意義について、参加者のみなさんと考えます。

対象

地域課題への新しいアプローチを検討している自治体職員、自治体文化団体職員など

  • 職位や担当部署を問わず、どなたでもご参加いただけます。文化事業を担当する部署以外の方のご参加も歓迎します。
  • 自治体の抱える政策的な課題に芸術文化の視点でアプローチしたい方、新規事業を検討中の方にもおすすめです。
  • 他地域の取り組みを知り、講師や参加者間のネットワークづくり、ご自身の業務の問題意識を明確にする場としてご活用いただけます。

チラシのダウンロードはこちら(PDF)

詳細

タイムスケジュール

【1日目】7月31日(木)

13:00~14:00 趣旨説明・参加者自己紹介
オープニング
「地域の多様な連携から、活動を育む」

話し手:佐藤李青(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

14:00~15:00 セッション1
「アートプロジェクトの広がりとパートナーシップの課題」

話し手:芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)

15:00~15:15 休憩

15:15~16:45 セッション2
「市民の創造的な場を、二人三脚でつくる」

話し手:齋藤一洋(秋田市企画財政部 部長)、三富章恵(NPO法人アーツセンターあきた 事務局長)

16:45~17:00 クロージング

 

【2日目】8月1日(金)

10:00~10:15 オープニング

10:15~11:45 セッション3
「ジェネラリストと専門性:補完しあう関係性をつくる」

話し手:上地里佳(沖縄アーツカウンシル チーフプログラムオフィサー)、林立騎(那覇市市民文化部文化振興課主幹、那覇文化芸術劇場なはーと 企画制作グループ統括)

11:45~13:00 休憩

13:00~14:30 振り返り・ディスカッション
「パートナーシップで公共を立ち上げるには」

14:30~15:00 クロージング

 

【受講後】レポート提出

講座終了後2週間を目安に、講座のテーマについての課題レポート(1600字程度)を提出していただきます。

 

会場

アーツカウンシル東京 大会議室

(東京都千代田区九段北4丁目1-28 九段ファーストプレイス5階)

 

参加費

無料

 

※複数名でご参加の場合も、お一人ずつお申し込みをお願いいたします。

自分のアートプロジェクトをつくる 2025

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「自分のアートプロジェクトをつくる」では、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミ形式の演習を行います。自らが社会を捉える視座はどこにあるのかを見極め、どのようにアクションしていけるのかを、ゲストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士のワークを通して深めます。演習の中で自身の経験や視点を共有していただくゲストは、武田知也(舞台芸術プロデューサー/一般社団法人ベンチ 代表理事)、小沢剛(美術家/東京藝術大学教授)、野田智子(アートマネージャー/Twelve Inc. )。自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

詳細

スケジュール

10月5日(日) 13:00〜17:30
第1回 イントロダクションと自己紹介

  • 主催者・スタッフ挨拶
  • 参加者の自己紹介と企画構想共有
  • イントロダクション「アートプロジェクトとは?」(芹沢高志)

10月18日(土) 13:00〜17:30
第2回 グループワークとディスカッション

  • グループワーク「自分の立ち位置を確かめる」(芹沢高志)
  • ディスカッション(ファシリテーション:森司)

11月8日(土) 13:00〜17:30
第3回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 武田知也によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

11月15日(土) 13:00〜17:30
第4回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 小沢剛によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

12月6日(土) 13:00〜17:30
第5回 中間発表

  • 構想中のプロジェクトの中間プレゼンテーション
  • フィードバック/ディスカッション
  • プロジェクトを深める

12月20日(土) 13:00〜17:30
第6回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 野田智子によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

1月17日(土) 13:00〜17:30
第7回 ディスカッション

  • 構想中のプロジェクトについてディスカッション
  • 最終発表へ向け準備

1月31日(土)/2月1日(日)ともに13:00〜18:00
第8回 最終発表

  • 自分のアートプロジェクトをプレゼンテーション
  • 講評(芹沢高志、森司)
  • これからのアートプロジェクトについてディスカッション

会場

アーツカウンシル東京(東京都千代田区九段北4丁目 1-28 九段ファーストプレイス5階)

参加費

32,000円(税込)

