地域の人々が活動に参加したくなる空間とは?

アートプロジェクトの担い手が、それぞれの活動を紐解きながら、アートと社会についての新たなテーマを共有するトークイベント「Artpoint Meeting」。その第6回が、2018年7月29日、原宿の「TOT STUDIO」で開催されました。

今回のテーマは「プロジェクトを育てる『活動拠点』のつくりかた」。ゲストは、共創活動を促すユニークな空間や家具・什器づくりを手掛けてきた「岩沢兄弟」。最近では、東京アートポイント計画のアートプロジェクトの一つ「HAPPY TURN/神津島」(主催:東京都、アーツカウンシル東京、NPO法人神津島盛り上げ隊)で新たな活動拠点づくりにも取り組んでいます。

岩沢兄弟の仕事と考え方を入り口に、「お金がない」、「在るものを使う」、「場のルール」、「空間の色気」、「対話を生む仕掛け」等のキーワードでテーマを紐解き、多くの発見に繋がったイベントの様子をレポートします。

アートが日常に根づくために必要な「活動拠点」

台風一過の熱い太陽が照りつけたこの日。まずは東京アートポイント計画のプログラムオフィサー・嘉原の趣旨説明からスタートしました。

「東京アートポイント計画では、NPOと共にまちなかでアートプロジェクトを実施しています。大切にしているのは、一過性の“イベント”で終わらせず、継続性を持った仕組みに落とし込むこと。そして継続性を持つためには、きっかけが生まれ、生まれたものが育まれていくための場=“活動拠点”が重要です」。

オープニングトーク:東京アートポイント計画 プログラムオフィサー・嘉原妙

まちなかで展開するアートプロジェクトにとって「活動拠点」は、プロジェクトを体現する場。日々の活動がゆるやかに開かれ、その匂いにつられて人が集まり、気づけば新しいアイデアが形になっていく「企みの基地」です。東京アートポイント計画のディレクターであり、今回のトークで聞き手役を務めた森は、それを「学校における部室のような場所」と喩えます。

「メンバーが集う場があることによって、そのチームのカルチャーが継承されるような効果も生みます。東京アートポイント計画はこれまで組織づくりに重点をおいた事業展開をしてきましたが、今、改めて場所が重要なのではないか、『活動拠点』が必要なのではないかと考えています。特に最近では、豊かなプロジェクトほど、豊かな活動拠点を持ち、上手に運用しているようです。その秘訣はなにか。アートプロジェクトに相応しい活動拠点のつくりかたとはなにか。今日はそのヒントを岩沢兄弟おふたりから伺います」。

(写真右から)東京アートポイント計画 ディレクター・森司、岩沢兄弟(兄)・岩沢仁さん、岩沢兄弟(弟)・岩沢卓さん

続いてゲストの岩沢兄弟が登場。人が集い、営みが生まれる活動拠点は、どのようにつくることができるのか。これまで手掛けてきた事例をもとに、おふたりならではの空間づくり、関係づくりのアプローチを紹介しました。

兄の仁(ひとし)さんは、立体物デザインを担当。
弟の卓(たかし)さんは、Web、映像、音響など幅広くディレクションを担当。

難解なイベントには「カレー食べ放題」!? 参加したくなる仕掛けをつくる

岩沢兄弟が手がける空間のポイントは、人が触れたくなったり、参加したくなったりする仕掛けを組み込むこと。おふたりがオフィス兼イベントスペースとして運営していた東京・日本橋の活動拠点「Co-Net」(2008年〜2012年)での取り組みから話が広がります。その場所で岩沢兄弟は、勉強会やトーク、音楽イベント等を開催していました。多様な人が集まる場で、いかに良い雰囲気をつくるか。卓さんは、運営をする中で意外な方法をみつけたそう。

