年表を作る 2011年以降のアートプロジェクトを振り返る

実践者の視点から10年の軌跡を辿り、新たな時代を思考するための手がかりを探す

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトを俯瞰し、年表を制作します。同シリーズでのプロジェクト「アートプロジェクトと社会を紐解く5つの視点」や、「ケーススタディ・ファイル」、演習ゲストとの対話の中で得た実践者たちの視点も組み込みながら、社会にひらかれ、成長を遂げるものとして更新していきます。年表をつくるなかで、プロジェクト間のつながりや、社会との関係、コミュニティとのかかわりなど、新たな分類が見えてくるはずです。

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進め方

  • 「新たな航路を切り開く」の各プログラムの進行に合わせて、リサーチメンバーで内容を検討しながら年表を制作
  • 2011年以降のアートプロジェクトについての事例を調査
  • 社会的な出来事とアートプロジェクトの連関を検討
  • 10年を俯瞰する年表として事例を精査し、整理
  • 年表から見えてくるトピックを洗い出し、「新しい文脈」の発見
  • ウェブサイトでの年表の実装方法を検討

Webサイトの価値や在り方を考える 制作チームでウェブサイトをともに考えるためのガイドマップづくり

ウェブサイトを制作する際のもやもやを共有するためのツールをつくる

現在、世界中にはおよそ18億ものウェブサイトが存在していると推定され、いつの間にかなくてはならない身近な存在になりました。しかし、実際にウェブサイトをつくろうとすると、どこから考えはじめ、誰と、いくらくらいでどうつくるのか、悩みはつきません。SNSによる情報発信が主流となりつつある昨今、そもそもウェブサイトは必要なのでしょうか。

こうしてスタートした2021年度の「これからのWebサイトについて考える」では、編集者、広報担当者、デザイナー、エンジニアなど、さまざまなメンバーがウェブサイトの制作過程に立ち現れる課題についてディスカッションを重ねました。そこで浮かび上がった7つのもやもや――短期的な評価と長期的な価値、ウェブサイトの費用と手間、アーカイブデザイン、誤配、人柄や内面などの周辺情報の伝え方、かっこよさと実用性、情報保障とアクセシビリティ――に対する向き合い方(=指針・モノサシ)を『ウェブもやもや事典』としてインターネット上にまとめています。

今回はこうしたもやもやを、ウェブサイトの制作チームで共有するためのツールをつくります。進め方に悩みがちなウェブサイトの制作プロセスをまとめるとともに、アートプロジェクトをはじめとした事業設計を見つめ直すガイドマップを目指します。

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進め方

  • オンラインや対面での制作会議を不定期で開催。
  • 2021年度開催「これからのWebサイトについて考える」参加メンバーとの意見交換。
  • 刊行を記念したオンライン座談会(全5回)の開催。

関連記事

▶オンライン座談会「誰かと一緒にウェブサイトをつくるために必要なことはなんだろう?」

プラクティス:手話と出会う

映像プログラムで学んだ手話をオンラインで実践する

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、昨年度に公開した「映像プログラム|手話と出会うアートプロジェクトの担い手のための手話講座」を教材に、手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、オンラインで手話でのコミュニケーションの基礎を学びます。個人学習を復習しながら、手話で会話をし、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いなど、ろう文化にも触れながら学習します。

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スケジュール

9月1日(木)20:00〜21:30
第1回 手話の基礎表現を学ぼう

自己紹介、時間・数字の表現、度合い(強弱の表現)について

9月8日(木)20:00〜21:30
第2回 自分のことを伝えてみよう

NMM(非手指要素)、趣味・嗜好、YES/NOについて

9月15日(木)20:00〜21:30
第3回 仕事のことを伝えてみよう

職業・役割の表現、受付窓口の対応(買う/売る)について

9月22日(木)20:00〜21:30
第4回 CL表現を学ぼう

目で見たままを伝える、さまざまなCL表現について

9月29日(木)20:00〜21:30
第5回 間違いやすいポイントを知ろう

間違いやすい手指のかたち、手話とTPO、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いについて

参加費

7,500円

ジムジム会2022

手を取り合い、次を考える、アートプロジェクト事務局の互助会

アートプロジェクトは、企画や広報、経理などを担当する事務局の人々によって支えられています。しかし現場は人手が不足しており、時間がないなかでやり方を模索し、それぞれが悩みを抱えながら活動しているのが多くの現状です。

