2025レポート③ 最終発表:自分なりの「言葉」がつかめたら、実現への第一歩を踏み出してみる

2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらを取り巻く社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるシリーズ「新たな航路を切り開く」。P3 art and environment 統括ディレクターの芹沢高志さんをナビゲーターに迎え、この10年間の動きを俯瞰する年表制作や、ゼミ形式の演習を実施してきました。

このシリーズのなかのプログラムの一つ、演習「自分のアートプロジェクトをつくる」は、アートプロジェクトを立ち上げたい方やディレクションに関心のある方を対象としています。2025年度は10月初旬から翌年2月中旬まで約4ヶ月にわたって実施しました。週末の会場は回を追うごとに静かな熱気を帯び、休憩時間には受講生同士が熱心に感想を交わす様子が印象的でした。

この演習の様子を、3つの記事でレポートします。

レポート① ディスカッション:自分のなかから生まれる問いをつかまえる
レポート② ゲストによるレクチャー:客観性と衝動、偶然性を持ち続ける
・レポート③ 最終発表:自分なりの「言葉」がつかめたら、実現への第一歩を踏み出してみる

ゲスト回や受講生同士のディスカッション、中間発表を経て、それぞれが考える「アートプロジェクト」の言語化に挑戦してきた受講生たち。当初の構想から何度も練り直して、悩み、もがきながら、自分が本当にやりたいことを探り、なぜそのプロジェクトをやりたいのか、その根幹に迫っていきました。

受講生たちがかたちにしようと構想した企画は、自宅の駐車場を会場に、まちに柔らかくコモンの場を開いていこうとするものや、アートプロジェクトの「広報」について考えるべく論文の序章にも似た壮大な構想を考えたもの、自らの足で全国各地のシェルターをめぐりながら、現場を知ることに軸を据えたもの、東京を離れ移住先で今後の実践を積み重ねようとするものなど、そのあり方はさまざま。

最終発表では、受講生それぞれの発表に対して、ナビゲーターの芹沢さんとアーツカウンシル東京の森から、コメントやアドバイスが寄せられました。演習の最終日には運営スタッフも加わり、全員で本講座についての感想や気づいたことを共有し合う座談会形式のフィードバックを行いました。

受講生一人ひとりに講評する芹沢さんと森。芹沢さんからは、たびたび「(そのプロジェクトを)とにかく一回やってみればいい」というアドバイスが飛び出した。
受講生による構想発表を行った後、質疑応答の時間を設けた。発表直前まで内容を考え続けたという受講生も少なくなかった。
自らのルーツや感覚特性を起点に、信頼できる仲間とともにはじめたコミュニティについてさらに構想を深めるための企画発表を行った受講生もいた。

受講生たちからは、「この演習のように、自分が頭のなかで考えているまだかたちにはなっていないことを話し合う場があるのは、とてもありがたかった」「何をすればいいのか最初はよくわからなかったが、最終発表までやってみて、自分のなかでやりたいことが腑に落ちた。魔法のような時間だった」「アートプロジェクトが完成する手前にある、立ち上がるまでのプロセスをみんなで共有できたことが貴重だった」といったフィードバックがありました。構想したプロジェクトの大小や内容に関係なく、とても満ち足りた表情で話す一人ひとりの様子が印象的でした。

最後に、あらためて受講生のみなさんに向けて、ナビゲーターの芹沢さんより、演習を振り返ってのメッセージをご紹介します。

2025年度「演習|自分のアートプロジェクトをつくる」を終えて

2026年1月31日、2月1日の両日にわたって行われた「最終発表」を終え、「新たな航路を切り開く」の2025年度「演習|自分のアートプロジェクトをつくる」の全工程が無事に終了しました。今回は例年にも増して参加者同士の相互ディスカッションが熱気に満ち、ことの大小は問わず、確かにここから何艘もの小舟が荒海に漕ぎ出していくのだろうという予感を確かにして、ナビゲーターを務めた喜びを深く噛み締めました。

理由はさまざまあると思いますが、世界的に見ても、知性というものへの言葉にならない反発が大きく広がりつつあるように思います。知性は権威的な態度と結びつきやすいから理解はできるのですが、悲しいことです。しかしこのような風潮のなか、「自分で考える」というなんでもない、当たり前のことが、とても勇気のいることになりつつある気もします。時代の空気に飲み込まれることなく、自分自身で大切と考えることを見つけ出し、実行に移していく。それこそがこの「自分のアートプロジェクトをつくる」という演習の、根幹にある考えであると思っています。今回全員がみな等しく、自らのモチベーションと真摯に向き合っていく姿がとても印象深く、心の底からやって良かったという実感をもつに至ったのです。

2024年度のレポートでも触れたことですが、ハラルド・ゼーマンが組織した歴史的な展覧会、「態度が形になるとき」が開かれたのは1969年のことでした。その頃から、アートをアートピース(作品)としてだけに捉えず、全体をプロセスとして見ていく見方が生まれはじめていました。アートを、周囲との応答のなかでダイナミックに創造、形成され続けていく全体的なプロセスとして捉える視点です。まさにいま、我々がアートプロジェクトという用語で語る一群の表現に当てはまることです。

結局この演習は、そうした「態度」の演習であったのだといまは思っています。「態度」である以上、それはわれわれが生きる「態度」に他なりません。狭い意味でのアートに向き合う態度ではなく、それも含めた、われわれの生きていく「態度」、時代や社会と向き合い生きていく、そのトータルな「態度」ということになる。その「態度」が形になるとき、それはアートに限りなく近づいていきます。他者が身体で触れ、見聞きし、味わい、自分の人生、自分の「態度」と比べていく。伝心し、共鳴し、共感し、あるいは反発していく。こうして一人の表現者と社会や時代が応答していくことになるのでしょう。この、いろいろな意味で問題山積みの時代や社会にあって、このような応答関係こそが時代を、社会を揺り動かしていくものだと信じています。

応答に正解というものはありません。いや、正解なるものに全員が落ち着けば、そこで応答は終わります。そして応答がなくなれば世界は死んでいく。終わりなき応答こそが、この世界を生き生きとさせ続けていく命の源泉ではないのかと思うのです。大袈裟に思われるかもしれないが、この演習とは、生き生きと生きるための演習ではなかったのかと思うのです。

ゲストとしてお呼びした武田知也、小沢剛、野田智子のみなさんは、それぞれ生きることとアートプロジェクトを分けては考えない、まさにそういう態度の実例そのものだったと思います。だから同席したみんなも深く共鳴したのだと思います。

参加してくださった受講生のみなさん、運営チームのみなさん、ゲストに来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。非常に手応えのある4回目の演習となりました。

芹沢高志

2025年度の演習「自分のアートプロジェクトをつくる」は、終了しましたが、受講生たちのアートプロジェクトは、ここからがスタートです。自らの「生きる態度」を社会との応答のなかに投じ、かたちにし続けていくプロセスそのものが、世界を、そして自分自身を生き生きとさせ続けていくに違いありません。