ナビゲーターメッセージ

今、私たちは混迷の時代を生きている。そんななか、問題を発見するというアートの根源的な力に再び注目が集まってきているように思う。一方、アートもこれまでのかたちのままではいられない。時代や社会との応答のなかで、アートはその様相を大きく変容させつつある。アートプロジェクトという概念も急速に認知されてきた。
しかし考えてみれば、「アート」と「プロジェクト」はそれぞれに相反する性向を内在させている。問題発見的な性向と問題解決的な性向の両者を、いかに相殺せず、メタレベルでバランスを取っていくのかが、アートプロジェクトの醍醐味でもあると考えられるし、そのためには数々の経験知、集合知も必要になるだろう。
この演習ではもう一度「わたし」に立ち戻り、「わたし」が本当に大切であると思う「自分のアートプロジェクト」を構想した上で、皆で話し合い、相互に刺激を受け合っていくプロセスで展開していく。着地すべき正解があるわけではない。この動的な対話の航海を通して、新たななにか、来るべきアートプロジェクトのプロデューサー、ディレクター、コーディネーターたちに求められる姿勢が立ち上がっていくはずだと考えている。
ともに舟を漕ぎ出そうとする方々の参加を心待ちにしている。

自分のアートプロジェクトをつくる

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志さん(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミナール形式の演習を行います。状況に対してどのような問題意識をもち、どのようにアクションしていけるのかを、アーティストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士でのワークを通して深めながら、自分のアートプロジェクトを構想していきます。自分の中から生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

ナビゲーターメッセージ(芹沢高志)

アートとはまずもって、個人個人の内面にこそ、決定的に働きかけてくるものだ。自分自身の問題と向き合うための術であるとも言えるだろう。

今、私たちは、歴史的にみても大変な時代を生きている。どこに問題があるのかわからない、いや、そもそも問題があるのかないのか、それさえもわからない時がある。こういう時はひとまず立ち止まり、何が問題なのか、自分の心に問うてみる必要がある。他人が言うからではなく、いかに些細な違和感であれ、自分個人にとっての問題を発見していくことが大切なのではないだろうか。自分にとって本当に大切な問いとはなんなのか? それを形として表現していくための力を、この演習を通して培っていければと思う。

ともに舟を漕ぎ出そうとする方々の参加を心待ちにしている。

「新たな航路を切り開く」に寄せて(芹沢高志)

来るべきディレクター、プロデューサーに向けて

2020年春、非常事態下のローマで、作家パオロ・ジョルダーノは「パンデミックが僕らの文明をレントゲンにかけている」と言っていた。まったくその通りで、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、これまで私たちが見ないふりをしてきたさまざまな問題を世界中で炙り出している。
エコノミスト、モハメド・エラリアンは、リーマン・ショック(2009)以降の世界経済は、たとえ景気が回復したとしても、以前のような状態には戻らないとして、「ニューノーマル」の概念を提唱し、これまでの考えではとらえることのできない時代の到来を予告していた。その彼が今、今回のコロナ・ショックをうまく乗り切ったとしても、世界経済のかたちを変えてしまうような新たな世界「ニューノーマル2.0」の時代がやってくるだろうと予測している。つまり、自らが提唱した「ニューノーマル」という新たな世界像さえ、次のステージに入って更新されねばならないような地殻変動が、現在、進行しているというのである。これは経済分野での指摘だが、確かに私たちは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故、新型コロナウイルス感染症パンデミック、ロシアによるウクライナ軍事侵攻と世界の分断と、激動する時代のなかで、ものの見方から行動様式に至るまで、さまざまな局面で本質的な更新を余儀なくされている。それはアート・プロジェクトについても同様で、私たちは今、アート・プロジェクトのあり方や進め方に関して、新たな時代に対応する変更を求められている。
しかしもちろん、これは現在進行形の設問であり、出来上がった解答があるわけではない。本シリーズは、次代を担うアート・プロジェクトのディレクター、プロデューサーたちに向けて、今生まれるべきアートプロジェクトの姿を学び合い、新たな航路を探し出し、自らの姿勢を確立してもらうために企画されたものである。
ニューノーマル2.0時代のディレクター、プロデューサーが、アートプロジェクトの新たな時代を切り開いていかねばならない。本スクールはそうした来るべきディレクター、プロデューサーたちの、旅立ちのための港になっていきたいと願っている。

2022年4月

メディア/レターの届け方 2024→2025

多種多様なドキュメントブックの「届け方」をデザインする

アートプロジェクトの現場では、さまざまなかたちの報告書やドキュメントブックが発行されています。ただし、それらの発行物は、書店販売などの一般流通に乗らないものも多いため、制作だけでなく「届ける」ところまでを設計することが必要です。

