英国と静岡の例から考える、アートプロジェクトの「成果」と「社会的意義」(APM#12 前編)

アートプロジェクトにかかわるゲストとともに、活動のためのアイデアや視点を深める東京アートポイント計画のトークシリーズ「Artpoint Meeting」。7月8日、その第12回がアーツカウンシル東京を会場に開催されました。

一過性のイベントごとではなく、協働する市民やNPOと長い時間をかけて、地域で個人が豊かに暮らしていくための文化的な営みやコミュニティをつくること。こうした活動を目指し2009年にはじまった「東京アートポイント計画」は、今年で15年目を迎えます。

そこで今回は、あらためて「アートプロジェクト」の営みに着目。「 “わたしたち”の文化をつくる─成果の見方、支える仕組み─」と題し、こうした活動が必要とされる土台や、判断が難しいその「成果」についての考え方を、国内外の事例と併せて考えました。

ゲストには、英国のアーツカウンシル史や、1970年代に同国で隆盛した市民による芸術実践「コミュニティ・アート」を研究する芸術文化観光専門職大学講師の小林瑠音(こばやしるね)さんと、さまざまな立場で文化と障害福祉やまちづくりの交わる領域に従事し、現在はアーツカウンシルしずおかのプログラム・ディレクターを務める鈴木一郎太(すずきいちろうた)さんを迎えました。

当日の模様を、ライターの杉原環樹が伝えます。

(執筆:杉原環樹/編集:永峰美佳/撮影:小野悠介*1-6枚目)

木製の本棚の前に、2人が立っている
ゲストの鈴木一郎太さん(左)、小林瑠音さん(右)。

自分を知るために、「似た他人」から学ぶ

この日はまず、「東京アートポイント計画」プログラムオフィサーの佐藤李青より、イベントの趣旨説明がありました。

2009年にはじまった東京アートポイント計画では、2022年度までに56の団体と共催し、45のアートプロジェクトを展開してきました。また、その担い手のための学びの場「Tokyo Art Research Lab」(以下、TARL)には計1869名の受講生が参加。まちなかに小さな文化やコミュニティの種、そしてそれを担うプレイヤーを広げてきました。

いっぽう、こうした活動で難しいのが、「アートプロジェクトの成果をいかに計るか?」といった問題です。展覧会やコンサートのような、集客や利益によって成果が計りやすいイベントとは異なり、「アートプロジェクトの成果は現れるまでに時間がかかるし、日々の変化は微々たるもの」と佐藤。現場で起きたことの成果をどのように見ればよいのかは長年の課題であり、今回はそれをイベントのテーマにしたと話しました。

実はTARLでは、2010年度にその名も「アートプロジェクトを評価するために〜評価の<なぜ?>を徹底解明」という連続ゼミを開催しています。その報告書でセゾン文化財団の片山正夫さんは、プロジェクトの実績を捉えるにあたっては、〈過去の自分〉と〈似た他人〉というふたつの比較軸が必要ではないかと指摘していました。

佐藤:このうち、〈過去の自分〉として、東京アートポイント計画では多くのドキュメントを残してきました。他方で〈似た他人〉、つまり自分たちと同じような活動についても知りたい。そこで今回は、英国のコミュニティ・アートを研究する小林さんと、さまざまな現場に携わってきた鈴木さんをお呼びしました。我々の活動とも共通点のあるお二人のお話を通して、東京アートポイント計画のことも『ひとつの事例』としてあらためて考えていければと思っています。

プリントと冊子の上に、「わたしたちの文化をつくる」と書かれたチラシが置いてある。チラシは紫色の背景に、紙面幅いっぱいの緑色と白色のクローバーのイラストが描かれている
メインビジュアルのモチーフである12のクローバーは、Artpoint Meetingの開催数を表している。うち一輪は四つ葉。「成果をじっくり見る」という今回のテーマから発想された(デザイン:浦川彰太)。

プレゼンテーション①小林瑠音さん

公金にも、文化政策にも、根拠が問われる英国

最初に登壇した小林瑠音さんは、「プロダクト(成果物)かプロセス(過程)か:1970年代英国アーツカウンシルのコミュニティ・アート政策を中心に 」と題したプレゼンテーションを行いました。

お客に向いた大画面のモニターの横で、座って発表する女性
芸術文化観光専門職大学 講師、小林瑠音さん。

1946年に創立された英国アーツカウンシル(The Arts Council of Great Britain 以下、ACGB)は、芸術文化事業の助成や助言を行う専門機関で、アーツカウンシル東京にとっては重要なモデルであり、まさに「似た他人」です。けれど、そこで志向される「芸術」「文化」の像は時代ごとにさまざまで、小林さんは「プロダクトかプロセスか、ACGBは表看板を常に変えるようにして活動してきた」と指摘します。

