KINOミーティングアーカイブ1 04.2022—03.2023

海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内各所で映像制作のワークショップを行うプロジェクト『KINOミーティング』。本書は、2022年度の活動を英訳付きでまとめたアーカイブブックです。

本書の前半は、KINOミーティングが活動を通して目指していることや、ワークショップを設計するなかで生まれた3つの映像制作の手法などを中心に紹介。後半は、ワークショップ参加者5名のインタビューに加え、運営スタッフによる1年間の活動を振り返る座談会と今後の活動プランを収めました。

日本に来たばかりの方が「まちを歩いているといい匂いがするけど、あれは何だろう」と言っていたのですが、私も来日したとき、同じことを感じたんです。「それはコインランドリーの匂いだと思う」と答えました。

(p.54)
目次
  1. はじめに
  2. KINOミーティングとは
  3. ワークショップ
  4. KINOミーティングの手法
  5. 参加者の声
  6. 運営スタッフ座談会

めとてラボ 2022 ―活動レポート―

「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」ことをコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクト『めとてラボ』。

2022年度は日本各地のリサーチや、コミュニケーションのあり方、手話のアーカイブに関する研究・開発などに取り組みました。そのプロセスを円形の冊子にまとめ、リングで綴じた活動レポートです。

目の前の誰かの頭のなかをのぞいて見ることができないように、つたえあうことには、常に「わからなさ」が横たわっている。

(つなぐラボ)
目次

めとてラボとは
福島リサーチ
デフスペースリサーチ
愛知リサーチ
アーカイブ・プロジェクト
つなぐラボ

関連リンク

『めとてラボ』の活動レポートは、めとてラボ公式noteに掲載しています。ぜひご覧ください。
https://note.com/metotelab/

しゃべりながら観る

全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子(マイティ)さんによる、会話を中心とした美術鑑賞の方法を「会話型美術鑑賞(しゃべりながら観る)」と名付け、紹介した冊子です。二人のこれまでの活動や、作品を介して、時間と場を共有しながらコミュニケーションをとることの面白さを紹介しています。巻末には、実際に会話型美術鑑賞を行うときのコツや、紙上鑑賞会のための図版も掲載しています。

▶本書のテキストデータは以下よりダウンロードできます。

誰かと一緒に美術館に行くと、その人と近くなる感覚はある。個人的な話が出るだけでなく、時間と場を共有することが大きいのではないだろうか。作品を鑑賞するという得体のしれない共通のテ―マがあると、自然と仲良くなってしまうのかもしれない。

(p.20)
目次

全盲の美術鑑賞って、どういうこと?

はじめて美術館に行ったのは、彼女とのデートでした。
現代美術との出会いが、わたしを変えてくれた。
盲人らしくないことがしたかった。
白鳥さんに作品を説明しても、ほとんど無反応でした。
作品を観た人の印象や思い出を知りたい。
会話しながら観ると、驚きと発見の連続です。
饒舌ではないからこそ、自由に考える隙間がある。
美術館では自分らしくいられる。
「わからない」からこそ楽しい。
しゃべりながら観るのが当たり前!?

なんでしゃべるんだろう? 白鳥建二×佐藤麻衣子

白鳥流 会話型美術鑑賞のすすめ
白鳥流 会話型美術鑑賞をやってみよう!

美術館は温かい場でありたい 逢坂 恵理子(国立新美術館長)
あとがきに代えて 森司(Tokyo Art Research Lab ディレクター)

“インフラ”としてのネットワーク|「ジムジム会」の4年間を振り返る

東京アートポイント計画」では、2019年度から「事務局による事務局のためのジムのような勉強会(通称:ジムジム会)」という取り組みを続けています。東京アートポイント計画に参加する団体が集まり、それぞれの悩みや得意技を持ち寄って、プロジェクト運営のために学び合うネットワークをつくっています。

コロナ禍でも試行錯誤を続け、これまでに20回以上開催してきたジムジム会。改めて振り返ると、同じ「ジムジム会」といえど、年度によってその役割やかたちを変えながら進んできたことが分かります。ジムジム会は何のためにネットワークづくりをしているのか? この先どこに向かっていくのか? 4年目の担当者として、これまでのジムジム会を振り返りながら考えてみたいと思います。

