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‘Home’ in Tokyo 確かさと不確かさの間で生き抜く

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部屋のなかで外国ルーツの両親が、花を持ったこどもにお祝いの儀式をしている様子

東京の団地で暮らすビバスさん一家がネパールの祭り「ダサイン」を祝う様子(2016年10月11日 撮影:大橋香奈)

東京で‘Home’の感覚を保つ、日々の工夫を映像化する

「ここは自分の‘Home’だ」という感覚は、何によってもたらされているのでしょうか? それは、他者や生き物やモノとかかわりながら暮らしを営むなかで、芽生えるものかもしれません。一方で、関係性の変化や予期せぬ出来事によって、その感覚が失われることもありえます。そのように考えると、‘Home’という感覚は、確かさと不確かさの間で揺れ動く、変化と可能性に満ちたものと言えます。

東京は、国内で最も移動者数が多い流動的な都市です。進学、家族の事情、仕事、災害など、多様な理由により東京で暮らす人がいます。かれらにとって、‘Home’とはどのような意味をもち、何によって成り立っているのでしょうか。さまざまな環境や条件のなか、自分の‘Home’だと感じられる工夫をして生き抜く人たちの日々の実践に着目します。

ナビゲーターの大橋香奈(映像エスノグラファー)を中心に、ゲストとともに自分や他者にとっての‘Home’のありようを理解するための態度や方法を学び、映像作品(プロトタイプ)をつくります。

詳細

スケジュール

8月17日(土)
第1回 ‘Home’ in Tokyo に取り組むために

8月31日(土)
第2回 調査協力者との関係を考える

ゲスト:加藤文俊(社会学者/慶應義塾大学環境情報学部教授)

9月7日(土)
第3回 被災地における‘Home’のあり方

ゲスト:岩佐明彦 (法政大学デザイン工学部建築学科教授)

9月28日(土)
第4回 ゲストトーク+ディスカッション

ゲスト:加藤文俊(社会学者/慶應義塾大学環境情報学部教授)

10月5日(土)
第5回 人の生活に根ざしたアプローチを学ぶ

ゲスト:冨永美保+伊藤孝仁(tomito architecture)

10月26日(土)
第6回 デザインリサーチのアプローチを学ぶ

ゲスト:水野大二郎(デザインリサーチャー/京都工芸繊維大学KYOTO design lab特任教授)

11月2日(土)
第7回 デジタル・ストーリーテリングを学ぶ

11月10日(日)
合同共有会

11月16日(土)
第8回 それぞれのフィールドへ向かう

12月7日(土)
第9回 それぞれのフィールドでの気づきを共有する

12月21日(土)
第10回 個人の「つくる」を互いに支える

1月11日(土)
第11回 映像作品(プロトタイプ)をみんなで観る・振り返る

1月19日(日)
合同共有会

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

一般30,000円/学生20,000円

関連サイト

東京プロジェクトスタディウェブサイト

関連レポート

ナビゲーターメッセージ(大橋香奈)

私は生まれてからこれまでに、国内外で20回の引越しを経験しました。一つの家、地域に定住することなく転々としていたので、唯一の‘Home’と呼べるような場所がありません。私にとって‘Home’は特定の場所ではなく、移動するたびにつくりなおし更新される、自分を取り巻く多様な関係性の拠点のようなものです。一つの場所にしっかりと根を張って暮らし続けてきた人からすると、確かな拠り所なく漂っている「根無し草」のように思われるかもしれません。私も、自分の経験をネガティブに捉えていた時期がありました。けれど、ジョン・アーリという社会学者が書いた、いくつかの本に出会ってから考え方が変わりました。 アーリは自身の研究のなかで、「移動(あるいは移住)」の経験のもつ意味や価値に目を向けています。私は、アーリの本を読んで、さまざまな背景をもつ人びとの移動(移住)の経験と、彼/彼女にとっての‘Home’という感覚がどのようなものなのかに興味をもつようになりました。

このスタディでは、全国のなかで最も移動者数が多く流動的な都市である東京で生きる人びとにとって、「自分の‘Home’」という感覚はどのようなもので、何によってもたらされているのかを、参加者とともに考え、調査し、映像で表現してみたいと思っています。その過程では、社会学、建築、デザインなど、異なる分野の専門家をゲストに招き、調査や表現のための態度や方法を学びます。

このスタディが、自分にとっての‘Home’の意味を考え直したり、他者にとっての‘Home’の意味をよりよく理解したりするきっかけになることを願っています。また、将来、想定外の移住をしなければならなくなったり、確かだと思っていた自分の‘Home’が揺らいだりしたときの拠り所になることを期待しています。

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