その背景として小林さんは、英国の文化政策の特徴である「内因的弱さ」を挙げます。これは平たく言えば、文化芸術に公的なお金を出すことは、英国の全国民にとって必ずしも当然のこととして受け止められているわけではない、とする現実的な側面です。実際、1970年代後半のジェームス・キャラハン労働党政権によって発行された政策ペーパーのなかには、「アートは国民生活にとって必要なものである」という前提は普遍的に共有されるものではなく、芸術への公金利用には「正当な理由づけが必要」という文言が見られます。

小林:最初にこの文書を読んだときは、1970年代末の不況期とはいえ、政府がここまではっきり言い切るのかと驚きました。ACGBの予算はこの時期にも右肩上がりだったものの、英国において芸術文化領域は決してサンクチュアリ(聖域)ではなく、それらへの公金投入に対しても厳密なゲートキーパー(門番)が必要というお国柄を表している。その辺りは芸術文化への公的支援がある程度国民的なコンセンサスとして成立しているとされるフランスやドイツと異なるかと思います。

こうした背景のもと、英国では文化政策自体にも明確な根拠を求める傾向が強まります。その最たる例が1990年代後半にはじまる「エビデンス主義文化政策」です。「what counts is what works」(重要なのは何が効果的かということ)をスローガンにしたこの時代には、プロジェクトの段階に応じた評価を規格化した「ツールキット・アプローチ」や、より定性的に活動を測る「セオリー・ベースド・アプローチ 」など、さまざまな手法によって文化的な取り組みが評価されるようになりました。

ローテーブルの上に、3冊の本が立てかけてある。左から、これからの文化を「10年単位」で語るために、英国とコミュニティ・アートとアーツカウンシル、Projectability、と表紙に書かれている
登壇者の参考図書。中央が小林さんの著書『英国のコミュニティ・アートとアーツカウンシル—タンポポとバラの攻防』(水曜社、2023年)。

数本のバラか、路傍のタンポポか?

ここから小林さんは、ACGBの歴史を振り返りながら、この組織に関するいくつかの誤解や問題点について話を進めました。そのひとつが、著名な経済学者で、ACGBの初代会長であるジョン・メイナード・ケインズをめぐるものです。

戦時中からACGBの骨組みを構想していたケインズですが、実は、ACGB初代会長就任後わずか10か月で、組織の正式な設立(ロイヤル・チャーターの公布)を待たずに亡くなります。そのため、彼が生前に集中的に行ったロンドンの劇場復興政策が、「ロンドン中心、エクセレンス重視、ハイアート志向」という悪名高い「ケインズ・レガシー」として、後世に継承されていくこととなったのです。

ACGBの舞台芸術重視、特にハイアート志向は、その事業費の内訳にも明らかだと小林さん。例えば、1960年代末〜80年代初頭の内訳を見ると、「ビックフォー」と言われたロンドンを拠点とする国立・王立劇場に対する予算が全体の約4割を占め、かつピーク時には、バレエやオペラ、クラシック音楽などを中心とする舞台芸術全般の予算で8割を割くこともあり、その配分は確かに偏ったものでした。

椅子に座りモニターを指差しながらプレゼンする女性と、そのよこには手話通訳が立っている。その様子を観客が座りながら観ている
英国アーツカウンシルの事業費の内訳(1969〜82年度)を解説。

このように設立から長年、ACGBではエクセレンス志向が続いていました。これに対して噛みついたのが、「コミュニティ・アート」の文脈で活動する人々でした。1960年代後半〜80年代前半に隆盛したこの運動では、「数本のバラではなく、路傍のタンポポに目を向けよ!」をスローガンに、ACGB本部へのデモが行われるなど、エクセレンス志向の問い直しが浮上。最盛期には全英で約300団体が活動し、その後の文化政策のあり方を大きく揺さぶりました。

小林:コミュニティ・アートの特徴は、これまで芸術とかかわりの薄かった市民が表現活動の主体となった点です。コミュニティ・アーティストたちは地域に住み込み、労働者階級やエスニックマイノリティに属する人々を対象とするワークショップを通して、演劇、シルクスクリーン、壁画、映像、冊子制作などにかかわる、創造的な技術の共有と蓄積を推進。さらに、活動の担い手自らが全国組織『コミュニティ・アーティスト協会』を設立し、政策提言を行った結果、ACGB内に専門の『コミュニティ・アート委員会』が立ち上がり、コミュニティ・アーティスト自身がその委員として文化政策に対する発言権を獲得していきました。

地図のデータの上に、たくさんのピンと吹き出しが描かれている。
小林さんの著書にまとめられた「1960年代から1980年代のロンドンの主なコミュニティ・アート団体の拠点」の図表(出所:小林、前掲書、pp.100-101)。

こうしてACGBは、1969〜82年にかけて集中的にコミュニティ・アート政策を実施しました。この際、ACGB内には先の委員会のほか、少数の専門家によるワーキング・パーティや評価に特化したグループなど、3つの専門部会が設けられました。