撮影:齋藤彰英

2025レポート② ゲストによるレクチャー:客観性と衝動、偶然性をもち続ける

2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらを取り巻く社会状況を振り返りながら、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるシリーズ「新たな航路を切り開く」。P3 art and environment 統括ディレクターの芹沢高志さんをナビゲーターに迎え、この10年間の動きを俯瞰する年表制作や、ゼミ形式の演習を実施してきました。

このシリーズのなかのプログラムの一つ、演習「自分のアートプロジェクトをつくる」は、アートプロジェクトを立ち上げたい方やディレクションに関心のある方を対象としています。2025年度は10月初旬から翌年2月中旬まで約4ヶ月にわたって実施しました。週末の会場は回を追うごとに静かな熱気を帯び、休憩時間には受講生同士が熱心に感想を交わす様子が印象的でした。

この演習の様子を、3つの記事でレポートします。

レポート① ディスカッション:自分のなかから生まれる問いをつかまえる
・レポート② ゲストによるレクチャー:客観性と衝動、偶然性を持ち続ける
レポート③ 最終発表:自分なりの「言葉」がつかめたら、実現への第一歩を踏み出してみる

2025年度のゲストは、武田知也さん(舞台芸術プロデューサー/一般社団法人ベンチ 代表理事)、小沢剛さん(美術家/東京藝術大学教授)、野田智子さん(アートマネージャー/Twelve Inc. 取締役)の3名。
それぞれのゲストによるレクチャーと、受講生とのディスカッションの様子をご紹介します。

武田知也さん(舞台芸術プロデューサー/一般社団法人ベンチ 代表理事)

アートマネージャーの可能性を拡張させる「一般社団法人ベンチ」の活動

11月8日(土)のゲストは、武田知也さん(舞台芸術プロデューサー/一般社団法人ベンチ 代表理事)。武田さんは、20代の頃から舞台芸術に関するマネジメント業務に幅広く携わっています。お話を伺うなかで印象的だったのは、一個人としてよりよい作品をつくりたいという想いの強さはもちろん、鑑賞者、制作者、演者を含め、舞台芸術界にかかわる人々全体にとってよりよいものにするためにどうするか、という考えが軸にあること。

レクチャー冒頭で紹介されたアートマネージャーで組織されたコレクティブ「一般社団法人ベンチ(以下、ベンチ)」の活動も、その考えを体現する一つです。演劇やダンスにかかわるアートマネージャーは、組織に所属せず個人/フリーランスで活動する人が多いと言います。そのためベンチは、「個人では受注が難しい仕事を実現する受け皿として機能すること」と、「個人が制作現場で得たノウハウや課題などをコレクティブ内で共有し、アートマネージャーの可能性を拡張させていくこと」という理念を掲げています。その背景には、過去に体調を崩す仲間の姿があったのだそう。例えば、体力を必要とする場面も多い演劇の仕事では、年齢が上がるにつれ気力だけではカバーし切れなくなることや、責任は増す一方で、収入はなかなか増えない厳しい一面があります。そうした背景を理由に、このコレクティブとしての活動が展開されています。

またベンチは、日本有数のビジネス街である大手町・丸の内・有楽町エリアを舞台に創造的なシーンをつくりだすことを目指す「有楽町アートアーバニズムYAU」の活動拠点の運営にも参画。多様な人々が交差する稽古場を立ち上げるなど、新しい演劇環境の創出を試みています。倉田翠さんが演出・構成を手がけたパフォーマンス『今ここから、あなたのことが見える/見えない』では、ビジネスパーソンが多く集まる場所という特徴をいかし、一般公募によって集まった同エリアの働き手たちが倉田さんと徹底的にコミュニケーションをとったうえで舞台上で自らのことなどを語るという企画プロデュースに携わりました。また、デイサービス施設でのレジデンス事業を中心とした「クロスプレイ東松山」のように、地域福祉や都市といった枠組みにアーティストを介在させるプロジェクトなども展開しています。

やむに止まれぬ自発性を尊重する

近年の武田さんの活動の根底には、武田さんがベンチとしてかかわったある公演へのレビューに覚えた「違和感」があるのだと言います。その公演は、バレエ経験のある人を公募し、オーディションによって選ばれた人々が出演するというものでした。そのレビューのなかで、「市民参加型という名目」のもと、「搾取になりかねない」という趣旨の指摘がありました(註:一部、レビュー内で事実と異なる指摘があり、後日、訂正文が追加された)。武田さんは、そのなかで指摘されている「演出家やプロの出演者」と公演に参加する「市民」という分け方に着目。その指摘が、演劇が「舞台に立つ人」=サービス提供者と、「観劇者」=消費者という二項対立の前提に立った視点に感じられ、それは、芸術がうまれる起点となるはずの一人ひとりの「止むに止まれぬ自発性」が、資本主義的倫理観によって矮小化されていないか? という問いを考えるきっかけになったのだそうです。

武田さんは、かつてかかわった維新派の松本雄吉さんによる「境界をしつらえるのが劇場」という言葉を引用して、アンダーグラウンドでも制度化のみを目指すでもない、その「はざま」でシーンをつくる重要性を説きました。

アートマネジメントの本質とは、ものごとに白黒をつけるのではなく、その「未分化な領域」を見つけ、拡張していくことにあります。受講生との質疑応答では、効率や資本主義の論理に回収されない「プロセス」を観客や関わる人たちと共有し、ともに時間を過ごすことの価値が強調されました。武田さんは、制度からはみ出すような「インフォーマルな状態」や失敗を許容する演劇の特質に価値を見出し、複雑な「あいだ」を可視化する「行為者」でありたいと締めくくりました。

小沢剛さん(美術家/東京藝術大学教授)

11月15日(土)は、小沢剛さん(美術家/東京藝術大学教授)をゲストにお迎えしました。ナビゲーターの芹沢さんとは旧知の間柄ということもあり、リラックスした雰囲気でスタート。まずは、小沢さんがこれまで手がけてきた作品を例に、創作に対する態度やバックグラウンド、思考方法についてお話しいただきました。最初に紹介された作品は、小沢さんの代表作の一つである「なすび画廊」。貸し画廊のシステムに疑問を呈し、東京・銀座の路上で世界最小の移動式画廊をつくり発表しました。牛乳箱の内側を白く塗りホワイトキューブに見立て、当時若手だった村上隆氏らアーティストの発表の場となり、いつしかこの小さな移動式画廊を用いて発表する人は50人、60人に膨れ上がりました。その後ヴェネチア・ビエンナーレの会場に無断でもち込んだことをきっかけに、ドイツをはじめとする海外での展示が実現。さまざまな人や土地を巻き込み発展していく様は、現在の「アートプロジェクト」にも通じるものがあります。このように、まだそれほど「アートプロジェクト」という言葉が普及していなかった1980年代から90年代にかけて、小沢さんは独自のアイデアで自身の発表の場をつくり出し、徐々に活動の場を広げていきました。

