活動報告会|旅するリサーチ・ラボラトリーⅣ -フィールドワークと表現-

近年、アートの現場において、リサーチをもとにした作品やプロジェクトが多く見受けられます。「旅するリサーチ・ラボラトリー」は特に他分野でも広く取り入れられているフィールドワーク的実践に着目し、ジャンルを問わず興味深いフィールドワークとアウトプットをされているさまざまなリサーチャー、各地の資料館、 美術館などを訪ね、リサーチ手法、アウトプットやそれらにまつわる作法に関するグループリサーチを2014年度からスタートしました。2014年度は山口から東京、2015年度は三重から北海道、2016年は小笠原諸島へ、ラボ自体が「旅」をしながらリサーチを重ねています。

プロジェクト最終年度となる2017年度は、これまでに重ねてきたフィールドワーク、リサーチ、アウトプットに関わる多様な経験を振返り、そのエッセンスを多くの人と共有するメディアづくりに取り組みます。アーティストによるリサーチの可能性や、観察・記録の手法、アウトプットの表現方法など、「フィールドワークと表現」をめぐる新たな思考と実践を提示することを目指します。

東京ステイ 日常の巡礼~まちと出会い直す10のステップ

「東京らしさ」を持つ場の多様性と個性を見出し発信することで、東京の文化的価値を見つめ直すことに取り組むプロジェクト『東京ステイ』。東京のまちを明確な目的を掲げて歩くのではなく、まちと個人の間に物語を立ち上げる歩き方「ピルグリム(巡礼)」の実験を通して考えてきたこと、その経験や言葉をまとめました。

もくじ

日常を巡礼する
十牛図とは
「了解力と巻き込まれ力」石神夏希
NPO場所と物語
『東京ステイ』 と 「ピルグリム (巡礼) 」

旅するリサーチ・ラボラトリーⅣ -フィールドワークと表現(2017)

近年、アートの現場において、リサーチをもとにした作品やプロジェクトが多く見受けられます。「旅するリサーチ・ラボラトリー」は特に他分野でも広く取り入れられているフィールドワーク的実践に着目し、ジャンルを問わず興味深いフィールドワークとアウトプットをされている様々なリサーチャー、各地の資料館、 美術館などを訪ね、リサーチ手法、アウトプットやそれらにまつわる作法に関するグループリサーチを2014年度からスタートしました。2014年度は山口から東京、2015年度は三重から北海道、2016年は小笠原諸島へ、ラボ自体が「旅」をしながらリサーチを重ねています。

プロジェクト最終年度となる2017年度は、これまでに重ねてきたフィールドワーク、リサーチ、アウトプットに関わる多様な経験を振返り、そのエッセンスを多くの人と共有するメディアづくりに取り組みます。アーティストによるリサーチの可能性や、観察・記録の手法、アウトプットの表現方法など、「フィールドワークと表現」をめぐる新たな思考と実践を提示することを目指します。

技術を深める(第4回)

アートプロジェクトでは、アーティストやスタッフ、参加者など多様な人たちが関わり、一期一会の創造性に満ちた現場が生まれます。アーティストが時間をかけて築き上げた地域住民との関係性や、彼らの真剣な眼差し、場の一体感などは、現場に居合わせてこそ感じることができる貴重な瞬間です。しかし、それらの瞬間のすべてを記録することはできません。アートプロジェクトの価値を、参加がかなわなかった人や後世の人々に残し継いでいくためには、どのように記録やアーカイブを進めていけばよいのでしょうか。

シリーズ最終回となる第4回では、映像ディレクターの須藤崇規氏、アーカスプロジェクトコーディネーターの石井瑞穂氏、PARADISE AIRエデュケーター/コーディネーターの金巻勲氏をゲストに迎え、アートプロジェクトにおける記録・アーカイブのあり方を考えます。須藤氏は、チェルフィッチュ『ゾウガメのソニックライフ』(2011年)、あいちトリエンナーレ2013『ほうほう堂@おつかい』など、舞台作品やアートプロジェクトの写真・映像の記録撮影を多数担当しており、記録・アーカイブの様々なノウハウを持っています。また、アーカスプロジェクトは、茨城県守谷市で20年以上に渡りアーティスト・イン・レジデンスを行ってきました。PARADISE AIRは、2013年に千葉県松戸市で始動した比較的新しいプロジェクトです。いずれも毎年多くの国際色豊かなアーティストが活動を行っており、日々記録データを蓄積し、そのアーカイブや広報・ドキュメント制作などへの活用方法を模索しています。