Artpoint Meeting 2022

社会とアートの関係性を探るトークイベント

「まち」をフィールドに、人々の営みに寄り添い、アートを介して問いを提示するアートプロジェクトを紐解くため、アーツカウンシル東京が企画するトークイベント。アートプロジェクトに関心を寄せる人々が集い、社会とアートの関係性を探り、新たな「ことば」を紡ぎます。東京アートポイント計画の一環として、2016年に開始しました。

2022年度は、アートや表現活動を通じた学びのあり方や、映像を通じたコミュニケーション、記憶の継承について議論を深めました。

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スケジュール

2022年11月23日開催
Artpoint Meeting #10 –アートがひらく、“学び”の可能性–

  • ゲスト:鞍田崇、宮下美穂、森山晴香、河野路、宮山香里、西郷絵海
  • 会場:武蔵野プレイス 4Fフォーラム

2023年1月9日開催
Artpoint Meeting #11 –映像を映す、見る、話す–

  • ゲスト:阿部航太、森内康博、馬然 MA Ran、松本篤、尾山直子、神野真実、アサダワタル、小森はるか、細馬宏通
  • 会場:東京都写真美術館 1Fホール

アートプロジェクトの運営をひらく、◯◯のことば

「ことば」を手がかりに、現場を運営する視点を初歩から学ぶ

アートプロジェクトの「事務局」は、プロジェクトの環境を整え、動かし、育てる重要な役割を担います。活動には欠かせない存在にもかかわらず、あまり表舞台には出てこないため、その日々の業務はなかなか想像しづらいかもしれません。

そうした観点から、事務局が日々直面する業務や状況にかかわる言葉を取り上げたのが、書籍『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>』(アーツカウンシル東京、2020年)です。この本を囲んで語り合うことで共通言語をつくり、運営を助け、自分たちの活動の価値の言語化するためのツールとなっています。

今回の映像では、普段からアートプロジェクトの中間支援を行っているアーツカウンシル東京のプログラムオフィサー4名が、運営に必要な視点や課題について、この書籍から「ことば」を選び、紹介します。また、具体的な事例を参考に運営手法を学ぶ「実践編」では、2021年度まで東京アートポイント計画が共催していた『アートアクセスあだち音まち千住の縁』によるプロジェクト「Memorial Rebirth 千住」を事例に、アートプロジェクトの評価について取り上げます。

第1回 「事務局3人組」で動く。
第3回 「企画の4点セット」を準備しよう。
第5回 「広報のデザイン」を考える。
第7回 「評価への準備」からはじめよう。
第2回 「会議の3点セット」を揃えよう。
第4回 「関わりしろ」を増やそう。
第6回 「活動拠点」を見つけよう。
第8回 「ネーミング」を工夫しよう。
第9回 「情報共有」を心がける。
第10回 「第3コーナー」を駆け抜けるには?
第11回 「句読点を打つ」ことを考える。 
第12回 「決め方を決める」には?
第13回 「リスクを考える」とは?
第14回 「ドキュメント」にまとめよう。
実践編
「Memorial Rebirth 千住」とアートプロジェクトの評価
実践編
「メモリーバックアップ」としてのロジックモデル
実践編
アンケート調査から読み解く Memorial Rebirth 千住 の価値
実践編
「評価」を活用してアートプロジェクトを運営する

応答するアートプロジェクト|アートプロジェクトと社会を紐解く5つの視点

この10年を俯瞰し、アートプロジェクトと社会との関係を考える

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「新たな航路を切り開く」シリーズでは、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらをとりまく社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えていきます。ナビゲーターは、人と環境の相互作用に焦点をあてながら、社会状況に応答して発生するアートプロジェクトをつぶさに見続けてきた芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)です。

ここでは、独自の視点から時代を見つめ、活動を展開している5名の実践者を招き、2011年からいまへと続くこの時代をどのように捉えているのか、これから必要となるものや心得るべきことについて伺います。また、これからの社会状況の変化や、それに応答して発生するアートプロジェクトがどうあるべきかを議論します。この10年を大きく俯瞰することで、アートプロジェクトと社会との関係を紐解きます。

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ラインアップ

視点1 前に走ってうしろに蹴る
ゲスト:港千尋(写真家)

群衆や記憶など文明論的テーマを持ちつつ、時代とイメージのかかわりについてさまざまな角度から考察してきた港さんとともに、変容する時代の新たな捉え方や世界の見方について議論する。

視点2 3.11からの眺め
ゲスト:佐藤李青(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

2011年より10年間、Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)に携わった佐藤とともに、この10年の間に東北に生まれたアートプロジェクトの変遷と広がりについて議論する。

視点3 生環境構築史という視点
ゲスト:松田法子(建築史・都市史研究者)