その活動のなかでも、1974年にACGBが発行した通称「ボールドリー・レポート」は画期的でした。そこでは、コミュニティ・アートを特徴づけるものを「技術」ではなく、自分たちの活動を社会のなかに位置づけて考える「姿勢」だと指摘。また、その担い手にとって最大の関心事はコミュニティへの影響であり、それゆえ、コミュニティ・アートが他の芸術実践と異なる点は、それが「最終的な成果物より、むしろ個人の献身や貢献を含んだ過程を重視している」点だと述べたのです。

価値観をアーカイブすることの重要性

一方で、こうしたプロセス重視の姿勢には根強い批判もありました。なかでも小林さんが注目するのが、当時ACGBの事務局⻑であったロイ・ショウによる批判です。

そもそも、従来的な芸術(ハイアート)の「卓越性 excellence」に対して、コミュニティ・アーティストが推奨したもののひとつに「レリバンス relevance」という概念がありました。これは「関連性」「当事者性」などと訳せる言葉で、ここでは「わたしたちの our own」という意味合いをもちます。つまり、コミュニティ・アートは権威によって上から与えられるものではなく、わたしたち自身によるわたしたちの文化なのだということ。この価値観に対してショウは、やはり芸術にとって作品の「質」は重要であり、それが保持されなければ「なんでもあり」の状況が生まれてしまう、と牽制したのです。事実、一部のコミュニティ・アーティストがハイアートを仮想敵と見做すあまり、コミュニティ・アート自体に反知性主義的、排他的な印象がついてしまい、ショウはそれに辟易していた一面もあったようです。

こうしてコミュニティ・アートは、1980年代半ばに勢いを失っていきます。その後長らく英国においてコミュニティ・アートはあまり着目されない傾向にありましたが、2010年代になると画期的な研究成果がいくつも公刊され、再評価が進行。こうした動きが起こった背景には、1970年代にACGBやその運動の担い手によって残されたアーカイブの存在があると小林さんは指摘します。

例えば、先の「コミュニティ・アート委員会」では、現場の人々によるアイデアを下敷きにしたコミュニティ・アートの評価軸を文書化していました。そこには「地域の人々が、芸術が自分たちと何らかの関連があり、自分たちのニーズを満たし、自信をつけ、自己表現するために参加しているかどうか」など、当時の活動で大切にされた価値観が明文化されていました。こうした文書はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館アーカイブスなどで閲覧でき、定例会議のアジェンダから出席者まで知ることができると言います。

さらに重要なのが、コミュニティ・アーティスト自身が作成した記録です。かれらは全国会議の報告書や同人誌など、多くの文書を残しました。「そうやって、数値化できない現場の出来事を言語にして価値化したり、それを共有するフィールドをつくったりといった活動を担い手自らが行なっていたことがとても重要だった」と小林さんは話します。

二枚の図表が掲載されたプレゼンスライド
小林さんが紹介した英国でのアーカイブの例より。「1979年に開催されたコミュニティ・アーティストの全国集会の報告書」(出所:Fisher, G. ed. (1979) Community Arts Conference Report 1979, Northern Arts and Gulbenkian Foundation, available at “A Restless Art”)(左)と、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジと英国映画協会(BFI)が中心となり、地域社会に関する映像を蒐集している「ロンドン・コミュニティ・ビデオ・アーカイブ」のウェブサイト(右)。

「バラか、タンポポか。プロダクト(成果物)か、プロセス(過程)か。ACGBは、時代の要請に応じて、常にその配分や力関係のバランスを調整しながら活動してきた」と小林さんは語ります。そうしたなか、半世紀近く前に市民と芸術の距離感を問い直したコミュニティ・アートの方法論や、その再評価にあたり当時のアーカイブが重要だったという指摘など、小林さんの発表からは東京アートポイント計画の活動を俯瞰的にまなざすための視点が多く含まれていました。

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英国と静岡の例から考える、アートプロジェクトの「成果」と「社会的意義」(後編)

手話に触れる文化的な取り組みを考える、動く、現在を残す

アーツカウンシル東京による手話に関する取り組みを事例に、企画づくりや運営の試行錯誤を記録するシリーズ

これまでアーツカウンシル東京では、手話やアクセシビリティ、他者とのコミュニケーションについて考えるさまざまな取り組みを実施してきました。そうした企画やプロジェクトをつくり、進めるなかで、その運営に携わるメンバーだからこその気づきや工夫、課題感があります。

本シリーズでは、アーツカウンシル東京が主催する3つの事業を事例に、それぞれの取り組みの目的や、活動を進める中での変化と広がり、そして現在の視点をまとめた冊子を制作します。掲載するコンテンツは各企画の運営メンバーとの座談会をもとに制作し、その座談会を収録した映像とともに公開予定です。取り上げる事業は、身体をつかったコミュニケーションの多様さを伝える「アートプロジェクトの担い手のための手話講座」、文化事業におけるアクセシビリティの考え方を研修動画としてまとめた「クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー」、わたしを起点に新たな関わりの回路と表現を生み出すアートプロジェクト「めとてラボ」です。