1年目:毎月、みんなで朝活。テーマは「届け方・つなぎ方の筋トレ」

トレーニングジムでは、エクササイズをがんばると、「いい感じですね!よいフォームです」とトレーナーが褒めてくれ、ちょっとさぼると「もう1回やりなおし」と厳しく反応してくれたりして、モチベーションが刺激されますよね。プロジェクト運営でも、反応したり、相談したりできるような仲間がいることで、持続的な活動の支えになるのではと考えました。
月1回、お互いに刺激し合い、みんなで運営のための筋肉をムキムキさせていきたいと思っています。

2019年度担当・坂本有理によるブログ記事から

初年度は秋からスタートし、月1回、ROOM302(アーツ千代田3331内)に集まって実施。日々忙しいアートプロジェクト事務局が、1日を有効に使えると良いのではと、“朝活”スタイルで午前中に開催しました。

企画・運営には、広報コミュニケーション事務所「きてん企画室」の中田一会さんをパートナーに迎え、プロジェクトをはじめたり、広げたり、続けたりするために大切な「アートプロジェクトの広報」にテーマを絞って行いました。ウェブサイトや広報紙、ドキュメントなどを切り口に、ゲストトークや各プロジェクトの事例紹介などを通して学び合いました。

広報紙を特集した回で紹介された「ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまちー」の広報紙、「ファンファンレター」をきっかけに「HAPPY TURN/神津島」の「くるとのおしらせ」が生まれるなど、東京アートポイント計画内で“かわら版”のプチブームが起きるというエピソードも。

2019年度のレポートはこちらから

2年目:突然のコロナ禍。オンラインでの実験にも挑戦

2019年度スタートし、2020年度はさらにバージョンアップして開催しよう……と企画していた矢先、今回のコロナ禍がやってきました。勉強会どころか、各プロジェクトでももちろん「移動する/集う」ことができません。
人と集まり、交流することで地域社会を豊かにすることを目指してきたアートプロジェクトにとって、大変困難な状況です。しかし、そういったタイミングだからこそ、新たな「文化事業のありかた」を探ることもできるはず。この危機は、事務局の運営力を鍛えるときであり、「文化事業を止めない力」を養うときではないでしょうか
そこで2020年度のジムジム会は、オンラインから始動することにしました。「移動せず/集わず」にできるアートプログラムの可能性や方法を話し合い、共有し合いたいと考えています。

ジムジム会2020始動にあたってのnote記事より

2020年度のジムジム会は、緊急事態宣言下のなか、「どうやって開催するか」「そもそも何のためにジムジム会が必要なのか」を考えるところからはじまりました。東京アートポイント計画のスタッフも、プロジェクト事務局のメンバーも初めて経験するコロナ禍。どう動くのが正解なのか、誰にも分かりません。当初は対面レクチャー形式での実施を考えていましたが、方針を変更し、完全オンライン形式へとシフト。全体テーマには「社会状況に応じたアートプロジェクト運営の工夫をお互いに考える」を設定しました。月に一度オンラインで集まり、この状況下で困っていることや挑戦していることを共有したり、ディスカッションなどで互いに話したりする時間を多くとりました。

運営は、急遽オンラインシフトになったことで、配信技術を学びつつ、オンラインだからこそできる実験の要素も取り入れて実施しました。オンラインドキュメントを使ったリアルタイム議事録かるたタイプの議事録(後日各団体にお届けしました)、「人間が登場する画面は飽きてきたのでは」という意見から生まれた人形劇方式での進行など、様々な方法を試しました。

また、東京アートポイント計画のスタッフが主催する「ジムジム会」は9月で終わりましたが、こういった交流の場を求める声が上がり、参加団体が自主的に行う続・ジムジム会や、よりゆるやかなオンライン交流会である「ゆるジムジム」も生まれていきます。さらに、東京アートポイント計画と連動して実施するTokyo Art Research Labでは、ジムジム会の手法を活かし、全国各地のアートプロジェクトの現場から参加者が集うつどつど会を行うという展開にもつながりました。

>2020年度のレポートはこちらから

3年目:各プロジェクトの「得意技」や「悩み」に注目。参加団体がホスト役を担う

ジムジム会のなかでも「オンラインで以前にも増して素早くミーティングが進むようになり、直近の事柄ばかりがフォーカスされ解決されていく。それではアートプロジェクト運営に必要な長期の目線を事務局員が持ちにくいのではないか」という声もありました。
この時代だからこそ先を見据え、プロジェクトのことを考えるためにはどうしたらいいのか…?(中略)
今回の「今年鍛えたい筋肉」でそれぞれの団体の課題感や関心のあるテーマを持ち寄ることができました。次回からは、そのなかからテーマを絞り深めていきます。