「僕はノイズミュージックやハードコアといったジャンルの音楽が好きで、ライブ活動もしているんですが、難解な内容だと受け取られることも多く、演奏していると中には渋い顔をする人もいるんですよ。その壁をどうにか飛び越えたいなと思って、『カレー食べ放題付き』のライブ企画をやってみたんです。だってお腹いっぱいで怒ったり不機嫌になったりする人ってあまりいないじゃないですか(笑)。そうすると、すぐには理解不能なこととか難解なパフォーマンスをしていても、お腹いっぱいだから許される。結果的に、出演者も来場者も満足してくれたし、難しめなテーマのトークイベントなどでも同じ方法でうまくいったりしました。『この方法、自分のイベントでも真似させてください!』と声をかけられたりもしましたね」。

「食」をツールに、気持ちをほぐす。例えば、活動拠点にキッチンをつくることで、そんなコミュニケーションの工夫も可能になります。

岩沢兄弟が2012年まで運営していた日本橋のオルタナティブオフィス「Co-Net」。ごく普通のオフィスビルに、セルフビルドで手を入れ、さまざまなイベントを開催した。
「Co-Net」で開催した、カレー食べ放題付ライブの様子。

アイデアを生むためのアイデア。“使い方を渡す”装置で豊かなコミュニケーションを生む

また、岩沢兄弟はオフィスのデザインも数多く手がけています。企業から寄せられる悩みの多くは、「アイデアが生まれる空間をつくりたい」「異なる部署間のコミュニケーションを円滑にしたい」等。そういった課題に応えるのは、使う人が用途を考えられるオリジナルの家具や装置です。

たとえば、ついたてやホワイトボード、植木鉢に車輪をつけて可動式にした「車輪家具」や、円形回転台付きの「中華料理店風テーブル」、さまざまな用途が生まれる「L字型ついたて付テーブル」等をこれまでに制作してきました。

「アイデアやコミュニケーションを生むためには、まず『決まったことしかしない人が多い』状況を変える必要があります。そのために、あえて空間の使い方を説明したり、家具の位置を指定したりせず、自由にアレンジできるようにするんです。そうすると、意外な使い方が出てきて面白い。例えば、L字型のついたて付テーブルを技術職の人が営業職の人に情報を伝えるために展示台として使ったり、部活動の告知としてポスターを掲示したりしていたり、などありましたね」と、卓さん。

もともとはパーテーション用に製作した「L字型ついたて付テーブル」。展示台や掲示板など、意外な用途にも使われている。(Wonder LAB Osaka)
テーブル、植木鉢、パーテーションまで、さまざまな物が動かせる「車輪家具」を取り入れたオフィス。(loftworkCOOOP10)
コンテナを組み合わせた「車輪家具」。多くの場合、好奇心旺盛なこどもがきっかけになって対話が生まれるそう。(神栖中央公園防災アリーナのためのプロトタイプ)
ものづくりをする人が集う空間。玩具的なモチーフを最初から沢山配置しておくことで、物が増えてもデザイン性を失わない空間に。(FabCafe MTRL)

神津島で始まったアートプロジェクト。「物に宿る記憶」の扱い方に気を配る

次に、東京アートポイント計画「HAPPY TURN/神津島」(以下、神津島)の一環で、岩沢兄弟が今年6月から手がけている活動拠点のつくりかたを紐解くことに。

神津島では、元々ラーメン店だった建物を活用し、新たな拠点として地域に開こうとしています。かつて地域で親しまれていた飲食店ということもあり、この場所には固有のストーリーが根付いています。しかし、記憶や想いが色濃く残っている場所の場合、「思い出」の扱いには注意が必要だと卓さんは指摘します。

「例えば店主のお母さんが残した生活記録をインスタレーション的に展示することもできます。それはたしかに魅力的です。だけど、そうすると『活動拠点』ではなく、鑑賞するための『作品』になってしまって、人々が新たに関わる余地がなくなってしまう。だから、こういった場所で空間づくりをするときは、特定の個人の想いに偏った設計にならないように意識しないといけない。思い出を集めた歴史館のようになってしまうと、どうしても閉じたものになってしまうから。新たなコンテクストを付加できるように客観的な視点をもって、その場にある物を再編集していく。それが僕たちの役割だと考えています」。

