Traveling Research Laboratory 2016

フィールドワークをベースとした作品を制作・発表しているアーティスト、mamoruと下道基行が中心となり結成した「旅するリサーチ・ラボラトリー」が、日本各地を旅しながら、フィールドワーク的手法とアウトプットの実践について様々な表現者へインタビューを行い、フィールドワークと表現の可能性について検証したプロジェクト「旅するリサーチ・ラボラトリー -フィールドワークと表現Ⅲ-」から生まれた、1枚のポストカードと、地図、活動を振り返ったテキストをまとめたキットです。

プロジェクト3年目となる2016年度の旅の地は、東京・竹芝港から1000km、24時間の航海の先に位置する小笠原諸島。独自のクレオール的多様性、「Nodus(接点、結び目、もつれ、難曲)」を含んだ小笠原にて、ゲストのリサーチ・ディレクターを迎え、複数のリサーチャーによるそれぞれの視点と考察の違い、それらが接触・交換する時に生まれる化学反応を観察・記録することに取り組みました。

目次

ポストカード11枚(印刷版のみ)
地図ポスター(裏面:3年間の活動を振り返った対談形式のテキスト)

旅するリサーチラボラトリーって何?
旅するリサーチの始まり ―1年目の話
リサーチを、どう記録するのか? ―1年目の話
リサーチを、どう記述するのか? ―2年目の話
新しい報告会 ―ライブはライブで― 再び1年目
ライブを、どう記述するのか?
ライブ ―ライブ―ライブ、3年目の話
空間と時間の接続方法
全てを記録(しようと)する
4年目の始まり、の話

[小笠原リサーチメンバー]
リサーチャー|mamoru(サウンドアーティスト)下道基行(美術作家/写真家)EAT&ART TARO(アーティスト)
ディレクター|森司(Tokyo Art Research Lab ディレクター)
記録|川瀬一絵(写真家)
コーディネーター|淺井 聖

東南アジアリサーチ紀行―東南アジア9カ国・83カ所のアートスペースを巡る

小川希(Art Center Ongoing代表)が2016年の3か月間、東南アジア9か国を巡り、83か所のインディペンデントなアートスペースをリサーチした旅の記録です。

もくじ

はじめに

Republic of the Philippines
01 Artery Art Space
02 Green Papaya Art Projects
03 Post
04 98B COLLABoratory
05 Kalye Art Gallery
06 Neo-Angono
07 Project 20
08 Los Otros
09 VOCAS (Victor Oteyza Community Art Space)
10 Ili-likha Artist Village
11 Gallery Orange
12 Kape ALBARAKO
13 Margaha Beach Resort
14 Kapitana Gallery
15 FitStop Bites and Bikes
16 Capricho Art Café
17 Turtle’s Nest-Republic of Indonesia
18 KRACK!
19 KUNCI Cultural Studies Center
20 Ruang MES 56
21 Cemeti Art House
22 Lifepatch
23 Ace House Collective
24 Lir Space
25 Rapermoon Puppet Theatre
26 Taring Padi
27 SURVIVE!garage
28 kebun bibi art books coffee
29 Kedai Kebun Forum
30 C2O library&collabtive
31 WAFT Lab
32 Forum Lengteng
33 Serrum
34 ruangrupa
35 Kineruku
36 PLATFORM3
37 Ruang Gerilya
38 Salasar Sunaryo Art Space
39 Tobucil&Klabs
40 Omuniuum-Thailand
41 Chiang Mai Art Conversation(CAC)
42 The Godung
43 Gallery Seescape
44 Angkrit Gallery
45 Art Bridge Chiang Rai
46 Ne’na Contemporary Art Space
47 The Land Foundation
48 Pongnoi Community Art Space
49 Maa in Soi
50 Lyla Gallery
51 Documentary Arts Asia
52 Ung Shop Gallery Film.
53 The Reading Room Bangkok
54 Speedy Grandma

Lao People’s Democratic Republic
55 i:cat gallery-Republic of the Union of Myanmar
56 New Zero Art Space
57 Studio Square-Thailand
58 Baan Noorg Collaborative Arts&Culture
59 Tentacles-Republic of Singapore
60 Post-Museum
61 Grey Project-Malaysia
62 Kelab Bangsar Utama
63 Rumah Titi
64  indars 無限發掘
65 HOM Art Trans
66 Live Fact
67 REAL WORKS
68 Lostgens’ Contemporary Art Space
69 Rumah Api-Socialist Republic of Viet Nam
70 Dia Project
71 GiantStep Urban Art Gallery
72 Sàn Art
73 The Factory Contemporary Arts Center
74 Zero Station
75 New Space Arts Foundation
76 Nhà Sàn Collective
77 Six Space
78 Manzi
79 Heritage Space-Kingdom of Cambodia
80 SA SA BASSAC
81 JavaArts
82 Sa Sa Art Projects
83 The 1961 Coworking and Art Space