他者との協働という「プロセス」をおもしろがり、作品化する

小沢さんが作品制作で大事にしていることのなかに、「プロセスを大事にしたい」「人とつくりたい」「旅をしながらつくりたい」という思いがあります。

例えば、《ベジタブルウェポン》もその思いが反映された作品のひとつ。この作品は、小沢さんが文化庁の研修でアメリカに渡航予定だった2001年に起こったアメリカ同時多発テロ事件を受け制作されました。世界各国を巡り、出会った女性に「あなたの好きな郷土料理、家庭料理は何?」と尋ね、その料理に使う野菜や肉などの食材を用いて銃のかたちを創作し、モデルとしてその銃を構えてもらってポートレート写真を撮影。その後、実際にそれらの食材を使ってその料理を一緒につくり、食卓を囲むというもの。小沢さんはこの一連の流れを丁寧に記録し、作品として発表してきました。この作品からは、暴力への「NO」をユーモアを交えながら表明するアーティストの姿勢を感じ取ることができます。

「国や地域によって、手に入りにくい素材もあるが、環境そのものの違いや、現地で誰に手伝ってもらうか、 リサーチすることそのものが楽しい」と小沢さん。地元住民が勧めるものもできるだけ柔軟に対応するようにしていること、訪れた土地ごとの出会いをおもしろがり、制作に存分に生かしている様子が伝わってきました。

ヤギを起点に広がる「透明なアートセンター」の実験

小沢さんが現在取り組んでいるプロジェクトのひとつに、「ヤギの目」プロジェクトがあります。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科の小沢剛研究室と「取手アートプロジェクト」が共同で立ち上げた企画で、ヤギの飼育を通して、ヤギを起点につながり発展していく「目には見えない透明な」アートセンターの設立を目指すというユニークな取り組みです。学生たちから広大で寂しい印象をもたれがちだという取手キャンパスの一角でヤギを飼いはじめたことで、学生同士や他県のヤギ飼育家とのつながりができたり、ヤギが食べる植物の名前や活用方法を考えたり、さらにはヤギのフンから絵の具をつくったり、グッズを販売したりとさまざまな展開が生まれています。

偶然を招き入れながら、関係性を編み上げる

受講生からは、小沢さんの作品制作にあたってのリサーチや協働についても質問が寄せられました。「若い頃はリサーチが大嫌いだったけれど、制作のために必然性を感じ、とことんするようになってきました。ネット、新聞、図書館、必要なら海外の専門家へのインタビューも。リサーチが落ち着いたら、あとは制作。想像力を広げ制作していくのが大事」と小沢さん。
「実在の人物や戦争加害・被害などの題材も扱っている《帰ってきた〜》シリーズをはじめ、一方的な視点から個々人がもつ物語性に介入してしまう可能性もある作品をつくるときは何に気をつけているのか?」という質問には、ネガティブな誤解を受けないように配慮をしていることや、作品の舞台となる現地の研究者に相談し、異なる視点を取り入れていること、偉人と言われる人々のもつ人間臭さやダメな部分にも視野を広げストーリーを創造しているのだと答えました。

また「自分一人で制作したいと思うことはあるか?」という質問には、自分一人で制作する時間も大事にしていること、そのうえで、自分のキャパシティがそれほど大きくはないと思っているからこそ、誰かと一緒につくることで技術や技能が拡張できるのではないか、そうした期待をもって協働していることが伺えました。そうした協働創作の際には、小沢さん自身がチーム内のファシリテーターのような役割を担うこともあるそうです。

「すべてを自分でコントロールしようとは思っていない態度が、小沢さんの作品制作にはあるんですよね」とナビゲーターの芹沢さん。偶然の出会いや協働相手がいるからこその変化も含めて、そのプロセスをおもしろがる小沢さん自身の姿勢からは、予見できないものごとに対して柔軟に応答するアーティストの存在や、アートやアートプロジェクトのあり方そのものをあらためて考え、捉え直す時間となりました。

野田智子さん(アートマネージャー/Twelve Inc. 取締役)

年明け最初の1月17日(土)の演習は、アートマネージャーであり、アーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party(以下、Nadegata)」の一員としても活動する野田智子さんをゲストに迎えました。野田さんが企画を考えるときにいつも心に浮かぶのは、まだ大学生だった頃に遭遇したある出来事だと言います。ある日のこと、展覧会を見てレポートを書くという大学の課題のために「ミニマル マキシマル -ミニマル・アートとその展開-」(2001年、京都国立近代美術館)の展示会場を訪れた野田さんは、ガラス玉が床一面に敷かれたモナ・ハトゥームによる作品《マーブル・カーペット》のうえを、高齢の女性が意図せず歩いてしまうアクシデントに居合わせました。そのときの、ガラス玉がパーッと床面を転がる様子や女性の驚いた声、監視員の慌てた様子などを、いまでも鮮明に思い出すのだそう。その後、アートマネージャーとしてさまざまな企画にかかわるようになってからも、あの日の情景を思い出すことがあるそうで、「アートは誰かにとっては特別でも、誰かにとっては価値のないもの」という視点として心に留め置かれている、と野田さんは話します。例えば、美術館で、作品とは思わずに通りすぎてしまった経験や、ふと作品を守るための結界を越えてしまい監視員さんから声を掛けられた経験がある人も少なくないかもしれません。アートプロジェクトの場合はなおさら、空き家やパブリックスペースなど、アートファンや通りすがりの人、観光客など不特定多数が行き交う場所が展示やプロジェクトの会場となることも多く、この「誰かにとっては特別でも、誰かにとっては価値のないもの」という視点は、アートプロジェクトを企画するうえでも欠かせない大事な視点の一つです。

アートマネジメントが指す言葉の意味とは

実は写真学科を専攻するアーティスト志望の学生だった野田さんがアートマネジメントを志したきっかけには、在籍していた大学でティーチング・アシスタントをしていた澤田知子さん(写真家)の活躍があったのだと言います。写真界の芥川賞と称される木村伊兵衛賞を受賞した澤田さんが、瞬く間に活躍の場を広げていく姿を目の当たりにした野田さん。キャリアやアーティストの社会的な立場について考えたときに、アーティストとしての活動よりも自分自身は「環境を整える役割」に興味があるのだと気づいたそうです。その後、アートマネジメントを学べる大学院へと進学。大学院時代に出会った美術家の中﨑透さん、山城大督さんとともにNadegataを結成。現在に至るまで、二人のアーティストが出すアイデアに対して「とにかく何でもいいから応答し続ける」役割に撤し、コーディネートや予算管理、広報などを担ってきました。

さらにその後、Nadegataの活動を続けながら、ギャラリーに勤務。作品制作からマネジメントへとキャリアの舵を切って行きました。さまざまな経験を重ねた現在、あらためてアートマネジメントとは何か、と問われると、「芸術経営」を指すだけでなく、より広く「アートを受け取り考える力、おもしろがる力」も含めたものとして捉えていると野田さんは言います。