神津島での活動拠点づくりの様子。ラーメン店の閉業後、10年近く閉じていた雨戸を開放し、作業の様子を公開しながら進めた。過程をオープンにすることで、地域の人とも新たなコミュニケーションが生まれはじめている。

神津島の例に限らず、アートプロジェクトで「活動拠点」となるような場所は多くの場合、歴史や記憶を刻んだ品々が残っています。そんな現場では、プロジェクトにとって不要なものと必要なものを判断していくことが求められます。

「そんなときは、買い物をするときも地域に根ざした商店に行ってまちの人と積極的に会話し、活動拠点を構えようとしている場所について聞いてみるんです。そうして、その場所が地域の人にとってどんな文脈のもとに置かれていて、どんな記憶を背負っているのかを掴む。そういったリサーチは、物の取捨選択の裏付けにもなるんですよ」と卓さん。

活動拠点として開く前の状態。島内のメインストリートにあったラーメン店だが、閉店後は長くこの状態で、雨戸が開けられることも無かった。
片付け前の店内。閉店当時のまま、たくさんの物で溢れていた。

アートプロジェクト特有の「曖昧な関係」を、ゆるやかに混ぜる

オフィス空間からイベントスペース、アートプロジェクトの活動拠点まで、さまざまな空間を手がける岩沢兄弟。では、アートプロジェクトだからこそ工夫しているポイントはあるのでしょうか。その疑問に対し、仁さんは、人々の関係性の違いに注目した仕掛けについて、明かしてくれました。

「オフィス空間であれば、上司と部下とか、営業職と技術職とか、役割が固定しているから、その関係性をほどくことでコミュニケーションが生まれやすくなります。でも、アートプロジェクトのように、地域に開き、誰でも参加できるような場において、人の役割はそもそも曖昧。だから、あえて役割をゆるやかに規定してくれる既存の物を使いながら、関係性がシャッフルされる仕掛けをつくりたいと思っています。例えば、『カウンター』って便利な装置なんですよ。カウンターのどちら側に立つかで、『提供する側』なのか『提供される側』なのかが規定されるので。だからカウンターの内側に自由に入れるようにして、分かりやすく役割が変わるようにデザインすると、新たなコミュニケーションが生まれます。『店員さん』『お客さん』が自然と変わりうる。いわば『ごっこ遊び』を加速させる装置をつくり、誰もが一回メンバーになれる仕組みを提供します」。

元ラーメン店のカウンター跡。誰もが気軽に使えるように整える予定だ。

そのように、人が「触れてみたい、参加したい」と感じる空間には、心を惹かれる“色気”があるはず。その“色気”とは一体どうやってつくるものなのでしょう。仁さんからは、意外な答えが返ってきました。
「どんな空間も、装置も、まっさらで綺麗にまとめすぎると、展示品のようになってしまう。そういうものに、人は手を出せません、だからあえて引っかかる、『淀み』のような部分が大切なんですよ」。

綺麗なだけでもだめ、役割が明確すぎていてもだめ。アートプロジェクトにおいて、豊かなコミュニケーションを促し、新たな関係性を紡ぐには、目に見えない空間の「デザイン」も必要です。

第一弾の片付けを終え、テスト的に開いた神津島の活動拠点。これからも時間をかけて手をいれていく予定。

「よそ者」の立場を活かし、完成形はつくらない

今回のArtpoint Meetingはいよいよ終盤になり、会場からの質疑応答へ。

最初の質問は、「地域で新しい活動を始めるとき、快く思わない人たちも出てきてしまう。そのような人たちをどのように巻き込んでいけばいいのか」というもの。そのような課題に対して、「よそ者」であることをポジティブに使ってきたと卓さんは言います。
「『よそから来たよく分からないヤツが何かやってるぞ』って状態だからこそ、できることがあると思うんです。僕らがよく使うのはだじゃれ。相手を笑わせてしまえば打ち解けやすいです。あと、こどもが先に参加することで、親がつられて興味を持ってくれることもよくあります。他にも作業中に活動拠点を開いてプロセスを見せたり、相手の懐に飛び込んで関係性をつくるようにしています」。