おわりに

思考と技術と対話の学校 基礎プログラム「仕事を知る」講義録 2015

アートプロジェクトを動かす力を身につける「思考と技術と対話の学校」基礎プログラム1・2の講義録(2015年度「仕事を知る」編)です。

もくじ

基礎プログラム1[思考編]
松尾真由子(Breaker Project事務局長)
佐脇三乃里(認定NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター アシスタントディレクター)
宮永琢生(演劇プロデューサー)
長内綾子(Survivart/キュレーター)
小林瑠音(應典院アートディレクター/文化政策研究者)
田中真実(NPO法人STスポット横浜 地域連携事業部ディレクター/横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局長)
新居音絵(エヌ・アンド・エー株式会社[ナンジョウアンドアソシエイツ]執行役員)

基礎プログラム2[技術編]
吉澤弥生(共立女子大学文芸学部准教授)
上田假奈代(詩人/詩業家/NPO法人こえとことばとこころの部屋〔ココルーム〕代表)
雨森 信(大阪市立大学文学部 特任講師/Breaker Projectディレクター)
帆足亜紀(アート・コーディネーター/横浜トリエンナーレ組織委員会事務局プロジェクト・マネージャー)
齋藤 啓(鳥の劇場 制作担当)
山出淳也(NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト)

思考と技術と対話の学校 2015 基礎プログラムガイド

アートプロジェクトを動かす力を身につける「思考と技術と対話の学校」2年目(基礎プログラム1,2)のプログラムガイドです。「基礎プログラム」の仕組みと特徴、学びのサイクル、受講生やスクールマネージャーの声などを収録しています。

もくじ

「ブーム」から「営み」へ 森 司

「思考と技術と対話の学校」基礎プログラムとは

思考編(2015年度)
技術編(2015年度)

スクールマネージャー座談会
受講生インタビュー
図書室

「続・日本型アートプロジェクトの歴史と現在1990年→2012年」(後編)

2015年1月から2月に5回にわたり開催した「『日本型アートプロジェクトの歴史と現在1990年→2012年』を読む」の記録(抜粋)です。『日本型アートプロジェクトの歴史と現在1990年→2012年』の各章のテーマに沿って、新たな事例を紹介するプレゼンテーションとディスカッション加えています。

もくじ

続・第5章 スタッフ×アートプロジェクト ゲスト:樋口貞幸
「アート・アドミニストレーターの立場から『芸術労働者』について考える」

続・第6章 社会×アートプロジェクト ゲスト:久保田 翠
「NPO法人クリエイティブサポートレッツ 1人のためにはじめた場所が『公共』になる」

続・第7章 企業×アートプロジェクト ゲスト:杉浦太一
「株式会社CINRA ウェブ事業で、文化を広めたい」

続・第8章 アーティスト×アートプロジェクト ゲスト:北澤 潤
「アーティストの立場から コミュニタスを生み出す『もうひとつの日常』」

続・第9章 3.11以降の動向 ゲスト:小山田 徹
「『迎え火』プロジェクト 新たな風習をつくる」

An Overview of Art Projects in Japan: A Society That Co-Creates with Art

“An Overview of Art Project in Japan: A Society That Co-Creates with Art”は、研究・開発事業「日本型アートプロジェクトの歴史と現在についての情報発信研究」の一環として制作されました。

This report was compiled as a part of the Tokyo Art Research Lab (Arts Council Tokyo)’s “Dissemination and Research on the History and Present State of Art Projects in Japan” research and development program (consigned to Tokyo University of the Arts).

