アートプロジェクトの運営をひらく、◯◯のことば

「ことば」を手がかりに、現場を運営する視点を初歩から学ぶ

アートプロジェクトの「事務局」は、プロジェクトの環境を整え、動かし、育てる重要な役割を担います。活動には欠かせない存在にもかかわらず、あまり表舞台には出てこないため、その日々の業務はなかなか想像しづらいかもしれません。

そうした観点から、事務局が日々直面する業務や状況にかかわる言葉を取り上げたのが、書籍『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>』(アーツカウンシル東京、2020年)です。この本を囲んで語り合うことで共通言語をつくり、運営を助け、自分たちの活動の価値の言語化するためのツールとなっています。

今回の映像では、普段からアートプロジェクトの中間支援を行っているアーツカウンシル東京のプログラムオフィサー4名が、運営に必要な視点や課題について、この書籍から「ことば」を選び、紹介します。また、具体的な事例を参考に運営手法を学ぶ「実践編」では、2021年度まで東京アートポイント計画が共催していた『アートアクセスあだち音まち千住の縁』によるプロジェクト「Memorial Rebirth 千住」を事例に、アートプロジェクトの評価について取り上げます。

第1回 「事務局3人組」で動く。
第3回 「企画の4点セット」を準備しよう。
第5回 「広報のデザイン」を考える。
第7回 「評価への準備」からはじめよう。
第2回 「会議の3点セット」を揃えよう。
第4回 「関わりしろ」を増やそう。
第6回 「活動拠点」を見つけよう。
第8回 「ネーミング」を工夫しよう。
第9回 「情報共有」を心がける。
第10回 「第3コーナー」を駆け抜けるには?
第11回 「句読点を打つ」ことを考える。 
第12回 「決め方を決める」には?
第13回 「リスクを考える」とは?
第14回 「ドキュメント」にまとめよう。
実践編
「Memorial Rebirth 千住」とアートプロジェクトの評価
実践編
「メモリーバックアップ」としてのロジックモデル
実践編
アンケート調査から読み解く Memorial Rebirth 千住 の価値
実践編
「評価」を活用してアートプロジェクトを運営する

Webサイトの価値や在り方を考える 制作チームでウェブサイトをともに考えるためのガイドマップづくり

ウェブサイトを制作する際のもやもやを共有するためのツールをつくる

現在、世界中にはおよそ18億ものウェブサイトが存在していると推定され、いつの間にかなくてはならない身近な存在になりました。しかし、実際にウェブサイトをつくろうとすると、どこから考えはじめ、誰と、いくらくらいでどうつくるのか、悩みはつきません。SNSによる情報発信が主流となりつつある昨今、そもそもウェブサイトは必要なのでしょうか。

こうしてスタートした2021年度の「これからのWebサイトについて考える」では、編集者、広報担当者、デザイナー、エンジニアなど、さまざまなメンバーがウェブサイトの制作過程に立ち現れる課題についてディスカッションを重ねました。そこで浮かび上がった7つのもやもや――短期的な評価と長期的な価値、ウェブサイトの費用と手間、アーカイブデザイン、誤配、人柄や内面などの周辺情報の伝え方、かっこよさと実用性、情報保障とアクセシビリティ――に対する向き合い方(=指針・モノサシ)を『ウェブもやもや事典』としてインターネット上にまとめています。

今回はこうしたもやもやを、ウェブサイトの制作チームで共有するためのツールをつくります。進め方に悩みがちなウェブサイトの制作プロセスをまとめるとともに、アートプロジェクトをはじめとした事業設計を見つめ直すガイドマップを目指します。

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進め方

  • オンラインや対面での制作会議を不定期で開催。
  • 2021年度開催「これからのWebサイトについて考える」参加メンバーとの意見交換。
  • 刊行を記念したオンライン座談会(全5回)の開催。

関連記事

▶オンライン座談会「誰かと一緒にウェブサイトをつくるために必要なことはなんだろう?」

アートプロジェクトの担い手のための配信・収録講座

オンライン配信の方法を初歩から学び、実践する

コロナ禍を経て、アートプロジェクトの企画もオンラインシフト、あるいはオンラインと対面を混ぜたハイブリッドでの開催が日常的に行われるようになりました。事業計画の段階からオンラインを想定した議論が飛び交う一方で、急いで身につけた技術への不安や、機材や人材、外注にかけられる予算の限界、あるいは対面開催とのバランスに悩むことも。オンラインの可能性を感じながらも、どこかで「配信・収録」に向き合う姿勢にふん切りをつけられない、そうした方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マイクやカメラの仕組みなど「配信・収録」にまつわる知識や技術を初歩から学びます。講師は、創作活動と並行して配信や収録業務を行う齋藤彰英(写真家)。講座は座学、実践、本番の3段階で進めます。本番では、本講座の会場に併設し、配信や収録に対応できる機能を備えた「STUDIO302」を設計・制作したいわさわたかしさん(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション取締役)をゲストにトークライブを実施し、その様子を参加者が実際に収録します。こうした実践とともに、オンラインの可能性や限界をふまえた企画・制作について考えます。