ラーニングとの出会い

野田さんにとってアートマネジメントに対する視野を広げ、現在の会社を設立する転機にもなったのが、「あいちトリエンナーレ2019(以下、あいち)」で、ラーニングセクションのマネジメントを任されたこと。当時、アーティストの思考をいかにリアライズ(現実化)するかへの興味が強く、芸術祭などの来場者やボランティアとのコミュケーションにはさほど関心がなかったと言う野田さん。ところが、当時のラーニングのテーマが「来場者の思考をいかにアクティブにできるか」だったことをきっかけに、自身の思考に変化が訪れたのだそう。それまでに野田さんがNadegataとして手がけてきたプロジェクトは、公募で集まった参加者がかかわりながらともにつくっていくものばかり。全員の顔ぶれがそろうまで、どのようなバックグラウンドをもつ人が参加するのかや、その人の得手不得手もわかりません。どのように完成形までもっていけばよいのかも、はじまってみないと見えてこない。だからこそ、まずは不特定多数の人にいかに乗り気になってもらえるかの仕組みづくりに奔走していました。参加者が主体的・自発的に考え動くために、どのようなかかわりしろをつくれるのか、プロジェクトが軌道に乗りはじめるために何が必要なのかを考えることが重要でした。野田さんはラーニングセクションにかかわることになってあらためて、これまでNadegataで考え実践してきたことと、ラーニングがテーマとすることが重なっていることに気づいたのだと言います。作品制作が「究極のクリエイティブ」なのだとしたら、その作品に対して応えるという姿勢も最高にクリエイティブで、いつも考えてきたことともつながっているのではと思うようになったそうです。

同年には、同芸術祭内で開催されていた「表現の不自由展・その後」での出品作品に対し、当時の名古屋市長が展示中止・撤去を要請したことをきっかけに、同展への問い合わせが殺到。展示中止への抗議や、文化庁による補助金の減額など大きな議論が巻き起こりました。参加アーティストたちが連帯しステートメントを発表するといった動きが起こるなか、野田さんはラーニングプログラムの担当者として、展示再開時の抽選の仕組みづくりやディスカッション付き鑑賞会のプログラムづくりに奔走。そのうちに、自分たちマネジメントを担当する人同士も、アーティストのように、横に手をつなぐ仕組みや仲間がほしいという気持ちが沸いてきたと言います。そこから野田さんはパートナーで映像制作も手がける山城さんとともにアーツプロダクション「株式会社Twelve(以下、Twelve)」を設立。京都を拠点に、スタッフや全国各地に広がる「ALLIANCE MEMBER」(経理担当者やアートマネージャー、プログラマー、編集者ら)と組みながら、文化芸術のアートプロデュースやメディアプロデュースを展開しています。

あいちをはじめとするさまざまな現場に身を置いてきた野田さんが、アートの現場で働く覚悟として決めているのは、「何か社会的・歴史的な出来事が起こったときに何かしらのかたちでそれに応答し、動く」ということ。大学院を出てギャラリーでスタッフとして働いていた頃、アーティストコレクティブのChim↑Pomが広島の原爆ドーム上空に飛行機雲で「ピカッ」と書いた作品《ヒロシマの空をピカッとさせる》が社会的騒動に発展した。地元新聞をはじめとする社会的な批判、それに対し、その騒動をまとめた検証本を出版、その後もヒロシマと核問題をテーマに多くの作品を制作するなど、常に表現で応答し続けるChim↑Pomの対応を目の当たりにした野田さんは、彼らの表現行為や言動を通じ、「表現にかかわることは、個人のスタンスと覚悟が問われること」だと痛感したと言います。

パンデミックを前にした野田さんは、「いま行動をおこしておかないと、未来の自分からコロナ禍で何をやっていたかを問われたときに、きちんと答えられない。いまやるべきことをやらなければ」との想いから、COVID-19の流行とそれを受けた愛知県による救済基金「文化芸術活動緊急支援金事業」へ応募し、文化芸術の表現者やその制作を支えるさまざまな職能をもつ人々とともに、9つのプロジェクトを新たに制作し、オンラインアートプロジェクト 「AICHI⇆ONLINE」として発表しました。

この演習では、アートプロジェクトをやりたいと思ったときに生まれる切実さをつかまえ言葉にすることができれば、たとえ実行の過程で何か困難なことが起きたとしても、原点に立ち返ることのできるブレない軸になるという考え方を共有してきました。受講生たちにとって、野田さんのレクチャーは、まさにこの「軸」があることの大切さや、それがあるからこその発展性、継続性を具体的な事例・角度から学ぶ機会になったのではないでしょうか。

撮影:齋藤彰英(2025年11月8日)、佐藤えりか(2025年11月15日、2026年1月17日)

>>2025レポート③ 最終発表:自分なりの「言葉」がつかめたら、実現への第一歩を踏み出してみる

tarl.jp ウェブサイト(2025年度〜)

地域との連携や実践、課題に向き合う方法を考える文化事業の担い手のためのプラットフォームとして、Tokyo Art Research Lab(TARL)ウェブサイトを「tarl.jp」としてリニューアルしました。

これまでTARLで取り組んできた「プロジェクト」や、それらの活動にまつわる「レポート」、そこから生まれた書籍や映像などの「資料」、それらのつくり手となったさまざまな専門性をもつ「ひとびと」の一覧、東京アートポイント計画として実施してきた「共催事業」などを公開しています。

さらにP3 art and environmentと連携し、tarl.jpに蓄積した情報や、関連する出来事から、個人の活動とそれを取り巻く社会の連関を捉え、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるための「年表」機能を拡充しました。

年表の使い方

年表について

この年表は、このウェブサイトに蓄積されたデータと、個人の活動やそれを取り巻く社会の状況、そしてそれぞれのユーザーの視点をもとに、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるきっかけになることを目指したものです。
2022年度より、P3 art and environment(P3)とともに「年表を作る 2011年以降のアートプロジェクトを振り返る」の一環として制作しました。

P3のディレクターである芹沢高志は、この年表の制作について、次のように語ります。

程度の差こそあれ、すべてのアートプロジェクトは時代や社会の状況との応答のなかで生まれてくるものだ。この年表はその応答関係を示唆し、今後切り開かれていくべき新たな航路の参考とするためにTARL「新たな航路を切り開く」プロジェクト内で作成されたものである。
そのため「新たな航路を切り開く」プロジェクトで取り上げたアートプロジェクトを中心に時系列的な整理を行った。 社会的事象に関しては、報道資料や芸術文化関係資料を参照し、その時の時代の空気感を表していたように思われる事象を積極的に取り上げている。
私見では、現在、なんらかのかたちで「居場所」を創出していこうとするプロジェクトが増えているように感じるが、これはある意味、精神的な「難民化」にも対応する動向で、この年表から世界的な難民増加の状況を読み取るとき、通底する応答関係に眼を向けることも可能ではないだろうか?このように、この年表を時代、社会との応答関係のダイナミズムとして俯瞰していって欲しいと思う。
なおこの年表は自分の関心事に合わせて組み換え、表示していくことが可能なので、利用者は自分のアートプロジェクトを構想する際、能動的に活用していっていただければと願っている。

年表の項目

年表には、詳細情報のある「出来事」(白色)と、詳細情報のない「社会的な出来事」(灰色)が時系列に並んでいます。「出来事」の詳細情報には、関連リンクや各項目の公式ウェブサイトからの出展情報、本ウェブサイトに掲載している「ひとびと」「プロジェクト」「資料室」などの関連データが紐づいています。