多種多様な形態で、それぞれ異なる目的をもつドキュメントブックを、どのように届ければ手に取ってくれたり、効果的に活用したりしてもらえるのか? 資料の流通に適したデザインとは何か? 東京アートポイント計画では、川村格夫さん(デザイナー)とともに各年度に発行した成果物をまとめ、その届け方をデザインするプロジェクトを行っています。受け取る人のことを想像しながら、パッケージデザインや同封するレターを開発します。

2024年度は、花火のバラエティパックをイメージしたパッケージを制作しました。形や色、厚みもさまざまな、バラエティに富んだ発行物をひとつの袋にまとめています。袋を留めるタグ部分は五種類の色のついた厚紙を使い、各冊子から抜粋した、アートプロジェクトの現場で生まれた「ことば」を印刷しています。また、サイズの異なるタグとレターを、厚紙の裏表に印刷した上でカットしているため、無数の組み合わせが生まれています。

詳細

進め方

  • 同封する発行物の仕様を確認する
  • 発送する箱の仕様や梱包方法の検討
  • 発送までの作業行程の設計
  • パッケージと同封するレターのデザイン・制作

コミュニティ・アーカイブ・ミーティング ――能登・仙台・東京

災害の現場から「コミュニティ・アーカイブ」を考える

市民の手によって、地域の記録を残し、活用していく「コミュニティ・アーカイブ」。そのスキルを、 複数の地域や経験を重ね合わせることから、広く共有するプログラムです。
記録を残すことは、出来事の記憶を伝えることにつながっています。とくに各地で頻発する災害の現場では、多くのものが失われる一方で風景や出来事を記録しようとする無数の試みが生まれています。

本プログラムでは、各地の災害にかかわり、活動を続けてきたメンバーが集まり実施します。
東日本大震災後に「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を開始し、市民の手で記録を残す、さまざまな活動のプラットフォームとなったせんだいメディアテーク、東京都、アーツカウンシル東京が、2011年から取り組んできたArt Support Tohoku-Tokyo、東京アートポイント計画「カロクリサイクル」などの知見も活用。2024年、大きな被害を受けた能登半島への応答のなかから、互いのスキルを共有するためのディスカッションを行います。

詳細

手法

  • 東京、仙台、能登をオンラインでつなぎ、定期的なディスカッションを実施する。
  • ディスカッションの記録は、順次Tokyo Art Research Lab ウェブサイトにてレポートを公開予定。

スケジュール

  • 第1回
    参加者それぞれがこれまで行ってきた「コミュニティ・アーカイブ」にまつわる取り組みと、災害の現場とのかかわり方について共有し合う。

 

  • 第2回
    記録の実践者と現地の人々のあいだのケアなど記録にまつわるソフト面と、記録をアーカイブしていくメディアや方法といったハード面についてディスカッションを行う。

 

  • 第3回
    震災後1年を経た能登半島における課題への取り組み方を、能登周辺の活動団体と協力しながら模索する。

 

  • 第4回
    能登半島での事例をもとに、記録を保存し活用するアーカイブのプラットフォーム制作における取り組みと課題について知る。

 

  • 第5回

    これまでのディスカッションを振り返りながら、コミュニティ・アーカイブの課題と可能性について考える。

主催

東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、せんだいメディアテーク(公益財団法人仙台市市民文化事業団)

東京を“再読”する :(Re)reading Tokyo

「東京を再読する」では、memu earth labの森下有さんと、東京の水辺のリサーチから作品を制作してきたアーティストの齋藤彰英さんとともに、東京で「再読*」を試みる可能性や、わたしたちが生活のなかで探求に取り組むきっかけについて話し合ってきました。

この3日間では、仲町の家を対象に実験的に行った「再読」の試みやプロセスを、ものの対比や映像、トークによって紹介する場をひらきます。 東京という場所で「再読」を実践する可能性は何か。来ていただいたみなさんとともに、考えたいと思います。

* 目の前のものを見つめ、当たり前だと思っていることを問い直しながら、自身との関係性をあらためて読み返す行為を「再読」と呼んでいます。これは、北海道十勝地域の芽武(メム)を舞台にしたプロジェクト“memu earth lab”で実践されている活動です。memu earth labでは、自然物、動物、建物、道具など、さまざまなものを対象にして「再読」を試みています。

詳細・関連イベント

会場

仲町の家 (東京都足立区千住仲町29-1)

