スタディ1「わたしの、あなたの、関わりをほぐす」|ナビゲーターメッセージ(岡村成美)
BACK現在、参加者募集中(7/30[金]18:00申し込み締切)の東京プロジェクトスタディ1「わたしの、あなたの、関わりをほぐす ~共在・共創する新たな思考と身体を拓く~」。
本プログラムのナビゲーター・岡村成美さん(Designer/Director/Costume Designer/Artist)のメッセージをお届けします。
今回は、これからはじまるスタディ1のテーマや取り組みについて、ナビゲーターはどんなことを感じ、考えているのか、スタディマネージャーの嘉原妙が、岡村さんに5つの質問を尋ねました。
1.自己紹介をお願いします。
岡村成美です。デザイナー、ディレクターとして活動しています。2018年に自身のブランド、LOUD AIR(ラウドエアー)を設立。手話を第一言語とし、ファッション、オブジェ、感覚などを制作。様々なジャンルを通して社会実験しています。
2.今回、スタディ1「わたしの、あなたの、関わりをほぐす ―共在・共創する身体と思考を拓く―」では、自分と異なる認識世界、感覚世界を持つ人々と共在・共創するコミュニケーションについて捉え直したり、そのコミュニケーションを促進・拡張していくような新たな方法を探ろうとするスタディですが、岡村さんご自身にとって、「異なる感覚を持つ他者」との向き合い方や、意識されていることはありますか?また、そのときにどんな難しさやハードルを感じたりしますか?
よく観察するようにしているかもしれないです。必ずしも正しい接し方というものは存在しないですが、自分なりの愛のある向き合い方を心がけています。
普段、手話という言語で話すことが多いですが、異なる感覚や世界を見ている人にものすごく興味が湧きます。なのでよく相手を観察しますし、会話します。第3回のワークショップでゲストの藤本さんと2、3日話すことがあったのですが、見えない世界を見ている藤本さんは人の声を形で覚えていると教えてくれて、私は‟角の取れた少し厚みのある四角”だそうです。
嬉しくて帰ってすぐに絵を描きました。自分の知らない視点から自分を見てくれたことに感動したのを覚えています。わたしは、向き合い方の難しさやハードルは感じません。みんな違うのでそれでいいかな、と思います。
3.参加申込でみなさんにもお尋ねしている質問です。身体とコミュニケーション、言葉と感覚、コミュニケーションメディアに関連することで、いま、岡村さんが考えていることを教えてください。
わたしは普段、衣服やオブジェを制作していますが、わたしのつくる服はよく二度と同じ着方ができないとか着物のようだと言われることが多いです。自分で着物を着ることがありますが、洋服とは違う頭と身体の使い方をする気がしていて、わたしの服は完成しても着ることを考える衣服でありたいなと思っています。自分で身体と向き合って着ていく。みんな異なる身体と感覚を持っていることに、展示に来ていただいた方に自由にまずは着てもらうと、こちらが気付けることがたくさんあります。制作に他者とのコミュニケーションは欠かせないです。
わたしは普段一人で運営をしていますが、制作において様々な職人さんにお願いしています。一着にたくさんの人が関わっている、着るときに少しでもそう感じれたら大事な一着になるんじゃないかと信じてつくっています。
4.スタディ1のメインビジュアルについて。はじめてこのビジュアルと見たとき、表裏一体な感じ、メビウスの輪のような不思議な印象を受けました。
今回、スタディ1のメインビジュアルは、同じくナビゲーターの和田夏実さんと一緒に撮影に出かけられたとお聞きしました。そのとき、お二人でどのようなことを話し合いながら撮影されたのですか?お二人の間でどのようにイメージの共有・対話があったのか気になりました。
メビウスの輪、いいですね。このビジュアルは、20SSと20AWのLOUDAIRのコレクションの一部です。どちらも和田さんと一緒にどのような身体の映し方使い方にするか話しながら撮影したものです。和田さんには、モデルさんがどんな表情をするか身体の使い方をするかを、会話の中で導いてもらっています。身体を柔らかくしたり切ない心にしたり。
ファッションのルックは服がよく見える写真が多いですが、LOUDAIRは結ぶ指先や服から見える足などを捉えた写真をよく撮ります。
和田さんとは普段から柔らかいところの会話をしています。美味しそうな夕日、エロい建物、かわいい言葉など。日常のいいなと思うものをクローズアップしていつも私達自身が会話して楽しみながら撮影しています。
5.最後に、本スタディ1の参加者に向けてメッセージをお願いします。
今回はじめてナビゲーターを務めさせていただくことが決まり、とても光栄です。みなさんとお会いして感じたことを、わたしもわたしなりに最後に形にしたいと思っています。様々な感覚を持つゲストをお呼びして、リラックスしたり、考えて考えて紡いだり、自分と向き合ったり。たくさん使って最後にカタチにしましょう。
何事にも興味を持ち、理解しようと努力できる人、目を見て、向き合って会話できる人に参加していただけたら最高なものができるのではないでしょうか。
みなさんとご一緒できることを楽しみにしています。
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