そこで、2019年度から同じような悩みを抱える「東京アートポイント計画」に参加する団体が集まり、「事務局による事務局のためのジムのような勉強会(通称:ジムジム会)」をひらき、広報やウェブサイト制作などの実務的な課題について共有してきました。

2022年度は、新しく東京アートポイント計画に3つのプロジェクトが参加。そこで東京アートポイント計画の「共催」の仕組みや、アートプロジェクト運営に必要なポイントをあらためて確認し、現場のスキルのボトムアップを目指します。また、手話通訳やUDトークを導入し、アクセシビリティの向上にも取り組みます。

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スケジュール

5月25日(水)
第1回 1年生から6年生が大集合! ジムジム会キックオフ

6月22日(水)
第2回 スタート地点でもあり、帰ってくる場所でもある。事業の「理念」を整理しよう

発表:柏木輝恵(NPO法人シミンズシーズ)

7月27日(水)
第3回 評価の準備運動、評価の下ごしらえ

発表:ファンタジア!ファンタジア!−生き方がかたちになったまち−

9月21日(水)
第4回 「め」と「て」でひろがるコミュニケーション

発表:めとてラボ

12月17日(土)
第5回  歳末学び合い〜解決のヒントはおとなりさんがもっている〜

 

関連サイト

東京アートポイント計画共催団体

アートプロジェクトの現場から外国ルーツの若者の支援について考える

これから求められる外国ルーツの若者に対する支援や仕組みづくりを考える

日本では、多くの在留外国人や外国にルーツをもつ人々が生活しています。なかでも親に連れられて日本にやってきた若者たちが、コミュニティや縁から切り離されずに学んだり、居場所をもったりするには、どうしたらいいでしょうか。

ナビゲーターは、高校生の中退予防やキャリア支援など、外国ルーツの若者たちの可能性を広げるために多角的な活動を行ってきた海老原周子(一般社団法人kuriya代表、通訳)です。その活動は、ワークショップなどだけでなく、定時制高校の設立や、かれらの生きた声を国に届けるための政策提言へとフェーズを変えています。

今回は、kuriyaと縁の深い4名のゲストの活動を紹介しながら、外国ルーツの若者を取り巻く現状や課題を紐解きます。ゲストは、三富章恵さん(NPO法人アーツセンターあきた 事務局長)、香港アートセンターで移民の若者対象の映像ワークショップをソーシャルワーカーとともに行っているTo Yee-lok Tobeさん(マネージャー)、kuriyaユーススタッフのAvinash Ghaleさん(デザイナー/プログラマー)、Okui Lalaさん(ヴィジュアルアーティスト/カルチャーワーカー)です。

また、これまでの活動をまとめた著作『外国ルーツの若者と歩んだ10年』(アーツカウンシル東京、2020年)を参照しながら、これからの社会で必要とされる支援や活動のあり方と、アートプロジェクトの可能性や限界について探ります。

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スケジュール

11月26日(金)20:00〜21:30
第1回 アートプロジェクトの現場から見えてきた状況と課題

ゲスト:三富章恵(NPO法人アーツセンターあきた 事務局長)

  • 多文化共生を目指したアートプロジェクトの実践について
  • アートプロジェクトを通して見えてきた課題やさまざまな障壁

12月10日(金)20:00〜21:30
第2回 アートプロジェクトの可能性とその限界

ゲスト:To Yee-lok Tobe(マネージャー)

  • アートプロジェクトの現場で直面した課題とどのように向き合い、動いてきたのか
  • 香港アートセンターの取り組みから得た課題解決へのヒント

12月24日(金)20:00〜21:30
第3回 社会包摂の学びの場~担い手を育てる~

ゲスト: Avinash Ghale(デザイナー/プログラマー)

  • 当事者にとって何が必要とされているのか(アートは必要なのか?)
  • アートプロジェクトの経験を通して得たこと
  • 外国ルーツの若者たちのための活動において、今後求められる担い手

1月28日(金)20:00〜21:30
第4回 アーティストとともにつくる

ゲスト:Okui Lala(ヴィジュアルアーティスト/カルチャーワーカー)

  • アーティストとともに展開したアートプロジェクト
  • 外国ルーツの若者たちとの活動における、アーティストのかかわり方について

2月25日(金)20:00〜21:30
第5回 政策提言からアートプロジェクトの現場へ

  • 現場から見えてきた課題と制度的な壁
  • 政策提言の取り組み
  • アートプロジェクトだからできること
  • これまでの対話を振り返りつつ、これから求められる活動、アプローチ、仕組みづくりを考える
    ※第2〜4回は、英語で実施し、日本語字幕付き動画(約90分)を配信

