共通: 年度: 2017
アートプロジェクトのつかまえかた:評価の視点/検証の手法
Tokyo Art Research Lab 研究開発では、これまでの取り組みから評価の実践の材料となる調査検証等の活動や、アートプロジェクトにおける新たな評価軸の必要性を議論してきました。本事業では、その評価の視点や検証の手法を実践者、評価や調査の専門家と連携し検証します。
※本プログラムは「第3コーナーのつくりかた:編集・記録・アーカイブ」「地域と文化と制度の研究会」と連動し、展開します。
地域と文化と制度の研究会
地域と文化にかかわる中間支援の機能を議論する
地域とアートに触れる文化事業に、どのような方法が有効だろうか――。
地域と文化にかかわる中間支援の実践的な「機能」を議論するための研究会。いま、どのような中間支援の役割が必要なのか? どう新たな人や活動と出会い、事業をはじめるのか? どう事業に伴走するのか? どのように事業の価値を記述し、共有していくのか? 現場で直面する課題の数々を、全国各地の実践や知見に照らし合わせ、よりよい中間支援のあり方を議論します。
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スケジュール
準備会 認定NPO法人STスポット横浜について
小川智紀・田中真実(認定NPO法人STスポット横浜)
第1回 アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)について
ゲスト:杉崎栄介(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団、広報ACYグループ担当リーダー、プログラム・オフィサー)
第2回 静岡県文化プログラムについて
ゲスト:鈴木一郎太(株式会社大と小とレフ取締役)
第3回 プログラムオフィサーの仕事について
ゲスト:鈴木祐司(公益財団法人地域創造基金さなぶり)、若林朋子(プロジェクト・コーディネーター/プランナー)
第4回 これまでの議論の振り返り
第5回 公開研究会「アートとコミュニティを巡って(1):イギリスの経験から」
ゲスト:小林瑠音(文化政策研究者/神戸大学大学院博士後期課程)
第6回 公開研究会「アートとコミュニティを巡って(2):アーティストの視点から」
ゲスト:深澤孝史(美術家)
※本プログラムは「第3コーナーのつくりかた:編集・記録・アーカイブ」「アートプロジェクトのつかまえかた:評価の視点/記述の方法」と連動し、展開します。
「第3コーナー」のつくりかた:記録・編集・アーカイブ
――「プロジェクトの運営を競技場のトラック1周にたとえるならば、準備から実施までが、ちょうどトラック半周の第2コーナーといえるだろう。そして、第3コーナー以降は、記録や調査をもとに活動を振り返り、その成果を関係者へ報告し、検証・評価する段階である。プロジェクトを持続的に展開するためには、この第3コーナー以降が重要だ」
(『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本<増補版>』アーツカウンシル東京、2017年、68頁より)
「第3コーナー」(記録・編集・アーカイブ)の実践として、2018年度に事業実施から10年目を迎える東京アートポイント計画を事例に『10年史(仮)』の企画編集、記録の整理やアーカイブ構築の準備を進めます。これらの作業を通して、Tokyo Art Research Lab研究・開発が積み重ねてきた知見の再検証を試みます。
詳細
概要
Tokyo Art Research Lab 研究・開発では『アートプロジェクトの運営ガイドライン(運用版)』の「ブレインストーミング→企画・準備・実施→報告・検証・評価」という運営サイクルの見方にのっとりながら、「企画・準備・実施」と「報告・検証・評価」の間にあるアーカイブや記録、調査に重点的に取り組んできました。
- 『アート・アーカイブの便利帖ーアート・プロジェクトをアーカイブするために知りたいこと』
- 『地域におけるアートプロジェクトのインパクトリサーチ 「莇平の事例研究」活動記録と検証報告 概要版』
- 『記録と調査のプロジェクト『船は種』に関する活動記録と検証報告』
また、記録を活用し、実践の価値を広く共有するための言葉の編集方法や、メディアの届け方も検討してきました。これらの知見を活用し、本プログラムを実施します。
※本プログラムは「アートプロジェクトのつかまえかた:評価の視点/検証の手法」「地域と文化と制度の研究会」と連動し、展開します。
鈴木祐司
技術を深める(第3回)
アートプロジェクトの心構えや、広報・PR、運営、記録と評価/検証などをテーマに、アートプロジェクトの現場で求められる技術について掘り下げていく全4回の公開講座シリーズ「技術を深める」。
第3回は、アートプロジェクトにおけるリスクマネジメントに焦点を当てます。アーティスト、地域住民、一般参加者など、さまざまな人がかかわり、まちなかで展開するアートプロジェクトにおいて、運営者にはリスクマネジメントの視点が求められます。大きな音を出す場合は近隣住民への事前周知、道路や広場を使用するイベントでは許可申請も必要です。スタッフやボランティアに対する保険、混雑時の観客誘導を考慮する必要もあるでしょう。
今回のゲストには、市民参加型アートプロジェクト〈アートアクセスあだち 音まち千住の縁〉事務局長の吉田武司さんをお呼びします。千住のまちで7年続く、大巻伸嗣《Memorial Rebirth 千住》などを事例にお話しいただきます。
アートプロジェクトが企画から実施にいたるまでには、どのようなリスクが潜んでいるのか、知見を参加者と共有し、見過ごされがちな運営の落とし穴についても、ワークをとおして考えます。本講座では、運営にまつわるリスクを想定しながら、かかわる人や物事を守るという視点からアートプロジェクトのリスクに向き合う技術を身につけます。