「企画の4点セット」を準備しよう。|アートプロジェクトの運営をひらく、〇〇のことば。

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2022.08.02

執筆者 : 櫻井駿介

「企画の4点セット」を準備しよう。|アートプロジェクトの運営をひらく、〇〇のことば。の写真

アートプロジェクトの運営にまつわる「ことば」を取り上げ、現場の運営を支えるために必要な視点を紹介する動画シリーズ「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば。」から「企画の4点セット」を公開しました!

この動画では、東京アートポイント計画で、アートプロジェクトの中間支援に携わる専門スタッフ(プログラムオフィサー)が、『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>』(略して「ことば本」)から「ことば」を選んで、紹介しています。

今回取り上げた「企画の4点セット」について、ことば本では以下のように書かれています。

企画の4点セット(企画/人/お金/時間)ーープロジェクト運営のための必須項目

プロジェクトの実施状況を確認する定例会で、必須アイテムとなるのが「企画書(企画)」「体制表(人)」「予算書(お金)」「スケジュール(時間)」の4つの書類だ。

まずは、何のために、誰に向けて行う、どのようなプロジェクトなのかということ(企画)。そして実施に向けて、何人(人)、いくら(お金)、何日(時間)必要なのかという数値化された情報。この4点の確認作業を通して関係者間で情報を共有し、コンセンサスをとる。どれが欠けてもプロジェクトの進行は厳しい。無理をして進めようとしてもいずれ破綻をきたし、トラブルが起きるだろう。「やりたい」という思いだけでプロジェクトは動かせない。安定的な活動を続けるためには具体的な事実を共有し、実現性のある計画かどうかを検証することが重要である。

『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本<増補版>』アーツカウンシル東京、2020年、18頁より。本書は、以下のリンク先よりPDFダウンロードにてお読みいただけます。

東京アートポイント計画が、 アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>

企画をはじめるときに、手を付けるといい書類が「企画の4点セット」です。書類づくりを通して、自分の考えを整理したり、誰かに伝える準備をしながら、第三者の視点に立って進捗状況をチェックするための「ツール」ともいえるでしょう。重要なのは、条件を適宜確認しながら「更新」してゆくことです。

企画を相談する相手に合わせて見出しの数を検討する。コンセプトを練り直したら、企画のタイトルも再度確認してみる。予算が変われば、スタッフの人数も変わるかもしれない。スケジュールが早まれば、代わりに広報予算を足さなければならないかもしれない。つまり「企画の4点セット」は、はじめから完成するものではありません。

少しでも悩んだら、事務局や運営チームで書類の指差し確認をしてみることも大切です。まずは「現在の条件」を机上に広げて、企画のステータスを確認しながら、書いて、考えて、聞いて、書いて、もう一度確認する。その繰り返しによって、企画の輪郭がはっきりと描かれてゆきます。

企画書をつくるコツについては、『アートプロジェクトの現場で使える27の技術』でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

思考と技術と対話の学校 基礎プログラム2 [技術編] 2016 アートプロジェクトの現場で使える27の技術

企画を磨く 「ことば」 の数々

最後に「企画の4点セット」を使いこなすために、ことば本から2つの「ことば=視点」を紹介します。

ことばで戦う
ーーやりたいことを伝えるために

裏方を支える事務局の主な仕事のひとつといえるのが、プロジェクトのミッション、アイディアやプラン、実施内容、計画、依頼ごとなど事業に関わるさまざまなことを他者に伝わるよう言語化したり書類にまとめたりすること。
プロジェクトにおける5W1Hをチーム内で徹底的にたたき、一つひとつの表現や言い回しにこだわりながら、自分たちのやりたいこととその思想を伝えることばを生み出していく。
会議で企画内容を共有するとき、アーティストの作品プランを資金提供者や協力者に説明するとき、行政に許認可申請をするとき、助成金申請をするとき、企画をプレスリリースにまとめるとき、事業を報告書にまとめるとき。それぞれのシチュエーションに応じ、ことばの受け手を意識しながら、伝わることばを考える。
チーム内では通じる話も、いざ外に出ると伝わらないということもある。客観的視点を忘れずに、ときには、自分たちのことばを疑ってみることも有効だ。
プロジェクトの魅力を最大限ひきだすことばの獲得は、事業を動かす上で最大の武器となる。

ことば本、24頁より

ファクト主義になる
――「思う」「ようだ」ではなく、事実を伝える

マネジメントの現場では、事実がすべてである。物事が順調に進んでいたら良し。しかし順調でない場合は、何がどうなっているのかについての状況把握が求められる。さまざまな人が関わり、ときに予測不能なことが起こり得るアートプロジェクトは、正確な情報の入手が運営の胆となる。各プログラムの進捗確認をする際、「だと思う」「のような気がする」「おそらく」といった推測のことばは、極論をいうと「何も伝えていないのと同じ」だ。そういったあいまいな表現は、ときに混乱を招くこともある。できていること、できていないこと、これからやらなくてはならないこと。また、生じた問題、その原因や危険度などを、主観や推測を交えずに事実だけを伝える習慣を徹底することが、円滑な運営とリスクマネジメントにつながる。

ことば本、36頁より

用途に応じて何度も書類を更新しながら、事実を確認し、心身ともに準備を整える。そうすることで、不意のトラブルに対応できたり、予期せぬ展開にも余裕をもって対応することができます。

さまざまなアイデアを実現するために、ぜひ「企画の4点セット」づくりを心掛けてみてください。

アートプロジェクトの運営で「評価」を使いこなす。そして、持続的なプロジェクト運営や豊かなかかわりづくりにつなげていく。その一助として、ご紹介した動画や資料を、ご活用ください!

Tokyo Art Research Lab「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば」の再生リストはこちら

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