「出来事」と「社会的な出来事」は、以下の3つを軸としてデータを収集・掲載しています。

2011年以降のアートプロジェクトやそれにまつわる動向

2010年以前のアートプロジェクトやそれにまつわる動向

  • Tokyo Art Research Labの一環として発行した「日本型アートプロジェクトの歴史と現在 1990年→2012年」をベースに出版された書籍『アートプロジェクト 芸術と共創する社会』(熊倉純子監修、水曜社、2014年)の参考資料である年表「本書で紹介したアートプロジェクトの軌跡」の項目から抜粋・編集し、2010年以前の「出来事」と「社会的な出来事」を掲載しています。
  • 書籍『アートプロジェクト 芸術と共創する社会』とは別に、社会的な動きに関連する項目としてSNSの普及に着目し、3つの項目(YouTube、Twitter、Instagramの日本における開始年)を「社会的な出来事」として掲載しています。

都立文化施設の変遷と、アーツカウンシル東京によるアートプロジェクトの展開

  • 本ウェブサイトを管轄する公益財団法人東京都歴史文化財団、および関連施設に関する動向の一部を、各公式ウェブサイトに掲載された変遷や事業紹介などから抜粋・編集し、「出来事」として掲載しています。
  • 本ウェブサイトを運営するアーツカウンシル東京事業部事業調整課が実施・展開してきた事業「東京アートポイント計画」および「Tokyo Art Research Lab」の変遷を「出来事」として掲載しています。

年表の機能

出来事の表示順

  • 年表のページにはすべての出来事がスクロール式で表示されます。
  • プルダウンメニューでは、出来事を「新しい順」「古い順」に並び替えることができます。

全体像の表示

  • ページ下部の「年表を自動で読み込む」のボタンで、次の「出来事」を読み込むことができます。
  • 右下にある上向きの矢印をクリックすると、年表の冒頭に移動できます。

オリジナル年表の生成

  • それぞれの「出来事」「社会的な出来事」は、ピンアイコンを選択することで「お気に入り」に登録することができます。
  • 「保存した年表」ボタンを押すと、「お気に入り」に登録した項目だけを表示し、オリジナルの年表を生成することができます。
  • 「保存した年表」ページの右上にある「この年表をシェア」をクリックすると、保存した年表に任意の名前をつけ、共有用のURLをコピーすることができます。

出来事のタグ

  • 「出来事」には、「タイトル」と「場所」の情報、出来事の性質を表す「タグ」、その出来事にかかわる「ひとびと」のサムネイル画像が表示されます。
  • 「タグ」をクリックすると関連する出来事に絞り込まれた年表が表示されます。
  • 「ひとびと」のサムネイルをクリックすると、その人に関連した出来事が表示されます。

詳細ページ

  • 「出来事」の「本文」をクリックすると詳細ページが表示されます。
  • 詳細ページには、その出来事に関連する「ひとびと」や「資料」、「タグ」、「期間」、関連する「レポート」、「共催事業」などの情報を掲載しています。
  • 登録がない詳細情報は、表示されません。

絞り込む

  • 「絞り込む」の機能では、自分の関心のある「期間」や「人物・グループ(tarl.jpに登録され、かつ年表に登場するひとびと情報)」、「出来事」「形式・媒体」のタグ、「こだわり条件」「表示条件」により、「出来事」と「社会的な出来事」を絞り込むことができます。
  • フリーワード検索では、自分の関心のある単語などで検索・絞り込むことができます。

>「年表」のページに戻る

これからの航路に向けて

これからの時代のアートプロジェクトのかたちを考える

この十数年の間に、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

Tokyo Art Research Labの一環として2022年からスタートしたシリーズ「新たな航路を切り開く」では、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらを取り巻く社会状況を振り返りながら、アートプロジェクト実践者の語りを中心とした映像資料の制作やゼミナール形式の演習の実施、アートプロジェクトと社会を軸とした年表づくり等を通じて、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えてきました。

本企画では、シリーズ全体をあらためて概観するとともに、tarl.jpのアートプロジェクト年表*の制作プロセスや機能を紹介し、その可能性について議論します。また、各プログラムを進めるなかで見えてきた、社会とアートプロジェクトの連関や変遷、広がりをもとに、これからの時代のアートプロジェクトのかたちと、それを支える学びの場について、ともに考えます。

これからの航路に向けて

これからの時代のアートプロジェクトのかたちを考える

この十数年の間に、わたしたちを取り巻く社会状況はめまぐるしく変化しました。これまでの考え方では捉えきれないような状況が次々と発生し、新たに炙り出される課題に応答するように、さまざまなアートプロジェクトが生まれました。しかしこのような状況は、どこかで一区切りつくようなものではなく、わたしたちはこれからもまた新しい状況に出会い、そのたびに自分たちの足元を見直し、生き方を更新する必要に迫られるでしょう。激しく変化し続けるこれからの時代に求められるアートプロジェクトとは、一体どのようなものなのでしょうか。

Tokyo Art Research Labの一環として2022年からスタートしたシリーズ「新たな航路を切り開く」では、2011年以降に生まれたアートプロジェクトと、それらを取り巻く社会状況を振り返りながら、アートプロジェクト実践者の語りを中心とした映像資料の制作やゼミナール形式の演習の実施、アートプロジェクトと社会を軸とした年表づくり等を通じて、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えてきました。

本企画では、シリーズ全体をあらためて概観するとともに、tarl.jpのアートプロジェクト年表*の制作プロセスや機能を紹介し、その可能性について議論します。また、各プログラムを進めるなかで見えてきた、社会とアートプロジェクトの連関や変遷、広がりをもとに、これからの時代のアートプロジェクトのかたちと、それを支える学びの場について、ともに考えます。

詳細

タイムスケジュール

18:30~18:45
オープニング「アートプロジェクトと並走する学びの場:シリーズを振り返る」

  • 話し手:小山冴子(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)

18:45~19:15
セッション1「思考の道具としての年表:その機能と可能性」

ウェブサイト「tarl.jp」上で展開するアートプロジェクト年表のウェブディレクションを手掛けた萩原俊矢さんとともに、年表の特徴や制作のプロセス、オンライン上の可変的な年表であることの可能性について伺います。

  • 話し手:萩原俊矢(ウェブディレクター)
  • 聞き手:櫻井駿介(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)、小山冴子(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)

19:15~19:25 休憩

19:25~20:15
セッション2「これからの航路に向けて」

「新たな航路を切り開く」シリーズのナビゲーターを務めた芹沢高志さんとともに、これまでのアートプロジェクトの変遷や社会との連関関係について考察しながら、これからの時代に求められるアートプロジェクトについて議論を深めます。

  • 話し手:芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)、森司(東京アートポイント計画ディレクター)
  • 聞き手:佐藤李青(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)

20:15~20:30 クロージング

会場

アーツカウンシル東京 大会議室
(東京都千代田区九段北4丁目1-28 九段ファーストプレイス5階)

