メディア/レターの届け方 2022→2023

多種多様なドキュメントブックの「届け方」をデザインする

アートプロジェクトの現場では、さまざまなかたちの報告書やドキュメントブックが発行されています。ただし、それらの発行物は、書店販売などの一般流通に乗らないものも多いため、制作だけでなく「届ける」ところまでを設計することが必要です。

多種多様な形態で、それぞれ異なる目的をもつドキュメントブックを、どのように届ければ手に取ってくれたり、効果的に活用したりしてもらえるのか? 資料の流通に適したデザインとは何か? 東京アートポイント計画では、川村格夫さん(デザイナー)とともに各年度に発行した成果物をまとめ、その届け方をデザインするプロジェクトを行っています。受け取る人のことを想像しながら、パッケージデザインや同封するレターを開発します。

2022年度は10冊の成果物をひと箱に梱包ました。箱には各冊子から抜粋した、アートプロジェクトの現場で生まれた「ことば」を印刷しています。

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進め方

  • 同封する発行物の仕様を確認する
  • 発送する箱の仕様や梱包方法の検討
  • 発送までの作業行程の設計
  • パッケージと同封するレターのデザイン・制作

Artpoint Meeting 2022

社会とアートの関係性を探るトークイベント

「まち」をフィールドに、人々の営みに寄り添い、アートを介して問いを提示するアートプロジェクトを紐解くため、アーツカウンシル東京が企画するトークイベント。アートプロジェクトに関心を寄せる人々が集い、社会とアートの関係性を探り、新たな「ことば」を紡ぎます。東京アートポイント計画の一環として、2016年に開始しました。

2022年度は、アートや表現活動を通じた学びのあり方や、映像を通じたコミュニケーション、記憶の継承について議論を深めました。

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スケジュール

2022年11月23日開催
Artpoint Meeting #10 –アートがひらく、“学び”の可能性–

  • ゲスト:鞍田崇、宮下美穂、森山晴香、河野路、宮山香里、西郷絵海
  • 会場:武蔵野プレイス 4Fフォーラム

2023年1月9日開催
Artpoint Meeting #11 –映像を映す、見る、話す–

  • ゲスト:阿部航太、森内康博、馬然 MA Ran、松本篤、尾山直子、神野真実、アサダワタル、小森はるか、細馬宏通
  • 会場:東京都写真美術館 1Fホール

自分のアートプロジェクトをつくる 2022

自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトをつくる力を身につける

この10年で、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

「自分のアートプロジェクトをつくる」では、アートプロジェクトの立ち上げやディレクションに関心のある方を対象に、ゼミ形式の演習を行います。状況に対してどのような問題意識をもち、どのようにアクションしていけるのかを、アーティストやナビゲーターとのディスカッション、参加者同士のワークを通して深めます。ゲストアーティストは、目 [mé] (現代アートチーム)、濱口竜介さん(映画監督/脚本家)、小森はるか+瀬尾夏美(アートユニット)。自分のなかから生まれる問いをつかまえ、アートプロジェクトを構想し、動かしていくための力を身につけます。

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スケジュール

9月3日(土)10:00~15:00
第1回 イントロダクションと自己紹介

  • イントロダクション
  • アートプロジェクトの考え方についてのレクチャー
  • 自己紹介

9月17日(土)10:00~15:00
第2回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 芹沢高志によるプレゼンテーション
  • ディスカッション
  • 自分のなかの問いを見つめる

10月1日(土)10:00~15:00
第3回 構想発表

  • 問いからアクションへ
  • プロジェクトの初期構想をプレゼンテーション
  • フィードバック

10月15日(土)10:00~15:00
第4回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 目 [mé]によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

10月29日(土)10:00~15:00
第5回 中間発表

  • 構想中のプロジェクトの中間プレゼンテーション
  • フィードバック/ディスカッション
  • プロジェクトを深める

11月12日(土)10:00~15:00
第6回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 濱口竜介によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