続く「活動拠点づくりを終えた後、どのように地域に預けるべきか」という質問には、仁さんは「完成形をつくらないこと」だと答えました。

「僕の場合は、あえて使い方を考える余地を残して空間をデザインしています。完成形だと壊しちゃいけないと思うし、触れにくくなるから。格好良すぎて使われなくなるぐらいなら、最低限格好悪くならない状態で地域の人が運用できるデザインにまとめる。あえて完全なものにしないことで、使う人が試行錯誤して変えていけるようにしています。本当は、活動拠点を使いはじめてからもう一回、声をかけてもらえるのがベストですね」。

アートプロジェクトと活動拠点づくりのこれから

最後は、アートプロジェクトや活動拠点づくりの今後について、登壇者それぞれがまとめました。

「僕は、プロジェクトを『育てる』という点がまさに気になっています。神津島の場合は、『プランターがあるんだけど何植えよう?』という相談がきたのに、色々考えたら『土壌改良からやるしかない!』となっていった感じ。主催するNPO法人神津島盛り上げ隊のメンバーと一緒に、活動拠点づくりだけでなく、活動や地域そのものの問題にも向き合っています。企業案件とは違い、地域におけるアートプロジェクトは長く続くもの。持続性にこだわっていきたいと思うようになりました」(卓さん)。

「アートプロジェクトにおける活動拠点って、自分たちも、巻き込む周りの人たちも、仕事だけでなく、生活やプライベートな部分が滲み出てくるものだと思っています。仕事モードだけで考えるのではなくて、ちゃんとオフの部分にも目を向けて設計する必要があるなと感じています」(仁さん)。

そして、最後は、東京アートポイント計画ディレクターの森による総括で締めました。

「岩沢兄弟は、空間づくり“だけ”の仕事をしているのではなく、ある種アーティスト的に、活動拠点づくりを通じ、地域の物語や関係性を再編集するようなアクションをしています。まさにそれこそ、拠点づくりがプロジェクトを育て、人を育てる手段でもあると私たちが感じている点です。最近では、民家やまちの遊休スペースを再生して活動拠点として使うようなアートプロジェクトも増えてきました。神津島も含め、こういった新しい『つくりかた』そのものについても、これから開発していければと思います。ぜひ皆さん、一緒に参加してください」。

今回の「Artpoint Meeting」では、プロジェクトを「育てる」という視点で、活動拠点づくりについて考えてきました。ビジネスとアートの両方を横断しながら、クリエーションを続ける岩沢兄弟には、ハードとソフト両方における「活動拠点のつくりかた」のヒントをいただけたのではないでしょうか。始まったばかりの神津島の今後や、次回の「Artpoint Meeting」もどうぞお楽しみに。

当日はアーツカウンシル東京発行のアートプロジェクト関連ブックも多数配布。

(イベント撮影:加藤 甫)

そこにある生活を描き出す まなざしを更新しつづけることは可能か?

日々の営みから、「小さな文化」を掘り起こすために必要な姿勢を考える

いつも見ている風景や日々の生活のなかにも、実は複雑で多様な世界が存在しています。しかし、そこにあることに慣れてしまうと、なんとなく過ぎ去っていく風景や行為の一部になってしまいます。

そんな「当たり前」なことへ好奇心を抱くことは、習慣化して見えづらくなった日常の断片を掬うことにつながり、さらにそのかけらが他者と共有可能なものとして記述されたとき、あらためてわたしたちは日常生活が驚きと発見で満ちていることに気づくのではないでしょうか。まちに入り込むアートプロジェクトを行うためには、こうした土地や人々の暮らしに新たな解釈や可能性を見出そうとする姿勢が必要になってくると考えています。