参加費

一般 5,000円/学生3,500円

関連サイト

東京プロジェクトスタディウェブサイト

これからのウェブサイトについて考える Webサイトは必要か? できること/できないこととその可能性を探る

「そもそもウェブサイトは必要なのか?」という問いを起点に、もやもやに向き合い、ウェブサイトづくりを再考する

2021年現在、世界中にはおよそ18億ものウェブサイトが存在していると推定されています。ウェブサイトは、いつの間にかなくてはならない身近な存在になりました。しかし、実際につくろうとすると、どこから考えはじめ、誰といくらくらいでどうつくるのか、悩みはつきません。さらに、SNSによる情報発信が主流となりつつある昨今、果たしてウェブサイトは最適なメディアなのでしょうか。

そこで今回は「そもそもウェブサイトは必要なのか?」という問いを起点に、ウェブディレクターの萩原俊矢とともに、ウェブサイトが得意なこと、苦手なことを探り、これからの可能性について探求します。ワークショップやディスカッション、国内外の先進的な事例のリサーチ、ゲストによるレクチャーなどを通じて、インターネットの歴史や動向を学び、ユーザーの姿(ペルソナ)やアクセシビリティなどについて考えていきます。これらの経験を通して、参加メンバーが自分の「指針/モノサシ」を獲得し、それぞれの現場にいかしていくことを目指します。

詳細

スケジュール

11月27日(土)10:15〜13:15
第1回 なぜいまウェブサイトについて考えるのか?

  • ガイダンス、自己紹介、ワークショップ
  • 仕事やプロジェクト、興味・関心について紹介し合う
  • 考えてみたいことや悩みを共有する
  • オンラインでのコミュニケーションツールを決める

12月18日(土)10:15〜13:15
第2回 あなたのウェブサイトの「ユーザー」とは誰なのか?

  • ウェブサイトのユーザーについて具体的に想像する
  • 誰が対象となっていて、誰が対象とはならないのか考える
  • それぞれの興味・関心に合わせてリサーチ

1月22日(土)10:15〜13:15
第3回 リサーチの報告会・勉強会

  • リサーチ結果の報告会
  • 国内外の参考事例を眺める
  • ディスカッション、質疑応答

1月26日(水)20:00〜22:00
第4回 ゲストレクチャー:伊敷政英(Cocktailz)

アクセシビリティの観点から、ウェブサイトにおけるエクスクルージョン/インクルージョンについて考える

2月5日(土)10:15〜13:15
第5回 「ユーザー」になりきって情報発信を考えよう&ウェブサイトづくりのお悩み相談会

  • あなたのプロジェクトとあなたのユーザーが出会う場所を想像しよう
  • お悩み相談会:ウェブサイトをどうやってつくる?
    (例)自分たちでなんとかする場合とプロと一緒につくる場合の違いや進め方、ツールなど

2月19日(土)10:15〜13:15
第6回 自分の目指すウェブサイトのあり方、報告会とディスカッション

  • スタディを通して見えてきた「自分らしいウェブサイトや、情報発信のあり方」を発表
  • 発表内容についてメンバー間で対話
  • まとめ

会場

基本はオンライン開催。状況に応じて、ROOM302(3331 Arts Chiyoda 3F[東京都千代田区外神田6-11-14-302])でのオフライン開催を設定する(ただしその際はオンラインも併用しつつ開催予定)

参加費

一般 9,000円/学生6,000円

関連サイト

東京プロジェクトスタディウェブサイト

ナビゲーターメッセージ(萩原俊矢)

インターネットや Web をとりまく状況は、日々猛スピードで変化しています。

1994年、誕生したばかりのYahoo! には、約2万4000件のホームページが手動で登録されていました。それが今では、世界中におよそ18億もの Web サイトが存在していると推定されています (*1)。

それにとどまらず、ソーシャルメディアによって誰もがインターネットに参加できるようになったことで、今では YouTube に1日あたり10億時間分もの映像がアップロードされ(*2)、インスタグラムには1秒間に約1157枚の画像が投稿されているそうです (*3)。

みなさんの存在や活動を、遠く離れた人たちへ伝えるために Web サイトは、きっと今も有用なツールだと思います。権威に頼らず自由に表現ができる数少ないプラットフォームであると考えています。同時に、ただ公開するだけではほとんど誰にも見てもらえない、という厳しい現実もあります。