日時

2025年2月22日[土]~24日[月・休] 各日10:00~17:00

参加費

無料・事前申込不要(関連イベントのみ当日先着順)

関連トークイベント

①2月23日[日]15:00~16:30 テーマ「それぞれの実践を事例に、再読が育む視点を考える」

 登壇:森下有、齋藤彰英、小山冴子、櫻井駿介

②2月24日[月・休]15:00~16:30 テーマ「東京で再読に取り組むためには?」 

 登壇:森下有、齋藤彰英、小山冴子、櫻井駿介

注意事項

  • 各トークは当日受付、先着15名程度
  • 会場が混みあった際には、参加人数を制限する場合があります
  • プログラムの内容は変更になる場合があります

主催

東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
* 本企画は「アートアクセスあだち 音まち千住の縁 拠点形成事業 パイロットプログラム」の一環で実施しています。

東京を“再読”する :(Re)reading Tokyo

目の前のものと、自分自身の関係を見つめなおす

都市を構成するさまざまな風景は、人の暮らしに適したかたちに整えられ、ひとびとはそれら「当たり前」になった都市の仕組みの中で日々の生活を送っています。そうした現在の環境の中で一度立ち止まり、一歩下がり、そこから「当たり前」になっているものごとを読み解き、再び向き合うための場をひらきます。

足を止め、生活のまわりにあるものをつぶさに見ることで、わたしたちの前に見えてくるものはなにか。日常生活において見過ごしているものはなにか。それらのものたちと自分たちとの関係性とは? 普段、何気なく経験しているものごとの見方を少し変えることで、新たな発見や、文化的な価値を見出すことができるかもしれません。

本企画では、参加者が自分自身の関心をもとに探求をはじめるためのヒントを共有することで、「探求者」であることを日常とする文化の担い手を育むことを目指します。

ナビゲーターは、北海道十勝地方の「芽武(メム)」を舞台に、建築、音、食、自然環境へとアプローチしながら、目の前の対象への「再読」を実践している森下有さんです。また、ゲストアーティストとして、東京の水脈や地層のリサーチを通じて作品を制作してきた齋藤彰英さんとともに企画を構想し、参加者との共有に取り組みます。

詳細

手法

  • 企画メンバーでの定期的なディスカッション。
  • 参加者への共有方法、場づくりの検討。

スケジュール

  • 「仲町の家」(東京都足立区千住仲町29-1)を会場に、2025年2月22日[土]~24日[月・休]の各日10:00~17:00に企画発表。
  • 詳細はこちら

Artpoint Meeting #15 × 港区文化芸術ネットワーク会議 「プロジェクトを広げる、“かかわりしろ”のつくりかた」

さまざまな人たちが集まり、地域の日常のなかで文化活動を育んでいくアートプロジェクト。それはアートを通じて地域に暮らす人々の関係を編み直し、生活の多様な分野をつなげていくものとなります。その特性を活かすためには「かかわりしろ」づくりが欠かせません。

かかわりしろとは、活動や場にかかわるための「のりしろ」のこと。活動に関心をもつ人たちが、自分なりのやりかたでかかわるための余白をもつことです。多様なかかわりしろがあることで、世代や背景の異なる人たちが混じり合った場が生まれ、その場にかかわったひとたちにとっての居場所になっていくことでしょう。

プロジェクトに自分事(じぶんごと)としてかかわり、活動を続けていくために必要なかかわりしろを、どうつくっていくのか? 今回は水戸と京都からゲストを招き、ふたつの場づくりの事例をもとに、ことばを紡ぎます。

お申し込みはこちら

※事前申込を終了いたしました。先着順で当日参加を受け付けますので、ご希望の方は直接会場にお越しください。(2024.12.13更新)

詳細

プログラム

15:00~15:20  オープニング
「地域のかかわりづくりを支える仕組み
―東京アートポイント計画と港区の文化芸術活動支援」

  • 話し手:宮﨑刀史紀(Kissポート財団 文化芸術部長)、佐藤李青(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

15:20~16:00 トークセッション1
「居場所であること、そこから広がったこと―高校生ウィークの取り組み」

  • 話し手:中川佳洋(水戸芸術館現代美術センター 教育プログラムコーディネーター)
  • 聞き手:田中真実(認定NPO法人STスポット横浜 副理事長・事務局長/港区文化芸術活動サポート事業調査員)