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スケジュール

8月21日(日)13:00〜16:00
第1回 座学|収録・配信に必要なマイクやカメラの操作方法

  • 配信や収録を計画するときに考えるポイント、優先順位の解説や、よくあるトラブル事例について
  • カメラとマイクの特性をふまえた基礎的な使用方法
  • 機材や配信ツールの選び方と、機材配線、役割分担

8月28日(日)13:00〜16:00
第2回 実践|配信内容に応じて機材を組んでみる

  • 代表的な事例をもとに、チェックシートやフローチャート等を活用しながら、機材を組んでテスト配信を行う
  • 配信と収録の考え方や機材の違い、配信システムごとの特性を解説し、機材配線図を作成

9月4日(日)13:00〜16:00
第3回 本番|収録・配信に挑戦する/オンライン時代を考える

ゲスト:いわさわたかし(岩沢兄弟/有限会社バッタネイション 取締役)

  • 座談会を行い、その様子を参加者が実際に収録する
  • 収録した内容は講師が編集し、Tokyo Art Research Labの公式YouTubeチャンネルで公開予定

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

一般 6,000円/学生 4,500円

第3回 記録映像

コミュニケーション:手話を使い会話する

アートプロジェクトの現場で実践するための手話やろう文化を学ぶ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、アートプロジェクトの現場のシーンを想定した会話を通して、手話でのリアルなコミュニケーションを実践できる対面講座です。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、イベントの受付対応や、展示会場や劇場での座席案内、ショップでの商品説明や災害時の対応、自動販売機やお手洗いの案内など、いま、参加者が学びたい手話表現やコミュニケーションをロールプレイ形式で身につけます。

詳細

スケジュール

10月13日(木)19:30〜21:30

10月27日(木)19:30〜21:30

11月10日(木)19:30〜21:30

11月24日(木)19:30〜21:30

12月1日(木)19:30〜21:30

12月8日(木)19:30〜21:30

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

14,400円

プラクティス:手話と出会う

映像プログラムで学んだ手話をオンラインで実践する

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、昨年度に公開した「映像プログラム|手話と出会うアートプロジェクトの担い手のための手話講座」を教材に、手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、オンラインで手話でのコミュニケーションの基礎を学びます。個人学習を復習しながら、手話で会話をし、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いなど、ろう文化にも触れながら学習します。

詳細

スケジュール

9月1日(木)20:00〜21:30
第1回 手話の基礎表現を学ぼう

自己紹介、時間・数字の表現、度合い(強弱の表現)について

9月8日(木)20:00〜21:30
第2回 自分のことを伝えてみよう

NMM(非手指要素)、趣味・嗜好、YES/NOについて

9月15日(木)20:00〜21:30
第3回 仕事のことを伝えてみよう

職業・役割の表現、受付窓口の対応(買う/売る)について

9月22日(木)20:00〜21:30
第4回 CL表現を学ぼう

目で見たままを伝える、さまざまなCL表現について

9月29日(木)20:00〜21:30
第5回 間違いやすいポイントを知ろう

間違いやすい手指のかたち、手話とTPO、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いについて

参加費

7,500円

ワークショップ:ろう者の感覚を知る、手話を体験する

手話でのコミュニケーションの基礎を学ぶワークショップ

異なる背景をもつ人々が集い、語り合い、ともに活動するアートプロジェクトでは、日々さまざまなやりとりが交わされています。プロジェクトの場や時間をより豊かにしているのはその多様なコミュニケーションである、と言っても過言ではありません。視覚身体言語である「手話」も、そのひとつです。

2020年度から、言語としての手話を学ぶだけでなく、ろう者と聴者のコミュニケーションの違いや「ろう文化」に触れ、それぞれが現場で活かせるコミュニケーション技術や、アクセシビリティへの視点を育む講座を行ってきました。今年度は、手話を体験する(ワークショップ)、手話と出会う(プラクティス)、手話を使い会話する(コミュニケーション)という3ステップの講座を展開します。

今回は、全身を使ってろう者の感覚を学び、手話を体験してみるワークショップ形式の講座を対面で行います。手話・身体表現ワークショップ講師である河合祐三子さんと手話通訳士の瀬戸口裕子さんとともに、まずは、視界の広さや動体視力などのろう者の感覚を体感し、発話に頼らないコミュニケーションの姿勢を身につけることを目指します。「目で見る言語」である手話を体得していくための柔軟体操のような、初心者向けの講座です。

詳細

スケジュール

7月4日(月)19:30〜21:30
第1回 目で見ることに慣れよう

ボールを使ったワークショップなどで、指差しに慣れよう

7月11日(月)19:30〜21:30
第2回 全身を使って伝え合おう

連想ゲームや伝言ゲームなどで、遊びながら伝え合うことを体感しよう

7月25日(月)19:30〜21:30
第3回 質問に答えてみよう

指示や質問を目で受け取って身体で答えてみよう

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F])ほか

参加費

6,000円