2021年度担当・村上愛佳によるnote記事から

2021年度は、「これからの思考・アクションのための出会いの場」をテーマに開催。前年度、参加団体によって自主的に行われた「続・ジムジム会」の流れを経て、参加団体が企画・運営を担うホスト役となり行いました。企画・運営にあたっては、東京アートポイント計画のスタッフとともに、各団体がもつ知見や経験を他の団体へ共有することを意識しました。

例えば、海外ルーツの方との協働を行う「東京で(国)境をこえる」がホスト役となった回では「ことばを壁にしない。『やさしい日本語』を使おう」をテーマとし、実際にプロジェクトの広報で行った「『やさしい日本語』を使ってプロジェクトを伝える」ワークに、全団体がチャレンジ。「やさしい日本語」とは、日本語学習中の外国の方々などとのコミュニケーションに活用されている、簡単でわかりやすい日本語です。いつも使っている事業紹介文を因数分解し、書き直していくことで、自分たちのプロジェクトで捨てられない要素を見直すきっかけになりました。

その他、昭和のホームムービーを活用した取り組みを行う「移動する中心|GAYA」のチームが「プロジェクトの記録」をテーマにしたり、様々な事業評価手法に取り組んできた「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」が「評価」をテーマにしたりと、各プロジェクトの知見や経験を他の団体と共有するなかで、プロジェクトの個性を見直すことができました。

▼2021年度のレポートはこちらから

4年目:そろそろまちへ繰り出そう。新しいメンバーと学び直し、出会い直し

(撮影:加藤甫)

そして2022年度。実は、ジムジム会の運営は毎年担当スタッフの体制が変わっており、私は今年度からの担当です。対面で実施した初年度から丸々2年間、参加団体のメンバー同士が対面で集まる機会をつくることができませんでした。この間、多様なメンバーからなる新規団体が増えたり、継続事業の事務局メンバーも変わったりしています。そして、社会的には少しずつ「“集まれそう”な予感」がある。そんななかで、担当になってまず考えたのは、今年度は「学び直し」や「出会い直し」の年なんじゃないかな、ということでした。

東京アートポイント計画は、アーツカウンシル東京や東京都、そして非営利団体という3者が行う「共催事業」です。公共事業ゆえ特有ルールが色々とあるため、ジムジム会1回目では「共催事業のきほんのき」を全員で学び直す時間をつくりました。新メンバーだけでなく、元々関わっていたメンバーからも「改めて事業の流れが分かった」という声が聞かれるなど、担当スタッフと団体メンバーとの共通言語を獲得できたようです。その後は「広報(非営利法人のブランディング)」や「評価」、「アクセシビリティ」などのテーマで学ぶ回を実施。「評価」と「アクセシビリティ」の回は、日々の事業や「ゆるジムジム」のなかで参加団体から出てきた悩みやアイディアを膨らませ、一緒に企画を行いました。

また、運営自体も新たな学びの多い1年でした。今年から参加している「めとてラボ」は、事務局メンバーのなかに手話ユーザーが多いチーム。ジムジム会としてはじめて手話通訳を導入、これまでトライアルでやっていたUDトークも本格的に運用しました。通訳の依頼時間や事前打ち合わせ、画面表示の方法など、失敗と改善を繰り返しながら、東京アートポイント計画のスタッフ自体のOJTとなりつつ、参加団体のメンバーにとっても、「さまざまな人がいる場所」となったことは、これからアートプロジェクトを運営していくにあたって良かったのではないかな、と思います。

秋以降は、参加団体同士や、過去の参加団体に話を聞きにいくヒアリング企画を実施。各ヒアリングで実りのある話を聞けたのはもちろん、事前に、事務局メンバーと東京アートポイント計画のスタッフとが「どんなことをききたいか」を決める対話を通して各事業の課題やアイディアが言語化されたこともいい機会でした。

それから、なんといっても今年嬉しかったのは、3年ぶりに対面で集まれたことです。12月に行った最終回では、ROOM302(アーツ千代田3331内)に参加団体が集い、上述のヒアリング企画について報告を行いました。オンラインの面白さや便利さはもちろんあります(実際、今回は高知県や神津島から遠隔で参加したメンバーも!)。ただ、対面で集まることで情報量がぐんと上がること、そして終わった後に立ち話で交流したりする余白があったりすることなど、集えてこなかったからこそ実感できるものがありました。