ひとりの人が一生をかけても見きれないほどの情報がアップロードされ続けている今、私たちはWebサイトづくりとどう向き合うべきなのでしょうか。

この問いに答えがあるのかはわかりません。でも、わたしが日々Webサイトを作る仕事をするなかで考え続けているテーマではあります。

誰に、何を、どう届けるか。そうしたとき、誰に届かないのか。
みなさんがそれぞれのプロジェクトをエモーショナルに進めていく楽しさを大切にしながら、冷静に情報発信を考えられる「指針/モノサシ」を一緒に見つけることができれば、幸いに思います。

 

手話をつかう〜アートプロジェクトの担い手のための手話講座 アドバンス編2021〜

アートプロジェクトの現場で使える手話を学ぶ

わたしたちは、他者とどのようにコミュニケーションをとっているのでしょう? 相手の表情や視線、声の温度感、言葉の選び方、身ぶり手ぶり。一度そこに意識を向けてみると、一瞬のうちにさまざまなサインを受け取っていることがわかります。

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

この講座は、視覚身体言語「手話」での応対やアートプロジェクトのアクセシビリティ環境を更新していく視点を育成するための手話講座のアドバンス編です。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんを迎え、アートプロジェクトの現場でよく交わされる会話をもとに、オンラインでつなぎながらロールプレイングで手話での対話を練習し、実践の場でいかすことを目的としています。実際にろう者をゲストに迎えて、ろう者とのコミュニケーションのポイントも体感しながら学びます。

詳細

スケジュール

A日程|10月16日(土)・10月23日(土)10:00〜15:00
B日程|11月13日(土)・11月20日(土)10:00〜15:00

※どちらも講座内容は同じです。

1日目
10:00〜12:00 アートプロジェクトの現場で使われる手話表現を学ぼう

  • ガイダンス&自己紹介
  • アートプロジェクトの現場でよく交わされる会話と手話表現のポイント
    (例)事業案内、受付、問い合わせ、注意アナウンス等 ・美術館の道案内「手前」ってどこ?
  • 「ちょっと」の表現

13:00〜15:00 実際に会話を体験しよう

  • ろう者と聴者の会話の特徴とは?
  • ローコンテクストとハイコンテクスト、ろう文化を理解しアートプロジェクトの運営にいかそう

2日目
10:00〜12:00 ろう者との会話を体験しよう

  • 会話のシーンを想定して、ろう者とのコミュニケーションを体験する
    (例)受付対応、チケット販売、問い合わせ対応等
  • 振り返り

13:00〜15:00 ろうゲストとの会話を体験しよう

  • 会話のシーンを想定して、ろうゲストとのコミュニケーションを体験する
    (例)受付対応、チケット販売、問い合わせ対応等
  • 振り返り
  • まとめ

参加費

各10,000円

手話と出会う〜アートプロジェクトの担い手のための手話講座 ミートアップ基礎編2021〜

映像プログラムを復習しながら、オンラインで手話を学ぶ

2021年より公開している手話の映像プログラム「手話と出会う 〜アートプロジェクトの担い手のための手話講座 基礎編〜」を視聴いただいた方を対象にした「ミートアップ」プログラムを開催します。映像プログラムの内容にそって復習しながら、講師や参加者とオンラインで対面し手話を実践します。視覚身体言語「手話」の基礎を学び、体感するのみならず、ろう文化やろう者とのコミュニケーションについて考えてみませんか?

この映像プログラムでは、手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんを迎え、数字や曜日、職業などの身近なテーマから、手話の成り立ちや会話の基礎を学びます。また、手話の言語的な側面から、ろう者とのコミュニケーションやろう文化についても考えていきます。

詳細

スケジュール

8月11日(水)20:00~21:30
第1回 手話の基本表現について

9月1日(水)20:00~21:30
第2回 自分のことを伝えてみる

9月15日(水)20:00~21:30
第3回 仕事のことを伝えてみる

9月29日(水)20:00~21:30
第4回 CL表現を学ぶ

参加費

各1,000円/全回通し4,000円

わたしの、あなたの、関わりをほぐす〜共在・共創する新たな身体と思考を拓く〜

異なる感覚をもつ他者との新たなコミュニケーションの回路をひらく

わたしたちがコミュニケーションで用いる「言語」。口語や筆記文字のほかにも、視覚身体言語(手話)や触手話、点字、音声ガイドなど多様なコミュニケーションの手段が存在します。身体や感覚、思考の流れが違う世界を抱えながら、それでもともにあろうとするとき、そこにはさまざまな伝え方が発明されていきます。