 

参加費

無料

 

さまざまな立場の人々とアートで協働する、先輩団体の背中に学ぶ【ジムジム会 2025 #1 レポート】

東京アートポイント計画に参加する複数のアートプロジェクトの事務局(共催団体)が集い、活動を展開する際の手法や視点を学び合ったり、悩みや課題を共有し合う勉強会「ジムジム会(事務局による事務局のためのジムのような勉強会)」。2025年9月10日、府中市の「LIGHT UP LOBBY」で開催された第1回の様子をレポートします。

ジムジム会は2019年にはじまり、これまで広報、事業評価、チームビルディング、アクセシビリティなど、アートプロジェクト運営におけるさまざまな悩みが議題に上がってきました。6年目となる現在、学び合うテーマにも徐々に奥行きが生まれつつあります。

ACFの新拠点「LIGHT UP LOBBY」に、共催事業3団体を含む総勢約20名が集合しました

2025年9月10日、今年度第1回目のジムジム会が開催されました。今回のテーマは「アートと文化の接点から考える共生や地域との協働」。2023年度まで東京アートポイント計画に在籍していた、いわゆる“卒業団体”のNPO法人アーティスト・コレクティヴ・フチュウ(以下、ACF)の新拠点のドアを叩き、お話をうかがいました。卒業後も、府中市を中心に自治体や企業と連携して、地域の人々や高齢者、障害のある人々など、さまざまな人々が参加できるプロジェクトを精力的に展開しているACF。その実践について、活動紹介と2本のトークセッションから学びました。

アーティスト・コレクティヴ・フチュウの現在地

はじめに、ACF事務局長・新井有佐(あらい・ありさ)さんが現在の活動を紹介しました。2019年から共催団体として活動をスタートして以来「誰もが自由に表現できるまちづくり」を軸に、4年間の共催期間中から地域に根ざしたさまざまなプロジェクトを展開してきたACF。

ACF事務局長の新井有佐さん
LIGHT UP LOBBYの壁面にある棚では、ラッコルタの活動で寄せられたユニークな素材たちやこれまでに制作したドキュメントなどを紹介しています

その活動のひとつが「ラッコルタ-創造素材ラボ-」です。これは、地元企業に不要な部材を提供してもらい、それらを表現のための“創造素材”として再活用する仕組みです。例えば梱包作業で出た段ボールの小片や、洋裁教室で使用していた布、墓石の石材見本などの素材を譲りうけ、アーティストの新たな視点を加えたワークショップを実施し、作品を制作します。普段なら廃棄されてしまう部材が、プログラムのなかで作品として甦る。そうした価値転換のプロセスを提供企業に共有することにより、循環型の仕組みと地域のつながりを発展させてきました。

「仕組みづくりの過程で、多くの人や企業に出会えたのが面白かった」と新井さん。いまも府中市や企業と協働するなかで、ラッコルタで培ったノウハウを応用して共創の輪を広げています。

もうひとつが「おとのふね」。府中のコミュニティFM放送局「ラジオフチューズ」で放送していたラジオプログラムです。府中にゆかりのあるアーティストや、独自の取り組みを実践する地域の方などを招いて「一人ひとりの暮らしや生活のなかに息づくアートや表現」の視点でおしゃべりを届けてきました。

LIGHT UP LOBBYの正面外観。駅直通の連絡通路に面していて、まちを行き交う人々の風景に溶け込んでいました

また、共催事業卒業後、地域に根ざした文化活動を支援したいというスターツコーポレーション株式会社の想いと合致し、新たな活動拠点「LIGHT UP LOBBY」が誕生。これまで共催期間中も拠点を持たないことについて活発に議論をしてきたACFですが、2025年の春より本格稼働をはじめ、コワーキングスペースとしての活用やACFが主催するイベント、ワークショップの会場などになっています。

府中のなかにある「地域資源の再発見とその循環」や「暮らしのなかにあるアートや表現」というローカルな視点からスタートしたACFのプロジェクト。共催開始から約7年の歳月を経た今、これまでの活動をベースにして、自治体や企業のニーズに寄り添うかたちへと各事業を発展できるようになりました。

異なる立場のステークホルダーと手を取り合うことで「日頃の活動では出会えなかった多様な人々とつながりはじめている」と新井さん。活動に厚みと広がりが増してきたと協働の手応えを語り、2つのトークセッションへとバトンを渡しました。

課題として捉えず、日常に浸透させていく。府中市との連携事業から

続いてのトークセッションでは、ACFメンバーの宮川亜弓(みやがわ・あゆみ)さんと府中市 文化生涯学習課の中司愛子(なかつか・あいこ)さんが登壇。アーツカウンシル東京プログラムオフィサー(以下、PO)の大川直志(おおかわ・ただし)を聞き手に、自治体連携の取り組みを紹介しました。

(壇上右から:大川、中司さん、宮川さん)

東京アートポイント計画では2024年度より、自治体に伴走し、文化事業への参加機会の提供を図る「東京都・区市町村連携事業」に取り組んでいます。

その連携自治体のひとつが、東京2025デフリンピックの開催地のひとつに選ばれている府中市でした。共生社会実現にむけた機運が高まるなか、文化事業を推進していきたい一方で、「そもそも誰が共生社会の対象なのか」「どんな手法があるかわからない」といった課題や「文化事業の担い手の声を集めて現状を把握し、これからの施策に活かしたい」というニーズがありました。そこで、同じ府中を拠点に活動していたACFをアーツカウンシル東京が紹介し、2024年度から活動がスタートしていきました。

まずは共生社会に関する声や課題をヒアリングするプログラム「共生社会を聞いて、みる」を実施することに。ここにACFのラジオ番組「おとのふね」のノウハウが生きています。

このプログラムはACFの宮川さんをパーソナリティに据えたラジオ形式で実施。府中市の中心市街地にあるけやき並木通りにテントを設置するなど、市民が気軽に足を運べる場所で行われました。ゲストには、府中市の高野律雄市長、UDフォントを手がける書体デザイナーの高田裕美さん、府中市聴覚障害者協会会長の小野寺敏雄さんなどを招き、公開収録・クローズド収録を織り交ぜながら、それぞれが思い描く“共生”のかたちについて聞きました。

府中市の中司さんはこのプログラムについて「話の内容自体がとても興味深くて、思わず聞き入ってしまいました。ただ、もしこれが講演会のような改まった場だったら、個人的には参加していたかどうかはわかりません。けやき並木通りのように開かれた、ふらっと立ち寄れる場だったからこそ、参加のハードルも下がっていたのだと思います」と、場づくりの重要性を実感したと語りました。

収録当日は、グラフィックレコーディングを導入し、視覚的にも話題を捉えやすくなるよう工夫しました

また、収録したラジオを動画コンテンツとしてアーカイブ化する過程では、字幕などの情報保障のあり方について考える貴重な機会にもなったと中司さん。ACFの宮川さんもそれに続いて、「手話を母語とする小野寺敏雄さんとの収録には手話通訳が入るなど、番組制作のプロセス自体が多くの学びに満ちていた」と振り返りました。

