海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内各所で映像制作のワークショップを行うプロジェクト『KINOミーティング』。本書は、2022年度の活動を英訳付きでまとめたアーカイブブックです。
本書の前半は、KINOミーティングが活動を通して目指していることや、ワークショップを設計するなかで生まれた3つの映像制作の手法などを中心に紹介。後半は、ワークショップ参加者5名のインタビューに加え、運営スタッフによる1年間の活動を振り返る座談会と今後の活動プランを収めました。
日本に来たばかりの方が「まちを歩いているといい匂いがするけど、あれは何だろう」と言っていたのですが、私も来日したとき、同じことを感じたんです。「それはコインランドリーの匂いだと思う」と答えました。
(p.54)
目次
- はじめに
- KINOミーティングとは
- ワークショップ
- KINOミーティングの手法
- 参加者の声
- 運営スタッフ座談会
「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」ことをコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクト『めとてラボ』。
2022年度は日本各地のリサーチや、コミュニケーションのあり方、手話のアーカイブに関する研究・開発などに取り組みました。そのプロセスを円形の冊子にまとめ、リングで綴じた活動レポートです。
目の前の誰かの頭のなかをのぞいて見ることができないように、つたえあうことには、常に「わからなさ」が横たわっている。
(つなぐラボ)
目次
めとてラボとは
福島リサーチ
デフスペースリサーチ
愛知リサーチ
アーカイブ・プロジェクト
つなぐラボ
全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子(マイティ)さんによる、会話を中心とした美術鑑賞の方法を「会話型美術鑑賞(しゃべりながら観る)」と名付け、紹介した冊子です。二人のこれまでの活動や、作品を介して、時間と場を共有しながらコミュニケーションをとることの面白さを紹介しています。巻末には、実際に会話型美術鑑賞を行うときのコツや、紙上鑑賞会のための図版も掲載しています。
▶本書のテキストデータは以下よりダウンロードできます。
誰かと一緒に美術館に行くと、その人と近くなる感覚はある。個人的な話が出るだけでなく、時間と場を共有することが大きいのではないだろうか。作品を鑑賞するという得体のしれない共通のテ―マがあると、自然と仲良くなってしまうのかもしれない。
(p.20)
目次
全盲の美術鑑賞って、どういうこと?
はじめて美術館に行ったのは、彼女とのデートでした。
現代美術との出会いが、わたしを変えてくれた。
盲人らしくないことがしたかった。
白鳥さんに作品を説明しても、ほとんど無反応でした。
作品を観た人の印象や思い出を知りたい。
会話しながら観ると、驚きと発見の連続です。
饒舌ではないからこそ、自由に考える隙間がある。
美術館では自分らしくいられる。
「わからない」からこそ楽しい。
しゃべりながら観るのが当たり前!?
なんでしゃべるんだろう? 白鳥建二×佐藤麻衣子
白鳥流 会話型美術鑑賞のすすめ
白鳥流 会話型美術鑑賞をやってみよう!
美術館は温かい場でありたい 逢坂 恵理子(国立新美術館長)
あとがきに代えて 森司(Tokyo Art Research Lab ディレクター)
現代美術家・大巻伸嗣の《Memorial Rebirth(通称:メモリバ)》は、1分間に最大1万個のシャボン玉を生み出す装置を数十個並べて、無数のシャボン玉で見慣れたまちを一瞬にして光の風景へと変貌させるアートパフォーマンスです。足立区千住では、『アートアクセスあだち 音まち千住の縁』の一環として、2012年にいろは通りにはじまり、区内の小学校や公園など毎年場所を変えながら、リレーのバトンのように次に手渡され、展開してきました。
このPDFは、「Memorial Rebirth 千住」が歩んだ約10年を絵物語、事業にかかわってきた人の声、そして多様な評価分析の手法で紐解いた書籍『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』を英訳したものです。
In the early spring of 2012, Memorial Rebirth began in the Senju area of Adachi City, Tokyo. That was about 10 years ago. Memorial Rebirth, commonly called “Memoriba,” is an art performance that changes the landscape by releasing many soap bubbles. This is a story of how soap bubble art weaves connections between people.
(p.05)
目次
Opening with an illustrated story
- Story: Sumiko Kumakura Illustrations: 目[mé]
Hear a voice
- Introduction: Social sculpture using soap bubbles? Sumiko Kumakura
- What is “Memorial Rebirth Senju”?
