アートを生み出すささやかな営み「アートステーション」をまちなかに出現させながら、多様な人々による、地域資源を活用した主体的なアート活動の展開を目指した『としまアートステーション構想』。
「としまアートステーションZ」(2014~2016年度)を舞台に、事務局スタッフ、アーティスト、プロジェクトメンバーの「オノコラー」 、そして、来場者とともに行ってきた日々の実践の記録です。多様な人が集まり、その交わりから新たな活動が生まれる場をつくるための工夫についてまとめています。
もくじ
「考える」編
1.としまアートステーション構想とは
2.この冊子について
3.としまアートステーションZとは
4.Zはこんな場所であってほしい
5.そのために何が必要か
「つくる」編
1.セルフカフェ・情報発信
2.作業日
2-1.作業日
2-2.作業グループ
3.アーティストによるプロジェクト 「EAT&ART TAROプロジェクト」
「残す」編
1.記録と評価の目的
2.記録と評価の方法
「まとめ」編
1.としまアートステーションZのつくりかた
2.作業日サポートガイドライン
3.スタッフの声(座談会)
付録 資料編
1.来場者一覧とアンケートの分析
2.オープン日、作業日、「EAT&ART TARO プロジェクト」実施日一覧
福島藝術計画×Art Support Tohoku-Tokyoは、福島県・東京都・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)が共催し、地域の団体と協働してアートプログラムを実施する事業です。文化芸術に触れる機会や地域コミュニティの交流の場をつくり、文化芸術による地域活力の創出とこころのケアという視点から、復旧・復興を支援します。
本書は、福島県いわき市小名浜にある下神白復興公営住宅で行った、福島藝術計画×Art Support Tohoku-Tokyo の2015年度の取り組み「イトナミニティ」についての報告です。
もくじ
はじめに
福島藝術計画×Art Support Tohoku-Tokyoとは?
下神白復興公営住宅についての基礎知識
「イトナミニティプロジェクト」事業振り返り
10の提言
検証・イトナミニティ 当事者かく語りき
2015年度事業報告会レポート
寄稿
あとがき
人を紡ぐアートプログラム 実施記録
社会における人々の「多様性」(diversity)と「境界」(division)に関する諸問題に対し、フィールド調査とその報告から生まれる対話を通じて、“生き抜くための技法”としての「迂回路」(diversion)の研究を行うプロジェクト。本誌は、「迂回路」をめぐる旅路で出会い、対話し、考え、見出したことを表すことを目的に制作した記録集の第2巻です。
2015年度は「迂回路をさぐる」ことに加え、「迂回路をつなぐ」という、旅するなかで出会った人々の言葉を運び、伝え、新たな回路が生まれる種を蒔くような作業もはじまり、その取り組みをまとめています。
もくじ
東京迂回路研究 撮影:齋藤陽道
はじめに
論考
研究デザイン:「迂回路」をさぐり、つなぐ方法―「対話型実践研究」を問い直す 三宅博子、長津結一郎、井尻貴子、石橋鼓太郎
1 フォーラム「対話は可能か?」
論考 共に生きるということを体感し、そのありようについて考える―フォーラム「対話は可能か?」を検証する 長津結一郎、三宅博子、井尻貴子、石橋鼓太郎
レポート
1 前夜祭「幻聴妄想かるた」大会
A 「妄想」が誘発するもの 長津結一郎
B わかりあえる入口に立つ 東濃 誠
2 トークセッション「共に生きるということ」
A 異なるままに、それでも、共に 井尻貴子
B 「境界」と「共に生きる」 岩田祐佳梨
3 ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」
A 「言葉」を「聴く」こと 石橋鼓太郎
B 境界を愛するということ 岩川ありさ
4 シンポジウム「対話は可能か?」
A 言葉の終わるところで交わされる「ことば」 三宅博子
B 対話と境界線の線の上に想いを馳せること 沼田里衣
2 もやもやフィールドワーク 調査編・報告と対話編・分析編
論考「もやもやフィールドワーク」を振り返って 三宅博子、井尻貴子、長津結一郎、石橋鼓太郎
調査ノート
1 当事者研究全国交流大会/べてるまつり 石橋鼓太郎
2 田んぼdeミュージカル 三宅博子
3 国際基督教大学ジェンダー研究センター「ふわカフェ」 長津結一郎
4 立石ディスコ・アフタヌーン 石橋鼓太郎
おわりに
巻末資料 平成27年度実施事業
附録 研究所日誌から
TOKYO DIVERSION RESEARCH [English Section]
伊豆大島のさまざまな世代の方々をつなぐことを目的に、現在・過去・未来のあらゆる島の情報を集めながら、伊豆大島に暮らす人やかかわりのある人に話を聞くフリーペーパー。
2015冬号の特集は、みんなでパンをつくる黒潮作業所。2016秋号では、島だからこそ味わえる「島キャンプ」の醍醐味を、2017春号では、郷土料理から家庭の味まで、島の食卓をご紹介しています。
アートプロジェクトを動かす力を身につける「思考と技術と対話の学校」基礎プログラム1・2の講義録(2015年度「仕事を知る」編)です。
もくじ
基礎プログラム1[思考編]
松尾真由子(Breaker Project事務局長)
佐脇三乃里(認定NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター アシスタントディレクター)
