スタディ1「わたしの、あなたの、関わりをほぐす」|ナビゲーターメッセージ(和田夏実)
BACK現在、参加者募集中(7/30[金]18:00申し込み締切)の東京プロジェクトスタディ1「わたしの、あなたの、関わりをほぐす ~共在・共創する新たな思考と身体を拓く~」。
本プログラムのナビゲーター・和田夏実さん(インタープリター)のメッセージをお届けします。
関わりをほぐす
いつ、誰と、どこで、どんなふうに出会うのか。
日々誰かとすれ違い、出会いや協働の中で、その人らしさに触れ、その場でのわたしがうまれ、関係性の糸を編む。そこに関わりの種がうまれたとき、それを紡いでもいいし、種のままで置いておいてもいい。もしかするといつかどこかで、それは思いもよらない形で芽吹き、また紡がれるかもしれない。
スタディ1では、この「関係性の糸の在り方」に着目し、関係性を編んだり紡いだりするときの、身体や感覚や、そのときに何にあなたを記すのか、ということを考えてみたいと思います。
このスタディのナビゲーターであるわたしと岡村さんは、手話という言語をもちいる両親と、音声言語の社会のあいだで、視覚と音、身体と記号のあいだで、ゆらゆら揺れながら世界をつくってきました。日常の中で、伝え方の応用を繰り返していくことで、いろんな発見がありました。
家の2階にいても、別の部屋にいても、身体で話している家族の空気の揺れがうるさいほどに伝わってくること、手で話しているとき、その人自身がもつ記憶が溢れ出て像として視えること、ティッシュや軽い紙、ぬいぐるみを家族の視界に投げて振り向いてくれたときのつながった嬉しさ。
身体や感覚、思考の流れが違う世界で、共に在ろうとするとき、
そこには様々な伝え方の発明がうみだされていきます。
本スタディは、この伝え方の発明を、身体と思考ををほぐして、考えながらつくっていくことを目指しています。そのほぐし方のヒントを一緒に探るために、最初のゲストには信頼してやまない3名の方にお願いしました。手話する思考の身体、恋の解体、身体的境界はどこにあるのか。自分とは異なる身体や思考、言葉や触れること、そのまなざし。いつのまにか暗黙知となってしまっていることを、軽やかに崩して、ほぐすことから、共に在るための発明に取り組めたらと思います。
そして、自分にとってしっくりくるメディアや伝え方の発明を、衣服や造形、石や紙、様々な方法で取り組み、拓いていく場がこのスタディ1です。
あなた自身の身体が何を考え、どう他者と関係を紡ごうとしたのか。
そして想いや思考を届けるためには、どんな方法があるのか。
これから出会う皆さんと、共に揺れながら、新しい景色に出会えますように。
関連記事
- 2022.06.06 レポート
- 2021.11.25 レポート
- 2021.10.20 レポート