翌2025年度は、「共生社会を聞いて、みる」で得られた手応えをもとに、誰でも参加できるプログラムのかたちを模索しながら「織物BAR in FUCHU」を開催することに。「織物BAR」とは彫刻家・久村卓さんの主宰するワークショップで、カウンターにいる「店主」のレクチャーを受けながら、好きな毛糸や布をオーダーし、各自で手のひらサイズの織物をつくります。ACFではその“府中版”として、LIGHT UP LOBBYにカウンターを設置し、手話通訳を配置し、ろう者の方々も参加できるよう企画しました。

ジムジム会終了後に行われた、ACFのメンバーによる「織物BAR」実演の様子。バーカウンターのような場所で並んで織るなかで、お隣さんと自然な会話やコミュニケーションが生まれます

プログラム初日に訪れたろう者の方が、別の日に友人とともに再訪したり、参加者の一人がそのままカウンターに入って店主役を買って出て、ほかの参加者にレクチャーを始めたりと、プログラムのなかで思わぬ出会いやさまざまな交流が巻き起こる豊かな時間となりました。

本事業で「共生社会」というテーマに取り組んできたなかで、宮川さんは「課題として構えるよりも、アートの力で日常にどれだけ浸透させていけるかが大切だと感じました。今後も連携の機会があれば、多くの方々の日常に自然と入り込んでいける、そんな事業にしていきたい」と締めくくりました。

織物の素材となる布の切れ端は、ラッコルタで地元の洋裁教室やアパレル企業から提供されたものが使われています

表現がもたらす暮らしの豊かさ。株式会社チャーム・ケア・コーポレーションとの連携から

続いてのトークセッションでは、ACFメンバーの宮山香里(みややま・かおり)さんと株式会社チャーム・ケア・コーポレーションの事業構想室 菊水尚(きくすい・なお)さんが登壇。「企業との連携事業での取り組み」について語りました。聞き手はPOの佐藤李青(さとう・りせい)です。

(写真右から:佐藤、菊水さん、宮山さん)

チャーム・ケア・コーポレーションは、首都圏や近畿圏を中心に約100施設、全国で約6000名の入居者が暮らす介護付有料老人ホームを運営しています。入居者の暮らしの質を高める取り組みの一環として、若手アーティストの作品を公募して施設内に展示するほか、若手アーティスト支援事業にも力を入れています。2021年頃からは、実際にアーティストを施設に招き、アートにまつわるレクリエーションや余暇活動を実施するようになり、そのなかでACFと出会いました。

ホームに入居する高齢者は「家族に迷惑をかけたくない、自分の最期は自分で整理したいという想いから入居される方がほとんど」と語る菊水さん。ホームでは充実したサービスを提供しているものの、住み慣れた家や土地を離れることで寂しさを感じ、コミュニケーション不足から心身の不調をきたす方も少なくないそうです。

作品を鑑賞するだけでなく、自ら手を動かして表現する時間を設け、人とのかかわりが自然と生まれる場をつくりたい。そんな思いが高まりつつあった転換の時期に、ACFとの協働がはじまりました。

ACFでは、90代前後のご入居者様とアートを介したコミュニケーションの可能性を探求するために、「未来の記憶」をテーマに一連のプログラムを実施。ひとつはラッコルタの素材に触れるアートワークショップ。もうひとつが、昭和の8mmフィルム上映、音楽を通した交流によって五感を刺激し、記憶の想起を促すワークショップです。

参考レポート:「未来の記憶」プロジェクト

(上:ラッコルタの素材を使ったワークショップの様子/下:昭和の8mmフィルム上映会の様子※ともに提供写真)

ACFの宮山さんは「さまざまな入居者と出会って、コミュニケーションの方法を探り、試行していきました。施設に入居する“超高齢者”という枠組みで捉えがちですが、一世紀近い歴史を生きてきた豊かな“個人”にスポットを当てたいと考えていました」と説明。個性や背景を引き出す「その人らしさ」を大切にした企画によって、本人、入居者同士、介護スタッフや家族、それぞれが少しずつ発見を積み重ねる機会になりつつあったと手応えを語りました。今後も、都心部の施設を中心に、ワークショップで実践と探求を続けていく予定です。

チャーム・ケア・コーポレーションとの協働により、超高齢者の表現活動について深い学びの機会を得たACF。宮山さんはそのなかで「誰もが自由に表現できるまちづくり」の実現のためには、表現する側のみならず「表現を受け留める側の柔軟性や度量も問われているのでは」と思い至ります。「受け入れる度量」と「客観的な思考」が「共生社会の実現に欠かせない共通項」だと自身のキャリアに引き付けながら、マクロな視点で考えを述べました。

長期的な活動のなかで、ローカルに立ち返りながらも、社会の価値転換の起点をアートプロジェクトで生み出していけたら――。未来への展望を語って、トークセッションは幕を閉じました。

これからのジムジム会に向かって

アートプロジェクトの事務局同士の日々のモヤモヤや悩みを共有してきたジムジム会。これまでアクセシビリティを議題にしたことはありましたが「アートと文化の接点から考える共生や地域との協働」という大きなテーマを全面に据えたのは今回が初めて。事例発表が終わったあとも、先輩後輩が入り交じり、情報交換の輪が自然と広がっていました。

都内各地で、それぞれの視点からアートプロジェクトに取り組む事務局のメンバーたち。さまざまな属性の人が集うアートプロジェクトだからこそ、そこには「共生社会」に近づくヒントや気づきが詰まっているのかもしれません。

持ち帰った学びの“種”がどう芽吹くのか、各プロジェクトのこれからにぜひご注目ください。次回のジムジム会では、どんな学びが待っているのでしょうか。


撮影:小野悠介(13、14枚目を除く)

ウェブサイトの使い方

ウェブサイトについて

tarl.jpは、アーツカウンシル東京が運営する文化事業の担い手のためのプラットフォームです。この社会に応答するためのさまざまなコンテンツを閲覧・視聴することができます。カテゴリーは、以下の5つです。

  • 資料室:文化事業の企画や運営、記録などに関する資料
  • ひとびと:これまでに協働したさまざまな専門性をもつアートプロジェクトの担い手のプロフィール
  • レポート:さまざまな事業や企画を振り返る活動報告
  • プロジェクト:さまざまな社会課題や問題意識にアプローチする学びの場
  • 年表:これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるための年表

また、都内でアーツカウンシル東京が「東京アートポイント計画」の一環で実施した「アートプロジェクト(共催事業)」を紹介しています。


資料室

文化事業の企画や運営、記録などに関する資料を無料で公開しています。

  • 書籍・広報物・映像など、さまざまな形式のデータを閲覧・ダウンロードできる
  • 一部の資料は取り寄せ可能
  • 興味のあるキーワードから検索できる(アートマネジメント、拠点運営、評価・検証、コミュニケーション、アーカイブ、公共、災害・災間、手話、音楽、思考の種……)
  • 各ページには近しいテーマの関連資料や関連プロジェクトを掲載