アートや文化の領域から「手話」そして「わたしたちそれぞれの文化」に向き合う事業の現在を残すとともに、その意義について考えるきっかけとなることを目指します。

詳細

進め方

  • 3つの事例へのヒアリング
  • 各取組の運営メンバーとの座談会実施、動画収録
  • 冊子と動画それぞれの編集方針検討
  • 冊子と動画の編集、デザイン

スケジュール

ろう者の感覚を知る、手話を体験する 2023

身体をつかったコミュニケーションを身につける

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間を豊かにしているのはそうした多様なコミュニケーションであり、目で見る言語である「手話」も、そのひとつです。

この講座は、ろう者の感覚に触れるとともに、手指の動きや表情など、体を動かしながらコミュニケーションを交わす初心者向けのワークショップです。手話・身体表現ワークショップ講師の河合祐三子さんや、手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、手話やろう文化を体感し、発話に頼らないコミュニケーションの姿勢を身につけることを目指します。

※定員に達したため、受付を終了しました。

詳細

スケジュール

お申し込みの際に、A日程(2023年10月・木曜19:00~)・B日程(2023年11月・日曜14:00~)から希望する講座をお選びください。両日程とも同じ内容を予定しています。

A日程

  • 第1回 10月5日(木)19:00~21:00
  • 第2回 10月12日(木)19:00~21:00
  • 第3回 10月26日(木)19:00~21:00

B日程

  • 第1回 11月5日(日)14:00~16:00
  • 第2回 11月12日(日)14:00~16:00
  • 第3回 11月19日(日)14:00~16:00

内容

  • 第1回 身体を動かして表現しよう
    ・全身をつかった手話の表現を体験します。
    ・手話を学ぶ準備運動のようなワークショップです。
  • 第2回 ろう者の「聞こえ方」を体験してみよう [ゲスト:Sasa/Marie]
    ・ゲストとともにろう者の感覚について学びます。
    ・ろう文化や他者とのコミュニケーションについて考えます。
  • 第3回 ろう者と伝え合おう
    ・ゲストとともにろう文化について考えます。
    ・シチュエーションを想定し、ろう者との対話を実践します。

会場

アーツカウンシル東京(東京都千代田区九段北4丁目 1-28 九段ファーストプレイス5階)

参加費

6,000円

8つのアートプロジェクトの事務局が集合「場をむすび、まちにひらくためのヒントを探る」

東京アートポイント計画に参加する複数のアートプロジェクトの事務局が集い、アートプロジェクトにまつわる課題や疑問についてともに学び、知見を共有する勉強会「ジムジム会(事務局による事務局のためのジムのような勉強会)」。 2023度は全体のテーマを「活動拠点」として、進めていきます。6月開催の第一回では、各共催団体の事務局が拠点のひとつ「Studio04」に集まり、今後の活動に向けてキックオフを行いました。その様子をご紹介します。

今年度のジムジム会のテーマは「活動拠点」

東京アートポイント計画は今年で15年目。社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すための拠点となる「アートポイント」をつくることを目的として、これまで東京都内各所で45事業を実施してきました。

「アートポイント」とは、人々が集まり創造的な活動を行う場所やコミュニティのこと。必ずしも具体的な施設や建物である必要はありませんが、継続的に活動を続けるうちに、やはり集まりやすく活動を行いやすい、「自分たちの場所・拠点」が必要だと感じることは多く、これまで実施してきた事業の多くが、活動の中で自分たちの拠点をつくってきました。

東京都の白地図に、東京アートポイント計画が実施してきたエリアがグレーでマークされている。そのうち、現在も活動を続けているエリアは赤色に塗られている。
これまでの活動拠点やエリアをまとめた図。現在も継続して活動している拠点をはじめ、かつて存在していた拠点も記録。プロジェクトの数だけ、拠点が生まれてきました。

アートプロジェクトを動かしていくうえで重要な役割をもつ「活動拠点」ですが、「場所」があればすぐに機能していくものではありません。地域の参加者や事業の外部パートナーといったさまざまな人々との関係、そしてそのつながりから生まれるプログラムの一つひとつが重なりあって、その場は豊かになっていきます。

そこで、今年度のジムジム会では「活動拠点」をテーマに年間の活動を組み立てました。
今年度は新たに3事業(ACKT、カロクリサイクル、めとてラボ)の拠点がオープンすることもあり、「場」をつくっていくために各団体がどのような活動をしているのか、どのように拠点を運営しているのか、どういった関係性のなかで事業が成り立っているのかなどを共有しあうことで、これからの運営のヒントとし、枠を超えて関わりしろを広げる機会となるよう設計しています。