地球に生存する人類の歴史とその未来を、構築様式(=Building Mode)という新しい歴史観から捉え直そうとする「生環境構築史」を展開している松田さんとともに、あらためて人間と環境の関係を眺め、アートプロジェクトはいかに応答すべきかを議論する。

視点4 企業・行政・NPOとの応答
ゲスト:若林朋子(プロジェクト・コーディネーター/プランナー)

人々の表現活動や芸術創造が社会において成立するための環境整備や支援のあり方を研究し、さまざまなプロジェクトに伴走してきた若林さんとともに、2011年以降の企業、行政、NPO等とアートプロジェクトのかかわり方の変化や今後のあり方について議論する。

視点5 フェスティバルの変容
ゲスト:相馬千秋(NPO法人芸術公社代表理事/アートプロデューサー)

領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門とし、世界演劇祭/テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターに選出された相馬さんとともに、この激動の時代のなか世界規模で進行するフェスティバルの変容について議論する。

関連サイト

「新たな航路を切り開く」note

「応答するアートプロジェクト|アートプロジェクトと社会を紐解く5つの視点」イントロダクション
港千尋|前に走ってうしろに蹴る(前編)
佐藤李青|3.11からの眺め(前編)
松田法子|生環境構築史という視点(前編)
若林朋子|企業・行政・NPOとの応答(前編)
相馬千秋|フェスティバルの変容(前編)
港千尋|前に走ってうしろに蹴る(後編)
佐藤李青|3.11からの眺め(後編)
松田法子|生環境構築史という視点(後編)
若林朋子|企業・行政・NPOとの応答(後編)
相馬千秋|フェスティバルの変容(後編)

Art Archive Online(AAO)クロストーク

当事者とともに振り返るアートプロジェクトのアーカイブ化の10年

Tokyo Art Research Lab(TARL)では、アート分野における調査・研究に取り組むNPO法人アート&ソサイエティ研究センターと、さまざまなアートプロジェクトの資料を収集するアーカイブセンターを共同で運営しており、2020年度に10年の節目を迎えます。この10年間に「プロジェクト型アートをいかにアーカイブしていくか」という当初からの課題は、テクノロジーの発展や表現の多様化に伴ってますます深まっています。

加えて、新型コロナウイルスの感染拡大状況下で各活動の一時中止が相次ぎ、プロジェクト存続の危機感の高まりとともに、アーカイブの重要性に再度注目が集まりました。2020年度には、その観点に基づきオンラインで動画を配信する「アート・アーカイブ・オンライン(AAO)」を実施しています。

今回は、アーカイブに関する過去の企画に参加いただいた方々をゲストに招き、これまでの10年間を振り返るクロストークを配信します。ゲストは、川俣正さん(アーティスト)、日比野克彦さん(アーティスト)、田口智子さん(東京藝術大学芸術資源保存修復研究センター特任研究員)、小田井真美さん(さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター)、石井瑞穂さん(アートプロデューサー)、志村春海さん(Reborn-Art Festival 事務局スタッフ)、秋山伸さん(グラフィック・デザイナー)です。次の10年に向けて、アートの現場におけるアーカイブ活動の可能性をともに考えます。

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スケジュール

12月22日(水)
第0回 川俣正特別インタビュー

12月2日(木)
第1回 プロジェクトとしてアーカイブする/される 「日比野克彦を保存する」から見えてきたこと

1月20日(木)
第2回 アーカイブの「ことはじめ」と「つみかさね」 アートプロジェクトの現場で試みてきたこと

1月27日(木)
第3回 アーカイブをひらく エディション・ノルト:川俣正との協働とアート・ブック・アーカイヴ

関連サイト

Art Archive Online(AAO)クロストークYouTubeページ

手話と出会う〜アートプロジェクトの担い手のための手話講座 映像プログラム基礎編2021〜

アートプロジェクトの現場で使える手話の基礎を学ぶ

わたしたちは、他者とどのようにコミュニケーションをとっているのでしょう? 相手の表情や視線、声の温度感、言葉の選び方、身ぶり手ぶり。一度そこに意識を向けてみると、一瞬のうちにさまざまなサインを受け取っていることがわかります。

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

この映像プログラムでは、手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんを迎え、数字や曜日、職業などの身近なテーマから、手話の成り立ちや会話の基礎を学びます。また、手話の言語的な側面から、ろう者とのコミュニケーションやろう文化についても考えていきます。