2020年度に行なった「共在する身体と思考を巡って」を経て、「異なる感覚をもつ他者と、どうしたら新たなコミュニケーションの回路をひらくことができるのだろう?」という問いが生まれました。誰もが誰かの翻訳者であることを意識しながら「関係性のあり方」に着目し、一人ひとりの身体と記憶、言葉と感覚にまつわるディスカッションやワークショップ、リサーチを行います。

ナビゲーターは、手話を第一言語として用いてきた和田夏実(インタープリター)と、岡村成美(デザイナー)です。ゲストの南雲麻衣さん(パフォーマー/アーティスト)、藤本昌宏さん(ことばの研究者)、田畑快仁さん(触覚デザイナー)、太田琢人さん(武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリア研究室 助手)と一緒に、自分自身の身体が何を考え、どのように他者と関係を紡ごうとしたのか。そして想いや思考を届けるためにはどのような方法があるのか、暗黙知をほぐすところからはじめます。

詳細

スケジュール

8月18日(水)
第1回 ガイダンス/自己紹介

8月22日(日)、29日(日)
第2回 ワークショップ 無意識の身体を意識する、ワークショップ 視覚身体言語の世界へ

ゲスト:南雲麻衣(パフォーマー/アーティスト)

9月12日(日)
第3回 ワークショップ 「恋」を翻訳する/触れる/伝え合う

ゲスト:藤本昌宏(ことばの研究者)

9月22日(水)
第4回 ワークショップ 秋の夜長に「恋の定義」を考える

ゲスト:田畑快仁(触覚デザイナー)

10月10日(日)
第5回 ワークショップ 触覚の世界に出会う/ともに歩く

10月31 日(日)
第6回 振り返り・ディスカッション・進捗共有

11月14日(日)
第7回 ワークショップ 「つくる⇄世界」に誘われる

ゲスト:太田琢人(武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリア研究室 助手)

11月24日(水)、30日(火)
第8回 つくりながら考える「対話の広場」

12月5日(日) 、12日(日)、21日(火)、29日(水)
第9回 ディスカッション つくりたいものをときほぐす

1月10日(月)~2月10日(木)
第10回 クリエイション

2月11日(金・祝)〜13日(日)
第11回 展覧会『happening.』出会い・創発のための場をひらく

2月25日(金)・3月1日(火)
第12回 『happening.』振り返り会

3月6日(日)
第13回 振り返り会 「わたし」と「あなた」とスタディ1

進め方

  • メンバー全員での定例ディスカッションを月1~2回開催
  • 各回のディスカッションのあとに、自身の考えや問いを整理し、思考の変遷を記録するために作文(エッセイ、日記など)を書く
  • 希望に応じて、手話通訳や文字情報支援などの情報保障あり
  • コミュニケーションメディアの企画・開発では、必要に応じて制作サポートあり

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

一般24,000円/学生16,000円

関連サイト

東京プロジェクトスタディ「わたしの、あなたの、関わりをほぐす 〜共在・共創する新たな身体と思考を拓く〜」ウェブサイト

ナビゲーターメッセージ(和田夏実)

関わりをほぐす

いつ、誰と、どこで、どんなふうに出会うのか。

日々誰かとすれ違い、出会いや協働の中で、その人らしさに触れ、その場でのわたしがうまれ、関係性の糸を編む。そこに関わりの種がうまれたとき、それを紡いでもいいし、種のままで置いておいてもいい。もしかするといつかどこかで、それは思いもよらない形で芽吹き、また紡がれるかもしれない。

スタディ1では、この「関係性の糸の在り方」に着目し、関係性を編んだり紡いだりするときの、身体や感覚や、そのときに何にあなたを記すのか、ということを考えてみたいと思います。

このスタディのナビゲーターであるわたしと岡村さんは、手話という言語をもちいる両親と、音声言語の社会のあいだで、視覚と音、身体と記号のあいだで、ゆらゆら揺れながら世界をつくってきました。日常の中で、伝え方の応用を繰り返していくことで、いろんな発見がありました。

家の2階にいても、別の部屋にいても、身体で話している家族の空気の揺れがうるさいほどに伝わってくること、手で話しているとき、その人自身がもつ記憶が溢れ出て像として視えること、ティッシュや軽い紙、ぬいぐるみを家族の視界に投げて振り向いてくれたときのつながった嬉しさ。