日常の断片を集め、共有可能なかたちで記述するための方法とは? それを読み解き、新しいものを生み出していくプロセスとは? このような問いかけを日々の営みのなかから立ち現れる「小さな文化」を手がかりに、「いま」の社会の断片を捉えることを試み続ける冨永美保さん・伊藤孝仁さん(tomito architecture)と、大橋香奈さん(映像エスノグラファー)をゲストにお呼びして語り合いたいと思います。

これまでの活動のなかで日常生活をどのように記述しようと試み、新たな挑戦に取り組んできたのか。両者に共通する姿勢と態度を紐解きながら、「いま」を見つめる先にある次なる展開について話します。

詳細

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

無料

めぐりめぐる記憶のかたち イメージは、どこまで届くのか?

出来事の記憶を遠くの誰かに届ける、イメージの「扱い方」を考える

ある出来事の記憶は、絵や写真といったイメージになることで、さまざまな場所へ移動ができるようになります。それは物理的な距離に限らず、ときには時間を超えて、誰かのもとへ届く可能性をもつことでしょう。かたちを与えられた誰かの記憶は、それに触れた人々の記憶の呼び水ともなります。

イメージを前に自らの経験を語り出す。「別の」経験と重ね合わせる。そうして新たな意味を付与する行為はイメージの存在を豊かにするのと同時に、ひとつの出来事や、それが示唆する共通の経験の継承につながっています。ただし、そう「なる」ための実践は容易ではありません。

自らが知りえない遠くの誰かに、どこまでイメージを届けることができるのか。それには、どのような手法がありえるのか。そもそも、イメージを介して他者と何が共有可能なのだろうか。これらは何らかの記録やメディアを介して、かたちのない記憶を伝えようとするときの根源的な問いであり、それを発した瞬間から困難を抱えてしまうような危険な問いでもあるのだと思います。 こうした問いを念頭に置きつつ、日々イメージと記憶にまつわる実践を重ねる、岡村幸宣さん(原爆の図丸木美術館学芸員)と松本篤さん(NPO法人remoメンバー/AHA! 世話人)をゲストにお迎えし、お二人の取り組みや問題意識を共有し、これからの実践の手法の可能性を模索します。

詳細

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

無料

2027年ミュンスターへの旅

ミュンスター彫刻プロジェクト招聘を目指して、まず東京で学び、試みる

1977年に開始したアートイベント「ミュンスター彫刻プロジェクト」は、日本における芸術祭やアートプロジェクトに多くの影響を与えていると言っても過言ではありません。

このプロジェクトでは、居間 theater(パフォーマンスプロジェクト)が、佐藤慎也(建築家)と、来たる2027年の第6回ミュンスター彫刻プロジェクトへの招聘を目指し、美術やパフォーマンスのための場や空間の歴史と変化を辿ります。そして、そのインプットをもとにした試演や実験を、まずはこの東京で行います。

ゲストは、村田真さん(美術ジャーナリスト)、小田原のどかさん(彫刻家/彫刻研究者)、今和泉隆行さん(空想地図作家)。ミュンスターをはじめとするヴェネチア・ビエンナーレやドクメンタといった国際的な芸術祭にかかわる多彩な方々とともに、ミュンスター以前の美術やパフォーマンスの歴史、またミュンスター以後の美術やパフォーマンスの変化を辿ることで、2027年のミュンスターにふさわしいプロジェクトの構造設計を探ります。

詳細

スケジュール

9月14日(金)19:00~22:00
第1回 ミュンスターへの傾向と対策

9月17日(月・祝)15:00~18:00
第2回 ミュンスターについて学ぶ

ゲスト:村田真 (美術ジャーナリスト)

10月21日(日)15:00~18:00
第3回 ぼんやり、もやもやと話す3時間

ゲスト:小田原のどか(彫刻家/彫刻研究者)

11月23日(金・祝)15:00~18:00
第4回 日本における彫刻について学ぶ

12月22日(土)15:00~18:00
第5回 フィールドワーク開始!