また、これまで事務局スタッフのみで実施してきたジムジム会ですが、今回より、アーツカウンシル東京とともに事業を推進している東京都、各事業の関係者(国立市、UR都市機構)、アーツカウンシル東京の外部評価委員の方々にもご参加いただき、「東京アートポイント計画」の全体像や意義を改めて確認する時間をもちました。

プロジェクトラインナップ|それぞれの取り組みから知見を得る

会場にはプロジェクターとスクリーンがあり、その横に発表者と手話通訳が立っている。その様子を椅子に座って15人ほどが聞いている。
会場の様子。情報保障として手話通訳を入れて実施しました。

まずは、「東京アートポイント計画」として実施している事業にどのようなものがあるのか、お互いを知るため、8団体それぞれにプレゼンしていただきました。
前半は、事業の概要と直近の活動について紹介いただき、後半はプロジェクトの伴走者であるアーツカウンシル東京の担当プログラムオフィサー(以下、PO)とともに整理した運営面・企画面での課題や目標から、今年度中心的に取り組むことや目標を宣言してもらいました。

以下、それぞれのプロジェクト概要と掲げている目標のポイントをご紹介します。各団体の活動詳細や実施しているプログラムについては、リンク先からご覧ください。

■HAPPY TURN/神津島

Zoomのキャプチャ画像。会場の様子が2画面と、手話通訳の方の画面、オンラインでつないだ神津島の事務局メンバーの画面がある。
写真左上:HAPPY TURN/神津島のスタッフは拠点「くると」からオンラインで参加。

人口約1800人の神津島村を舞台に、島内外さまざまな立場の人とつながりながら、これからの生き方のヒントを発見できるようプロジェクトを行っている「HAPPY TURN/神津島」。

10年間空き家だった場所を島民と整備してつくりあげた拠点「くると」の活用の幅を広げるため、今年度はスタッフの企画による「小さな部活動」を定期的に開催し、住民と拠点との接点を増やしていくことと、共催事業の卒業を見据えて、助成金の申請や運営体制の見直しを目標にあげました。

「転勤などで移住者が多くさまざまな人々が混ざるこの島で、くるとは島暮らしを豊かに生きるための入口になっているはずだし、これからもそういう場でありたい」と話す事務局スタッフの飯島さん。
事業を立ち上げたばかりのころは、たった2人きりだったスタッフも現在では6名に。拠点「くると」が人々をつなぐ重要な場となっていることが窺えました。

■ファンタジア!ファンタジア! ―生き方がかたちになったまち―

3人が発表者が立って並んでいる。一番左に立つ女性はマイクを持っている。

「墨東エリア」と呼ばれる墨田区北東部は、2000年代初頭の住民主導のアートプロジェクトをきっかけに、現在も多くのアーティストが暮らす地域。そこを舞台に、地域の人々がアーティストや研究者との出会いを通じて、豊かに生きるための創造力を育む「学びの場」を生み出す試みを行っている「ファンタジア!ファンタジア! ―生き方がかたちになったまち―」(通称:ファンファン)。近年は「アートと名付けられない創造力」をテーマに、地域福祉との協働を中心にプログラムを展開中です。

2021年度に墨田区の東向島に「藝とスタジオ」をオープンしたファンファン。もとは町工場だった場所をDIYで整備しました。
今年度はその拠点を多様な人々にひらいていくことを目標に、オープンスタジオの運営に力を入れていくと明言。

現在は、リソグラフを使ったワークショップや勉強会などを定期的に実施しながら、地域の人々をはじめ、さまざまな方に拠点を使ってもらえるよう目指していますが、事務局スタッフの宮﨑さんはオープンスタジオを実施するにあたり「自分が思っている”オープン”って本当に”オープン”なのかというモヤモヤがあった」とのこと。

「より多くの人がスタジオに来やすいように、事前に情報が出ていると安心してこられるかなとか、駅から来るとき身体的な面で来やすくなるアナウンスができたりするのかなとか、そういうことを考えていきたい」と、アクセシビリティを意識した取り組みもはじめており、同じ「東京アートポイント計画」の共催事業である「めとてラボ」や、外部団体との連携企画も積極的に進めています。

■Artist Collective Fuchu[ACF]

4人が立って並んでいる写真。一番左側には手話通訳、一番右側の男性がマイクを持っている。

職種も年齢も多様なメンバーが集まり、身近なところにある「表現」を通して「だれもが表現できるまち」を目指すアートプロジェクト「Artist Collective Fuchu[ACF]」では、府中市で異なる視点に触れ、互いの違いを尊重し、自由で活発な表現ができる土壌づくりを行っています。

ACFは、2022年度から大東京綜合卸売センター(府中市場)場内のひと区画を間借りし「やど(仮)(かり)」という拠点を運営中。現在は、作品展示や8mmフィルムの上映会などのイベントを不定期で開催しています。