宮永琢生(演劇プロデューサー)
長内綾子(Survivart/キュレーター)
小林瑠音(應典院アートディレクター/文化政策研究者)
田中真実(NPO法人STスポット横浜 地域連携事業部ディレクター/横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局長)
新居音絵(エヌ・アンド・エー株式会社[ナンジョウアンドアソシエイツ]執行役員)
基礎プログラム2[技術編]
吉澤弥生(共立女子大学文芸学部准教授)
上田假奈代(詩人/詩業家/NPO法人こえとことばとこころの部屋〔ココルーム〕代表)
雨森 信(大阪市立大学文学部 特任講師/Breaker Projectディレクター)
帆足亜紀(アート・コーディネーター/横浜トリエンナーレ組織委員会事務局プロジェクト・マネージャー)
齋藤 啓(鳥の劇場 制作担当)
山出淳也(NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト)
アートプロジェクトを動かす力を身につける「思考と技術と対話の学校」2年目(基礎プログラム1,2)のプログラムガイドです。「基礎プログラム」の仕組みと特徴、学びのサイクル、受講生やスクールマネージャーの声などを収録しています。
もくじ
「ブーム」から「営み」へ 森 司
「思考と技術と対話の学校」基礎プログラムとは
思考編(2015年度)
技術編(2015年度)
スクールマネージャー座談会
受講生インタビュー
図書室
2015年1月から2月に5回にわたり開催した「『日本型アートプロジェクトの歴史と現在1990年→2012年』を読む」の記録(抜粋)です。『日本型アートプロジェクトの歴史と現在1990年→2012年』の各章のテーマに沿って、新たな事例を紹介するプレゼンテーションとディスカッション加えています。
もくじ
続・第5章 スタッフ×アートプロジェクト ゲスト:樋口貞幸
「アート・アドミニストレーターの立場から『芸術労働者』について考える」
続・第6章 社会×アートプロジェクト ゲスト:久保田 翠
「NPO法人クリエイティブサポートレッツ 1人のためにはじめた場所が『公共』になる」
続・第7章 企業×アートプロジェクト ゲスト:杉浦太一
「株式会社CINRA ウェブ事業で、文化を広めたい」
続・第8章 アーティスト×アートプロジェクト ゲスト:北澤 潤
「アーティストの立場から コミュニタスを生み出す『もうひとつの日常』」
続・第9章 3.11以降の動向 ゲスト:小山田 徹
「『迎え火』プロジェクト 新たな風習をつくる」
“An Overview of Art Project in Japan: A Society That Co-Creates with Art”は、研究・開発事業「日本型アートプロジェクトの歴史と現在についての情報発信研究」の一環として制作されました。
This report was compiled as a part of the Tokyo Art Research Lab (Arts Council Tokyo)’s “Dissemination and Research on the History and Present State of Art Projects in Japan” research and development program (consigned to Tokyo University of the Arts).
本書は、『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』のエッセンスを海外に向けて紹介することを目指し、熊倉純子東京芸術大学教授監修のもと展開された研究開発事業の成果物です。
近年日本国内ではアートプロジェクトと呼ばれる活動が各地で見られる。欧米圏ではソーシャリー・エンゲイジド・アートと呼ばれるような活動や、「関係性の美学」 という概念をめぐる論争がみられる。しかし日本で行われているアートプロジェクトは、このような先行する言説のみでは説明がつかない事象が起こっているように感じられた。それゆえ、日本国内のアートプロジェクトについて事例と理論を交えて網羅的に論じた『日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年』を英訳することによって、芸術と社会をめぐる英語圏の諸理論に新たな一石を投じることを目指した。
(日本語版「はじめに」より)
This report is a condensation of a collaborative research project conducted over five years, directed by Sumiko Kumakura, professor at Tokyo University of the Arts, as a part of the Tokyo Art Research Lab. It is intended to summarize the salient points of the research for an English-language audience who may be familiar with recent trends in socially engaged art and social practice but not as familiar with the corresponding scene in Japan.