身体や感覚、思考の流れが違う世界で、共に在ろうとするとき、そこには様々な伝え方の発明がうみだされていきます。

本スタディは、この伝え方の発明を、身体と思考をほぐして、考えながらつくっていくことを目指しています。そのほぐし方のヒントを一緒に探るために、最初のゲストには信頼してやまない3名の方にお願いしました。手話する思考の身体、恋の解体、身体的境界はどこにあるのか。自分とは異なる身体や思考、言葉や触れること、そのまなざし。いつのまにか暗黙知となってしまっていることを、軽やかに崩して、ほぐすことから、共に在るための発明に取り組めたらと思います。

そして、自分にとってしっくりくるメディアや伝え方の発明を、衣服や造形、石や紙、様々な方法で取り組み、拓いていく場がこのスタディ1です。

あなた自身の身体が何を考え、どう他者と関係を紡ごうとしたのか。

そして想いや思考を届けるためには、どんな方法があるのか。

これから出会う皆さんと、共に揺れながら、新しい景色に出会えますように。

ナビゲーターメッセージ(岡村成美)

聞き手:嘉原妙(スタディマネージャー)

 

Q1.自己紹介をお願いします。

A1.岡村成美です。デザイナー、ディレクターとして活動しています。2018年に『LOUD AIR』(ラウドエアー)というブランドを立ち上げ、手話を第一言語に、ファッション、オブジェ感覚などを制作。さまざまなジャンルを通して社会実験しています。

Q2.「わたしの、あなたの、関わりをほぐす〜共在・共創する身体と思考を拓く〜」は、自分と異なる認識世界、感覚世界を持つ人々と共在・共創するコミュニケーションを捉え直したり、そのコミュニケーションを促進・拡張していくような方法を探ろうとしたりするスタディです。岡村さんにとって、「異なる感覚を持つ他者」との向き合い方で意識されていることはありますか? また、そのときにどのような難しさやハードルを感じますか?

A2.よく観察するようにしているかもしれません。必ずしも正しい接し方というものは存在しないですが、自分なりの愛のある向き合い方をこころがけています。

普段、手話という言語で話すことが多いですが、異なる感覚や世界を見ている人にものすごく興味が湧きます。なので、よく相手を観察しますし、会話します。ゲストの藤本昌宏さん(ことばの研究者)と何日か話すことがあったのですが、見えない世界を見ている藤本さんは、人の声をかたちで覚えているとそうで、わたしは「角の取れた少し厚みのある四角」だと教えてくれました。

嬉しくて、帰ってすぐに絵を描きました。自分の知らない視点から自分を見てくれたことに感動したのを覚えています。わたしは、向き合い方の難しさやハードルは感じません。みんな違うのでそれでいいかな、と思います。

Q3.参加申込の際にみなさんにもお尋ねしている質問です。身体とコミュニケーション、言葉と感覚、コミュニケーションメディアに関連することで、いま、岡村さんが考えていることを教えてください。

A3.わたしは普段、衣服やオブジェを制作していますが、わたしのつくる服はよく二度と同じ着方ができないとか、着物のようだと言われることが多いです。自分で着物を着ることがありますが、洋服とは違う頭と身体の使い方をする気がしていて、わたしの服もそれと同じように、完成しても着ることを考える衣服でありたいなと思っています。自分の身体と向き合って着ていく。みんな異なる身体と感覚を持っていること、展示に来ていただいた方に自由にまずは着てもらうと、こちらが気づけることがたくさんあります。制作に他者とのコミュニケーションは欠かせません。

わたしは普段一人で運営をしていますが、制作において様々な職人さんにお願いしています。一着にたくさんの人がかかわっている、着るときに少しでもそう感じられたら大事な一着になるんじゃないかと信じてつくっています。

Q4.スタディのメインビジュアルを見たとき、表裏一体な感じ、メビウスの輪のような不思議な印象を受けました。

今回のメインビジュアルは、もうひとりのナビゲーターの和田夏実さんと一緒に撮影に出かけたとお聞きしました。そのとき、お二人でどのようなことを話しながら撮影されたのですか?

A4.メビウスの輪、いいですね。このビジュアルは、2020SSと2020AWの『LOUDAIR』のコレクションの一部です。どちらも和田さんと一緒に、どのような身体の使い方や映し方にするか話しながら撮影したものです。和田さんには、モデルさんがどんな表情や身体の使い方をするかを、会話のなかで導いてもらっています。身体を柔らかくしたり、切ない心にしたり。

ファッションのルックは服がよく見える写真が多いですが、『LOUDAIR』は結ぶ指先や服から見える足などを捉えた写真をよく撮ります。

和田さんとは、普段から柔らかいところについての会話をしています。おいしそうな夕日、エロい建物、かわいい言葉など。日常のいいなと思うものをクローズアップしていつもわたしたち自身が会話して楽しみながら撮影しています。