今年度の大きな目標は、「ラッコルタ―創造素材ラボ―」(以下、ラッコルタ)の活動を主軸として、拠点や府中市内外で事業を展開していくこと。
ラッコルタはACFが地域での活動を拡充していくため、府中市との連携を模索し、2021年に市と市民が協働で事業を実施し地域課題に取り組む「協働事業提案制度」に採択されて生まれたプログラムです。府中市内の企業がもつ廃材(ダンボールや布、革製品など)を創作の場に活用する仕組みづくりを行っており、地域の企業や市の担当課と密接に関わりながら事業を進めることで、市内外から声をかけてもらえるようになってきました。

担当POの佐藤は「府中市内外で福祉、教育関係者といった方々と出会い、共同企画を計画するなど活動が広がっているが、同時に多くの問い合わせがきているので、数ある事業をどのように対応していくかが課題」とコメント。
限られた人数と時間、資金のなかでどのようにプロジェクトを動かしていくのか事業の仕組みづくりを検討しながら、行政や府中市内外の企業のほか、新たな外部パートナーとの協働にチャレンジすることで持続的な事業運営を目指します。

■ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)

背の高さくらいのスクリーンの横に5人立っている。一番左側に手話通訳、一番右側の男性がマイクを持って発表している。

ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)」は、国立市文化芸術推進基本計画が掲げる「文化と芸術が香るまちくにたち」の実現に向け、行政と市民、市内外の人々が交流し、新たなまちの価値を生み出していくプロジェクトです。

ACKTは事業が立ち上がってから1年ほど拠点となる場所を探し続け、去年の12月にJR南武線の谷保駅の目の前に築70年ほどの「さえき洋品店」という古い建物をみつけました。
現在は、事務局スタッフだけでなく、手伝ってくれるボランティアも募りながら、ワーク・イン・プログレス的に月に2~3回ほど集まって拠点を整備しています。

今年度は、拠点となる「さえき洋品●(てん)」で、さまざまなアクションを起こして行くことと、パートナーである国立市との事業におけるビジョンの共有強化を図り、同じ目線で事業を進めていくことを目標に掲げています。国立市の担当職員の井田さんは「(ACKTの目標のなかに)地域課題を浮かび上がらせるとあるが、市の立場としてはこの課題に一番に取り組んでいきたい。浮かび上がらせたうえで、ACKTの活動を通じて、課題を緩和できたらと思っている」と、意気込みを語りました。

これからひらかれるであろう拠点を起点として、地域の人々とだけでなく、共催間でも手を取りあっていくことが国立市を豊かにする大きなポイントとなりそうです。

■多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting

Zoomのキャプチャ画像。会場が1画面と、発表者が1画面映っている。
写真下:事務局の宮下さん。移動中のパーキングエリアからオンライン参加。

多摩地域の文化的、歴史的特性を踏まえ、その「地勢」を探ることを通して、一人ひとりが自分の暮らす足元を見つめ直すプロジェクト「多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting」では、地域における創造的な中間支援のあり方を模索しながら、さまざまなプログラムを行っています。

多摩広域エリアを対象に、小学校の図工教員や児童養護施設と連携したプログラムなどを実施していますが、「(多摩地域で出会ってきた教員や施設職員は)学校や既存の組織なかでは解決できない問題を抱えているんじゃないかと感じていて、それに対して何ができるのかなというところを常に考えている」と、話す事務局の宮下さん。
事業を進めていくなかで、小学校や児童養護の現場から見えてくる厳しい課題に直面しつつも、事業運営の基盤やプログラムづくりを試行錯誤する様子が伺えました。

今年度は引き続き連携プログラムを行うほか、「生きることの表現」をテーマに、ワークショップやディスカッションを軸としたプログラムを開催し、小金井市にある拠点「シャトー小金井」の2階部分を地域にひらいていくことを試みます。
また、奥多摩地域の小学校を起点にした活動の展開も検討しています。

■めとてラボ

スクリーンの横に5人が並んでいる。一番左には手話通訳、一番右側の女性がマイクを持って話している。

視覚言語(日本手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり、異なる身体性や感覚世界をもつ人々とともに、自らの感覚や言語を起点にしてコミュニケーションを創発する「場」をつくるプロジェクト「めとてラボ」。

昨年度は、福島県や長野県、愛知県などの文化施設やろうコミュニティを訪問し、ろう文化やデフスペースについてリサーチを行ったり、ろう者の家庭で撮影されたホームビデオの上映会や、手話通訳環境の整備やツール開発のための勉強会「つなぐラボ」などを実施してきました。

今年度は、リサーチやヒアリングで得た学びを活かし、オープンなイベントを開催していくことと、日本聴覚障害者建築協会や筑波技術大学、研究者や専門家とも協力しながら中長期的に国内外のデフスペースのリサーチを進めていこうとしています。