>2022年度のレポートはこちらから

ネットワークのためのネットワークではなく、使えるネットワークに

振り返ってみると、情報共有、個々人や団体としてのスキルアップ、さまざまな状況下でのプロジェクト運営のOJT…と、さまざまな目的が共在しながらジムジム会が進んできたことが分かります。その時々で、社会状況やメンバーの状況をふまえ、かたちを変えながらやってきました。

その中でも変わらないのは、ジムジム会が「インフラ=ネットワーク」であることなのでは、と気づきました。「知り合いを増やすため」といった、ネットワークづくりそのものが目的なのではなく、ジムジム会をもとに新しいチャレンジにつながったり、ジムジム会を通して事業の言語化や再発見を行えたりと、あくまで基盤であることを大事にしています。

ある人から、とある別荘地の水道についての話を聞いたことがあります。そこでは、元々水道が整備されておらず、住民たちが自分たちで開発の計画をし、水をひき、管理運営も自治的に行っていたのだそうです。その「みんなで頑張った、つくった」感を、そこのコミュニティでは共有しているんだよ、だから普段からお互い様という関係性なんだよ、と。もちろん、いい話だけではなく、大変な面も、トップダウンで整えられるべきだという面もあるでしょう。ただ、ジムジム会のネットワークについて考えた時、なんだかその水道の話を思い出したのです。

立場や肩書きに関係なく、そのコミュニティに関わる人みんなが、かたちを変えていい、使っていいネットワーク。ジムジム会があるからできることがある、ジムジム会も様々な状況に応答できる。そんな、それぞれのプロジェクトが活動を広げるためのインフラとなるネットワークとして、これからもジムジム会を進化させていければ、と思います。

Serendipity in Japanese Art Projects: 11 Years of Memorial Rebirth Senju by Shinji Ohmaki Our project story, participant voices, and project evaluations

現代美術家・大巻伸嗣の《Memorial Rebirth(通称:メモリバ)》は、1分間に最大1万個のシャボン玉を生み出す装置を数十個並べて、無数のシャボン玉で見慣れたまちを一瞬にして光の風景へと変貌させるアートパフォーマンスです。足立区千住では、『アートアクセスあだち 音まち千住の縁』の一環として、2012年にいろは通りにはじまり、区内の小学校や公園など毎年場所を変えながら、リレーのバトンのように次に手渡され、展開してきました。

このPDFは、「Memorial Rebirth 千住」が歩んだ約10年を絵物語、事業にかかわってきた人の声、そして多様な評価分析の手法で紐解いた書籍『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』を英訳したものです。

In the early spring of 2012, Memorial Rebirth began in the Senju area of Adachi City, Tokyo. That was about 10 years ago. Memorial Rebirth, commonly called “Memoriba,” is an art performance that changes the landscape by releasing many soap bubbles. This is a story of how soap bubble art weaves connections between people.

(p.05)
目次

Opening with an illustrated story

  • Story: Sumiko Kumakura Illustrations: 目[mé]

Hear a voice

  • Introduction: Social sculpture using soap bubbles?  Sumiko Kumakura
  • What is “Memorial Rebirth Senju”?
  • Cross Talk “Art? I don’t get it!”   Kazuhiro Yoshikawa / Junko Takahashi / Shinji Ohmaki / Tsukasa Mori / Sumiko Kumakura
  • The Voices of Memoriba: Before & After
  • Living flexibly during the coronavirus pandemic: A record of activities of the Otomachi Project Office and Ohmaki Denki K.K.   Rei Fujieda
  • Shinji Ohmaki and the future of Memorial Rebirth  Shinji Ohmaki

Lessons in Evaluation

  • On the Evaluation of Art Projects  Naoya Sano / Saya Makihara
  • What value was created by Memorial Rebirth Senju?  Naoya Sano
  • Memorial Rebirth: The Stakeholders of Senju  Mina Shinohara
  • The logic model as a “memory backup”: A case study of 10 years of Memorial Rebirth Senju  Saya Makihara

Artpoint Reports 2022→2023

『Artpoint Reports 2022→2023』は、一年を振り返りながら、ちょっと先の未来について語るレポートです。ウィズ・コロナにシフトしつつある社会の変化に応答した、2022年度の取り組みを、ディレクターとプログラムオフィサーが語りました。

アートの人が自分の得意と考えるゾーンがあるとしたら、いま新しくアートに関心をもつ人が魅力を感じるのは、その部分ではないこともある。そのとき、我々がいつの間にか身につけた既成概念や価値観を上手に脱がないと、いつまでも両者は溶け合うことができません。