>「資料」一覧はこちら


ひとびと

これまでに協働したさまざまな専門性をもつ文化事業の担い手の一覧です。

  • 文化事業を担うさまざまな職種・職能が概観できる
  • その人物のプロフィールとかかわった資料やプロジェクトを掲載
  • 専門性のジャンルから人物を検索できる(創作/表現、マネジメント、ディレクション、拠点運営、調査/研究、ライティング、編集、デザイン、中間支援……)

>「ひとびと」一覧はこちら


レポート

さまざまな事業や企画を振り返る活動報告です。

  • これまでに実施したプロジェクトや共催事業についてのレポートを閲覧できる
  • 興味のあるキーワードやシリーズから検索できる
  • それぞれの記事の関連レポートを掲載

>「レポート」一覧はこちら


プロジェクト

社会の変化に応答し続けるために、さまざまな社会課題や問題意識にアプローチする学びの場をひらいています。

  • トークイベントやワークショップ、映像を使った教材制作、テーマを深掘りする研究・開発などを実施
  • 手話やろう文化に触れる、災害・災間について考える、外国ルーツの若者の現在を考えるなど、多岐にわたるテーマの企画を実施
  • それぞれの記事から、企画本番や準備の様子をまとめたレポートや、関連資料を掲載

>「プロジェクト」一覧はこちら


年表

tarl.jpに蓄積した情報や関連する出来事から、個人の活動とそれを取り巻く社会の連関を捉え、これからの時代に応答するアートプロジェクトのかたちを考えるための年表です。

>「年表」はこちら


共催事業

東京都とアーツカウンシル東京が、地域社会を担うNPOや都内の区市町村などと共催し、展開している事業を紹介しています。社会課題に向き合いながら、多くのひとびとが芸術文化に触れるため取り組みを行っています。

>「共催事業」一覧はこちら


そのほかにも、さまざまな機能があります

ウェブサイトのメニューから各ページにアクセスできるほか、自由検索機能やキーワード検索機能を使って、興味・関心のあるコンテンツを探すこともできます。また、資料室やプロジェクトの一覧ページでは、好みに合わせて表示方法を切り替えることもできます。

メニューからは「探す」「参加する」などのカテゴリ―から各ページにアクセスできる
「虫眼鏡のマーク(SEARCH)」からは、フリーワードやキーワードで検索できる
資料とプロジェクトは、画面左上の「四角のマーク」と「箇条書きのマーク」から表示方法を切り替えられる

>tarl.jpのトップページに戻る

Artpoint Meeting #17 × 隅田川 森羅万象 墨に夢「コミュニティに伴走する、“つなぎ手”のはたらき」

 アートプロジェクトは、地域の多様な人々や異なる分野をつなぎ、新たな出会いやコミュニティの交流を生み出します。その特性をいかすには、地域内外のさまざまな関係性を編み直す“つなぎ手”の役割が欠かせません。
 今回のフォーラムでは、地域に寄り添いながら文化芸術を支援する環境づくりに取り組む信州アーツカウンシルと、マイクロ・アート・ワーケーション(MAW)などを通じて暮らしと文化の関係を編み直しているアーツカウンシルしずおかから、「コミュニティに伴走するつなぎ手」として活動するゲストを迎えます。各地の具体的な実践を共有しながら、“つなぎ手”のはたらきの意義や可能性、地域の活動がよりよく育まれるためのかかわりかたについて議論します。

お申し込みはこちら

※事前申込を終了いたしました。先着順で当日参加を受け付けますので、ご希望の方は直接会場にお越しください。(2026.1.16更新)

チラシのダウンロードはこちら(PDF)

詳細

プログラム

14:00~14:40  セッション1
「“つなぎ手”は、なぜ必要なのか?」

  • 話し手:荻原康子(「隅田川 森羅万象 墨に夢」統括ディレクター)、森司(東京アートポイント計画 ディレクター)

14:40~15:40 セッション2
「地域の文化を育む、伴走者の“はたらき”とは?」

  • 話し手:野村政之(信州アーツカウンシル ゼネラルコーディネーター)、立石沙織(アーツカウンシルしずおか プログラムコーディネーター)、若菜ひとみ(アーツカウンシルしずおか アシスタントコーディネーター)

15:40~15:50 休憩

15:50~16:50 ラウンドテーブル

  • モデレーター:佐藤李青(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

16:50~17:00 クロージング

会場

YKK60ビル AZ1ホール(東京都墨田区亀沢3-22-1)
JR 両国駅 東口から 徒歩15分
JR 錦糸町駅 北口から 徒歩17分
都営地下鉄大江戸線 両国駅 A2・3出口から 徒歩7分

詳細はこちら

参加費

無料 ※手話通訳あり

主催

東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

後援

墨田区

協力

「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会

運営協力

一般社団法人 藝と

※ プログラムは変更になる場合があります。

事例紹介

信州アーツカウンシル

信州・長野県の多様な地域文化や文化芸術の創造性を持続的に発展させることを目的に2022年に始動。県民・地域主体の文化芸術活動への助成、相談・助言などの寄り添い型の支援を行うとともに、大学、公的機関、市町村など多様な主体とゆるやかに連携しながら、人口減少や気候変動などの課題、地域資源を活かした新たな価値創造にむけた、文化芸術を媒介とした協働・共創の環境づくりを行う。

 

マイクロ・アート・ワーケーション(MAW)

アーツカウンシルしずおかが、アーティスト等のクリエイティブ人材と地域住民が出会うきっかけづくりのため、2021年度より実施している事業。地域の魅力や資源の再発見に加え、クリエイティブ人材が県内各地の人々と交流することで、自身の表現活動へのインスピレーションを得ることを主な目的としている。通称はMAW(マウ)。

信州アーツカウンシル2024 パレード(撮影:安徳希仁)

 

隅田川 森羅万象 墨に夢(すみゆめ)

すみだ北斎美術館の開設を機に2016年から始まったアートプロジェクト。墨田区及び隅田川流域で、芸術文化に限らず森羅万象あらゆる表現を行っている人たちがつながり、この地を賑やかに彩っていくことをめざす。「北斎」「隅田川」を主なテーマに、すみだの地域資源を活用する多彩な企画を約4カ月にわたって展開。主催企画のほか、公募によるプロジェクト企画を実現すべく事務局が伴走する。

KOSUGE1-16「どんどこ!巨大紙相撲~北斎すみゆめ場所~」

Artpoint Meeting 2025

社会とアートの関係性を探るトークイベント

「まち」をフィールドに、人々の営みに寄り添い、アートを介して問いを提示するアートプロジェクトを紐解き、最新のテーマを追求するトークイベント。アートプロジェクトに関心を寄せる人々が集い、社会とアートの関係性を探り、新たな「ことば」を紡ぎます。

詳細

スケジュール

2026年1月18日開催
Artpoint Meeting #17 × 隅田川 森羅万象 墨に夢 コミュニティに伴走する、“つなぎ手”のはたらき

  • ゲスト:野村政之、立石沙織、若菜ひとみ
  • 会場:YKK60ビル AZ1ホール