Q5.最後に、参加者に向けてメッセージをお願いします。

A5.今回はじめてナビゲーターを務めさせていただくことが決まり、とても光栄です。みなさんとお会いして感じたことを、わたしもわたしなりに最後にかたちにしたいと思っています。さまざまな感覚を持つゲストをお呼びして、リラックスしたり、考えて考えて紡いだり、自分と向き合ったり。たくさん使って最後にかたちにしましょう。

何ごとにも興味を持ち、理解しようと努力できる人、目を見て、向き合って会話できる人に参加していただけたら、最高なものができるのではないでしょうか。

みなさんとご一緒できることを楽しみにしています。

災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る 災害復興へのいくつもの「かかわり」から

災害復興に対するかかわり方をさまざまな実践者と議論する

地球規模の気候危機によって、近年大小さまざまな災害が頻発しています。さらに、東日本大震災やコロナ禍などの「災い」は、次々と社会が内包していた課題を露わにしています。

現在の社会は、さまざまな災いと災いの間、つまり「災間」にあると捉えることはできないでしょうか。わたしたち誰もがいつやってくるかわからない災禍の「前」にいて、ときには災禍の「なか」で、当事者となる可能性をもっています。何らかのかたちで支援者となりうることもあるでしょう。文化やアートの視点を携えて災禍の現場に立つには、どのような態度や技術、方法がありうるのか、「災間の社会を生きる術」について考えてみたいと思います。

今回は、災害復興の現場に多様なかかわり方をしてきた3名のナビゲーターとゲストが「災間」を軸にトークを繰り広げます。ナビゲーターは、新潟県中越地震から災害復興の研究に取り組む宮本匠と、阪神大震災を記録しつづける会の高森順子、Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業/ASTT)を行ってきた佐藤李青です。

ゲストには、吉椿雅道さん (CODE海外災害援助市民センター事務局長)、瀬尾夏美さん(アーティスト)、山住勝利さん(NPO法人ふたば/ふたば学舎 震災学習ラボ室長)、坂本顕子さん(熊本市現代美術館 学芸員)をお迎えします。

詳細

スケジュール

7月31日(土)14:00〜17:00
第1回 災禍にどうかかわるのか?― 外からかかわる、「ままならなさ」と向き合う

8月21日(土)14:00〜17:00
第2回 どのような態度で現場に立つのか?―「めざす」のか、「すごす」のか

ゲスト:吉椿雅道 (CODE海外災害援助市民センター事務局長)

9月25日(土)14:00〜17:00
第3回 何からはじめるのか? どう続けるのか? ― 記録から表現に向かう道のりと変化

ゲスト:瀬尾夏美 (アーティスト)

10月9日(土) 14:00〜17:00
第4回 出来事を伝えるためには、どうすればいいのだろうか? ― 経験を伝承するための方法

ゲスト:山住勝利 (NPO法人ふたば/ふたば学舎 震災学習ラボ室長)

10月30日(土)14:00〜17:00
第5回 アートは、災禍にどうかかわるのか? ― 異なる災禍へのかかわりから

ゲスト:坂本顕子 (熊本市現代美術館 学芸員)

12月4日(土)14:00〜17:00
第6回 災間の社会を生きる術とは何か?

参加費

6,000円

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アートによる被災地支援の役割と可能性—Art Support Tohoku-Tokyoの10年をふりかえる

ナビゲーターメッセージ(宮本匠)

「ポスト・コロナ」「コロナ後の世界」、書店をのぞけばこんなタイトルの本が並んでいます。この1年半、僕もこれらの言葉を耳にし、それなりの関心をもって接してきました。「ポスト・コロナ」という言葉にこんなにも魅せられたのは、コロナ禍の苦難の先にある希望を語りたいという意味以上の理由がそこにはあったような気がします。

それは、僕たちがうすうす気づきながらも、見なかったことにして、看過しようとしていること、つまり、この危機に実は終わりがないのだということを「ポスト・コロナ」という言説が覆い隠してくれるからだったのではないでしょうか。「いつか終わりはあるんだよ」と。だからこそ、僕たちはそれに飛びつき、救いを見出そうとしたのではないでしょうか。

けれども、最も重要なことは、もはや僕たちの社会に「ポスト」は存在しないということに気づくことではないでしょうか。僕たちの社会には、もう何かの「後」っていうのはなくて、僕たちはひたすら「終わりの中」を生き続けなければならないのではないかということです。