16:00~16:10 休憩

16:10~16:50 トークセッション2
「ばらばらだけど、ともにいる場をつくる―バザールカフェの取り組み」

  • 話し手:狭間明日実、松浦千恵(バザールカフェ)
  • 聞き手:川満ニキアン(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

16:50~17:30 ディスカッション

  • モデレーター:佐藤李青

17:30~17:40 クロージング

17:40~18:00 交流時間

会場

港区立男女平等参画センターリーブラ リーブラホール
(東京都港区芝浦1-16-1 みなとパーク芝浦1F)
JR「田町駅」東口(芝浦口) ペデストリアンデッキ 徒歩5分
都営地下鉄浅草線・三田線「三田駅」A6出口 徒歩6分

https://www.minatolibra.jp/access/

参加費

無料 ※手話通訳あり・UDトークあり

主催

東京都、港区、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団(Kissポート財団)

※ プログラムは変更になる場合があります。

事例紹介

高校生ウィーク

高校生のための展覧会無料招待企画として1993年にはじまった「高校生ウィーク」。2004年からは展覧会と連動したさまざまなプログラムが行われる無料の「カフェ」をギャラリー内に設置し、その運営にも若い世代が参加する。現在は対象を多世代にひらき、常設・特設のワークショップ、読書や裁縫、市民主体の部活動への参加を通して若い世代がアーティストや来館者、ボランティアなど多様な人や価値観に出会う機会を提供している。

高校生ウィーク2024 カフェカウンター
(撮影:仲田絵美)

バザールカフェ

日本基督教団京都教区とアーティスト、市民運動家、大学教員、宣教師、牧師などで構成される共同プロジェクトとして1998年にはじまる。セクシュアリティ、年齢、国籍など、異なった現実に生きている人々が、社会のなかで「共に生きる」ことのできる場の創出を目指している。カフェ運営や庭づくりを通して働く場を提供することや、社会で起こっている課題や情報提供、活動団体間のネットワークづくりの場になること、訪れるひとの居場所になることを心がけている。

年に一度開催する「バザールフィエスタ」には200名以上が来場。

ジムジム会 2024

6つのアートプロジェクトが現場の知見を共有しあい、ネットワークを形成する互助会

アートプロジェクトは、企画や広報、経理などを担当する事務局の人々によって支えられています。
人手や時間、資金が限られているなかで、安定した体制で長く活動を続けていくためにはどうすればいいのか。日々プロジェクトの運営方法を模索し、さまざまな悩みを抱えながら活動している現状があります。

そこで、2019年度から同じような悩みを抱える「東京アートポイント計画」に参加する団体が集まり、「事務局による事務局のためのジムのような勉強会(通称:ジムジム会)」をひらき、広報やウェブサイト制作などの実務的な課題について共有し、学び合ってきました。

2024年度は、「パートナー」を主題として全4回のプログラムを実施。東京アートポイント計画の共催団体が集い、事業に関連する拠点やイベント等を訪問します。
プロジェクトで協働している地域団体、文化施設、自治体等との連携の現場や課題、成果を共有し合い、文化事業が地域に根ざすための仕組みと継続性についてディスカッションすることで、現場を動かすスキルの獲得や新たなネットワークの形成を目指します。

詳細

スケジュール

  • 2024年5月31日 第1回
    [ホスト] カロクリサイクル × [パートナー] 都立 第五福竜丸展示館
    カロクリサイクルがリサーチの一環として連携している施設「都立第五福竜丸展示館」を訪問。展示館担当者による館内ツアーや、カロクリサイクルとの事業連携、今後の活動の展望について話を伺う。

 

 

  • 2024年12月18日 第3回
    [ホスト] 多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting × [パートナー] 昭島市立光華小学校
    多摩地域の小学校の図工専科教員を対象としたプログラム「ざいしらべ」を通じて、多摩の未来の地勢図が協働している小学校を訪問し、教員や小学校との連携における現場の活動内容を紹介する。

 

  • 2025年2月19日 第4回
    [ホスト] アートアクセスあだち 音まち千住の縁 × [パートナー] 足立区
    10年以上にわたり東京アートポイント計画として活動してきたNPO法人音まち計画と、足立区シティプロモーション課の連携について、プロジェクトを地域で展開するうえでの工夫、試行錯誤を共有する。

内容

  • アートプロジェクトの事務局が集う会の開催
  • アートプロジェクト間での連携団体の現場訪問及びネットワークの形成