(p.22)
もくじ

About

  • 東京アートポイント計画とは
  • メンバー紹介

Project reports 事業報告2022

News 2022の取り組み

Voices 2022→2023について語る

  • 公共性が育まれる場所
  • 「わたし」を起点にしたネットワーキング
  • 「表現」を使いこなす
  • 協働の広がりを支える
  • まずは歩いてみることから

Annual costs 事業予算

Projects 事業一覧

Information お知らせ

HAPPY TURN CHRONICLE

東京都神津島村を舞台にしたアートプロジェクト『HAPPY TURN/神津島』の変遷を、5年間の年表と、チラシや図面などの印刷物や記録写真、そして活動の裏側やこぼれ話を集めた“当事者”年表によってまとめました。

年表や関連資料はさまざまなサイズの紙面で構成され、それらをリングファイルに綴じることで1つのアルバムになります。さらに、このファイルを手にとった人々が思い思いに「神津島」と自身をつなぐメモ書きや写真などの資料をはさむことで、自分だけのアルバムが完成します。

これはもう相当大変でしたね。

(2018年9月)
目次

かたづけて/おりかえす いわさわたかし
はじめに
このアルバムの使い方
2022年度年表
2021年度年表
2020年度年表
2019年度年表
2018年度年表
わかりあえないままでいること 飯島知代
場が生きること 中村圭
「HAPPY TURN/神津島」の日々に寄せて 櫻井駿介

○ZINE -エンジン- ACKT01

アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』。このフリーペーパーは、まちに住む人に情報を発信、収集することで、これまでになかった縁がつながり、これからの活動のきっかけとなることを目指しています。

第1号のテーマは「文教都市・くにたち」。古来から先人の知恵を継いできた谷保・青柳や、理想の学問を求め拓かれた国立駅周辺など、さまざまな教育が息づいている地域の活動をつなぎ、多様な学びについて考えていきます。

活動しながら思ったのは、まちに興味がある人と話す機会はあるんですけど、興味ない人と話す機会がないんです。

(p.17)
目次

ACKT(アクト)について
谷保天満宮
NPO法人くにたち農園の会
一橋大学
国立音楽大学附属幼稚園
社会福祉法人滝乃川学園/ロボットプログラミング教室ProgLab
まちライブラリーくにたちダイヤ街/ベースクール
くにたち郷土文化館で学ぶ近代史 次の世代に生活を引き継ぐ
ACKT’s ACTION ① 「・と -TENTO-」Vol.1
ACKT’s ACTION ② 「さえき洋品●」
エンジンルームこちら企画会議 〜○ZINEを載せてACKTはどこへ向かう!?〜
堀道広「たまたまブラブラ散歩」
国立高校「私たち国高新聞部」
「CAST」vol.2 坂根知里(スナック水中代表/ママ)
「LAND」vol.2 500年のCOMMONを考えるプロジェクト「YATO」

DOCUMENT302 アートプロジェクトの担い手たちのラボ ROOM302の記録 2009-2022

「ROOM302」は、東京都千代田区のアートセンター・アーツ千代田3331にあった活動拠点です。アーツカウンシル東京が運営し、イベントやレクチャー、展覧会、アーカイブ、打ち合わせ、あるいはさまざまな実験的な活動の舞台となりました。

2023年3月、アーツ千代田3331との契約終了に伴い、惜しまれながらもROOM302の運用に終止符を打ちました。本書では、14年にわたる「ROOM302」のありようを、数々の写真と、各年度の出来事をまとめたテキスト、この場所にゆかりのある人々からの寄稿によって辿ります。

この場所が常に完璧な環境だったわけではなく、整わせ過ぎない場所であったことが共通しているように思います。そしてまた、そうした“しつらえ”によってアートプロジェクトに必要となるコミュニケーションを運営者側に考えさせる役割を果たし続けていたのではないかと感じています。

(p.79)
目次

はじめに(櫻井駿介)
足跡を辿る(大内伸輔)
言葉を編む(鄭禹晨/長島確/瀬尾夏美/工藤安代/鈴木雄介/いわさわたかし/坂本有理/太下義之/齋藤彰英/佐藤慎也)
あとがきにかえて(森司)

ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまちーとは

それまで当たり前だと思っていた考えを解きほぐす「対話」を生み出し、地域の文化資源の活用から「学びの場」 を創出する『ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―(通称ファンファン)』。つくることを楽しむための拠点「藝とスタジオ」や、これまで開発してきた一人一人の創造力と向き合うコミュニケーションプログラムなど、ファンファンの取り組みを紹介するパンフレットです。