1月17日(木)15:00~18:00
第6回 上野・水道橋の彫刻31体を見る

1月19日(土)15:00~18:00
第7回 報告会に向けてのミーティング

1月27日(日)15:00~18:00
第8回 3回のフィールドワークから見えたこと

2月24日(日)
第9回 報告会パフォーマンス仕立てで大団円

進め方

  • 定例ミーティングを月1回程度開催
  • ゲストトークは、ゲストに次のゲストを紹介してもらうかたちで行う予定
  • ミュンスターにつながる情報や手がかりは随時共有し、そのあとの動き方を検討しながら進める
  • 居間 theaterのクリエイションの現場にて、リサーチやフィールドワークを実施
  • スタディの進捗に合わせて、試演や実験の検討をする
  • ROOM302を拠点とし、メンバーはROOM302の開室日に自主活動を行うことができる

会場

ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302 [3331 Arts Chiyoda 3F])

参加費

一般30,000円/学生20,000円

関連サイト

東京プロジェクトスタディウェブサイト

関連レポート

ナビゲーターメッセージ(佐藤慎也)

作品のための場である美術館や劇場に対し、生活の場である街に作品を置くことには、豊かさとともに難しさが存在します。40年以上前の作品がいまだに街に残るミュンスターでは、「10年おき」という長い間隔で開催されることにより、街と作品との関係が十分に考えられているとともに、作品に時代の変化がはっきりと現れています。次のミュンスターを考えるという馬鹿馬鹿しい問題設定は、目の前にある時代や街に対しても、重要なスタディとなることでしょう。

ナビゲーターメッセージ(居間 theater)

企画やプロジェクトをやるとき、居間 theaterはよくリサーチをします。

そのリサーチは基本、まじめと遊びがいっしょくたです。自分たちが面白いと思うことを、ときにまじめに、ときにふざけながら、探求したい。今回のスタディも、そんな心意気で進めていけたらと思います。

目指せ、2027! 行こう、ミュンスター!

スタディマネージャーメッセージ(坂本有理)

2017年のミュンスター訪問をきっかけに、ナビゲーターたちが強く抱いた夢を出発点に、東京でスタディを重ねます。芸術祭やアートプロジェクトが全国的に普及し、まちなかで作品と出会うことが珍しいことではなくなってきたいま、あらためて、まちなかでのプロジェクトをつくることについて考えていきます。

説明会映像

Stories Behind Building Community for Youth Empowerment 高校・大学・NPO の連携による多文化な若者たちの居場所づくり:都立定時制高校・多言語交流部の取り組みから

Betweens Passport Initiative は「移民」(*) の若者たちを異なる文化をつなぐ社会的資源と捉え、アートプロジェクトを通じた若者たちのエンパワメントを目的とするプロジェクトです。移民の若者が多く在籍する都立定時制高校という学びの場に焦点を当て、放課後部活動である多言語交流部 「One World」を通じたコミュニティづくりを行なってきました。

本書は、多言語交流部 「One World」における、高校・大学・NPO の三者連携による定時制高校でのコミュニティづくりを紹介した事例集です。

*本事業では、多様な国籍・文化を内包し生活する外国から来た人々を「移民」と呼んでいます。

もくじ

第1部 はじめに
1. 「移民」の若者のエンパワメント
2. 「移民」の若者を取り巻く現状
3.  多言語交流部 「One World)」を立ち上げた背景

第 2部 三者連携によるコミュニティづくり
1.  大学の役割・実施したこと
2.  NPO の役割・実施したこと

第3部 活動事例
1.  第1期 立ち上げ
2.  第2期 試行期間
3.  第3期 プログラム化・仕組み化

第 4部 終わりにかえて