「終わりの中」を生きることは大変苦しいことでしょう。けれど、このような人間の存在を根底から揺るがすような時にこそ、人間は文化でもって、芸術でもって、生き抜いたり、やりすごしたりしてきたように思います。筑豊の炭鉱の中で、死と隣り合わせの中で交わされていたのが笑い話だったという上野英信の『地の底の笑い話』で生き生きと語られているように。

「終わり」の中にあるからこそ見える輝きがあるように思います。「終わり」のなかにあるからこそ獲得できる解放もあるように思います。でも、そのためには、「すべ」が必要です。その「すべ」は、危機的状況におかれた被災地や、社会を斜めから見ることを通して「もうひとつの社会」を見出してきたアートにヒントがあると確信します。

危機をのりこえるには、一部の専門家やリーダーによる「力業」ではなく、ひとりひとりの多様な感受性に基づく「合わせ技」が鍵であるし、サステナブルだと思います。アート×災害にどんな可能性を見出せるか。そんなチャレンジを皆さんと一緒にできたらいいなと思っています。

ナビゲーターメッセージ(高森順子)

どこかで大きな災害が起きたと、私たちはメディアを介して頻繁に見聞きします。その都度、不安や緊張で身を固くしたり、心を痛めたりします。そして、しばらくするとその災害のことなどすっかり忘れ、次の災害に目を奪われます。私たちの多くにとって、そうしたことはありきたりで当たり前のことかもしれません。

しかし、実際に災害によって大きな喪失を経験したことのある人々は、失った人やものを想像するたびに、被災という出来事と向き合い続けなければならなくなります。新しい災害に関心を移し続けていく社会のなかで、彼らは「過去の災害」に取り残されているように感じているかもしれません。

そこに横たわる彼らの「ままならなさ」や「わかりあえなさ」を孤立させたままにするのではなく、人々が互いに分け持つことができたなら、災間の社会はもっと生きやすいものになるのではないか。その「分け持つ」手立てとして、アートにその可能性があるのではないか。私はそのように思っています。

新型コロナウイルスが感染拡大している今日の社会はまさに災禍の只中にあって、ある意味では世界中の人々が被災者となっており、それぞれに切迫した「ままならなさ」や「わかりあえなさ」を抱えているともいえるでしょう。だからこそ、誰かの生きづらさを分け持つアートについて考えることは、この社会をともによりよく生きることを考えることにつながるのではないでしょうか。参加者の方々の声が、深い対話に導いてくれると信じています。ご参加、お待ちしています。

ナビゲーターメッセージ(佐藤李青)

2011年の東日本大震災の後から、ずっと抱えている感情に「怒り」があります。それは震災後に身の回りで起こったことが「すでに知っていたこと」だったのではないかという気持ちが拭いされないからだと思います。怒りの矛先は震災が起こる「以前」の自分に向いています。震災は平時にあった課題を露呈させたにすぎない。わかっていただろう、と。

平時から非常時のことを考えたい(いまはコロナ禍という渦中ですが)。非常時について議論することから、平時のありようを変えていきたい。そう思うのは、わたしがArt Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)を担当していたこともかかわっています。震災後に、いち早く動き出した人たちの活動は、震災以前から地続きの理念や行動に支えられていました。震災は、平時での活動の真価を明らかにしたのだと思います。

誰もが災害の「前」にあり、「後」になる可能性をもつ。いま、わたしたちは、そうした災害の「間」に生きているのではないでしょうか。社会学者の仁平典宏さんは「厄災が何度でも回帰しうることを前提」とした「災間の思考」において、一度の「ショック」で社会を変えようとするのではなく、「持続可能でしなやかな社会を構想」し、「社会に様々な『溜め』や『隙間』や<無駄>をつくり、リスクを分散・吸収させることが重要になる」と指摘しています(*)。この「災間」という言葉を手がかりに、平時と非常時を行き来するような「術」について議論をしたいと思っています。

今回、こころ強いナビゲーターのおふたりと、経験豊富なゲストのみなさんと、たっぷり時間をかけて議論を重ねます。災害復興への「かかわり」がテーマになりますが、参加にあたって経験の有無は問いません。異なる技術や経験をもった人たちが出会い、それぞれに思考や手法の選択肢を増やしていく。それが「災間の社会を生きる術」を探るための近道なのだと思います。みなさんのご参加をお待ちしております。

* 仁平典宏「<災間>の思考ーー繰り返す3.11の日付のために」『「辺境」からはじまるー東京/東北論』(赤坂憲雄、小熊英二編著)明石書店、2012年