0
講師紹介
1-1
見ることに慣れよう
1-2
手の動きに慣れよう
1-3
度合いに慣れよう
1-4 ろう文化を知る(1)
ろう者と聴者の時間感覚
2-1
NMM(非手指要素)について
2-2
趣味、嗜好を伝えてみよう
2-3
YES/NOを伝えてみよう
2-4 ろう文化を知る(2)
ろう者と聴者の会話の特徴
3-1
職業・役割の表現①
3-2
職業・役割の表現②
3-3
チケット窓口、受付での対応
3-4 ろう文化を知る(3)
ろう者とのコミュニケーション①
4-1
目で見たままを伝えてみよう
4-2
CL表現①
4-3
CL表現②
4-4 ろう文化を知る(4)
ろう者とのコミュニケーション②
5-1
間違いやすい手指の形
5-2
手指で表す奥行き・厚み
5-3
TPOによる手話の使い分け
5-4
聴者とろう者の会話の特徴
詳細

スケジュール

第0回 講師紹介

第1回 手話の基本表現について

1-1 見ることに慣れよう

  • 見たまま表現する
  • 自己紹介
  • 挨拶

1-2 手の動きに慣れよう

  • 数字の表現
  • 時間の表現

1-3 度合いに慣れよう

  • 強弱の表現
  • 味覚の表現

1-4 「ろう文化」を知る(1)

  • ろう者と聴者の時間感覚

第2回 自分のことを伝えてみる

2-1 NMM(非手指要素)について

  • 眉、口、肩を使う

2-2 趣味、嗜好を伝えてみよう

  • スポーツ
  • 鑑賞
  • 飲み物

2-3 YES/NOを伝えてみよう

  • 手振りと返答

2-4 「ろう文化」を知る(2)
ろう者と聴者の会話の特徴

第3回 仕事のことを伝えてみる

3-1 職業・役割の表現①

3-2 職業・役割の表現②

3-3 チケット窓口、受付での対応

3-4 「ろう文化」を知る(3)

  • ろう者とのコミュニケーション①

第4回 CL表現を学ぶ

4-1 目で見たままを伝えてみよう

4-2 CL表現①

4-3 CL表現②

4-4 「ろう文化」を知る(4)

  • ろう者とのコミュニケーション②

第5回 ポイント編

5-1 間違いやすい手指のかたち

5-2 手指で表す奥行き・厚み

5-3 TPOによる手話の使い分け

5-4 聴者とろう者の会話の特徴

参加費

無料

アート・アーカイブ・オンライン

コロナ禍のアンケート調査をふまえた、アーカイブに関する映像コンテンツを制作

多くのアートプロジェクトでは、さまざまな人が集い、対話をしながら時間や場所を共有し、つくりあげていく手法がよくとられます。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大状況下で、その継続のあり方が議論され、アーカイブの重要性や、プロジェクトのオンライン対応の必要性が高まってきました。

そこで、アート分野における調査・研究に取り組むNPO法人アート&ソサイエティ研究センターの協力のもと、全国のアートプロジェクトにまつわる52団体に「アーカイブ運用」についてアンケート調査を行います。また、アーカイブに関するノウハウや活用方法の基礎知識をまとめた映像コンテンツ「エイ! エイ! オー!(アート・アーカイブ・オンライン)」を収録し、YouTubeで配信。これまでTokyo Art Research Lab(TARL)で研究してきたアーカイブの知見をいかして、オンラインでのコンテンツづくりを模索します。

詳細

スケジュール

1月29日(土)
第1回 イントロダクション

1月29日(土)
第2回 現状調査

2月12日(金)
第3回 アーカイブのプランニング

2月12日(金)
第4回 目録作成

2月19日(金)
第5回 デジタルデータの保存

4月30日(金)
第6回 オンライン・ヒアリング

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

関連サイト

エイ! エイ! オー! YouTubeページ

暮らしに「間(ま)」をどうつくる?

長野県松本市の「awai art center」とドイツ・ライプツィヒの「日本の家」の拠点のひらき方を学ぶ

2020年、コロナ禍によって、わたしたちは「これまでの当たり前」が揺らぐ時間を過ごしてきました。感染症対策にもとづき、リモートでのコミュニケーションが普及し、移動が制限され人が集うことが困難に。働き方や暮らし方が大きく変わった人も少なくありません。

そうした変化のなかで、自分とは異なる考えをもつ人と出会う機会が減りつつあるようにも感じます。どうしたらこれからもさまざまな視点や価値観が同居する場をつくることができるのでしょうか?

今回は、長野県松本市にあるアートセンター「awai art center」の主宰・茂原奈保子さんと、ドイツ・ライプツィヒのNPO「日本の家」の共同創設者・大谷悠さんをお招きし、まちなかに拠点を立ち上げたきっかけや、これまでの取り組みについてオンラインで伺います。

「こうでなければならない」という思考をときほぐし、「さまざまな視点や価値観が同居する場」を立ち上げるプロセスや運営のありようは、これからのアクションを考える手がかりになるのではないでしょうか。異なるもの同士がつながり、重なり合うことで生まれる「あわい」や「隙間」の存在が、地域に新しい展開を生み出すことについて、お二人に語っていただきます。