- Cross Talk “Art? I don’t get it!” Kazuhiro Yoshikawa / Junko Takahashi / Shinji Ohmaki / Tsukasa Mori / Sumiko Kumakura
- The Voices of Memoriba: Before & After
- Living flexibly during the coronavirus pandemic: A record of activities of the Otomachi Project Office and Ohmaki Denki K.K. Rei Fujieda
- Shinji Ohmaki and the future of Memorial Rebirth Shinji Ohmaki
Lessons in Evaluation
- On the Evaluation of Art Projects Naoya Sano / Saya Makihara
- What value was created by Memorial Rebirth Senju? Naoya Sano
- Memorial Rebirth: The Stakeholders of Senju Mina Shinohara
- The logic model as a “memory backup”: A case study of 10 years of Memorial Rebirth Senju Saya Makihara
『Artpoint Reports 2022→2023』は、一年を振り返りながら、ちょっと先の未来について語るレポートです。ウィズ・コロナにシフトしつつある社会の変化に応答した、2022年度の取り組みを、ディレクターとプログラムオフィサーが語りました。
アートの人が自分の得意と考えるゾーンがあるとしたら、いま新しくアートに関心をもつ人が魅力を感じるのは、その部分ではないこともある。そのとき、我々がいつの間にか身につけた既成概念や価値観を上手に脱がないと、いつまでも両者は溶け合うことができません。
(p.22)
もくじ
About
Project reports 事業報告2022
News 2022の取り組み
Voices 2022→2023について語る
- 公共性が育まれる場所
- 「わたし」を起点にしたネットワーキング
- 「表現」を使いこなす
- 協働の広がりを支える
- まずは歩いてみることから
Annual costs 事業予算
Projects 事業一覧
Information お知らせ
東京都神津島村を舞台にしたアートプロジェクト『HAPPY TURN/神津島』の変遷を、5年間の年表と、チラシや図面などの印刷物や記録写真、そして活動の裏側やこぼれ話を集めた“当事者”年表によってまとめました。
年表や関連資料はさまざまなサイズの紙面で構成され、それらをリングファイルに綴じることで1つのアルバムになります。さらに、このファイルを手にとった人々が思い思いに「神津島」と自身をつなぐメモ書きや写真などの資料をはさむことで、自分だけのアルバムが完成します。
これはもう相当大変でしたね。
(2018年9月)
目次
かたづけて/おりかえす いわさわたかし
はじめに
このアルバムの使い方
2022年度年表
2021年度年表
2020年度年表
2019年度年表
2018年度年表
わかりあえないままでいること 飯島知代
場が生きること 中村圭
「HAPPY TURN/神津島」の日々に寄せて 櫻井駿介
アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』。このフリーペーパーは、まちに住む人に情報を発信、収集することで、これまでになかった縁がつながり、これからの活動のきっかけとなることを目指しています。
第1号のテーマは「文教都市・くにたち」。古来から先人の知恵を継いできた谷保・青柳や、理想の学問を求め拓かれた国立駅周辺など、さまざまな教育が息づいている地域の活動をつなぎ、多様な学びについて考えていきます。
活動しながら思ったのは、まちに興味がある人と話す機会はあるんですけど、興味ない人と話す機会がないんです。
(p.17)
目次
ACKT(アクト)について
谷保天満宮
NPO法人くにたち農園の会
一橋大学
国立音楽大学附属幼稚園
社会福祉法人滝乃川学園/ロボットプログラミング教室ProgLab
まちライブラリーくにたちダイヤ街/ベースクール
くにたち郷土文化館で学ぶ近代史 次の世代に生活を引き継ぐ
ACKT’s ACTION ① 「・と -TENTO-」Vol.1
ACKT’s ACTION ② 「さえき洋品●」
エンジンルームこちら企画会議 〜○ZINEを載せてACKTはどこへ向かう!?〜
堀道広「たまたまブラブラ散歩」
国立高校「私たち国高新聞部」
「CAST」vol.2 坂根知里(スナック水中代表/ママ)
「LAND」vol.2 500年のCOMMONを考えるプロジェクト「YATO」
「ROOM302」は、東京都千代田区のアートセンター・アーツ千代田3331にあった活動拠点です。アーツカウンシル東京が運営し、イベントやレクチャー、展覧会、アーカイブ、打ち合わせ、あるいはさまざまな実験的な活動の舞台となりました。
2023年3月、アーツ千代田3331との契約終了に伴い、惜しまれながらもROOM302の運用に終止符を打ちました。本書では、14年にわたる「ROOM302」のありようを、数々の写真と、各年度の出来事をまとめたテキスト、この場所にゆかりのある人々からの寄稿によって辿ります。
この場所が常に完璧な環境だったわけではなく、整わせ過ぎない場所であったことが共通しているように思います。そしてまた、そうした“しつらえ”によってアートプロジェクトに必要となるコミュニケーションを運営者側に考えさせる役割を果たし続けていたのではないかと感じています。
(p.79)
目次
はじめに(櫻井駿介)
足跡を辿る(大内伸輔)
言葉を編む(鄭禹晨/長島確/瀬尾夏美/工藤安代/鈴木雄介/いわさわたかし/坂本有理/太下義之/齋藤彰英/佐藤慎也)
あとがきにかえて(森司)
それまで当たり前だと思っていた考えを解きほぐす「対話」を生み出し、地域の文化資源の活用から「学びの場」 を創出する『ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―(通称ファンファン)』。つくることを楽しむための拠点「藝とスタジオ」や、これまで開発してきた一人一人の創造力と向き合うコミュニケーションプログラムなど、ファンファンの取り組みを紹介するパンフレットです。