11月26日(土)10:00~15:00
第7回 プレゼンテーションとディスカッション

  • 小森はるか+瀬尾夏美によるプレゼンテーション
  • ディスカッション

12月10日(土)10:00~16:00
第8回 最終プレゼンテーション

  • 自分のアートプロジェクトをプレゼンテーション
  • 講評(芹沢高志、森司)
  • これからのアートプロジェクトについて

会場

3331 Arts Chiyoda 3F ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302)

参加費

32,000円

お申し込みはこちら

※参加者募集は終了いたしました。

Webサイトの価値や在り方を考える 制作チームでウェブサイトをともに考えるためのガイドマップづくり

ウェブサイトを制作する際のもやもやを共有するためのツールをつくる

現在、世界中にはおよそ18億ものウェブサイトが存在していると推定され、いつの間にかなくてはならない身近な存在になりました。しかし、実際にウェブサイトをつくろうとすると、どこから考えはじめ、誰と、いくらくらいでどうつくるのか、悩みはつきません。SNSによる情報発信が主流となりつつある昨今、そもそもウェブサイトは必要なのでしょうか。

こうしてスタートした2021年度の「これからのWebサイトについて考える」では、編集者、広報担当者、デザイナー、エンジニアなど、さまざまなメンバーがウェブサイトの制作過程に立ち現れる課題についてディスカッションを重ねました。そこで浮かび上がった7つのもやもや――短期的な評価と長期的な価値、ウェブサイトの費用と手間、アーカイブデザイン、誤配、人柄や内面などの周辺情報の伝え方、かっこよさと実用性、情報保障とアクセシビリティ――に対する向き合い方(=指針・モノサシ)を『ウェブもやもや事典』としてインターネット上にまとめています。

今回はこうしたもやもやを、ウェブサイトの制作チームで共有するためのツールをつくります。進め方に悩みがちなウェブサイトの制作プロセスをまとめるとともに、アートプロジェクトをはじめとした事業設計を見つめ直すガイドマップを目指します。

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進め方

  • オンラインや対面での制作会議を不定期で開催。
  • 2021年度開催「これからのWebサイトについて考える」参加メンバーとの意見交換。
  • 刊行を記念したオンライン座談会(全5回)の開催。

関連記事

▶オンライン座談会「誰かと一緒にウェブサイトをつくるために必要なことはなんだろう?」

アートプロジェクトの担い手のための配信・収録講座

オンライン配信の方法を初歩から学び、実践する

コロナ禍を経て、アートプロジェクトの企画もオンラインシフト、あるいはオンラインと対面を混ぜたハイブリッドでの開催が日常的に行われるようになりました。事業計画の段階からオンラインを想定した議論が飛び交う一方で、急いで身につけた技術への不安や、機材や人材、外注にかけられる予算の限界、あるいは対面開催とのバランスに悩むことも。オンラインの可能性を感じながらも、どこかで「配信・収録」に向き合う姿勢にふん切りをつけられない、そうした方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マイクやカメラの仕組みなど「配信・収録」にまつわる知識や技術を初歩から学びます。講師は、創作活動と並行して配信や収録業務を行う齋藤彰英(写真家)。講座は座学、実践、本番の3段階で進めます。本番では、本講座の会場に併設し、配信や収録に対応できる機能を備えた「STUDIO302」を設計・制作したいわさわたかしさん(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション取締役)をゲストにトークライブを実施し、その様子を参加者が実際に収録します。こうした実践とともに、オンラインの可能性や限界をふまえた企画・制作について考えます。

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スケジュール

8月21日(日)13:00〜16:00
第1回 座学|収録・配信に必要なマイクやカメラの操作方法

  • 配信や収録を計画するときに考えるポイント、優先順位の解説や、よくあるトラブル事例について
  • カメラとマイクの特性をふまえた基礎的な使用方法
  • 機材や配信ツールの選び方と、機材配線、役割分担

8月28日(日)13:00〜16:00
第2回 実践|配信内容に応じて機材を組んでみる

  • 代表的な事例をもとに、チェックシートやフローチャート等を活用しながら、機材を組んでテスト配信を行う
  • 配信と収録の考え方や機材の違い、配信システムごとの特性を解説し、機材配線図を作成