Table of Contents
Introduction
What are Art Projects?: History and Relationship to Local Areas
by Sumiko Kumakura and Yūichirō Nagatsu
What are “Art Projects”?
The Prehistory of Art Projects
Regional Art Projects
Column 1 An Overview of Large-Scale Art Festivals in Japan
Case Studies from Japan’s Art Projects: Their History and Present State, 1990-2012
by The Art Project Research Group
1 Universities and Art Projects: Hands-On Learning and Hubs for Local Communities
2 Alternative Spaces and Art Projects: New Developments in Realizing Sustainable Support Systems
3 Museums and Art Projects: Community Projects Initiated by Museums
4 Urban Renewal and Art Projects: Building Social Capital
5 Art Project Staff: The Different Faces of Local Participants
6 Art Projects and Society: Social Inclusion and Art
7 Companies and Art Projects: Why Companies Support Art Projects
8 Artists and Art Projects: The Good and Bad of Large-Scale Art Festivals Held in Depopulated Regions
9 Trends After the 3.11 Earthquake: Art Projects Confronting Affected Areas of the Tōhoku Region
Thinking about the Aesthetic and Social Value of Art Projects
by Sumiko Kumakura
Departure from a Normative Definition of the Artwork
Trends and Cultural Background of Art Project Research in Japan
Local People as Evaluators of Art Projects
Column 2 Case Studies of Co-Creative Projects 1: Jun Kitazawa’s Sun Self Hotel
Column 3 Case Studies of Co-Creative Projects 2: Hiroshi Fuji’s OS Art, Kaekko Bazaar
Column 4 The Theory of Social Capital
Column 5 Marginal Art and Art Projects
Contribution by Justin Jesty
Written by Sumiko Kumakura and Yūichirō Nagatsu (The Art Project Research Group)
With a contribution by Justin Jesty
Translation, editing, and project management by Art Translators Collective (Kanoko Tamura, Nobuko Aiso, Shuko Ebihara, and Tomoko Momiyama)
Translation and copyediting by Justin Jesty
Design by Mashu Miyagai (m-nina)
Project supervised by Yuri Sakamoto (Arts Council Tokyo)
フィールドワークをベースとした作品を制作・発表しているアーティスト、mamoruと下道基行が中心となり結成した「旅するリサーチ・ラボラトリー」が、日本各地を旅しながら、フィールドワーク的手法とアウトプットの実践について様々な表現者へインタビューを行い、フィールドワークと表現の可能性について検証したプロジェクト「旅するリサーチ・ラボラトリーⅡ -フィールドワークと表現」の記録集です。
三重から北海道まで12日間、総移動距離4,479kmの旅リサーチ中に収録したポッドキャスト番組(全6回)を収録したCD-ROM、ポッドキャスト収録場面や各ロケーションのドキュメントフォトと旅にまつわるエッセイを収めたブックレット、移動の軌跡をあしらったケースです。旅先で訪ねた山本命(松浦武四郎記念館主任学芸員)、紺川滋(遠野ユースホステル オーナー)、湧坂周一(羅臼郷土資料館前館長)のエッセイのほかに、下道基行とmamoruも執筆しています。
プロジェクトの運営に携わるスタッフが活動の記録を整理・活用し、アーカイブするために役立つアプローチや手法を紹介した入門書です。アーカイブに取り組むときに、そのポイントや手順を確認することができます。
本書では、プロジェクトの現場担当者がアーカイブをはじめるために必要な事柄が4つのパートで紹介されています。まずは、アーカイブのメリットを理解し、現状を把握するための自己診断。次に運営組織やプロジェクトに不可欠な「バイタル・レコード」とアーカイブに取り組むための具体的な「ベーシック・テクニック」が続きます。最後に、アーカイブの実践を進めるためのヒントや便利なリストが収録されています。
もくじ
はじめに
アーカイブするシ・く・み
タイプ別自己診断
便利帖の進め方
バイタル・レコード
ベーシック・テクニック
アーカイブするヒント
アーカイブ便利リスト
索引
付録しおり
便利帖のしおり