また、西日暮里駅付近に拠点を構え、今年度の秋ごろのオープンを目指して準備を進めており、聞こえる人、聞こえない人に関わらず多様な人々とのネットワークづくりにも取り組もうとしています。
POの小山は、めとてラボの活動を振り返りながら「今後のアートポイント計画で実施するイベントにももっとさまざまな人に来てもらえるよう、情報保障的な部分も含めて事業を進めていきたいですし、各現場で手話通訳の導入などが日常的になっていけばいいなと思っています」と、団体に呼びかけました。

■カロクリサイクル

スクリーンの横に4人が並んでいる。左側3人が立っていて、一番右側の男性はしゃがんでスクリーンを指さしている。

被災を経験した土地に蓄積されてきた記録物(禍録)や、防災やレジリエンスにかかわる知識や表現の技術、課題等を広く共有するプロジェクト「カロクリサイクル」(以下、カロク)。災間期をともに生き、次なる災禍に備え、災後も活用できるネットワークの形成を目指しています。

カロクはこれまで東北を拠点に災禍の記録や語りを収集し、作品制作や集めてきた記録を読み合い対話する場づくりを行ってきた一般社団法人NOOKが立ち上げました。

事務局スタッフの瀬尾さんはこれまでの活動を通して「東北のことを東北のなかだけで実践していくのではなく、別の場所や体験と結びついていくことで、ある種のケアの場にもなること。語りを語れたという経験がコミュニティを広げていくことやまちづくりにもなっていくということを感じてきた」と言います。そこで、昨年度からは拠点を東京に移し、都内の歴史や災禍の記録のリサーチ、対話や制作をベースにしたワークショップなどを実施。東北で培った経験を活かしながら、全国に協働できる仲間を増やし、新しいプロジェクトをつくっていくことを大きな目標としています。

そんなカロクの拠点は、今回ジムジム会の会場にもなった「Studio04」。
UR都市再生機構(以下、UR)と協働して、江東区大島UR団地内の空き店舗を活用したコミュニティ形成事業を進めています。

URの担当職員である杉本さんは、「団地居住者や自治体運営者の高齢化が進んでいるなか、団地住民のつながりをどのように育んでいくべきなのかが問題意識としてあった。カロクリサイクルとともにアートプロジェクトを進めることで、将来的にこのエリアでいろんな取り組みが行われる拠点ができていったら良いと思っている」と、今後の活動に期待を寄せました。

■KINOミーティング

発表者として3人が立って並んでいる。中央と左側の女性がマイクを持って話している。

海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内のさまざまなエリアで映像制作を中心としたワークショップを行うプロジェクト「KINOミーティング」。対話を軸とした映像制作を通して、東京の「まち」や自身や他者への「ルーツ」について新たな視点を獲得する機会をつくり出すことを目指しています。

KINOは拠点をもたずに活動している事業です。プログラムを行う毎に公共施設などのスペースを活用して、活動を展開しています。

昨年度は、スタッフでまち歩きをしながら地域をリサーチし、在留外国人に向けたワークショップを開発。池袋と葛飾区を舞台に2回ワークショップを行いました。好評だった一方で、ワークショップ設計の都合などから短期的なプログラムとなったため、参加者と継続的な関係を築くことが難しいという課題もありました。

そうした点を踏まえ、今年度は引き続き新たなプログラムを開発していきながら、参加者との関係性を温めていくことを目標に設定。参加者を巻き込んだ地域リサーチや中長期期間でのワークショップの開催、ラジオ番組の配信など、プログラム内での「場」づくりを中心にチャレンジしていきます。

出会いをつむいでいく

ジムジム会の終了後に「事業開始から6年目、7年目を迎え、卒業を控えた団体の目標が似ていたことを考えると、スタートしたばかりの団体も後にこの課題に直面することになるんだ…!ということがわかって、ジムジム会の意味がすごくある気がしました」と、感想を寄せてくれた参加者がいました。

各団体の共催年数は2年目、3年目の団体もあれば7年目の団体もあり、プロジェクトの目的にもよりますが、活動年数や運営スタッフ数などによって抱える課題や拠点の運営手法はさまざまです。2、3年目の団体は、拠点の環境整備や運営に必要な広報、プログラム開発といった基礎力を身につけていくための目標が多いですが、6、7年目となってくると、これまで積み上げてきた活動を持続していくために、外部資金の獲得(助成金の申請や有料プログラムの開催など)や自治体連携などに力を入れていくようになります。

事業の展望を描いていく際は、当事者間だけでなく、各団体の状況を見聞きし他者の視点を取り入れることで、目的を再確認したり、ときには足元を見つめ直したりすることも重要なことだと実感しました。

発表後は、各団体が交流の時間へ。会場に設置されているカロクリサイクルによる展示作品を囲みながら、はじめましてのご挨拶を行ったり、気になったテーマや課題から今後なにかできそうですね、とそれぞれ興味を持った団体へ積極的に声をかけあう姿がみられました。
取り組みを言語化し共有していく場づくりも大切ですが、こうしたゆるりとした時間を設けることで、新たな企画が生まれることもあります。