9月4日(日)13:00〜16:00
第3回 本番|収録・配信に挑戦する/オンライン時代を考える

ゲスト:いわさわたかし(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション 取締役)

  • 座談会を行い、その様子を参加者が実際に収録する
  • 収録した内容は講師が編集し、Tokyo Art Research Labの公式YouTubeチャンネルで公開予定

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

一般 6,000円/学生 4,500円

第3回 記録映像

コミュニケーション:手話を使い会話する

アートプロジェクトの現場で実践するための手話やろう文化を学ぶ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、アートプロジェクトの現場のシーンを想定した会話を通して、手話でのリアルなコミュニケーションを実践できる対面講座です。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、イベントの受付対応や、展示会場や劇場での座席案内、ショップでの商品説明や災害時の対応、自動販売機やお手洗いの案内など、いま、参加者が学びたい手話表現やコミュニケーションをロールプレイ形式で身につけます。

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スケジュール

10月13日(木)19:30〜21:30

10月27日(木)19:30〜21:30

11月10日(木)19:30〜21:30

11月24日(木)19:30〜21:30

12月1日(木)19:30〜21:30

12月8日(木)19:30〜21:30

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

14,400円

ワークショップ:ろう者の感覚を知る、手話を体験する

手話でのコミュニケーションの基礎を学ぶワークショップ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、全身を使ってろう者の感覚を学び、手話を体験してみるワークショップ形式の講座を対面で行います。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、まずは、視界の広さや動体視力などのろう者の感覚を体感し、発話に頼らないコミュニケーションの姿勢を身につけることを目指します。「目で見る言語」である手話を体得していくための柔軟体操のような、初心者向けの講座です。

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スケジュール

7月4日(月)19:30〜21:30
第1回 目で見ることに慣れよう

ボールを使ったワークショップなどで、指差しに慣れよう

7月11日(月)19:30〜21:30
第2回 全身を使って伝え合おう

連想ゲームや伝言ゲームなどで、遊びながら伝え合うことを体感しよう

7月25日(月)19:30〜21:30
第3回 質問に答えてみよう

指示や質問を目で受け取って身体で答えてみよう

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

6,000円

ジムジム会2022

手を取り合い、次を考える、アートプロジェクト事務局の互助会

アートプロジェクトは、企画や広報、経理などを担当する事務局の人々によって支えられています。しかし現場は人手が不足しており、時間がないなかでやり方を模索し、それぞれが悩みを抱えながら活動しているのが多くの現状です。

そこで、2019年度から同じような悩みを抱える「東京アートポイント計画」に参加する団体が集まり、「事務局による事務局のためのジムのような勉強会(通称:ジムジム会)」をひらき、広報やウェブサイト制作などの実務的な課題について共有してきました。

2022年度は、新しく東京アートポイント計画に3つのプロジェクトが参加。そこで東京アートポイント計画の「共催」の仕組みや、アートプロジェクト運営に必要なポイントをあらためて確認し、現場のスキルのボトムアップを目指します。また、手話通訳やUDトークを導入し、アクセシビリティの向上にも取り組みます。

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スケジュール

5月25日(水)
第1回 1年生から6年生が大集合! ジムジム会キックオフ

6月22日(水)
第2回 スタート地点でもあり、帰ってくる場所でもある。事業の「理念」を整理しよう

発表:柏木輝恵(NPO法人シミンズシーズ)

7月27日(水)
第3回 評価の準備運動、評価の下ごしらえ

発表:ファンタジア!ファンタジア!−生き方がかたちになったまち−

9月21日(水)
第4回 「め」と「て」でひろがるコミュニケーション

発表:めとてラボ

12月17日(土)
第5回  歳末学び合い〜解決のヒントはおとなりさんがもっている〜

 

