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レクチャー1「徹底解体!アートプロジェクト」|ナビゲーターメッセージ(佐藤李青)

2018.07.19 レポート

「思考と技術と対話の学校」のレクチャーシリーズ「徹底解体!アートプロジェクト」を7月25日より開講します。アートプロジェクトを表現と、それを支える仕組みや環境という2つの視点を軸に約30年の歩みを振り返ります。シリーズのナビゲーターのひとり、佐藤李青のメッセージをお送りします。ぜひ、ご一読のうえ、みなさまのご参加をお待ちしております。開講が迫って参りましたので、お申込みはどうぞお早めに!
レクチャーシリーズ「徹底解体!アートプロジェクト」


この数年で急激に社会が変容しているように感じています。客観的な事実というよりも肌感覚に近いものです。いまは表現のありようを、その動き方から考えていく必要があるのではないかと思っています。もう少し正確にいえば考えるよりも先に何かをしなければならないのではないかという焦燥感すらあります。人は30代から50代の間で「中年の危機」というものを経験するそうです。最近聞いた言葉ですが、どうやら理由は、それだけでもなさそうです。

たとえば、同時代を生きる遠くの誰かに会いにいくような感覚で、時間を隔てた他者に、その実践に出会い直すことはできるだろうか。過去のことだと線を引くのではなく、同じ実践の地平に立つ試みとして捉えてみる。そうした「先に行われた」実践から立ち上がる風景を後から追うことは、変貌するいまを捉え、これから先をつくるために十分価値のある作業なのだと思っています。方法的な工夫も少し試みるつもりです。

今回のレクチャーシリーズでは「アートプロジェクト」という言葉をよすがに、まずは過去約30年の実践を振り返ります。この言葉に対する問題意識は、もうひとりのナビゲーターの北澤潤さんのメッセージにしっかりと表現されているので、そちらを、ぜひご一読ください。
ナビゲーターメッセージ(北澤潤)

ナビゲーター同士でも徹底的に議論できればと思っています。遠慮はなしです。少し置いてけぼりにしてしまうかもしれません。それでも損はしないと思います。議論に結論は出ないでしょう。それは何らかの実践で取り組むべき回答なのかもしれません。だからこそ、今回のシリーズをきっかけに、これから一緒に何かを始めることのできる方との出会いも楽しみにしています。

追伸:
今回のレクチャーシリーズは学びの「入口」づくりとして、さまざまな参考資料を紹介予定です。手始めに、この数年の拙稿と、北澤さんのインタビュー記事を共有します。

・「芸術祭とアートプロジェクトは、新たな制度となりうるか? ――プロジェクトからインスティテューションへ」『文化政策の現在2 拡張する文化政策』東京大学出版会、2018年。
「はじめに|アートプロジェクトを動かす「ことば」を紡ぐ」(実践編「アートプロジェクト」)ネットTAM、2017年。
・『アートプロジェクトのつくりかたー「つながり」を「つづける」ためのことば』フィルムアート社、2015年。

「北澤潤――日本でのアートプロジェクト 10年の実践から、インドネシア、その先へ」国際交流基金アジアセンター、2018年。

佐藤李青(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)

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