展示台を囲んで4人が立って資料を見ている。
カロクリサイクルの常設展をみながら交流する参加者。

アートプロジェクトも、それに伴う活動拠点も、立ち上げてからがスタート。今年度それぞれが掲げた目標を軸に、似た環境にある仲間同士で支えあいながらまずは内側から豊かに。そしてその豊かさを外側へも広げていけるような学び合いを、今後のジムジム会でも実施していけたらと思います。

3列になって約30人の参加者が並んでいる。
現地に集まった共催団体、関係者、PO一同。

* 撮影(2、4、8枚目を除く):加藤甫

ジムジム会2023

8つのアートプロジェクトが集い、経験を共有する、事務局の互助会

アートプロジェクトは、企画や広報、経理などを担当する事務局の人々によって支えられています。しかし現場は人手が不足しており、時間がないなかでやり方を模索し、それぞれが悩みを抱えながら活動している現状があります。

そこで、2019年度から同じような悩みを抱える「東京アートポイント計画」に参加する団体が集まり、「事務局による事務局のためのジムのような勉強会(通称:ジムジム会)」をひらき、広報やウェブサイト制作などの実務的な課題について共有してきました。

2023年度は、東京アートポイント計画の8つのプロジェクトが集まり課題や展望を確認するとともに、お互いの企画や拠点を視察し合うことによって新たな知見の共有、自らのプロジェクトへの応用を目指します。また、地域で活動をひらくための「拠点」に着目し、そのつくり方や運営方法、役割について主宰メンバーが対談する映像を制作。ジムジム会の教材にするとともに、一般公開も予定しています。

詳細

スケジュール

  • 2023年6月16日 第1回開催
  • 2023年11月 第2回開催
  • 2024年2月 第3回開催

「拠点」のつくり方や運営について語る対談動画をYouTube チャンネルにて公開

内容

  • アートプロジェクトの事務局が集う会の開催
  • アートプロジェクト間でのピアレビューの実施
  • 拠点をテーマとした映像の制作、事務局による視聴、一般公開

関連サイト

東京アートポイント計画共催団体

ジムジム会2020

ジムジム会2021

ジムジム会2022

仲町の家(吉田武司)× 藝とスタジオ(青木彬)
国立本店(加藤健介)× くると(飯島知代)

ろう者の感覚を知る、手話を体験する

身体をつかったコミュニケーションを身につける

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間を豊かにしているのはそうした多様なコミュニケーションであり、目で見る言語である「手話」も、そのひとつです。

この講座は、ろう者の感覚に触れるとともに、手指の動きや表情など、体を動かしながらコミュニケーションを交わす初心者向けのワークショップです。手話・身体表現ワークショップ講師の河合祐三子さんや、手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、手話やろう文化を体感し、発話に頼らないコミュニケーションの姿勢を身につけることを目指します。

詳細

スケジュール

お申し込みの際に、A日程(2023年10月・木曜19:00~)・B日程(2023年11月・日曜14:00~)から希望する講座をお選びください。両日程とも同じ内容を予定しています。

A日程

  • 第1回 10月5日(木)19:00~21:00
  • 第2回 10月12日(木)19:00~21:00
  • 第3回 10月26日(木)19:00~21:00

B日程

  • 第1回 11月5日(日)14:00~16:00
  • 第2回 11月12日(日)14:00~16:00
  • 第3回 11月19日(日)14:00~16:00

内容

  • 第1回 身体を動かして表現しよう
    ・全身をつかった手話の表現を体験します。
    ・手話を学ぶ準備運動のようなワークショップです。
  • 第2回 ろう者の「聞こえ方」を体験してみよう [ゲスト:Sasa/Marie]
    ・ゲストとともにろう者の感覚について学びます。
    ・ろう文化や他者とのコミュニケーションについて考えます。
  • 第3回 ろう者と伝え合おう
    ・ゲストとともにろう文化について考えます。
    ・シチュエーションを想定し、ろう者との対話を実践します。

会場

アーツカウンシル東京(東京都千代田区九段北4丁目 1-28 九段ファーストプレイス5階)

参加費

6,000円

(スペース・ルーム)スキマを言葉にしてみるラジオ

ポッドキャスト番組「(スペース・ルーム)スキマを言葉にしてみるラジオ」は、海外に(も)ルーツをもつ人たちを対象に、映像制作のワークショップを展開するアートプロジェクト『KINOミーティング』の一環として実施しています。

本企画では、「ルーツ」という言葉における解釈の多様さや、ステレオタイプなフレームに当てはまらない個人史の一部を、従来の認識の間に見逃してきた「スキマ」と捉えています。そうした「スキマ」を言葉にすることを試み、共有する場(スペース・ルーム)をラジオとしてひらきました。

詳細

放送日時

2023年8月から、不定期で配信

聴取方法・アーカイブ

  • デジタル音楽配信サービスSpotifyで聴取
  • オーディオ/ビデオストリーミングサービスApple Podcastで聴取