関連サイト

東京アートポイント計画共催団体

メディア/レターの届け方 2021→2022

多種多様なドキュメントブックの「届け方」をデザインする

アートプロジェクトの現場では、さまざまなかたちの報告書やドキュメントブックが発行されています。ただし、それらの発行物は、書店販売などの一般流通に乗らないものも多いため、制作だけでなく「届ける」ところまでを設計することが必要です。

多種多様な形態で、それぞれ異なる目的をもつドキュメントブックを、どのように届ければ手に取ってくれたり、効果的に活用したりしてもらえるのか? 資料の流通に適したデザインとは何か? 東京アートポイント計画では、川村格夫さん(デザイナー)とともに各年度に発行した成果物をまとめ、その届け方をデザインするプロジェクトを行っています。受け取る人のことを想像しながら、パッケージデザインや同封するレターを開発します。

2021年度は成果物をひと箱に詰め、各冊子に掲載しているアートプロジェクトの現場で生まれた「ことば」を印刷したテープで留めています。

Multicultural Film Making ルーツが異なる他者と映画をつくる

映画制作を通じて、「新しいまち」の輪郭をともに探す

さまざまなルーツをもつ人々が暮らすまち、東京。多様な背景や価値観が混在していることは知っているものの、日常生活のなかで異なるルーツの人々が出会い、ともに何かを「つくる」機会は多くはありません。そうした背景から出発した2019年度の「Cross Way Tokyo 自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」を経て、今回は異なるルーツをもつ人々が、映画制作を通じて協働のための技法や新たな表現方法の開発を行います。

映画のテーマは、「新しいまち」。公募で集まった総勢17名のメンバーが「ドキュメンタリーの部」と「フィクションの部」にて、リサーチャー、撮影スタッフ、出演者など、映画製作上のさまざまな役割を担います。「ドキュメンタリーの部」では2チームに分かれ、国籍や使用する口語、日本語の習熟度などが異なるメンバー同士でインタビューや取材をし、まちなかでのフィールドワークをふまえたリサーチと映像制作を実施。そして「フィクションの部」では、ドキュメンタリーの部のリサーチ内容を反映させた脚本をもとに撮影し、一本の作品を生み出します。

最終回は、制作した映画の上映会を予定。異なるルーツをもつ人々との協働のかたちや、異文化が交じり合う「新しいまち」東京での、これからの暮らしについて考えます。

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スケジュール

9月3日(金) 19:00〜21:00
第1回(A期)ドキュメンタリーの部 自己紹介&グループディスカッション

9月4日(土) 13:00〜19:00
第2回 ドキュメンタリーの部(A期) シネマポートレイトをつくる

9月5日(日) 10:00〜17:00
第3回 ドキュメンタリーの部(A期) 他者のルーツをまちのなかに見出す

9月17日(金)19:00〜21:00
第4回 ドキュメンタリーの部(B期) 自己紹介&グループディスカッション

9月18日(土)10:00〜17:00
第5回 ドキュメンタリーの部(B期) シネマポートレイトをつくる

9月19日(日)10:00〜17:00
第6回 ドキュメンタリーの部(B期) 他者のルーツをまちのなかに見出す

10月30日(土)10:00〜17:00
第7回 フィクションの部 作品制作&撮影準備

11月7日(日)10:00〜18:00
第8回 フィクションの部 撮影リハーサル

11月13日(土)7:00〜18:30
第9回 フィクションの部 撮影

11月20日(土)8:00〜21:00
第10回 フィクションの部 撮影

11月27日(土)7:30〜21:00
第11回 フィクションの部 撮影

12月4日(土)7:00〜21:00
第12回 フィクションの部 撮影

2月27日(日)11:00〜16:30
最終回 映画『ニュー・トーキョー・ツアー』上映会

11:00〜12:30

  • ワークショップ作品上映『自分のルーツをまちで見つける』 ※日英字幕あり
  • 監督&メンバートーク「まちで見つけた自分と他者」

14:00〜16:30

  • 映画上映『ニュー・トーキョー・ツアー』 ※日英字幕あり
  • メイキング映像上映
  • 監督&メンバートーク「映画をつくる前と後。わたしたちの変化」