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REPORT

これまでの悩みからまた悩んでみる。お互いに聞いてみたい質問は?(つどつど会#04レポート)

公開日|2021.04.27

2021年2月17日、「つどつど会(都度集うアートマネージャー連絡会議)」第4回をオンラインで開催しました。

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悩みを持ち寄る4

北は秋田から南は大分まで、幅広い現場を手掛ける5名のアートマネージャーが集まり、情報共有や相談を重ねていくつどつど会。今回はこれまでに話してきたことを振り返り、議論を深めていく時間を持ちました。

これまでの悩みからまた悩んでみる

これまでのつどつど会では、現場の悩みを持ち寄っては、さらなる悩みが生まれるような場面がたくさんありました。こうなったら徹底的に悩んでみようと、3つのトピックをベースにさらにお互いに聞いてみたいことを問いかけながら進行。

約2時間に渡るつどつど会のなかで、話されたトピックの一部をご紹介します。

〈組織と働きかた〉
・組織図は描いてみた? 組織変更の進捗は?
・リモートワークで仕事って完結する?
・人探しってどうやってやっている?
・待遇の基準はどうなっている?
・アートマネージャーのあるべきキャリアパスとは?

〈記録と広報〉
・広報リストの管理、具体的にどうしている?
・届いたポスターはどうしている?
・企画がほどよく届く媒体形式とは?
・挑戦してみてよかった広報手段は?

〈ロールモデル〉
・憧れの人や活動は?

第4回を終えて。参加メンバーからのコメント(抜粋)

蟻川小百合さん(みずつち市民サポーターズ/新潟県)
「チラシやポスター、はがきDMなど、同じ紙媒体でも届けたい情報や相手によって形など伝え方をもう一度考え直せますね。市民団体は個人名刺をつくるのにもコスト面が気になって踏み出せなかったりするのですが、ショップカードのような、団体やプロジェクト単位のカードがあると何かと便利かも。今はだいたいチラシなどにも二次元バーコードを載せていて、やはりデジタルとアナログが表裏一体になっていることは多いですね。
自分自身にロールモデルというかお手本というか、そういう具体的な存在が思い浮かばないことが問題ということも痛感しました。これは個人的に引っかかりが強かったので、もう少し自分で掘り下げて考えてみようと思います」

大政愛さん(はじまりの美術館/福島県)
「今回は『アートプロジェクトや地域での活動も感情労働』という言葉にはハッとさせられました。医療福祉などケアの現場で感情労働という言葉がよく使われるように感じますが、アートプロジェクトという多様な人と関わる仕事では様々な面があると改めて考えさせられました。
つどつど会で出る話題は答えのない課題や難問が多いように感じます。ですが、最後に参加者のみなさんが『目指している人や活動』について、悩みながらもとてもイキイキとお話されている様子がとても印象的でした。自分自身も、話しながら原点のひとつを思い出させていただきました。毎回みなさんのお話を伺うと、広報の話や組織づくりの話など『今できていないこと』ばかりに目がついてしまうのですが、スタッフと共有しながら改善していきたいです」

岡田千絵さん(公益財団法人墨田区文化振興財団/東京都)
「未来をつくるために、プロジェクトの広報・記録についてしっかり考えなければいけないけれど、あんまりアートプロジェクト側の目標や成果で考えると伝わる部分が小さいのでよくないとも思います。その塩梅について考えないといけないのだなともう少し思考を深めたいところです。話しながら自分の口から出た言葉『PDFを漂流させる』などの方法が、小さな事業でも残すためにできることなのかなと思っています。今は、10年後、墨田区の文化芸術振興課に来た人が、その記録をもとに人をたどったり、規制緩和や活動指針のヒントとして使ってもらえるような、そんな資料を残したいと思っているけれど甘いでしょうか。次回ゲストに聞いてみたいです。
アートマネージャーのキャリアパスについて構造的な問題点や課題はわかっているけど、自分の人生のこととして個人的な視点で具体的に考えたいです」

月田尚子さん(NPO法人BEPPU PROJECT/大分県)
「広報物を発送したものの、届いた広報物がどう活用されているのか以前から気になっていたので皆さんに質問してみました。ポスター掲出のプライオリティなど具体的な話が聞けて参考になりました。広報リストの管理は今月も結論出ず……で、どこも苦戦している、ということが理解出来ました。繁忙期が過ぎたら、改めて研究してみます」

三富章恵さん(NPO法人アーツセンターあきた/秋田県)
「アートプロジェクトの現場を支えるスタッフという職能が、まだまだ社会的にしっかりと確立・認知されていないんだなと感じるところがあります。アーツセンターあきたでは、コーディネーターという肩書を3年つかってきましたが、『コーディネーターって何者?』というのは自分たちの中でも度々議論になります。現場や業務分担によって、発揮することが期待されている能力も異なる。学芸員は日本では『雑芸員』であると言われていると聞いたこともありますが、私たちも実態としては何でも屋だなと思うことも。また、現実はそうだとしても、これから目指していく姿・あり方はどこなんだろうか。もっと社会的に認知された肩書に寄せていくのか、それとも『コーディネーター』という職能を新しく確立していくのか、後者の場合はそれにふさわしい待遇や能力・業績の評価、キャリアパスとはどんなものなのかという新たな悩みが増えていくばかりです」


レポート執筆:中田一会(きてん企画室)

このレポートの研究・開発

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