「情報共有」を心がける。|アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば。

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2023.02.15

執筆者 : 櫻井駿介

「情報共有」を心がける。|アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば。の写真

アートプロジェクトの運営にまつわる「ことば」を取り上げ、現場の運営を支えるために必要な視点を紹介する動画シリーズ「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば。」から、「情報共有」を公開しました!

この動画では、東京アートポイント計画で、アートプロジェクトの中間支援に携わる専門スタッフ(プログラムオフィサー)が、『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>』(略して「ことば本」)から「ことば」を選んで、紹介しています。

2022年7月には、7本の動画を公開しましたが、今回の続編と合わせて14本の動画シリーズとなりました。この記事で取り上げる「情報共有」について、ことば本では以下のように書かれています。

情報共有:立場の違う仲間への伝え方、事務局内での「ほうれんそう」

プロジェクトの構成メンバーはその内容によってさまざまだ。行政、地域団体や研究者などアート業界以外の人と連携する場合、関係者間の情報共有に工夫が必要だ。専門領域が違うと、使用言語や物事を考える順番なども異なり、同じことを話しているつもりでもすれ違ってしまうことがある。特に初期段階では、丁寧すぎるほどの説明と情報出しをこころがけよう。共有する情報量も関係者間で漏れのないよう等しく伝えよう。どこまでが了解事項で、どこからは了解の範囲外かを確認しながら進めることが重要だ。

また、事務局内での情報共有では、プロジェクトが忙しくなると、メンバーの動きを把握するのが難しくなりがちだ。しかし、「ほうれんそう」を怠ると大きなリスクを招きかねない。日常的な情報共有は習慣化しよう。定期的に「報告」「連絡」する体制を整える。些細なことでもモヤッとしたらすぐ「相談」する。時間をかけられないときは、数文字の携帯メールでのやりとりでも良い。それぞれの業務で動きがあったとき、滞ったとき、問題が起こりそうなとき。それらの情報を適宜共有し、チーム全体で状況を把握できていることが、組織としての大きな力につながる

『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本<増補版>』アーツカウンシル東京、2020年、23頁より。本書は、以下のリンク先よりPDFダウンロードにてお読みいただけます。

東京アートポイント計画が、 アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>

動画では「情報共有」を考える4つのポイントを紹介しています。

  • ことば選び(過不足のない情報量や、業界による違いも踏まえておく)
  • ツール・メディア(機能や特性を理解して、適切なものを選ぶ)
  • 体制(誰と誰とのやり取りかによって、情報の質が変わる)
  • 頻度(スケジュールや必要メンバーを念頭に回数を設定する)

プロジェクトを運営していると「共有」という言葉がよく使われるのではないでしょうか。あらためて共有という言葉を紐解くと「伝える側」と「受け取る側」の存在が浮かび上がります。
取り上げた4つのポイントは、どちらかの側だけが考えればいいものでなく、両者ひいてはチームがともに工夫し、設計することで、報告・連絡・相談を円滑にする手がかりとなります。

「この前、電話で話したことが伝わっていない!」
「メールに書いてあるのに、どうして進んでいないんだろう?」
「会議のときは、いいよって言っていた気がするけど……。」

悩みのきっかけは、そうした認識のズレからはじまることがしばしば。もやもやしたことが続いたら、プロジェクトでの役割のみならず、それぞれのライフスタイルや得手不得手を踏まえて情報共有の仕方を確認し、見直す必要があるかもしれません。事務局の3つの役割と協働については以下の記事でも触れています。

「事務局3人組」で動く。|アートプロジェクトの運営をひらく、〇〇のことば。

何を伝えたかではなく、相手が何を受け取ったのか、自分がどう受け取ったかによってプロジェクトが動く場面も多いでしょう。お互いに抱える情報量や捉え方について、疑問があればすぐ確認できる体制が大切です。
チームづくりやツール選びのポイントについて、ウェブサイト制作を事例にした資料でも具体的に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

アートプロジェクトのためのウェブサイト制作 コ・クリエイションの手引き

伝えること、伝え合うことについて考えを深めたいときは、手話通訳の存在・役割から「間」に立つものの視点についてまとめた資料からヒントを探してみるのもひとつです。

つたえる、うけとる、つたえあう ― interpret 新たなコミュニケーションの在り方をみつけるために ―

情報共有はできて当たり前、と思いがちですが、プロジェクトを進めるうちに誰かが情報を溜め込んだり、違和感をそのままにしていることも。他者や事業とのコミュニケーションを怖がらないためにも、日頃から意識的に「共有」の質を考えることが大切なのだと思います。

Tokyo Art Research Lab「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば」の再生リストはこちら

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