本書は、『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』のエッセンスを海外に向けて紹介することを目指し、熊倉純子東京芸術大学教授監修のもと展開された研究開発事業の成果物です。

近年日本国内ではアートプロジェクトと呼ばれる活動が各地で見られる。欧米圏ではソーシャリー・エンゲイジド・アートと呼ばれるような活動や、「関係性の美学」 という概念をめぐる論争がみられる。しかし日本で行われているアートプロジェクトは、このような先行する言説のみでは説明がつかない事象が起こっているように感じられた。それゆえ、日本国内のアートプロジェクトについて事例と理論を交えて網羅的に論じた『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』を英訳することによって、芸術と社会をめぐる英語圏の諸理論に新たな一石を投じることを目指した。

(日本語版「はじめに」より)

This report is a condensation of a collaborative research project conducted over five years, directed by Sumiko Kumakura, professor at Tokyo University of the Arts, as a part of the Tokyo Art Research Lab. It is intended to summarize the salient points of the research for an English-language audience who may be familiar with recent trends in socially engaged art and social practice but not as familiar with the corresponding scene in Japan.

Table of Contents

Introduction

What are Art Projects?: History and Relationship to Local Areas
by Sumiko Kumakura and Yūichirō Nagatsu

What are “Art Projects”?
The Prehistory of Art Projects
Regional Art Projects

Column 1 An Overview of Large-Scale Art Festivals in Japan

Case Studies from Japan’s Art Projects: Their History and Present State, 1990-2012
by The Art Project Research Group

1 Universities and Art Projects: Hands-On Learning and Hubs for Local Communities
2 Alternative Spaces and Art Projects: New Developments in Realizing Sustainable Support Systems
3 Museums and Art Projects: Community Projects Initiated by Museums
4 Urban Renewal and Art Projects: Building Social Capital
5 Art Project Staff: The Different Faces of Local Participants
6 Art Projects and Society: Social Inclusion and Art
7 Companies and Art Projects: Why Companies Support Art Projects
8 Artists and Art Projects: The Good and Bad of Large-Scale Art Festivals Held in Depopulated Regions
9 Trends After the 3.11 Earthquake: Art Projects Confronting Affected Areas of the Tōhoku Region

Thinking about the Aesthetic and Social Value of Art Projects
by Sumiko Kumakura

Departure from a Normative Definition of the Artwork
Trends and Cultural Background of Art Project Research in Japan
Local People as Evaluators of Art Projects

Column 2 Case Studies of Co-Creative Projects 1: Jun Kitazawa’s Sun Self Hotel
Column 3 Case Studies of Co-Creative Projects 2: Hiroshi Fuji’s OS Art, Kaekko Bazaar
Column 4 The Theory of Social Capital
Column 5 Marginal Art and Art Projects

Contribution by Justin Jesty
Written by Sumiko Kumakura and Yūichirō Nagatsu (The Art Project Research Group)
With a contribution by Justin Jesty
Translation, editing, and project management by Art Translators Collective (Kanoko Tamura, Nobuko Aiso, Shuko Ebihara, and Tomoko Momiyama)
Translation and copyediting by Justin Jesty
Design by Mashu Miyagai (m-nina)
Project supervised by Yuri Sakamoto (Arts Council Tokyo)

Traveling Research Laboratory 2015

フィールドワークをベースとした作品を制作・発表しているアーティスト、mamoruと下道基行が中心となり結成した「旅するリサーチ・ラボラトリー」が、日本各地を旅しながら、フィールドワーク的手法とアウトプットの実践について様々な表現者へインタビューを行い、フィールドワークと表現の可能性について検証したプロジェクト「旅するリサーチ・ラボラトリーⅡ -フィールドワークと表現」の記録集です。

三重から北海道まで12日間、総移動距離4,479kmの旅リサーチ中に収録したポッドキャスト番組(全6回)を収録したCD-ROM、ポッドキャスト収録場面や各ロケーションのドキュメントフォトと旅にまつわるエッセイを収めたブックレット、移動の軌跡をあしらったケースです。旅先で訪ねた山本命(松浦武四郎記念館主任学芸員)、紺川滋(遠野ユースホステル オーナー)、湧坂周一(羅臼郷土資料館前館長)のエッセイのほかに、下道基行とmamoruも執筆しています。

もくじ

ブックレット

CD-ROM ポッドキャスト番組 全6トラック収録 *同内容は以下のリンクからお聴きいただけます。
第1回 8/26 「芭蕉翁記念館&松浦武四郎記念館へ!
第2回 8/27 「ゼンリンへ
第3回 8/28 「日光東照宮から象潟へ 映像人類学者・川瀬慈さん登場
第4回 8/30 「気仙沼ー陸前高田 函館
第5回 9/1,2,3「ゲストシート・スペシャル in 北海道。詩人で明治大学教授の管啓次郎さん登場
第6回 9/4  「最終回 北海道の総まとめ