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参加費

無料

参加方法

Tokyo Art Research LabのYouTubeチャンネルにて配信

記録映像

私たちの移動の経験はどう変わる? 「移動」と「つくる」ことをめぐって

遠隔のアーティスト・イン・レジデンスから、アートプロジェクトのあり方を探る

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、海外への移動にとどまらず、国内の移動も大きく制限せざるを得ない状況を生み出しました。現在は緩和された状況ではあるものの、ステイホームをせざるをえなかった経験は、これまで「移動」する行為を当たり前に享受していたことを実感する機会でもありました。

移動と密接にかかわる現場のひとつに、アーティストが、いつもの活動拠点から離れ、さまざまな土地に滞在して制作するアーティスト・イン・レジデンス(AIR)があります。現在の「移動」に関する先行きが見えづらい状況において、さっぽろ天神山アートスタジオでは、アーティストが札幌に訪れることなく、遠隔のままAIRを行う試みが行われています。滞在を伴わないAIRという形式では、どのような協働のかたちがあるのでしょうか。そもそも「移動」にはどのような効用があり、これからの移動の経験はどのように変わっていくのでしょう。

今回は、同スタジオでディレクターを務める小田井真美さん、映像エスノグラファーとして人々の移動の経験を研究する大橋香奈さんをゲストに、お二人が取り組んでいる実践や研究から、これからのアートプロジェクトのあり方を探ります。

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参加費

無料

記録映像

場所をひらくことは何を生み出す? 物語が滲みあう場を立ち上げる

福祉施設を地域へひらく「嫁入りの庭」から、拠点のあり方を学ぶ

コロナ禍以降、他者との物理的距離をとりウイルスのような見えない存在と共生することが当たり前になった現在、まちなかに拠点のあるアートプロジェクトはどのように変化していくのでしょうか。アートプロジェクトの基盤となる「拠点」のひらき方について、わたしたちは考えを進める必要があります。

宮城県仙台市にある「嫁入りの庭」は、かつての嫁入り道具のように老人ホームに入居する人と一緒に引っ越してきた家具や植木、まちの記憶が宿った道具などが運ばれてくる場所です。かかわる人が限られ、閉鎖的になりがちな福祉施設が、どのようにまちと接点をもつことができるのか。こうした誰でも立ち寄れる場所をまちと施設の間につくることで、「かかわりしろ」を生み出そうとする試みから、拠点のあり方のヒントが得られるかもしれません。

今回は「嫁入りの庭」のある社会福祉法人ライフの学校の理事長の田中伸弥さんと、庭の設計を担当したtomito architectureの冨永美保さんと林恭正さんの3名をゲストに、庭づくりのプロセスやその背景にある想いについて話を伺います。

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参加費

無料

記録映像

オンライン報奏会(ほうそうかい)2020

福島と東京、それぞれの場所でつながり続ける

2020年4月、緊急事態宣言が発出されて以降、多くのアートプロジェクトが中断し、同時にオンラインを含む新たな手法を検討すべきなのか、議論を余儀なくされました。アートプロジェクトの現場へ足を運ぶことが難しい状況で、それぞれの場所にいながら、プロジェクトを成立させるために、どのような手立てがあるのでしょうか。

アサダワタルさん(文化活動家)を中心に、福島県いわき市にある県営復興団地・下神白(しもかじろ)団地で行われているプロジェクト「ラジオ下神白 あのときあのまちの音楽からいまここへ」も、現地訪問が困難になり、オンラインでの開催方法を模索しています。

2016年からはじまったこの取り組みでは、住民が住んでいたかつてのまちの記憶を、馴染み深い音楽とともに収録するラジオ番組を制作し、それらをラジオCDとして住民限定に配布・リリース。こうした活動を軸に、立場の異なる住民同士やふるさとの交流を試みています。

また2019年には、住民の「メモリーソング」のバック演奏を行う「伴奏型支援バンド(BSB)」を結成。関東在住のミュージシャンが団地住民のもとに伺い、現地から遠く離れているからこそ音楽を通じた「想像力」で、住民との関係を深めてきました。

そして2020年。コロナ禍においてオンライン訪問を継続しつつ、「会えない」という状況だからこそできる「表現×支援」の関係をより深く見つめながら、3回シリーズの報告会を行います。音楽をかけながら行うラジオ風トークを軸に、記録映像の上映、またBSBによる演奏、住民との中継コーナーなどを実施。「報」告会でありながら、演「奏」会でもあるオンラインの場づくりです。

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スケジュール

9月22日(火)14:00〜16:00
第1回 2017年〜2018年の報奏

12月27日(日)14:00〜16:00
第2回 2019年の報奏 とりわけ伴奏型支援バンド(BSB)編

2月23日(火)14:00〜16:00
第3回 表現・想像力・支援編

ゲスト:いとうせいこうさん

関連サイト

ラジオ下神白プロジェクトウェブサイト