アート・アーカイブの便利帖ーアート・プロジェクトをアーカイブするために知りたいこと

プロジェクトの運営に携わるスタッフが活動の記録を整理・活用し、アーカイブするために役立つアプローチや手法を紹介した入門書です。アーカイブに取り組むときに、そのポイントや手順を確認することができます。

本書では、プロジェクトの現場担当者がアーカイブをはじめるために必要な事柄が4つのパートで紹介されています。まずは、アーカイブのメリットを理解し、現状を把握するための自己診断。次に運営組織やプロジェクトに不可欠な「バイタル・レコード」とアーカイブに取り組むための具体的な「ベーシック・テクニック」が続きます。最後に、アーカイブの実践を進めるためのヒントや便利なリストが収録されています。

もくじ

はじめに
アーカイブするシ・く・み
タイプ別自己診断
便利帖の進め方
バイタル・レコード
ベーシック・テクニック
アーカイブするヒント
アーカイブ便利リスト
索引

付録しおり
便利帖のしおり

思考と技術と対話の学校 基礎プログラム「思考を深める/想像を広げる」講義録 2015

アートプロジェクトを動かす力を身につける「思考と技術と対話の学校」基礎プログラム1の講義録(2015年度「思考を深める/想像を広げる」編)です。

もくじ

手塚夏子(ダンサー/振付家)×熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授/医師)×大澤寅雄(ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室/文化生態観察)
港 千尋(写真家/著述家)×スザンヌ・ムーニー(アーティスト)×毛利嘉孝(社会学者)
伊藤亜紗(美学者)×西尾佳織(劇作家/演出家/鳥公園主宰)×石幡 愛(としまアートステーション構想事務局長/一般社団法人オノコロ)
山田慎也(国立歴史民俗博物館民俗研究系准教授)×EAT&ART TARO(現代美術アーティスト)×長島確(ドラマトゥルク)
家成俊勝(建築家/京都造形芸術大学空間演出デザイン学科特任准教授)×鈴木一郎太(〔株〕大と小とレフ取締役)×佐藤慎也(日本大学准教授)
伊藤洋志(起業家/ナリワイ代表)×現代芸術活動チーム「目(め)」(南川憲二/ディレクター 荒神明香/アーティスト)×吉澤弥生(共立女子大学文芸学部准教授)

「日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年」補遺

2013年に発行した『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』のダイジェストに加え、新たに書き下ろした2編の補遺を収録しています。

2013年に発行した『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』のエッセンスを海外に向けて紹介することを目指し、英訳本“An Overview of Art Projects in Japan: A Society That Co-Creates with Art”が2015年に発行されました。本書は、新たに書き下ろした2編の補遺を収録しています。

もくじ

はじめに

アートプロジェクトとは何か?:その歴史と地域との関係性 熊倉純子・長津結一郎

「アートプロジェクト」とは
アートプロジェクト誕生の背景
地域型アートプロジェクト

コラム① データで見る大型芸術祭

ケーススタディ:『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』の概要から アートプロジェクト研究会・編

大学×アートプロジェクト:現場型教育と地域の拠点としての役割
オルタナティブな場×アートプロジェクト:持続可能なスキームに向けた新展開
美術館×アートプロジェクト:美術館がまちに仕掛けるアートプロジェクト
まちづくり×アートプロジェクト:まちへのアプローチとその関係づくり
スタッフ×アートプロジェクト:地域型アートプロジェクトを支えるスタッフたちの横顔
社会×アートプロジェクト:表現活動と社会が抱える課題の接近
企業×アートプロジェクト:企業がアートプロジェクトを支援する理由
アーティスト×アートプロジェクト:過疎地における大型フェスティバルの可能性
3.11以後:被災地に向き合うアートプロジェクト

アートプロジェクトの美的・社会的価値についての考察 熊倉純子

作品という規範からの逸脱
署名性への疑問
才能(talent)から共創(co-creation)へ
日本のアートプロジェクト研究の潮流と文化的背景
社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)
民俗学的な視点
アートプロジェクトを誰が批評するのか
そもそもアートプロジェクトに批評は可能か?
主体的な市民の社会

コラム② 共創的プロジェクト事例1——北澤 潤「サンセルフホテル」
コラム③ 共創的プロジェクト事例2——藤 浩志「かえっこバザール」
コラム④ 社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)

コラム⑤ 限界芸術とアートプロジェクト

特別寄稿「アートプロジェクト:日本の現代アートにおける新たな公共性の文脈」 ジャスティン・ジェスティ